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共感を高める従業員エンゲージメント: 従業員の立場に立つ

2018年8月21日
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「10人中9人のシニアリーダーがエ ンゲージメントは重要であると考 え、10の組織のうち8つの組織が正 式なエンゲージメントプログラムを 既に導入していると回答していま す。」

何十年にもわたり組織は非常にエンゲージメ ントの高い社員がもたらす恩恵を認識し、理解を深めようとしてきました。マーサー | シロタが Engagement InstituteTMと共同で実施した最近の研究「エンゲージメントのDNA:組織がエンゲージメントの高い文化を創造・維持する方法」 では10人中9人のシニアリーダーがエンゲージメントは重要であると考え、10の組織のうち8つの組織が正式なエンゲージメントプログラムを既に導入していると回答しています。エンゲージメントは明らかに重要なフォーカスエリアになっていま す:組織は従業員のエンゲージメント向上のために年に約10億ドルの予算を投入していると推計されています1。しかしながら、従業員エンゲージメントにこのように巨額の投資を費やしており、また従業員エンゲージメントの推進に利用できるさまざまなアプローチが存在するにもかかわらず、 ほとんどの組織は未だに、エンゲージメントの課 題克服における進捗状況に不満を感じています。 実際のところ、調査の結果、マネージャーがエンゲージメント調査のデータに対して望ましい結果を達成するためにはどう対応すればよいかを知 っていると思う、と回答したHRリーダーは50%に留まりました2

ではどこに問題があるのでしょうか。関連するデータや洞察の不足でしょうか?従業員の意見を聞き、その懸念を理解することができないのでしょうか?それとも、組織はただデータを収集するだけで満足し、良い結果を生むよう意図された行動計画の実行を怠っているのでしょうか?当社は、さまざまな利害関係者(ビジネスリーダー、HRリーダー、最前線のマネージャーや従業員)と議論する中で、エンゲージメントレベ ルの高い組織が人事的課題に取り組む方法と 従業員を関与させるために使用する無数の方 法には、それぞれ違いがあるにも関わらず、1つの点は共通であることに気が付きました。それは、エンゲージメントレベルの高い組織はエンゲージメントへのアプローチの基軸を1つの重要な価値「共感」に据えているという点です。

中には「従業員の職場での体験をより良く理解するために従業員エンゲージメント調査を実施するということ自体が、つまり共感的になっているということではないか」という人もいるでしょう。ある程度はそうも言えますが、現実的には、調査は最初の一歩に過ぎません。共感の原則は調査プロセスのみならず、従業員エンゲージメントの過程の全場面に適用されるべきで、特に行動計画などの調査実施後の関連する対処への適用が重要となります。

デザイン思考を採用して共感的になる

 

従業員エンゲージメントへの共感的アプローチは概念的には比較的単純だと思われるかもし れませんが、効果的に実施するためにはほとんどの組織が既に採用している最も伝統的な方法からの大胆な変更が必要となります。

共感的な、エンゲージメントレベルの高い組織を作るという目標を達成する方法をより良く理解するために、マーサーは人を中心にしたデザイン思考を取り入れることで、エンゲージメントの課題に対処し、従業員エンゲージメントの専門家となっている一流組織と協働しました。デ ザイン思考の枠組みは数多くありますが(良く知られたところでは、スタンフォードやIDEOなどが提唱)、すべてに共通するのが、従業員を中心としたアプローチの整備における主要な三段階、つまり、模索、創造、実現です。この三段階は 以下の通り概説されます:

  • 模索段階
    • 従業員やその他の同組織に属する利害 関係者、ならびに問題の背景について詳細を知る
    • 把握した事項と様々な立場にある人から話を聞いた内容を統合する
  • 創造段階
    • 過去のステレオタイプから離れ、画期的なアイディアを構築するため繰り返し考察する
    • 学習するためのプロトタイプを構築し、アイ ディアを改善するための土台を提供する
    • 実際のユーザー、つまりこの場合には従業員にアイディアとプロトタイプを試してもらう
  • 実現段階
    • 選択した解決策を実施し継続的改善に焦点を当て続ける

 

 

模索段階

 

第一段階は、さらに発見と定義の2つのステップに 別れます。

発見 従業員エンゲージメント調査を使用して従業員からのフィードバックを収集することは、組織が従業員の固有のニーズを模索し、従業員が価値を認めるものを発見するのに役立ちます。従業員エンゲージメント調査の結果は、ビジネス上の目標を達成するだけでなく、従業員のニーズに真に対応する意義深い行動をデザインするために、組織がどこに共感する必要があるのかを示します。

このステップにおけるその他の重要な要素は、説得力のある問題提起をすることです。優れた構成の従業員エンゲージメント調査は将来の方向性を示す問題の中核的要素を特定します。中核的要 素には以下が含まれます:

  • 誰が
    問題に最も関連性の高い特定の従業員セグメントを明らかにする
  • 何が
    問題により生じる影響を理解する
  • いつ
    調査を複数回実行することでその影響がプラスなのかマイナスなのかにかかわらず(例えば人員減や離職率など)特定の従業員動向がいつ生じたのかを特定する
  • どこで
    問題が発生している場所を特定する
  • なぜ
    統計分析を使用して従業員エンゲージメントを変動させる要素を特定する

 

定義 組織は収集した情報をすべて統合する必要がありますこうして知り得た情報を活かし、パターンを特定し、意義を見出し、自社の従業員動向の全体像を描きます。またこのステップで組織は、全般的従業員エンゲージメントアーキテクチャの基礎を策定し始めます。発見した事柄を従業員の体験というストーリーに変換することで、問題の根本を特定し、それを今後どう解消していくのかを明確にします。ストーリーはシンプルなもので構いません。例えば私が先日対応したテクノロジー企業では、従業員に高い自律性を提供し、実験的アプローチを会社のプロセスに組み込むことで従業員のエンゲージメントに成功しました。これは単に 経済的報酬を得ることだけでなく、革新する機会を提供されることでモチベーションが上がる傾向がある従業員には効果がある方法です。

組織の共感性を高める主要な部分は、従業員の過去の経験のマッピングと将来の経験の予想図を通して従業員の体験の分析を強化することです。その目的は時間の経過に沿って従業員の体験がどう変動するのかを把握することです。この他にも以下に挙げる要素が追加される場合があります:ハイポイント(
従業員から最も高い評価を獲得した瞬間)、ブレー
クダウン(人により受容の度合いが大きく異なり、一部の従業員からの評価を下げることにつながった瞬間)、感情(雇用主が従業員の人物像を定義することで予測できる特定の変更に対する従業員の心理的
反応)、タッチポイント(組織における従業員の体験全体のさまざまな部分とのつながり)。これは各組織に固有のエンゲージメントの基礎的部分を理解し、従業員のエンゲージメントを促進するプロセスを明らかにする上で役立ちます。また、従業員の体験のさまざまな構成要素同士を繋げることを可能にします。つまり(従業員との直接のやり取りに関連する)フロ ントステージから(エンゲージメントプログラムの導入を成功させるために必要な舞台裏の準備を含む) バックステージを結び付けます。

従業員の過去の体験を効果的にマッピングし、将来を想定することで以下が可能になります:

  • 従業員の体験と使用されているシステムに関する明確な概要を提供する(業績管理や学習と開発など)
  • カテゴリー間(例えば、報酬と俊敏性)や組織内関連グループ(マネージャーと従業員など)のコミュニケーションを促進する
  • 特定の事柄が機能していない場所を見つけ、最も適したオプションを特定するために優れた改善と意思決定への支援の機会を示す

 

 

創造段階

ほとんどの組織が従業員の声とニーズに耳を傾ける ことに積極的であるものの、行動計画は未だに「閉じられた扉」の向こうで行われることが一般的で、そのため真に共感的になり得ていない。創造段階は利用可能な解決策を協力して特定するためのアイディアの発散と収束の段階、そして、模索段階からの結果の上に構築する段階です。この段階の「観念化、プ ロトタイプ、テスト」の3つのステップは循環的サイク ルとして機能します。

観念化 アイディアの創造において真に共感的であるために、エンゲージメントレベルの高い組織は従業員を行動計画策定に巻き込んだ参加型のデザインアプローチを採用しています。こうした組織は従 業員は重要な知識を提供できる存在であるとみなし、自らのニーズにどう対処すべきかについて、自分自身を表現するための適切な手段を提供された場合には、正確に表現できると認識しています。究極の目標は従業員それぞれに、組織で経験した独自のス トーリーを話してもらうことです。

これは効果的な従業員エンゲージメントプログラム策定の中核として機能し、多くの利点を提供します:

  • 既存の解決策を超越することで革新的になる潜 在性を高める
  • 従業員の多様性に富む見地と集合的知恵を活かす
  • 模索する価値のある予期していなかった知識を 発見する
  • イノベーションのためのオプションを増やし、柔軟性を高める
  • 創造されるアイデアを所有しているという感覚をもたせる

プロトタイプ 従業員のエンゲージメント行動計画の観念化が完了したら、最も有望なアイディアに注目しながら、共感性と革新の可能性を損ねることなく、組織を最善の解決策に導くのに役立つ質問に回答するためにプロトタイプの構築が重要になります。従業員エンゲージメントのための行動のプロトタイプは従業員の関与を促進するものである限り、形式に縛りはありません:従業員が ゲームとして楽しむコンセプトのストーリーボードやすべてを取り込んだガジェット、もしくはロールプレイング活動などさまざまな形式の活動が挙 げられます。プロトタイプはシンプルなもので構いません ̶ 手の込んだ詳細なものである必要はありません。解決策を示すいくつかのポイントや実施される手順を概説するだけで構いません。重要な点はプロトタイプが共感のアイディアをサポートし、従業員が実際に体験できるものであるという点です。

プロトタイプ作成プロセスをガイドする4つの原則:

  • とにかく始める — 先延ばしにしない。従業員
エンゲージメントに関して何を行うか明確な考え
がなく、詳細が不明な場合でもそれらに阻止されてはいけません。何らかのメモやアイディアがあるだけでプロセスを進行するには十分です。
  • 明確なインジケータを探す — プロトタイプは 一定の変数(例えば、業績評価と昇給や企業年金基金への会社の拠出比率を結びつけるかどうかなど)が含まれる特定の質問に対して回答することを可能にするため重要です。こうした変数は次 のステップまたは行動(変数の関係を強めるのか方向性の変更を決定するか)を支援するための根拠として機能します
  • 考えを破棄する用意を整える — プロトタイプは絶対の解決策ではありません。従業員のエンゲージメントを高める方法は多数あります:組織は 1つのアイディアや解決策に固執しすぎることなく、他のオプションを模索することにもオープンな姿勢を保つ必要があります。
  • 従業員に注目し続ける — 「従業員が求めるものとは?」と問い続けることが重要です。この質問への答えは有意義な従業員からのフィードバックを収集することでプロトタイプの作成に焦点を当てるのに役立ちます。こうした従業員からのフィードバックは、繰り返し行われる過程で情報を提供し次のステップにつながります。
    • クラウドソーシングキャンペーン:
      会社は従業員に対し、人事プログラム(例えば、外部で行う社内行事や福利厚生プログラム)のための予算確保に参加するよう奨励します。その方法は金銭的価値はないものの、社内通貨として機能する仮想トークンを使用して特定のイベント案やイニシアチブに「投票」するよう依頼するというものです。例えば、人事プログラムのためにシニアリーダー1人当たり100米ドルの予算がある場合、シニアリーダーは最も有望なプログラムを特定し、会社がこうしたプログラムにどのくらいの予算を割り当てるべきかを決定するために、従業員向けに50米ドルの仮想トークンを発行します。会社の資金の用途に対する従業員の考えを組織に示す機会を提供し、従業員が予算の決定により直接的な影響力を持てるようにし、どういった体験が最高の結果と価値をもたらすのかについての意見を表明する機会を提供することで、従業員のエンゲージメントを高めます。
    • 見せかけの扉:
      見せかけの扉とは通常、従業員エンゲージメントイニシアチブまたはプログラムに対する行動を依頼するシンプルなウェブペ ージを指します。多くの場合従業員は「詳細を 表示」または「参加登録」といったボタンをクリックするよう促されます。組織はその後、さまざまなエンゲージメントプログラムに対する従業員 の行動と反応を追跡できるため、どのプログラ ムが最も多くのクリックレートを獲得したか、もしくはどのプログラムの訪問者数が最も多かっ たかなどを判断することが可能で、従業員の関心に最も適合するプログラムを理解する上で役立つ価値あるデータを提供します。
    • オズの魔法使い:
      このシナリオでは、従業員は自分がどの従業員エンゲージメントイニシア チブに参加しようとしているのかわかりません。代わりに背後でフィードバックが収集されます。例えば私が最近対応した小売企業では、従業員はカスタマーサービススキルの改善に繋がるより良いトレーニングアプローチを希望していました。そのため、企業は最善のトレーニング実施方法を探るため、新しいオンラインプログラムを作成しました。この会社は、従業員との最適な通信回数などを判断するためにテクノロジーの使用を精査することを希望しました。従業員がオンラインプ ログラムを受講する中で、従業員の行動と応答(例えばプログラム内の1つのページから次のページ への移動方法など)が指導、モニター、記録され、トレーニング実施方法のデザインを形成し、洗練させる上で生かされました。さまざまな変数に対して テストを実施し、テスト結果に従ってトレーニングの デザインを採用することで、この小売り企業は従業 員のニーズに最適なトレーニングをカスタマイズす ることに成功しました。

  • テスト プロトタイプが現実的な解決策になるこ とを確認するために、テストを実施する必要があります:従業員からプロトタイプに対するフィードバックを引き出し、従業員エンゲージメントへのフォーカスを強化します。またテストは循環的サイクルをサポートし、言うまでもなく最も適した解決策を特定する上で重要です。

    テストへの共感的なアプローチは循環プロセスの中で従業員のフィードバックを収集し、従業員エンゲージメント行動計画のデザインを形成する上での一助となります。「マイクロパイロッティング」 は1つの有用な選択肢で、市場の最新動向であり、従業員のフィードバックを取得する優れた方法です。マイクロパイロットの実施には多岐にわたる方法があります。私がエンゲージメントレベルの高い組織と仕事をしてきた経験から得た、いくつかの例を以下に列挙します。

     

    実現段階


    従業員エンゲージメントプログラムの実行段階で 共感性への焦点を維持するために、開発には一貫性が必要で、すべての利害関係者は継続的学習のアプローチを採用する必要があります。実現段階で成功している組織は共感的アプローチには真のインパクトがあり、従業員エンゲージメントの取り組みは本物でなければならず、単に見世物として構築 されるべきではないことを理解しています。そしてさ らに重要なのは、従業員エンゲージメントプログラ ムは「実行可能」かつ「学習可能」でなければなりま せん。

     

    実行可能

     

    o 参加型:従業員が導入に参加している。

    o 当事者意識:従業員エンゲージメントの推進の責任はリーダーシップとHRのみが負うものではありません。この重要な責任は一般従業員にも委任されている。

    o 透明性:従業員は従業員エンゲージメントプログラムの全側面に関し明確に理解し ている。

    o 応答性: 従業員エンゲージメントプログラ ムは重要な要素を捉えるようデザインされている(例えばボーナスに関連するコミュニケ ーションや昇進の決定、または会社からの退職など)。

    o 包括的:従業員はエンゲージメントへの取り組みに個人的な利害関係があると感じており、誰も疎外されているとは感じていない。

    o ルールに基づく:インセンティブやその他 の行動に対する結果が生じるようにすることで、行動を強いるために公正な方針の枠組 みを導入し、特定された従業員エンゲージメント対策が適切に導入され、希望した通りのインパクトが達成されていることを確認できるようにしている。

     

    学習可能:

     

    進歩的な調査デザインとは?エンゲージメントのレベルの高い組織は、1度のみ実行する従業員エンゲ ージメント調査を作成することはありません。こうした組織は定期的にエンゲージメント調査を実施し、 従業員の意見を継続的に聞けるようにします。調査に用いられる質問の数は通常限られているため、 優れた調査の体験を提供できるよう、現在の状況を反映する適切な質問を選択することが非常に重要です。調査の質問は、全般的な戦略に沿った内容で、長期的な目標を視野に入れつつ、組織内で変革 が自然に進展していく過程に合わせて策定される必要があります。シニアリーダーが組織の変革が従業員にもたらす影響について知りたいと言う場合には、調査の質問は革新的な変化に対する従業員の反応を的確にとらえる質問でなければなりません。 例えば、組織の変革が進む中で調査の質問は、初期段階では従業員の変化に対する意識について尋ね、その後の調査では、従業員の変化に対する理解やコミットメントについて尋ねるものに進化した形式をとるかもしれません。

    最後に


    創造的破壊が進むこの時代において、従業員のエ ンゲージメントの向上に成功する組織は、競争に先んずることは明白です。人材を巡り競争が激化するビジネス社会で勝利するためには、組織は有意義で豊かな従業員の体験をデザインするためにデ ザイン思考を導入することで共感性の原則を強化し、モデル化する必要があります。組織が従業員に対して真に共感的で、文字通り従業員の立場に立ち、従業員エンゲージメントイニシアチブに対し、継続的学習に重点を置いた循環的アプローチをとる場合、その組織は発展的な人材の構築に成功し、 ビジネスの成功は自然についてくることでしょう。

    1 Mercer | Sirota and Engagement Institute study, DNA of Engagement: How Organizations Create and Sustain Highly Engaging Cultures, 2014.

    2 Ibid.

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Didintle Kwape | 14 11 2019

アフリカ大陸で多国籍企業の事業拡大を支えるのは、貴重な資産の1つである若手社員です。 アフリカでは記録的な数のティーンエイジャーや若年層が失業している、または十分な仕事に就いていません。しかし彼らは機会さえあれば率先して働く意欲を持っています。南アフリカだけでも、今年度の失業率は 30% を超えると予想されており、15~24 歳の層が失業者の 3 分の 2 を占めています。1 人材プールの最大活用 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は 2019 年 6 月、「若者の失業が国家的な危機となっている現状について大変懸念している」と語りました。2 現在、アフリカ大陸の各国では、多国籍企業と地元の中小企業双方で若者の雇用が円滑に進むよう労働法を改正し、形式的な手続きを簡略化しています。さらに非営利組織と協力し、若者の才能や必要な労働スキルを育成しています。 国際労働機関 (ILO) とアフリカ開発銀行、アフリカ連合委員会、国連アフリカ経済委員会 (UNECA)のパートナーシップに見られるように、これら取り組みを支援するため各種団体が連携しています。地域および国全体で一体となり若者の雇用という課題を解決すべく取り組んでいます。ILO は、若者が就労に十分に備えられるよう、就労サービス、スキル開発、労働市場訓練を提供し、恵まれない若者のために技術や職業に関する教育、実習、職業紹介サービスの充実に尽力しています。3 6 月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、マスターカード財団、ケニア政府と民間部門の間で若手社員のための官民パートナーシップ Young Africa Works プログラムを開始しました。このプログラムでは 5 年以内に、500 万人の若いケニア人を訓練し「尊厳とやりがいのある仕事」に就かせることを目指しています。 4 マスターカード財団はケニアの銀行 2 行 (Equity Bank と Kenya Commercial Bank、およびその各財団) とともに、約 10 億ドルの資本、事業開発サービス、およびプログラムの市場連携を提供します。目的は若手社員のための仕事を創出することであり、これは 20 万を超える個人企業、中小企業が生産性を強化し、持続可能性や創意工夫を高めるのに役立ちます。4 「国際的にビジネスを展開するホテルはアフリカ大陸の新興市場へ進出する際、若者のスキル開発を育む業界の1つとなっている」とヒルトンのアフリカおよびインド洋業務担当副社長のヤン・ヴァン・デル・プッテンは言います。5ヒルトンはモロッコ、ケニア、ザンビア、ボツワナなどアフリカ全域に 46 軒のホテルをオープンし、今後 5 年以内の倍増を計画しています。観光とホスピタリティ事業の拡大は、社会経済的な成長を促進するだけでなく、意義のある雇用機会を創出します。アフリカの若い労働者の成功を支援する、そのような環境を作り出すことは極めて重要です。 現代の若者を訓練する 基本的な労働スキルに加え、新興デジタル経済の若手社員はデジタル技術を使いこなすこと、創造的な思考力や問題解決能力、互いに協力し共感する順応性など、幅広いスキルを習得することも求められています。6 ウィットウォーターズランド大学のマンデラ・ローズ・スカラーのシンバラシェ・モヨ氏は言います。「ルワンダやケニアのような国々はすでに、デジタル経済と未来の仕事に若者を備えさせる上で進歩を遂げている。しかし他アフリカ諸国では、スキル格差と不十分なデジタルインフラに対し意義のある行動がまだ見られていない」7 モヨ氏は、アフリカ諸国は未来の仕事に若者を備えさせる必要性があると助言しています。まず、ニーズに応える教育システムを構築し適切なスキルと責任感を身に付けさせることです。また、全国的にデジタルインフラを展開し国家間における相互接続の向上も欠かせません。さらに、拡大するデジタル経済の中で利害関係者を継続的に監視するには、適切な規制政策の策定が求められます。最後に、大がかりなデジタル技術の訓練プログラムをサポートするには、官民協力を最適化すしなければなりません。 「政府、国際開発金融機関、民間部門が協力することにより、アフリカの若者のスキルアップを促進する革新的な金融モデルを創出する余地が生まれます」 とモヨ氏は記しています。「これにより、特にアフリカ諸国でデジタルインフラを構築する際に、労力が重複して不平等が引き起こされる状況を減らすことができます。多くの若いアフリカ人が訓練プログラムに参加しデジタルインフラにアクセスできるようにする、そのカギは官民連携が握っているといえます」 新たな労働力を訓練する 企業はアフリカの若者の間で急速に普及している携帯電話を活用し、モバイルアプリ経由でトレーニングや開発プログラムを提供することもできるでしょう。マーサーの2019年グローバル人材動向調査レポートによると、南アフリカの労働者は職場で成功する方法に新しいスキルやテクノロジーを学ぶ機会を一番に挙げる他国の考えに同調しています。 調査では、労働者が自習を好んでいることも明らかになりました。企業は情報源として、まとめられたノウハウや専門家にアクセスできるようプラットフォームを与えることが望まれています。企業が主催するトレーニングと従業員が自分で行うトレーニングを組み合わせ、何をどう学ぶかを学習者にゆだねながら組織の目標に貢献するスキル開発を行うことができます。 マーサーの調査では、99% の企業が未来の仕事に備えて行動を起こしています。具体的には、現状と必要とされるスキルの供給ギャップを識別し、将来にフォーカスした人事戦略を立案し、新しいテクノロジーやビジネス目標に合わせたスキル要件に適応させようとしています。アフリカでの事業拡大に関心を持つ多国籍企業にとって、これらのステップで若年労働者のスキルアップや訓練、支援を行うことは極めて重要となります。 多国籍企業は、アフリカの若手社員が何を必要としているかを理解し、人を中心とした戦略を開発し統合することによって、アフリカの労働力開発の最前線に立つことができます。これにより、利害関係者の今日のニーズに応えつつ、明日のための労働力の拡大、改善、育成を実現することができます。見渡す限り意欲のある労働者がいるアフリカ大陸の完全なる再発見により、長期的な利益がもたらされることでしょう。 出典: 1.     "Africa's Youth Unemployment Rate to Exceed 30% in 2019: ILO," 7Dnews, 4 Apr. 2019, https://7dnews.com/news/africa-s-youth-unemployment-rate-to-exceed-30-in-2019-ilo. 2.     D, Sourav. "Youth unemployment a 'national crisis' in South Africa, says Ramaphosa," Financial World, 18 Jun. 2019,https://www.financial-world.org/news/news/economy/2276/youth-unemployment-a-national-crisis-in-south-africa-says-ramaphosa/. 3.     "Youth Employment in Africa." International Labour Organization, https://www.ilo.org/africa/areas-of-work/youth-employment/lang--en/index.htm. 4.     Mbewa, David O. "President Kenyatta launches program to tackle Kenya's youth unemployment," CGTN, 20 Jun. 2019, https://africa.cgtn.com/2019/06/20/president-kenyatta-launches-program-to-tackle-kenyas-youth-unemployment/. 5.     "Exclusive: An interview with Hilton's Jan van der Putten on expansion in Africa," Africa Outlook Magazine,7 Apr. 2019, https://www.africaoutlookmag.com/news/exclusive-an-interview-with-hiltons-jan-van-der-putten-on-expansion-in-africa. 6.     "World Development Report 2019: The Changing Nature of Work," The World Bank Group, 2019, https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2019. 7.     Moyo, Simbarashe. "4 ways Africa can prepare its youth for the digital economy," World Economic Forum, 29 May 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/05/4-ways-africa-can-prepare-its-young-people-for-the-digital-economy/.

Michael Braun | 14 11 2019

Part I では、海外プロジェクトのアサインメントに関連する 6 つの課題について概説しました。管理面で生じる課題の概要を考察する前に、Part IIでは企業とグローバルモビリティマネージャーの責務の1つである監督責任を取り上げます。 課題 7: 監督責任 企業には従業員の安全、保健、福利厚生を海外でも保証する義務があります。プロジェクト担当者を海外に派遣する場合、特に困難を伴う国に異動させる場合は、地域の適切な情報、安全に関する説明、セキュリティ訓練、健康保険を提供する必要があります。 モビリティマネージャーは、このような医療および警備プログラムに加入する際、同時に相乗効果を考慮することが求められます。たとえば、ビジネス旅行者と一定期間 (通常 90 日)に満たない海外派遣者の両方に旅行保険を提供することも選択肢の1つです。さらに、残りの派遣員はグループ保険としてカバーされるためコスト効率の高い保険を活用することができます。また、中心となる医療保険のサービスに加え、多くの会社では警備および支援プログラムの特典が提供されています。 通常、警備プロバイダーにより医療サービス以上のサービスが提供されることはあまり知られていません。多くの場合は特定の場所の安全に関する情報が追跡機能とともに、また関連する最新情報も提供されます。一部のプロバイダーからは、避難する必要がある場合に実践的なサポートを受けられます。 従業員の保護 従業員のグローバルなビジネスライフにおけるモビリティは、多くの点で「ボーダーレス」化しています。この事態の進展を視野に入れ、保険の形態も絶えず変化し拡大しています。たとえば、プロジェクト数が増加している業界によって波がある場合、保険の加入という点では特に問題が生じます。 派遣期間、母国、求められる保障の範囲は保険の選択において大きく影響します。以下、海外プロジェクトのアサインメントやその他の海外異動で利用できる医療、障害、および死亡補償オプションについて掘り下げます。 医療保障 長期派遣者向けの出張支援と国際民間医療保険/国外居住者健康保険に焦点を当て、複雑さを最小限に抑えています。 出張支援 出張支援を提供する国際的な保険会社は、既存のグローバルネットワークを活用して、グローバルな補償という課題を克服しています。従来の旅行医療保険と比較しても出張旅行支援には多くのメリットがあります。たとえば、雇用主は保障期間として旅行日数を最大 1 年間に延長し、次のような手当を大幅に増やすことができます。 ·     事故の場合、本人または遺族に一定額が支払われます。これは直接費用となる、会社の傷害保険に代わる緊急援助とみなされます。傷害保険ではより多くの給付金が得られますが、審査プロセスが長期化するためです。 ·     一部の国では、ビザを取得するための必須要件として賠償責任保険に加入する必要があります。 ·     荷物紛失/旅行遅延に対する補償は旅行者向けの追加の特典です。これらの補償が保険でカバーされている場合、保険会社に直接請求できるため、会社の事務作業が軽減されます。 追加の特典については、ビジネス旅行者や海外プロジェクトにアサインされた社員の独自のニーズに合わせて調整されます。ただし、出張支援の主な部分とリスクプレミアムは、一部の支援サービスを除き医療上の緊急事態の対処に限られています。既存の支援契約の内容は出張旅行支援と調和させ、明確に伝える必要があります。事務手続きを効果的に軽減するために、プロセス、払い戻し手順、コスト管理、および償還請求の回収について明確に定義する必要があります。 出張支援の範囲内での給付金の支払いは、いわゆる「予測不能」な事象に対するものです。既往症や常用薬の払い戻しについては除外されます。このようなグループプランでは、個別の登録は不要です。海外プロジェクト派遣では珍しいことですが、同伴する家族も出張支援を受けることができます。 長期プロジェクトのアサインメントに適した医療保険 長期の海外プロジェクトのアサインメントが計画されている場合、またはさまざまな理由から保険の対象範囲を改善する必要がある場合は、既存の国外居住者向け健康保険を活用するか個別の保険加入が推奨されます。特に困難な状況にある国のプロジェクトに携わらなければならない場合、会社の信頼には安全のための予防策、健全性、誠実さが問われます。また、海外事業をカバーする専門的なグローバル保険プロバイダーも活用できます。国外居住者向けの確固とした健康保険制度があれば、そのメリットを総合グローバル医療保険のメリットと比較できます。 本稿で取り上げた基準は、必要とされる保障対象期間で最適な保険商品とプロバイダーを選択する際に是非お役立てください。そして、海外異動または海外プロジェクトのアサインメントにおける補償対象範囲は、会社のポリシーガイドラインで概説されていることが理想的です。 障害および死亡保障 医療保険は多くの企業の海外派遣員にとって非常に重要です。同時に、障害および死亡補償についても考慮する必要があります。 自国の社会保障制度で保障されない従業員には、障害または死亡に関する補償にギャップが生じるリスクがあります。具体的には、恒久的な障害が発生した場合に本人、また死亡した場合には家族に対して長期的に十分な収入を確保できなくなります。母国の補完的な制度も同時に打ち切られた場合、潜在的なギャップはさらに大きくなります。 従業員が派遣先国の社会保障制度に加入している場合でも、これらの制度では多くの場合、死亡および障害補償について待機期間が存在することにも注意しなくてはなりません。欧州協定などにより、このような待機期間が存在しない場合でも、給付金レベルは母国のものとは大きく異なる可能性があります。企業は現地の制度または補完的なグローバルなリスク保険のいずれかを通じて、ギャップを特定し解消する必要があります。 ギャップはいわゆる「グローバルノマド」にも存在します。これら派遣従業員は、多数の連続性のあるアサインメントに携わります。グローバルノマドは最悪の場合、断片的な給付という事態に直面します。特に母国の制度に登録されていない、あるいは受給資格を満たしていないことから、国家の社会保険制度や補完的な年金制度のギャップが存在することになります。さらには、これらの従業員は通常、複数の国から送金して積み立てできる柔軟な個人年金制度がないため、適切な確定拠出年金制度も利用できていません。 グローバルノマドに該当する従業員数が多い企業は、このギャップを埋めるためにオフショア国際年金制度を利用することができます。過去 10 年間でマーケットが大幅に発展したため、少数の派遣スタッフについても効率的な商品が用意されており、必要とされる管理も限定されます。 まとめ 今はモビリティのエキスパートにとって要求も厳しく挑戦の多い時代です。海外プロジェクトのアサインメント数は増加しており特別な手配が必要です。ただし、エキスパートとしての専門スキルを活かす絶好の機会でもあります。 すべてを簡素化するために、まず何が手元にあるのか考えます。一部のソリューションは、海外に異動する従業員も既に利用できるようになっており、海外プロジェクトのアサインメントにも活用できるかもしれません。 モビリティマネージャーは、主に新たな作業負荷により引き起こされる困難を軽減するため、適切な海外プロジェクトのアサインメントのソリューションを探求し導入することに注力する必要があります。グローバルモビリティに万能薬は無いとしても、理想に近い ソリューションへと調整する多くのオプションがあります。 詳細はこちらからマーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

Alice Harkness | 31 10 2019

Normal 0 21 false false false EN-US ZH-CN X-NONE /* Style Definitions */ table.MsoNormalTable {mso-style-name:"Tabla normal"; mso-tstyle-rowband-size:0; mso-tstyle-colband-size:0; mso-style-noshow:yes; mso-style-priority:99; mso-style-parent:""; mso-padding-alt:0cm 5.4pt 0cm 5.4pt; mso-para-margin:0cm; mso-para-margin-bottom:.0001pt; mso-pagination:widow-orphan; font-size:10.0pt; font-family:"Times New Roman",serif; mso-ansi-language:EN-US; mso-fareast-language:EN-US;} これまでの福利厚生は「画一的」なモデルで提供されてきたため、一部の社員のみ他の従業員よりも価値を感じるという現象が起きています。現在、多くの社員は特定のニーズやライフステージに基づいて柔軟に利用できるパーソナライズされたもの、すなわち現状 (独身または既婚等) に関わらず、平等に扱われていると実感できる福利厚生に期待しています。 伝統を重んじるのではなく、真新しいアプローチで、福利厚生にもインセンティブをつけたり、保険をオプトイン/アウトできたり、親の介護費用やペットの世話の費用を請求もできるような設計を組み込んでいくべきです。先進的な企業はすでに取り組んでいますが、従業員が現状に満足していると思い込んでしまっている人事担当者もいるため、多くの企業では未だそのような取組みが見られません。従業員の声を聞かないというリスクは、福利厚生の貴重な予算がまったく活用されない、あるいは利用されないものに投じてしまうことにあります。 従業員を知る 質問することを恐れず、今の福利厚生の内容で社員が好んでいるもの、そうでないもの、他にどんな良いアイデアがあるか等、エンゲージメントに関する「スポット」アンケートを行う、またはフォーカスグループからフィードバックを収集します。すべての実現は難しいかもしれませんが、エンゲージメントを深める絶好の機会となります。 働いている本人も、何が福利厚生に必要か見えていないかもしれません。データアナリティクスの活用は、何が (特に健康面で) 最もよく利用され何が必要不可欠かを理解する上で役立ちます。 福利厚生のインセンティブを求めながら、誰もスポーツジムの割引クーポンの利用していない等、量 的・ 質 的データの組み合わせからギャップを見分けることができます。場合によっては、内容ではなく周知されていないことが原因かもしれません。 コミュニケーションが鍵 人事担当者から「社員には、福利厚生をよりよく知る機会を毎年設けている」という声を聞きますが、これでは不十分です。 効果的なコミュニケーションが鍵となります。社員は忙しく、細かいポリシーを読み込む時間も余裕もありません。コミュニケーションで好まれるチャネルに関するフィードバックを集め、定期的にコミュニケーションを取るためのシンプルな方法を見つけましょう。毎回さまざまな福利厚生に焦点を当て、インフォグラフィックス、インタラクティブなランディングページ、動画、または読みやすく簡単な説明等を含めることも有効です。 そこで取り上げた福利厚生の重要性を説明します。社員に浸透しているとは限らないのです。 柔軟な福利厚生はコストが高いとは限らない パーソナライズされた福利厚生を提供するために、必ずしも追加コストを掛ける必要はありません。予算枠の中で工夫し、社員から反響のあるものに創造的に投資することで、投資が実際に活用されている確信も得ることができます。 社員の心に響く福利厚生の設計に時間を費やす企業は、従来型のアプローチを捨て、よりパーソナライズされた考え方を取り入れています。結果的に投資利益率の改善だけでなく、社員の満足度やエンゲージメント向上に繋がります。  

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Michael Braun | 14 11 2019

Part I では、海外プロジェクトのアサインメントに関連する 6 つの課題について概説しました。管理面で生じる課題の概要を考察する前に、Part IIでは企業とグローバルモビリティマネージャーの責務の1つである監督責任を取り上げます。 課題 7: 監督責任 企業には従業員の安全、保健、福利厚生を海外でも保証する義務があります。プロジェクト担当者を海外に派遣する場合、特に困難を伴う国に異動させる場合は、地域の適切な情報、安全に関する説明、セキュリティ訓練、健康保険を提供する必要があります。 モビリティマネージャーは、このような医療および警備プログラムに加入する際、同時に相乗効果を考慮することが求められます。たとえば、ビジネス旅行者と一定期間 (通常 90 日)に満たない海外派遣者の両方に旅行保険を提供することも選択肢の1つです。さらに、残りの派遣員はグループ保険としてカバーされるためコスト効率の高い保険を活用することができます。また、中心となる医療保険のサービスに加え、多くの会社では警備および支援プログラムの特典が提供されています。 通常、警備プロバイダーにより医療サービス以上のサービスが提供されることはあまり知られていません。多くの場合は特定の場所の安全に関する情報が追跡機能とともに、また関連する最新情報も提供されます。一部のプロバイダーからは、避難する必要がある場合に実践的なサポートを受けられます。 従業員の保護 従業員のグローバルなビジネスライフにおけるモビリティは、多くの点で「ボーダーレス」化しています。この事態の進展を視野に入れ、保険の形態も絶えず変化し拡大しています。たとえば、プロジェクト数が増加している業界によって波がある場合、保険の加入という点では特に問題が生じます。 派遣期間、母国、求められる保障の範囲は保険の選択において大きく影響します。以下、海外プロジェクトのアサインメントやその他の海外異動で利用できる医療、障害、および死亡補償オプションについて掘り下げます。 医療保障 長期派遣者向けの出張支援と国際民間医療保険/国外居住者健康保険に焦点を当て、複雑さを最小限に抑えています。 出張支援 出張支援を提供する国際的な保険会社は、既存のグローバルネットワークを活用して、グローバルな補償という課題を克服しています。従来の旅行医療保険と比較しても出張旅行支援には多くのメリットがあります。たとえば、雇用主は保障期間として旅行日数を最大 1 年間に延長し、次のような手当を大幅に増やすことができます。 ·     事故の場合、本人または遺族に一定額が支払われます。これは直接費用となる、会社の傷害保険に代わる緊急援助とみなされます。傷害保険ではより多くの給付金が得られますが、審査プロセスが長期化するためです。 ·     一部の国では、ビザを取得するための必須要件として賠償責任保険に加入する必要があります。 ·     荷物紛失/旅行遅延に対する補償は旅行者向けの追加の特典です。これらの補償が保険でカバーされている場合、保険会社に直接請求できるため、会社の事務作業が軽減されます。 追加の特典については、ビジネス旅行者や海外プロジェクトにアサインされた社員の独自のニーズに合わせて調整されます。ただし、出張支援の主な部分とリスクプレミアムは、一部の支援サービスを除き医療上の緊急事態の対処に限られています。既存の支援契約の内容は出張旅行支援と調和させ、明確に伝える必要があります。事務手続きを効果的に軽減するために、プロセス、払い戻し手順、コスト管理、および償還請求の回収について明確に定義する必要があります。 出張支援の範囲内での給付金の支払いは、いわゆる「予測不能」な事象に対するものです。既往症や常用薬の払い戻しについては除外されます。このようなグループプランでは、個別の登録は不要です。海外プロジェクト派遣では珍しいことですが、同伴する家族も出張支援を受けることができます。 長期プロジェクトのアサインメントに適した医療保険 長期の海外プロジェクトのアサインメントが計画されている場合、またはさまざまな理由から保険の対象範囲を改善する必要がある場合は、既存の国外居住者向け健康保険を活用するか個別の保険加入が推奨されます。特に困難な状況にある国のプロジェクトに携わらなければならない場合、会社の信頼には安全のための予防策、健全性、誠実さが問われます。また、海外事業をカバーする専門的なグローバル保険プロバイダーも活用できます。国外居住者向けの確固とした健康保険制度があれば、そのメリットを総合グローバル医療保険のメリットと比較できます。 本稿で取り上げた基準は、必要とされる保障対象期間で最適な保険商品とプロバイダーを選択する際に是非お役立てください。そして、海外異動または海外プロジェクトのアサインメントにおける補償対象範囲は、会社のポリシーガイドラインで概説されていることが理想的です。 障害および死亡保障 医療保険は多くの企業の海外派遣員にとって非常に重要です。同時に、障害および死亡補償についても考慮する必要があります。 自国の社会保障制度で保障されない従業員には、障害または死亡に関する補償にギャップが生じるリスクがあります。具体的には、恒久的な障害が発生した場合に本人、また死亡した場合には家族に対して長期的に十分な収入を確保できなくなります。母国の補完的な制度も同時に打ち切られた場合、潜在的なギャップはさらに大きくなります。 従業員が派遣先国の社会保障制度に加入している場合でも、これらの制度では多くの場合、死亡および障害補償について待機期間が存在することにも注意しなくてはなりません。欧州協定などにより、このような待機期間が存在しない場合でも、給付金レベルは母国のものとは大きく異なる可能性があります。企業は現地の制度または補完的なグローバルなリスク保険のいずれかを通じて、ギャップを特定し解消する必要があります。 ギャップはいわゆる「グローバルノマド」にも存在します。これら派遣従業員は、多数の連続性のあるアサインメントに携わります。グローバルノマドは最悪の場合、断片的な給付という事態に直面します。特に母国の制度に登録されていない、あるいは受給資格を満たしていないことから、国家の社会保険制度や補完的な年金制度のギャップが存在することになります。さらには、これらの従業員は通常、複数の国から送金して積み立てできる柔軟な個人年金制度がないため、適切な確定拠出年金制度も利用できていません。 グローバルノマドに該当する従業員数が多い企業は、このギャップを埋めるためにオフショア国際年金制度を利用することができます。過去 10 年間でマーケットが大幅に発展したため、少数の派遣スタッフについても効率的な商品が用意されており、必要とされる管理も限定されます。 まとめ 今はモビリティのエキスパートにとって要求も厳しく挑戦の多い時代です。海外プロジェクトのアサインメント数は増加しており特別な手配が必要です。ただし、エキスパートとしての専門スキルを活かす絶好の機会でもあります。 すべてを簡素化するために、まず何が手元にあるのか考えます。一部のソリューションは、海外に異動する従業員も既に利用できるようになっており、海外プロジェクトのアサインメントにも活用できるかもしれません。 モビリティマネージャーは、主に新たな作業負荷により引き起こされる困難を軽減するため、適切な海外プロジェクトのアサインメントのソリューションを探求し導入することに注力する必要があります。グローバルモビリティに万能薬は無いとしても、理想に近い ソリューションへと調整する多くのオプションがあります。 詳細はこちらからマーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

Didintle Kwape | 14 11 2019

アフリカ大陸で多国籍企業の事業拡大を支えるのは、貴重な資産の1つである若手社員です。 アフリカでは記録的な数のティーンエイジャーや若年層が失業している、または十分な仕事に就いていません。しかし彼らは機会さえあれば率先して働く意欲を持っています。南アフリカだけでも、今年度の失業率は 30% を超えると予想されており、15~24 歳の層が失業者の 3 分の 2 を占めています。1 人材プールの最大活用 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は 2019 年 6 月、「若者の失業が国家的な危機となっている現状について大変懸念している」と語りました。2 現在、アフリカ大陸の各国では、多国籍企業と地元の中小企業双方で若者の雇用が円滑に進むよう労働法を改正し、形式的な手続きを簡略化しています。さらに非営利組織と協力し、若者の才能や必要な労働スキルを育成しています。 国際労働機関 (ILO) とアフリカ開発銀行、アフリカ連合委員会、国連アフリカ経済委員会 (UNECA)のパートナーシップに見られるように、これら取り組みを支援するため各種団体が連携しています。地域および国全体で一体となり若者の雇用という課題を解決すべく取り組んでいます。ILO は、若者が就労に十分に備えられるよう、就労サービス、スキル開発、労働市場訓練を提供し、恵まれない若者のために技術や職業に関する教育、実習、職業紹介サービスの充実に尽力しています。3 6 月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、マスターカード財団、ケニア政府と民間部門の間で若手社員のための官民パートナーシップ Young Africa Works プログラムを開始しました。このプログラムでは 5 年以内に、500 万人の若いケニア人を訓練し「尊厳とやりがいのある仕事」に就かせることを目指しています。 4 マスターカード財団はケニアの銀行 2 行 (Equity Bank と Kenya Commercial Bank、およびその各財団) とともに、約 10 億ドルの資本、事業開発サービス、およびプログラムの市場連携を提供します。目的は若手社員のための仕事を創出することであり、これは 20 万を超える個人企業、中小企業が生産性を強化し、持続可能性や創意工夫を高めるのに役立ちます。4 「国際的にビジネスを展開するホテルはアフリカ大陸の新興市場へ進出する際、若者のスキル開発を育む業界の1つとなっている」とヒルトンのアフリカおよびインド洋業務担当副社長のヤン・ヴァン・デル・プッテンは言います。5ヒルトンはモロッコ、ケニア、ザンビア、ボツワナなどアフリカ全域に 46 軒のホテルをオープンし、今後 5 年以内の倍増を計画しています。観光とホスピタリティ事業の拡大は、社会経済的な成長を促進するだけでなく、意義のある雇用機会を創出します。アフリカの若い労働者の成功を支援する、そのような環境を作り出すことは極めて重要です。 現代の若者を訓練する 基本的な労働スキルに加え、新興デジタル経済の若手社員はデジタル技術を使いこなすこと、創造的な思考力や問題解決能力、互いに協力し共感する順応性など、幅広いスキルを習得することも求められています。6 ウィットウォーターズランド大学のマンデラ・ローズ・スカラーのシンバラシェ・モヨ氏は言います。「ルワンダやケニアのような国々はすでに、デジタル経済と未来の仕事に若者を備えさせる上で進歩を遂げている。しかし他アフリカ諸国では、スキル格差と不十分なデジタルインフラに対し意義のある行動がまだ見られていない」7 モヨ氏は、アフリカ諸国は未来の仕事に若者を備えさせる必要性があると助言しています。まず、ニーズに応える教育システムを構築し適切なスキルと責任感を身に付けさせることです。また、全国的にデジタルインフラを展開し国家間における相互接続の向上も欠かせません。さらに、拡大するデジタル経済の中で利害関係者を継続的に監視するには、適切な規制政策の策定が求められます。最後に、大がかりなデジタル技術の訓練プログラムをサポートするには、官民協力を最適化すしなければなりません。 「政府、国際開発金融機関、民間部門が協力することにより、アフリカの若者のスキルアップを促進する革新的な金融モデルを創出する余地が生まれます」 とモヨ氏は記しています。「これにより、特にアフリカ諸国でデジタルインフラを構築する際に、労力が重複して不平等が引き起こされる状況を減らすことができます。多くの若いアフリカ人が訓練プログラムに参加しデジタルインフラにアクセスできるようにする、そのカギは官民連携が握っているといえます」 新たな労働力を訓練する 企業はアフリカの若者の間で急速に普及している携帯電話を活用し、モバイルアプリ経由でトレーニングや開発プログラムを提供することもできるでしょう。マーサーの2019年グローバル人材動向調査レポートによると、南アフリカの労働者は職場で成功する方法に新しいスキルやテクノロジーを学ぶ機会を一番に挙げる他国の考えに同調しています。 調査では、労働者が自習を好んでいることも明らかになりました。企業は情報源として、まとめられたノウハウや専門家にアクセスできるようプラットフォームを与えることが望まれています。企業が主催するトレーニングと従業員が自分で行うトレーニングを組み合わせ、何をどう学ぶかを学習者にゆだねながら組織の目標に貢献するスキル開発を行うことができます。 マーサーの調査では、99% の企業が未来の仕事に備えて行動を起こしています。具体的には、現状と必要とされるスキルの供給ギャップを識別し、将来にフォーカスした人事戦略を立案し、新しいテクノロジーやビジネス目標に合わせたスキル要件に適応させようとしています。アフリカでの事業拡大に関心を持つ多国籍企業にとって、これらのステップで若年労働者のスキルアップや訓練、支援を行うことは極めて重要となります。 多国籍企業は、アフリカの若手社員が何を必要としているかを理解し、人を中心とした戦略を開発し統合することによって、アフリカの労働力開発の最前線に立つことができます。これにより、利害関係者の今日のニーズに応えつつ、明日のための労働力の拡大、改善、育成を実現することができます。見渡す限り意欲のある労働者がいるアフリカ大陸の完全なる再発見により、長期的な利益がもたらされることでしょう。 出典: 1.     "Africa's Youth Unemployment Rate to Exceed 30% in 2019: ILO," 7Dnews, 4 Apr. 2019, https://7dnews.com/news/africa-s-youth-unemployment-rate-to-exceed-30-in-2019-ilo. 2.     D, Sourav. "Youth unemployment a 'national crisis' in South Africa, says Ramaphosa," Financial World, 18 Jun. 2019,https://www.financial-world.org/news/news/economy/2276/youth-unemployment-a-national-crisis-in-south-africa-says-ramaphosa/. 3.     "Youth Employment in Africa." International Labour Organization, https://www.ilo.org/africa/areas-of-work/youth-employment/lang--en/index.htm. 4.     Mbewa, David O. "President Kenyatta launches program to tackle Kenya's youth unemployment," CGTN, 20 Jun. 2019, https://africa.cgtn.com/2019/06/20/president-kenyatta-launches-program-to-tackle-kenyas-youth-unemployment/. 5.     "Exclusive: An interview with Hilton's Jan van der Putten on expansion in Africa," Africa Outlook Magazine,7 Apr. 2019, https://www.africaoutlookmag.com/news/exclusive-an-interview-with-hiltons-jan-van-der-putten-on-expansion-in-africa. 6.     "World Development Report 2019: The Changing Nature of Work," The World Bank Group, 2019, https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2019. 7.     Moyo, Simbarashe. "4 ways Africa can prepare its youth for the digital economy," World Economic Forum, 29 May 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/05/4-ways-africa-can-prepare-its-young-people-for-the-digital-economy/.

Juliane Gruethner | 31 10 2019

海外プロジェクトのアサインメントは、グローバルモビリティ (国際間人事異動)マネジメントのホットトピックの 1 つです。2018 年の 駐在員マネジメント会議 (Expatriate Management Conference) に関する投票では、ますます多くの組織で、モビリティ部門が海外プロジェクトのアサインメントの管理に責任を持つようになっていることが明らかになりました。回答者の 90% 近くは海外プロジェクトのアサインメントと認識しており、80% は管理を担当していると回答しています。 では、新たな課題としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。 課題 1: 用語の共通理解 海外プロジェクトのアサインメント(International Project Assignment) に一般的な定義は存在しないようです。マーサーの調査では、回答企業の約 40% は、海外プロジェクトのアサインメントの期間は関係なく単に割り当てが国際的なものと定義し、一方60% は期間を指定していました。また一部の組織では、クライアントと外部・内部におけるプロジェクトの割り当ても区別しています。 明確な定義がない上に、ほとんどの企業 (73%) にはまだ海外プロジェクトのアサインメントに正式なポリシーや規程がありません。存在したとしても、多くの場合が従来の長期または短期の割り当ての規程と重複しています。いま会社に問われているのは、海外プロジェクトへの取り組み方に関わらず、海外異動する従業員の人事について、一貫した処理と公正な待遇を可能にする用語の正確な定義付けをしているか、そして、対応するガイドラインが用意されているかどうかです。 本稿では、海外プロジェクトのアサインメントを海外クライアントのプロジェクトへの割り当て、組織内部における海外プロジェクトへのアサインメントは海外異動と定義しています。 課題 2: 公正かつ平等な待遇 海外プロジェクトのアサインメントについては個別に報酬パッケージが決定され、従来の海外異動の報酬とは異なります。一部の従業員は、プロジェクトの仕事のために特別、または専属で雇用されている可能性もあります。その他の従業員は短期、長期派遣または通勤パッケージに基づき、海外プロジェクトに割り当てられます。 派遣元の国やプロジェクトのアサインメントが母国でどのように定義されているかによって、派遣員の間で報酬レベルが異なる可能性も生じます。ターゲットグループとアサインメントのタイプを区別する明確な社内規程を設けることにより、モビリティプログラムの透明性が高まり最終的には従業員に受け入れられていくことになります。 課題 3: 投資利益率の判別 マーサーの 2017 年Worldwide Survey of International Assignment Policies and Practices (海外派遣規程および福利厚生制度調査) では、大多数が海外異動にはビジネスケースが必要(62%)、対応費用の見積もりを準備している (96%) と回答しています。しかし、予算に対して実績を管理しているのは 43% に過ぎず、海外異動の投資収益率 (ROI) として定量化して定義していたのはわずか 2%でした。多くの場合、中長期的な視点で実施されるため、純粋な経済指標では表しにくいのが現状です。ただし、駐在員の昇進率や定着率の向上によって成功したケースの管理は可能です。 対照的に、海外プロジェクトのアサインメントの ROI は測定が容易で、実際原価を元の見積額やクライアントが支払った金額と比較することができます。この透明性によりコスト圧力が高まり、競争力のある価格でプロジェクトを実施できるよう、既存の社内規則や規程の運用にはより高い柔軟性が求められます。 結論として、短期的なビジネス価値 (利益を残しつつプロジェクトを受注し実施すること) と海外異動の中長期的な価値 (派遣先でスタッフのスキルギャップを埋めたり、能力開発を行ったりする等) のバランスは入念に検討する必要がありますが、これは海外異動のポリシーを完全にセグメント化することで達成できます。 課題 4: 海外プロジェクトのアサインメント管理件数が多い 業界によっては、組織内の海外プロジェクトのアサインメント数が極めて多くなる可能性もあります。会議投票の回答者の一人によると、年間約 23,000 件の海外プロジェクトのアサインメントを処理しているそうです。したがって、モビリティ部門で海外プロジェクトにおける割り当ての責任を引き継ぐ場合、必要なリソースを増やすか再配分しなくてはなりません。 また、サービス提供モデルと各手順を確認・調整して、海外プロジェクトの効率と効果性を高める必要があります。適切なテクノロジーの活用でプロセスを合理化すれば、多数の海外プロジェクトのアサインメント管理がしやすくなります。 課題 5: 未知の場所に派遣しなければならない 海外プロジェクトのアサインメントは、会社の通常の派遣先だけでなく、新しいクライアントサイトでも実施されるため、会社はリソースやその場所に関する知識を持ち合わせていない場合もあります。 必要な情報を取得したり、出入国管理や給与計算等のサービスを実行したりするためには、クライアントのリソースまたは外部ベンダーの活用が有効です。さらに、生活環境として困難な地域に従業員を派遣するケースでは、安全とセキュリティも考慮しなければなりません。 課題 6: コンプライアンスの問題 海外プロジェクトのアサインメントでは、急な決定事項や変更があるため、モビリティ部門は多くの場合、従来の海外異動よりも短期間で結果を出すように求められます。ただし、コンプライアンスは他の海外異動と同様に複雑であり、個別に評価する必要があります。これは、外部および内部のコンプライアンスの問題にも当てはまります。 多くのモビリティマネージャーは、コンプライアンス対応を最重要業務の 1 つと見ていますが、それは氷山の一角に過ぎないことが観察されており、記事の最初の部分で掲載されている課題のリストですべてが網羅されているわけではありません。この記事のパート II  では、企業の監督責任と考えられる解決策について引き続き検討しています。 詳細はこちら、マーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

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