キャリア

インドの超都市化に関与するための3つの秘訣

2019年5月30日
  • Pearly Siffel

    Strategy and Geographic Expansion Leader, International, Mercer

  • Raghav Datta

    Mercer Indiaキャリア・ビジネス・プリシプル

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「我々の多くが退職する前に、インドは米国経済を追い越し、世界第2位の市場になる見込みがあります。」

爆発的な人口増加が発生すると、労働人口も増加します。それに伴い、地方自治体、国内企業、多国籍企業には、人口流入に対応するよう、より大きな圧力がかかってきます。労働力のニーズを確実に満たしつつ、組織はどのように急速な都市化の恩恵を利用できるのでしょうか。そして、最良の市場参入戦略とはどのようなものでしょうか。

今日、10人に5人がアジアの都市部に住んでおり、世界の都市人口の54%を占めています1。今後20年間で、10億人以上の人々がアジアの都市部に移動すると予想されています。言い換えると、毎週100万人が新たに到着することになります。近いうちに、世界のメガシティーの60%がアジアに集中することになります。

インドでは、この傾向がさらに加速しており、2億人以上の人々がより良い生活の質とより大きな経済的見通しを求めて、生まれ育った土地から移住しています。インドの都市部は今後数年間で飛躍的に成長し、同国のGDPの大部分が都市からのものになると予想されています。インドの都市部の成長ペースを考えれば、インドにはまもなく新しいメガシティーや何百という新しい都市が生まれることでしょう。

インドに赴けば、この国の膨大な成長が手に取るようにわかり、その活力や活気は刺激的かつ圧倒的です。野外市場や露店からホテルのロビーや会議室の喧騒まで、色、音、味、匂いの饗宴が五感を圧倒します。その中心にいるのがこの国の人々です。

ただ、急激な成長は、新旧問わず、高度にネット接続された「スマート」な都市、さらには新興企業、地元企業、多国籍企業にとって、大きな課題となっています。障害とチャンスをより理解できるよう、マーサーは「ピープルファースト:新興メガシティーにおける成長の促進(People First: Driving Growth in Emerging Megacities)」という広範な研究を行い、新興の成長都市における生活と仕事を調査しました。

この調査は、インドの4つの急成長都市(アーメダバード、チェンナイ、ハイデラバード、コルカタ)を含む、世界15都市の雇用主と労働者の視点を収集したものです。調査結果は、インドの都市化の恩恵を受ける可能性のある人々に、実用的な洞察を提供しています。以下が3つの重要な調査結果および必須事項です。

1.人々が最も大切にしていることを理解する
 

この調査では、人々が都市にどのような期待を寄せているか、および人々が特に重要と考える要素を都市がどの程度提供しているかを検討しました。世界的に見て、労働者の生活の質に対する期待とそのニーズに応える都市のパフォーマンスの間には30ポイントの差がありました。全世界の統計では、生活・就労する都市についての人々の感じ方に影響を及ぼす要因の上位3つは、安全・安心で暴力がないこと(1位)、手頃な価格の住宅(2位)、そして輸送・交通・移動手段(3位)となっています。

インドでの調査結果も驚くほど似ていますが、地域による違いもあります。コルカタの住民は、十分な就業機会がないことが問題であると感じています(25ポイント差)。一方、アーメダバードとチェンナイの人々は、大気汚染や水質汚染への対応が改善されることを望んでおり(それぞれ14ポイント差と19ポイント差)、ハイデラバードでは、給与/ボーナスが最大の課題として浮上しています(10ポイント差)。

人口過剰で資源に制約のある都市部で、都市が住民のニーズをより適切に満たすことができるようにするには、政府と企業が協力して取り組む必要があります。この調査によれば、労働者階級の人々は、都市の体系的な問題に大規模に対処する責任を負うことを、特定のひとつの組織に求めていないことがわかりました。

その代わり、国・連邦政府の支援(62%)や大企業の支援(53%)を受けながら、市や地方自治体と効果的に協力していくこと(77%)を望んでいます。どの組織も、急速に成長中の都市におけるインフラ、人材、または人々のニーズに関する問題を単独で解決することはできません。こうした問題解決は、協力、関心の共有、リソースの共同管理により可能となるもので、また、そのように行われなくてはなりません。

2.仕事の未来に備える
 

都市が自動化や新技術の試験場となることはよくあり、職場は一般的に、そうした動きの影響から一番に恩恵を受ける領域の1つです。インドでは、他のいくつかの世界経済地域に比べて、「コネクティビティ」(相互接続性)が生活様式に溶け込んでおり、デジタルプラットフォームが広く使用されています。各種の推計では、2030年までに買い物の40%以上がデジタル的な影響を大きく受けた形態になるとされています。2インドは、国としての人工知能戦略の構築において世界をリードする国の1つです。ブロックチェーンテクノロジーの採用では最前線を進み、ドローンの使用でも先がけとなっています。

マーサーの調査結果では、被雇用者(45%)と雇用者(52%)の両方が、自動化およびAIによって作業の効率化が進むと考えています。世界全体では、62%の労働者が、今後5〜10年以内にAIが自分の仕事の少なくとも半分を置き換えることができるようになると予想しています。インドでは、自動化はさらに大きな役割を果たすと予測されています。というのも、インドの雇用者の61%、被雇用者の8%が、テクノロジーが自らの仕事の50%以上に取って代わると予想しているからです。このため、今後5年のうちに失職しないと確信する人は5人に1人に留まっています。企業にとってこの結果は、未来の働き方に備えるとともに、将来必要とされるスキルや人材を想定して準備を進めることを求めるメッセージといえるでしょう。

さらに旅は続きます。マーサーの調査によると、現時点では、柔軟な勤務形態(フレックスタイム、在宅勤務など)で働く人々は、インドの未来を支える都市における労働人口の30%に過ぎません。テクノロジーが人間の能力をますます拡大し続ける中、企業は「どこで」作業を行うかのみならず、「どのように」行うかについても計画する必要があります。企業が競争優位性を維持するためには、現在とは異なる人材と新たなスキルを模索し、人間ならではの能力――複雑な問題解決能力、創造力、優れた顧客サービス、異文化間の協力、判断力、共感力など――をこれまで以上に重視する必要があります。

結局、企業は人をテクノロジーの中心に置くことにより利益を得るのであって、その逆ではありません。

3.インド人となり、インド製品を購入し、インド人と提携する
 

国際企業が事業の規模を拡大し、世界的に事業を拡大しようとするなら、インドを見逃してはなりません。2025年までに、インドの世帯数は3倍になり、その80%が中流階級の家族で構成されるようになります。そして、中流階級の拡大に伴って、生活の質の向上に対する需要が高まっています。生活必需品から贅沢品、あらゆる形態のサービス、住居・教育・ヘルスケアの改善、交通手段の安定性向上、さらには安全性に至るまで、さまざまなものが求められています。

世界の優良企業はインドに進出する際に、十分な情報に基づく適切な戦略を考案する必要があるでしょう。一部の企業にとっては、最良の形で参入できる方法は、文化的規範、規制環境や商習慣への対応方法について深い知識と専門性を備えた地元企業と提携することかもしれません。

また、事業拡大は、インドを安価な労働力を得る場所としてでなく、購買力をますます高めつつある才能豊かな教養のある人々が存在する貴重な場所ととらえる、考え方の転換にもつながります。ただしその場合、従来型の働き方を手放し、代わりに現地のパートナーシップ、慣習、リーダーシップを取り入れることになるでしょう。

根気強く執拗に持続可能な成長を追求すれば、長期的な価値を推進できるでしょう。最後に、我々の多くが退職する前に、インドが米国経済を追い越し、世界第2位の市場になる可能性が高いことを念頭に置いておくと、皆に利益がもたらされるでしょう。3

時間同様、成長は待ってはくれません。インドの急速に拡大する都市は、うまくいけば、収益性のある成長を遂げる可能性があります。重要なのは、誰にとっても、利益を得るとは人々を最優先にすること(ピープルファースト)であるという点です。

企業や自治体がどのように市民に対する戦略を加速し、営業的利益を実現できるのか、さらなる洞察と実用的なアドバイスにアクセスするには、「ピープルファースト:新興メガシティーにおける成長の促進(People First: Driving Growth in Emerging Megacities)」をダウンロードしてください。

出典:

1U.N. Economic and Social Council, "Urbanization and sustainable development in Asia and the Pacific: linkages and policy implications," March 7, 2017, https://www.unescap.org/commission/73/document/E73_16E.pdf.
2
Ojha, Nikhil and Zara, Ingilizian, "How India Will Consume in 2030: 10 Mega Trends," World Economic Forum, January 7, 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/01/10-mega-trends-for-india-in-2030-the-future-of-consumption-in-one-of-the-fastest-growing-consumer-markets.
3
Wang, Brian, "World GDP Forecasts for 2030," Next Big Future, January 14, 2019, https://www.nextbigfuture.com/2019/01/world-gdp-forecasts-for-2030.html.

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Michael Braun | 14 11 2019

Part I では、海外プロジェクトのアサインメントに関連する 6 つの課題について概説しました。管理面で生じる課題の概要を考察する前に、Part IIでは企業とグローバルモビリティマネージャーの責務の1つである監督責任を取り上げます。 課題 7: 監督責任 企業には従業員の安全、保健、福利厚生を海外でも保証する義務があります。プロジェクト担当者を海外に派遣する場合、特に困難を伴う国に異動させる場合は、地域の適切な情報、安全に関する説明、セキュリティ訓練、健康保険を提供する必要があります。 モビリティマネージャーは、このような医療および警備プログラムに加入する際、同時に相乗効果を考慮することが求められます。たとえば、ビジネス旅行者と一定期間 (通常 90 日)に満たない海外派遣者の両方に旅行保険を提供することも選択肢の1つです。さらに、残りの派遣員はグループ保険としてカバーされるためコスト効率の高い保険を活用することができます。また、中心となる医療保険のサービスに加え、多くの会社では警備および支援プログラムの特典が提供されています。 通常、警備プロバイダーにより医療サービス以上のサービスが提供されることはあまり知られていません。多くの場合は特定の場所の安全に関する情報が追跡機能とともに、また関連する最新情報も提供されます。一部のプロバイダーからは、避難する必要がある場合に実践的なサポートを受けられます。 従業員の保護 従業員のグローバルなビジネスライフにおけるモビリティは、多くの点で「ボーダーレス」化しています。この事態の進展を視野に入れ、保険の形態も絶えず変化し拡大しています。たとえば、プロジェクト数が増加している業界によって波がある場合、保険の加入という点では特に問題が生じます。 派遣期間、母国、求められる保障の範囲は保険の選択において大きく影響します。以下、海外プロジェクトのアサインメントやその他の海外異動で利用できる医療、障害、および死亡補償オプションについて掘り下げます。 医療保障 長期派遣者向けの出張支援と国際民間医療保険/国外居住者健康保険に焦点を当て、複雑さを最小限に抑えています。 出張支援 出張支援を提供する国際的な保険会社は、既存のグローバルネットワークを活用して、グローバルな補償という課題を克服しています。従来の旅行医療保険と比較しても出張旅行支援には多くのメリットがあります。たとえば、雇用主は保障期間として旅行日数を最大 1 年間に延長し、次のような手当を大幅に増やすことができます。 ·     事故の場合、本人または遺族に一定額が支払われます。これは直接費用となる、会社の傷害保険に代わる緊急援助とみなされます。傷害保険ではより多くの給付金が得られますが、審査プロセスが長期化するためです。 ·     一部の国では、ビザを取得するための必須要件として賠償責任保険に加入する必要があります。 ·     荷物紛失/旅行遅延に対する補償は旅行者向けの追加の特典です。これらの補償が保険でカバーされている場合、保険会社に直接請求できるため、会社の事務作業が軽減されます。 追加の特典については、ビジネス旅行者や海外プロジェクトにアサインされた社員の独自のニーズに合わせて調整されます。ただし、出張支援の主な部分とリスクプレミアムは、一部の支援サービスを除き医療上の緊急事態の対処に限られています。既存の支援契約の内容は出張旅行支援と調和させ、明確に伝える必要があります。事務手続きを効果的に軽減するために、プロセス、払い戻し手順、コスト管理、および償還請求の回収について明確に定義する必要があります。 出張支援の範囲内での給付金の支払いは、いわゆる「予測不能」な事象に対するものです。既往症や常用薬の払い戻しについては除外されます。このようなグループプランでは、個別の登録は不要です。海外プロジェクト派遣では珍しいことですが、同伴する家族も出張支援を受けることができます。 長期プロジェクトのアサインメントに適した医療保険 長期の海外プロジェクトのアサインメントが計画されている場合、またはさまざまな理由から保険の対象範囲を改善する必要がある場合は、既存の国外居住者向け健康保険を活用するか個別の保険加入が推奨されます。特に困難な状況にある国のプロジェクトに携わらなければならない場合、会社の信頼には安全のための予防策、健全性、誠実さが問われます。また、海外事業をカバーする専門的なグローバル保険プロバイダーも活用できます。国外居住者向けの確固とした健康保険制度があれば、そのメリットを総合グローバル医療保険のメリットと比較できます。 本稿で取り上げた基準は、必要とされる保障対象期間で最適な保険商品とプロバイダーを選択する際に是非お役立てください。そして、海外異動または海外プロジェクトのアサインメントにおける補償対象範囲は、会社のポリシーガイドラインで概説されていることが理想的です。 障害および死亡保障 医療保険は多くの企業の海外派遣員にとって非常に重要です。同時に、障害および死亡補償についても考慮する必要があります。 自国の社会保障制度で保障されない従業員には、障害または死亡に関する補償にギャップが生じるリスクがあります。具体的には、恒久的な障害が発生した場合に本人、また死亡した場合には家族に対して長期的に十分な収入を確保できなくなります。母国の補完的な制度も同時に打ち切られた場合、潜在的なギャップはさらに大きくなります。 従業員が派遣先国の社会保障制度に加入している場合でも、これらの制度では多くの場合、死亡および障害補償について待機期間が存在することにも注意しなくてはなりません。欧州協定などにより、このような待機期間が存在しない場合でも、給付金レベルは母国のものとは大きく異なる可能性があります。企業は現地の制度または補完的なグローバルなリスク保険のいずれかを通じて、ギャップを特定し解消する必要があります。 ギャップはいわゆる「グローバルノマド」にも存在します。これら派遣従業員は、多数の連続性のあるアサインメントに携わります。グローバルノマドは最悪の場合、断片的な給付という事態に直面します。特に母国の制度に登録されていない、あるいは受給資格を満たしていないことから、国家の社会保険制度や補完的な年金制度のギャップが存在することになります。さらには、これらの従業員は通常、複数の国から送金して積み立てできる柔軟な個人年金制度がないため、適切な確定拠出年金制度も利用できていません。 グローバルノマドに該当する従業員数が多い企業は、このギャップを埋めるためにオフショア国際年金制度を利用することができます。過去 10 年間でマーケットが大幅に発展したため、少数の派遣スタッフについても効率的な商品が用意されており、必要とされる管理も限定されます。 まとめ 今はモビリティのエキスパートにとって要求も厳しく挑戦の多い時代です。海外プロジェクトのアサインメント数は増加しており特別な手配が必要です。ただし、エキスパートとしての専門スキルを活かす絶好の機会でもあります。 すべてを簡素化するために、まず何が手元にあるのか考えます。一部のソリューションは、海外に異動する従業員も既に利用できるようになっており、海外プロジェクトのアサインメントにも活用できるかもしれません。 モビリティマネージャーは、主に新たな作業負荷により引き起こされる困難を軽減するため、適切な海外プロジェクトのアサインメントのソリューションを探求し導入することに注力する必要があります。グローバルモビリティに万能薬は無いとしても、理想に近い ソリューションへと調整する多くのオプションがあります。 詳細はこちらからマーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

Didintle Kwape | 14 11 2019

アフリカ大陸で多国籍企業の事業拡大を支えるのは、貴重な資産の1つである若手社員です。 アフリカでは記録的な数のティーンエイジャーや若年層が失業している、または十分な仕事に就いていません。しかし彼らは機会さえあれば率先して働く意欲を持っています。南アフリカだけでも、今年度の失業率は 30% を超えると予想されており、15~24 歳の層が失業者の 3 分の 2 を占めています。1 人材プールの最大活用 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は 2019 年 6 月、「若者の失業が国家的な危機となっている現状について大変懸念している」と語りました。2 現在、アフリカ大陸の各国では、多国籍企業と地元の中小企業双方で若者の雇用が円滑に進むよう労働法を改正し、形式的な手続きを簡略化しています。さらに非営利組織と協力し、若者の才能や必要な労働スキルを育成しています。 国際労働機関 (ILO) とアフリカ開発銀行、アフリカ連合委員会、国連アフリカ経済委員会 (UNECA)のパートナーシップに見られるように、これら取り組みを支援するため各種団体が連携しています。地域および国全体で一体となり若者の雇用という課題を解決すべく取り組んでいます。ILO は、若者が就労に十分に備えられるよう、就労サービス、スキル開発、労働市場訓練を提供し、恵まれない若者のために技術や職業に関する教育、実習、職業紹介サービスの充実に尽力しています。3 6 月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、マスターカード財団、ケニア政府と民間部門の間で若手社員のための官民パートナーシップ Young Africa Works プログラムを開始しました。このプログラムでは 5 年以内に、500 万人の若いケニア人を訓練し「尊厳とやりがいのある仕事」に就かせることを目指しています。 4 マスターカード財団はケニアの銀行 2 行 (Equity Bank と Kenya Commercial Bank、およびその各財団) とともに、約 10 億ドルの資本、事業開発サービス、およびプログラムの市場連携を提供します。目的は若手社員のための仕事を創出することであり、これは 20 万を超える個人企業、中小企業が生産性を強化し、持続可能性や創意工夫を高めるのに役立ちます。4 「国際的にビジネスを展開するホテルはアフリカ大陸の新興市場へ進出する際、若者のスキル開発を育む業界の1つとなっている」とヒルトンのアフリカおよびインド洋業務担当副社長のヤン・ヴァン・デル・プッテンは言います。5ヒルトンはモロッコ、ケニア、ザンビア、ボツワナなどアフリカ全域に 46 軒のホテルをオープンし、今後 5 年以内の倍増を計画しています。観光とホスピタリティ事業の拡大は、社会経済的な成長を促進するだけでなく、意義のある雇用機会を創出します。アフリカの若い労働者の成功を支援する、そのような環境を作り出すことは極めて重要です。 現代の若者を訓練する 基本的な労働スキルに加え、新興デジタル経済の若手社員はデジタル技術を使いこなすこと、創造的な思考力や問題解決能力、互いに協力し共感する順応性など、幅広いスキルを習得することも求められています。6 ウィットウォーターズランド大学のマンデラ・ローズ・スカラーのシンバラシェ・モヨ氏は言います。「ルワンダやケニアのような国々はすでに、デジタル経済と未来の仕事に若者を備えさせる上で進歩を遂げている。しかし他アフリカ諸国では、スキル格差と不十分なデジタルインフラに対し意義のある行動がまだ見られていない」7 モヨ氏は、アフリカ諸国は未来の仕事に若者を備えさせる必要性があると助言しています。まず、ニーズに応える教育システムを構築し適切なスキルと責任感を身に付けさせることです。また、全国的にデジタルインフラを展開し国家間における相互接続の向上も欠かせません。さらに、拡大するデジタル経済の中で利害関係者を継続的に監視するには、適切な規制政策の策定が求められます。最後に、大がかりなデジタル技術の訓練プログラムをサポートするには、官民協力を最適化すしなければなりません。 「政府、国際開発金融機関、民間部門が協力することにより、アフリカの若者のスキルアップを促進する革新的な金融モデルを創出する余地が生まれます」 とモヨ氏は記しています。「これにより、特にアフリカ諸国でデジタルインフラを構築する際に、労力が重複して不平等が引き起こされる状況を減らすことができます。多くの若いアフリカ人が訓練プログラムに参加しデジタルインフラにアクセスできるようにする、そのカギは官民連携が握っているといえます」 新たな労働力を訓練する 企業はアフリカの若者の間で急速に普及している携帯電話を活用し、モバイルアプリ経由でトレーニングや開発プログラムを提供することもできるでしょう。マーサーの2019年グローバル人材動向調査レポートによると、南アフリカの労働者は職場で成功する方法に新しいスキルやテクノロジーを学ぶ機会を一番に挙げる他国の考えに同調しています。 調査では、労働者が自習を好んでいることも明らかになりました。企業は情報源として、まとめられたノウハウや専門家にアクセスできるようプラットフォームを与えることが望まれています。企業が主催するトレーニングと従業員が自分で行うトレーニングを組み合わせ、何をどう学ぶかを学習者にゆだねながら組織の目標に貢献するスキル開発を行うことができます。 マーサーの調査では、99% の企業が未来の仕事に備えて行動を起こしています。具体的には、現状と必要とされるスキルの供給ギャップを識別し、将来にフォーカスした人事戦略を立案し、新しいテクノロジーやビジネス目標に合わせたスキル要件に適応させようとしています。アフリカでの事業拡大に関心を持つ多国籍企業にとって、これらのステップで若年労働者のスキルアップや訓練、支援を行うことは極めて重要となります。 多国籍企業は、アフリカの若手社員が何を必要としているかを理解し、人を中心とした戦略を開発し統合することによって、アフリカの労働力開発の最前線に立つことができます。これにより、利害関係者の今日のニーズに応えつつ、明日のための労働力の拡大、改善、育成を実現することができます。見渡す限り意欲のある労働者がいるアフリカ大陸の完全なる再発見により、長期的な利益がもたらされることでしょう。 出典: 1.     "Africa's Youth Unemployment Rate to Exceed 30% in 2019: ILO," 7Dnews, 4 Apr. 2019, https://7dnews.com/news/africa-s-youth-unemployment-rate-to-exceed-30-in-2019-ilo. 2.     D, Sourav. "Youth unemployment a 'national crisis' in South Africa, says Ramaphosa," Financial World, 18 Jun. 2019,https://www.financial-world.org/news/news/economy/2276/youth-unemployment-a-national-crisis-in-south-africa-says-ramaphosa/. 3.     "Youth Employment in Africa." International Labour Organization, https://www.ilo.org/africa/areas-of-work/youth-employment/lang--en/index.htm. 4.     Mbewa, David O. "President Kenyatta launches program to tackle Kenya's youth unemployment," CGTN, 20 Jun. 2019, https://africa.cgtn.com/2019/06/20/president-kenyatta-launches-program-to-tackle-kenyas-youth-unemployment/. 5.     "Exclusive: An interview with Hilton's Jan van der Putten on expansion in Africa," Africa Outlook Magazine,7 Apr. 2019, https://www.africaoutlookmag.com/news/exclusive-an-interview-with-hiltons-jan-van-der-putten-on-expansion-in-africa. 6.     "World Development Report 2019: The Changing Nature of Work," The World Bank Group, 2019, https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2019. 7.     Moyo, Simbarashe. "4 ways Africa can prepare its youth for the digital economy," World Economic Forum, 29 May 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/05/4-ways-africa-can-prepare-its-young-people-for-the-digital-economy/.

Juliane Gruethner | 31 10 2019

海外プロジェクトのアサインメントは、グローバルモビリティ (国際間人事異動)マネジメントのホットトピックの 1 つです。2018 年の 駐在員マネジメント会議 (Expatriate Management Conference) に関する投票では、ますます多くの組織で、モビリティ部門が海外プロジェクトのアサインメントの管理に責任を持つようになっていることが明らかになりました。回答者の 90% 近くは海外プロジェクトのアサインメントと認識しており、80% は管理を担当していると回答しています。 では、新たな課題としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。 課題 1: 用語の共通理解 海外プロジェクトのアサインメント(International Project Assignment) に一般的な定義は存在しないようです。マーサーの調査では、回答企業の約 40% は、海外プロジェクトのアサインメントの期間は関係なく単に割り当てが国際的なものと定義し、一方60% は期間を指定していました。また一部の組織では、クライアントと外部・内部におけるプロジェクトの割り当ても区別しています。 明確な定義がない上に、ほとんどの企業 (73%) にはまだ海外プロジェクトのアサインメントに正式なポリシーや規程がありません。存在したとしても、多くの場合が従来の長期または短期の割り当ての規程と重複しています。いま会社に問われているのは、海外プロジェクトへの取り組み方に関わらず、海外異動する従業員の人事について、一貫した処理と公正な待遇を可能にする用語の正確な定義付けをしているか、そして、対応するガイドラインが用意されているかどうかです。 本稿では、海外プロジェクトのアサインメントを海外クライアントのプロジェクトへの割り当て、組織内部における海外プロジェクトへのアサインメントは海外異動と定義しています。 課題 2: 公正かつ平等な待遇 海外プロジェクトのアサインメントについては個別に報酬パッケージが決定され、従来の海外異動の報酬とは異なります。一部の従業員は、プロジェクトの仕事のために特別、または専属で雇用されている可能性もあります。その他の従業員は短期、長期派遣または通勤パッケージに基づき、海外プロジェクトに割り当てられます。 派遣元の国やプロジェクトのアサインメントが母国でどのように定義されているかによって、派遣員の間で報酬レベルが異なる可能性も生じます。ターゲットグループとアサインメントのタイプを区別する明確な社内規程を設けることにより、モビリティプログラムの透明性が高まり最終的には従業員に受け入れられていくことになります。 課題 3: 投資利益率の判別 マーサーの 2017 年Worldwide Survey of International Assignment Policies and Practices (海外派遣規程および福利厚生制度調査) では、大多数が海外異動にはビジネスケースが必要(62%)、対応費用の見積もりを準備している (96%) と回答しています。しかし、予算に対して実績を管理しているのは 43% に過ぎず、海外異動の投資収益率 (ROI) として定量化して定義していたのはわずか 2%でした。多くの場合、中長期的な視点で実施されるため、純粋な経済指標では表しにくいのが現状です。ただし、駐在員の昇進率や定着率の向上によって成功したケースの管理は可能です。 対照的に、海外プロジェクトのアサインメントの ROI は測定が容易で、実際原価を元の見積額やクライアントが支払った金額と比較することができます。この透明性によりコスト圧力が高まり、競争力のある価格でプロジェクトを実施できるよう、既存の社内規則や規程の運用にはより高い柔軟性が求められます。 結論として、短期的なビジネス価値 (利益を残しつつプロジェクトを受注し実施すること) と海外異動の中長期的な価値 (派遣先でスタッフのスキルギャップを埋めたり、能力開発を行ったりする等) のバランスは入念に検討する必要がありますが、これは海外異動のポリシーを完全にセグメント化することで達成できます。 課題 4: 海外プロジェクトのアサインメント管理件数が多い 業界によっては、組織内の海外プロジェクトのアサインメント数が極めて多くなる可能性もあります。会議投票の回答者の一人によると、年間約 23,000 件の海外プロジェクトのアサインメントを処理しているそうです。したがって、モビリティ部門で海外プロジェクトにおける割り当ての責任を引き継ぐ場合、必要なリソースを増やすか再配分しなくてはなりません。 また、サービス提供モデルと各手順を確認・調整して、海外プロジェクトの効率と効果性を高める必要があります。適切なテクノロジーの活用でプロセスを合理化すれば、多数の海外プロジェクトのアサインメント管理がしやすくなります。 課題 5: 未知の場所に派遣しなければならない 海外プロジェクトのアサインメントは、会社の通常の派遣先だけでなく、新しいクライアントサイトでも実施されるため、会社はリソースやその場所に関する知識を持ち合わせていない場合もあります。 必要な情報を取得したり、出入国管理や給与計算等のサービスを実行したりするためには、クライアントのリソースまたは外部ベンダーの活用が有効です。さらに、生活環境として困難な地域に従業員を派遣するケースでは、安全とセキュリティも考慮しなければなりません。 課題 6: コンプライアンスの問題 海外プロジェクトのアサインメントでは、急な決定事項や変更があるため、モビリティ部門は多くの場合、従来の海外異動よりも短期間で結果を出すように求められます。ただし、コンプライアンスは他の海外異動と同様に複雑であり、個別に評価する必要があります。これは、外部および内部のコンプライアンスの問題にも当てはまります。 多くのモビリティマネージャーは、コンプライアンス対応を最重要業務の 1 つと見ていますが、それは氷山の一角に過ぎないことが観察されており、記事の最初の部分で掲載されている課題のリストですべてが網羅されているわけではありません。この記事のパート II  では、企業の監督責任と考えられる解決策について引き続き検討しています。 詳細はこちら、マーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

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Didintle Kwape | 14 11 2019

アフリカ大陸で多国籍企業の事業拡大を支えるのは、貴重な資産の1つである若手社員です。 アフリカでは記録的な数のティーンエイジャーや若年層が失業している、または十分な仕事に就いていません。しかし彼らは機会さえあれば率先して働く意欲を持っています。南アフリカだけでも、今年度の失業率は 30% を超えると予想されており、15~24 歳の層が失業者の 3 分の 2 を占めています。1 人材プールの最大活用 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は 2019 年 6 月、「若者の失業が国家的な危機となっている現状について大変懸念している」と語りました。2 現在、アフリカ大陸の各国では、多国籍企業と地元の中小企業双方で若者の雇用が円滑に進むよう労働法を改正し、形式的な手続きを簡略化しています。さらに非営利組織と協力し、若者の才能や必要な労働スキルを育成しています。 国際労働機関 (ILO) とアフリカ開発銀行、アフリカ連合委員会、国連アフリカ経済委員会 (UNECA)のパートナーシップに見られるように、これら取り組みを支援するため各種団体が連携しています。地域および国全体で一体となり若者の雇用という課題を解決すべく取り組んでいます。ILO は、若者が就労に十分に備えられるよう、就労サービス、スキル開発、労働市場訓練を提供し、恵まれない若者のために技術や職業に関する教育、実習、職業紹介サービスの充実に尽力しています。3 6 月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、マスターカード財団、ケニア政府と民間部門の間で若手社員のための官民パートナーシップ Young Africa Works プログラムを開始しました。このプログラムでは 5 年以内に、500 万人の若いケニア人を訓練し「尊厳とやりがいのある仕事」に就かせることを目指しています。 4 マスターカード財団はケニアの銀行 2 行 (Equity Bank と Kenya Commercial Bank、およびその各財団) とともに、約 10 億ドルの資本、事業開発サービス、およびプログラムの市場連携を提供します。目的は若手社員のための仕事を創出することであり、これは 20 万を超える個人企業、中小企業が生産性を強化し、持続可能性や創意工夫を高めるのに役立ちます。4 「国際的にビジネスを展開するホテルはアフリカ大陸の新興市場へ進出する際、若者のスキル開発を育む業界の1つとなっている」とヒルトンのアフリカおよびインド洋業務担当副社長のヤン・ヴァン・デル・プッテンは言います。5ヒルトンはモロッコ、ケニア、ザンビア、ボツワナなどアフリカ全域に 46 軒のホテルをオープンし、今後 5 年以内の倍増を計画しています。観光とホスピタリティ事業の拡大は、社会経済的な成長を促進するだけでなく、意義のある雇用機会を創出します。アフリカの若い労働者の成功を支援する、そのような環境を作り出すことは極めて重要です。 現代の若者を訓練する 基本的な労働スキルに加え、新興デジタル経済の若手社員はデジタル技術を使いこなすこと、創造的な思考力や問題解決能力、互いに協力し共感する順応性など、幅広いスキルを習得することも求められています。6 ウィットウォーターズランド大学のマンデラ・ローズ・スカラーのシンバラシェ・モヨ氏は言います。「ルワンダやケニアのような国々はすでに、デジタル経済と未来の仕事に若者を備えさせる上で進歩を遂げている。しかし他アフリカ諸国では、スキル格差と不十分なデジタルインフラに対し意義のある行動がまだ見られていない」7 モヨ氏は、アフリカ諸国は未来の仕事に若者を備えさせる必要性があると助言しています。まず、ニーズに応える教育システムを構築し適切なスキルと責任感を身に付けさせることです。また、全国的にデジタルインフラを展開し国家間における相互接続の向上も欠かせません。さらに、拡大するデジタル経済の中で利害関係者を継続的に監視するには、適切な規制政策の策定が求められます。最後に、大がかりなデジタル技術の訓練プログラムをサポートするには、官民協力を最適化すしなければなりません。 「政府、国際開発金融機関、民間部門が協力することにより、アフリカの若者のスキルアップを促進する革新的な金融モデルを創出する余地が生まれます」 とモヨ氏は記しています。「これにより、特にアフリカ諸国でデジタルインフラを構築する際に、労力が重複して不平等が引き起こされる状況を減らすことができます。多くの若いアフリカ人が訓練プログラムに参加しデジタルインフラにアクセスできるようにする、そのカギは官民連携が握っているといえます」 新たな労働力を訓練する 企業はアフリカの若者の間で急速に普及している携帯電話を活用し、モバイルアプリ経由でトレーニングや開発プログラムを提供することもできるでしょう。マーサーの2019年グローバル人材動向調査レポートによると、南アフリカの労働者は職場で成功する方法に新しいスキルやテクノロジーを学ぶ機会を一番に挙げる他国の考えに同調しています。 調査では、労働者が自習を好んでいることも明らかになりました。企業は情報源として、まとめられたノウハウや専門家にアクセスできるようプラットフォームを与えることが望まれています。企業が主催するトレーニングと従業員が自分で行うトレーニングを組み合わせ、何をどう学ぶかを学習者にゆだねながら組織の目標に貢献するスキル開発を行うことができます。 マーサーの調査では、99% の企業が未来の仕事に備えて行動を起こしています。具体的には、現状と必要とされるスキルの供給ギャップを識別し、将来にフォーカスした人事戦略を立案し、新しいテクノロジーやビジネス目標に合わせたスキル要件に適応させようとしています。アフリカでの事業拡大に関心を持つ多国籍企業にとって、これらのステップで若年労働者のスキルアップや訓練、支援を行うことは極めて重要となります。 多国籍企業は、アフリカの若手社員が何を必要としているかを理解し、人を中心とした戦略を開発し統合することによって、アフリカの労働力開発の最前線に立つことができます。これにより、利害関係者の今日のニーズに応えつつ、明日のための労働力の拡大、改善、育成を実現することができます。見渡す限り意欲のある労働者がいるアフリカ大陸の完全なる再発見により、長期的な利益がもたらされることでしょう。 出典: 1.     "Africa's Youth Unemployment Rate to Exceed 30% in 2019: ILO," 7Dnews, 4 Apr. 2019, https://7dnews.com/news/africa-s-youth-unemployment-rate-to-exceed-30-in-2019-ilo. 2.     D, Sourav. "Youth unemployment a 'national crisis' in South Africa, says Ramaphosa," Financial World, 18 Jun. 2019,https://www.financial-world.org/news/news/economy/2276/youth-unemployment-a-national-crisis-in-south-africa-says-ramaphosa/. 3.     "Youth Employment in Africa." International Labour Organization, https://www.ilo.org/africa/areas-of-work/youth-employment/lang--en/index.htm. 4.     Mbewa, David O. "President Kenyatta launches program to tackle Kenya's youth unemployment," CGTN, 20 Jun. 2019, https://africa.cgtn.com/2019/06/20/president-kenyatta-launches-program-to-tackle-kenyas-youth-unemployment/. 5.     "Exclusive: An interview with Hilton's Jan van der Putten on expansion in Africa," Africa Outlook Magazine,7 Apr. 2019, https://www.africaoutlookmag.com/news/exclusive-an-interview-with-hiltons-jan-van-der-putten-on-expansion-in-africa. 6.     "World Development Report 2019: The Changing Nature of Work," The World Bank Group, 2019, https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2019. 7.     Moyo, Simbarashe. "4 ways Africa can prepare its youth for the digital economy," World Economic Forum, 29 May 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/05/4-ways-africa-can-prepare-its-young-people-for-the-digital-economy/.

Michael Braun | 14 11 2019

Part I では、海外プロジェクトのアサインメントに関連する 6 つの課題について概説しました。管理面で生じる課題の概要を考察する前に、Part IIでは企業とグローバルモビリティマネージャーの責務の1つである監督責任を取り上げます。 課題 7: 監督責任 企業には従業員の安全、保健、福利厚生を海外でも保証する義務があります。プロジェクト担当者を海外に派遣する場合、特に困難を伴う国に異動させる場合は、地域の適切な情報、安全に関する説明、セキュリティ訓練、健康保険を提供する必要があります。 モビリティマネージャーは、このような医療および警備プログラムに加入する際、同時に相乗効果を考慮することが求められます。たとえば、ビジネス旅行者と一定期間 (通常 90 日)に満たない海外派遣者の両方に旅行保険を提供することも選択肢の1つです。さらに、残りの派遣員はグループ保険としてカバーされるためコスト効率の高い保険を活用することができます。また、中心となる医療保険のサービスに加え、多くの会社では警備および支援プログラムの特典が提供されています。 通常、警備プロバイダーにより医療サービス以上のサービスが提供されることはあまり知られていません。多くの場合は特定の場所の安全に関する情報が追跡機能とともに、また関連する最新情報も提供されます。一部のプロバイダーからは、避難する必要がある場合に実践的なサポートを受けられます。 従業員の保護 従業員のグローバルなビジネスライフにおけるモビリティは、多くの点で「ボーダーレス」化しています。この事態の進展を視野に入れ、保険の形態も絶えず変化し拡大しています。たとえば、プロジェクト数が増加している業界によって波がある場合、保険の加入という点では特に問題が生じます。 派遣期間、母国、求められる保障の範囲は保険の選択において大きく影響します。以下、海外プロジェクトのアサインメントやその他の海外異動で利用できる医療、障害、および死亡補償オプションについて掘り下げます。 医療保障 長期派遣者向けの出張支援と国際民間医療保険/国外居住者健康保険に焦点を当て、複雑さを最小限に抑えています。 出張支援 出張支援を提供する国際的な保険会社は、既存のグローバルネットワークを活用して、グローバルな補償という課題を克服しています。従来の旅行医療保険と比較しても出張旅行支援には多くのメリットがあります。たとえば、雇用主は保障期間として旅行日数を最大 1 年間に延長し、次のような手当を大幅に増やすことができます。 ·     事故の場合、本人または遺族に一定額が支払われます。これは直接費用となる、会社の傷害保険に代わる緊急援助とみなされます。傷害保険ではより多くの給付金が得られますが、審査プロセスが長期化するためです。 ·     一部の国では、ビザを取得するための必須要件として賠償責任保険に加入する必要があります。 ·     荷物紛失/旅行遅延に対する補償は旅行者向けの追加の特典です。これらの補償が保険でカバーされている場合、保険会社に直接請求できるため、会社の事務作業が軽減されます。 追加の特典については、ビジネス旅行者や海外プロジェクトにアサインされた社員の独自のニーズに合わせて調整されます。ただし、出張支援の主な部分とリスクプレミアムは、一部の支援サービスを除き医療上の緊急事態の対処に限られています。既存の支援契約の内容は出張旅行支援と調和させ、明確に伝える必要があります。事務手続きを効果的に軽減するために、プロセス、払い戻し手順、コスト管理、および償還請求の回収について明確に定義する必要があります。 出張支援の範囲内での給付金の支払いは、いわゆる「予測不能」な事象に対するものです。既往症や常用薬の払い戻しについては除外されます。このようなグループプランでは、個別の登録は不要です。海外プロジェクト派遣では珍しいことですが、同伴する家族も出張支援を受けることができます。 長期プロジェクトのアサインメントに適した医療保険 長期の海外プロジェクトのアサインメントが計画されている場合、またはさまざまな理由から保険の対象範囲を改善する必要がある場合は、既存の国外居住者向け健康保険を活用するか個別の保険加入が推奨されます。特に困難な状況にある国のプロジェクトに携わらなければならない場合、会社の信頼には安全のための予防策、健全性、誠実さが問われます。また、海外事業をカバーする専門的なグローバル保険プロバイダーも活用できます。国外居住者向けの確固とした健康保険制度があれば、そのメリットを総合グローバル医療保険のメリットと比較できます。 本稿で取り上げた基準は、必要とされる保障対象期間で最適な保険商品とプロバイダーを選択する際に是非お役立てください。そして、海外異動または海外プロジェクトのアサインメントにおける補償対象範囲は、会社のポリシーガイドラインで概説されていることが理想的です。 障害および死亡保障 医療保険は多くの企業の海外派遣員にとって非常に重要です。同時に、障害および死亡補償についても考慮する必要があります。 自国の社会保障制度で保障されない従業員には、障害または死亡に関する補償にギャップが生じるリスクがあります。具体的には、恒久的な障害が発生した場合に本人、また死亡した場合には家族に対して長期的に十分な収入を確保できなくなります。母国の補完的な制度も同時に打ち切られた場合、潜在的なギャップはさらに大きくなります。 従業員が派遣先国の社会保障制度に加入している場合でも、これらの制度では多くの場合、死亡および障害補償について待機期間が存在することにも注意しなくてはなりません。欧州協定などにより、このような待機期間が存在しない場合でも、給付金レベルは母国のものとは大きく異なる可能性があります。企業は現地の制度または補完的なグローバルなリスク保険のいずれかを通じて、ギャップを特定し解消する必要があります。 ギャップはいわゆる「グローバルノマド」にも存在します。これら派遣従業員は、多数の連続性のあるアサインメントに携わります。グローバルノマドは最悪の場合、断片的な給付という事態に直面します。特に母国の制度に登録されていない、あるいは受給資格を満たしていないことから、国家の社会保険制度や補完的な年金制度のギャップが存在することになります。さらには、これらの従業員は通常、複数の国から送金して積み立てできる柔軟な個人年金制度がないため、適切な確定拠出年金制度も利用できていません。 グローバルノマドに該当する従業員数が多い企業は、このギャップを埋めるためにオフショア国際年金制度を利用することができます。過去 10 年間でマーケットが大幅に発展したため、少数の派遣スタッフについても効率的な商品が用意されており、必要とされる管理も限定されます。 まとめ 今はモビリティのエキスパートにとって要求も厳しく挑戦の多い時代です。海外プロジェクトのアサインメント数は増加しており特別な手配が必要です。ただし、エキスパートとしての専門スキルを活かす絶好の機会でもあります。 すべてを簡素化するために、まず何が手元にあるのか考えます。一部のソリューションは、海外に異動する従業員も既に利用できるようになっており、海外プロジェクトのアサインメントにも活用できるかもしれません。 モビリティマネージャーは、主に新たな作業負荷により引き起こされる困難を軽減するため、適切な海外プロジェクトのアサインメントのソリューションを探求し導入することに注力する必要があります。グローバルモビリティに万能薬は無いとしても、理想に近い ソリューションへと調整する多くのオプションがあります。 詳細はこちらからマーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

Alice Harkness | 31 10 2019

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