キャリア

ダイバーシティからインクルージョン、そしてエンゲージメントの向上へ

14 March 2019
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“女性の就業は徐々に進んでいるものの、職務は補助的な役割に留まり、キャリア形成という点においては課題が多いのが現状である。”

近年、日本では、女性活躍や働き方改革、ダイバーシティといったことが盛んに言われるようになっている。また、2015年9月には女性活躍推進法が、2018年6月には働き方改革関連法案が成立している。女性の社会進出を促す背景には、少子高齢化による労働人口の減少や、女性の大学進学率の上昇による労働意識の向上、経済の低成長による男性収入の低下などがあり、女性の雇用者数は着実に増えている。その結果、出産や育児により女性の社会進出が阻害されていることの象徴となった、いわゆる「M字カーブ」が近年、改善されており、また、諸外国と比較しても遜色のない水準になってきている。

ただし、M字カーブが解消されつつあるのは、育児休暇制度の普及や保育所の整備などにより、女性が働き続けることが可能になったこともあるが、女性の非正規雇用の増加によるところが大きい。女性が、所得の低い非正規労働を選ぶ理由として、「自分の都合の良い時間に働ける」、「家事・育児・介護等家庭の事情と両立しやすい」といった理由を挙げることが多い。また、日本では、女性が役員や管理職に占める割合が依然として低い。女性の就業は徐々に進んでいるものの、職務は補助的な役割に留まり、キャリア形成という点においては課題が多いのが現状である。



(上記グラフは、いずれも「男女共同参画白書 平成30年版」より)

日本は今後、労働人口の減少に伴う、未曽有の人手不足に直面する可能性が高い。そのため、日本の企業にとっては、女性のみならず、あらゆる世代の、または様々な国籍の人材を確保し、中長期にわたって活躍を促すことが不可欠となるであろう。したがって、多様な人材が会社や組織の中で共存する(=ダイバーシティ)だけでなく、一人一人が組織の一員として尊重され、組織の意思決定や活動に参画できている(=インクルージョン)、そして自発的に自分の力を発揮しようとする貢献意欲が高まり(=エンゲージメントの向上)、それが組織・企業の競争力を高めていくという方向を目指していかなくてはいけない。

ただ、インクルージョンやエンゲージメントを高める取組みは非常に多岐にわたり、また相互に複雑に絡み合うため、個別の取組みをバラバラに実施しても効果が見えないということになりかねない。これらの取組みを企業の競争力の再構築につなげるためには、以下の3つの観点(①信頼関係の構築、②時間・場所の柔軟性、③多様性・個別性の尊重)から、その目的やアプローチをきちんと検証する必要があると思われる。

①    職場での信頼関係構築に役立つか
 

インクルージョンやエンゲージメントを高める上で重要な役割を果たすのは、「会社」というよりも個々の「職場」という単位である。職場において、社員一人ひとりが自然体でいられる、すなわち、自分の考えを自由に発言できる、そしてそれを傾聴してもらえるという安心感や信頼関係があることがインクルージョンを促す大前提となる。これは、グーグル社が見つけた生産性向上のカギである「心理的安全性」(psychological safety)と同じである。

例えば、様々な形態のオープンなコミュニケーションや情報共有、また職場内での仕事や役割分担の見える化などの取組みは、最終的には、組織と人の信頼関係の醸成に役立つものであるべきであろう。また、信頼関係の醸成を何よりも大切にすることにより、社員一人一人の能力と創造性を引き出し、チーム全体の生産性を高めることにつながると思う。

②    時間や場所の柔軟性を向上させるか
 

日本では、従来、「3つの無限定性」(職務内容・勤務地・労働時間の無限定性)を受け入れられる社員に頼った組織運営がなされてきた。しかし、近年、育児・介護をしながら働く社員の増加、共働き世帯の増加、健康やメンタルを害する社員の増加などにより、この「3つの無限定性」を受け入れられる社員は減ってきている。

職場で上司が長時間労働を是認・助長するような発言をすると、様々な事情によりそれができない社員は、「自分はこの職場で100%許容されていない」と感じ、能力や創造性を発揮する妨げになるであろう。また、職場にいる人だけに情報を共有したりすると、在宅やリモートで勤務している社員は、疎外感を感じるであろう。

個人がいつ、どこで働くかについての柔軟性を高めること、そして、そのために、多様な事情を抱える人材の参画意識を高めるような環境の整備や、仕事のプロセス改善を進めることにより、誰にとっても働きやすい組織へと変わることができる。

③    多様性や個別性を尊重する観点が含まれているか
 

人材マネジメントや人事制度の仕組みにおいても、近年、社員の多様なニーズをより広い視野からとらえ直したり、個々人のキャリアや能力開発、ワークライフバランスや健康などを積極的に支援したりする取組みが増えている。

          i.       例えば、2010年ころより、欧米企業の一部で、いわゆる“ノーレイティング”が導入されている。これは、評価結果を処遇に結び付けるよりも、評価を通じて、頻繁にフィードバックを行い、育成・成長を促すもので、社員の個別性を重視する。日本では、評価結果を処遇に結び付ける考えがまだ強く、導入企業は多くない。しかし、既存の評価制度の運用において、クイックにフィードバックを与えるための工夫がなされることは、個々の社員の成長やキャリア開発にとって有益である。

        ii.       また、報酬の面では、報酬を金銭的なものだけでとらえるのではなく、“リワード”を多面的にとらえようとする動きがある(=トータルリワード、さらにはトータルバリュー)。その会社で働くことの意義を伝えること、キャリアや能力開発の機会を提供することなどを含めて“リワード”ととらえ、社員の創造性や能力の発揮を促す、さらにはエンゲージメントを高めることを狙っている。

インクルージョンやエンゲージメントを高める施策に取り組むにあたっては、上記①~③の観点で、その目的やアプローチの妥当性を検証するとともに、現在の組織における課題は何か、本来どうあるべきか、どの領域を優先すべきか、について客観的な事実やデータで根拠づけることも極めて重要である。

また、多様なメンバーを抱えるチームにおいて、個性ある人材の自由な発想と貢献意欲を引き出し、イノベーションを起こしながら収益につなげていくという、高度なマネジメントが今後のリーダーには求められる。インクルージョンやエンゲージメントを高める取組みが成功するためには、「管理・指揮」型のリーダーから、「支援・統合」型のリーダー、すなわち、インクルーシブ・リーダーシップの存在も不可欠であることを付け加えておきたい。

今後のVUCA時代において、会社のビジョンに共感した仲間との信頼関係が構築され、柔軟な働き方ができる環境が整備され、また、多様性と個別性を尊重する風土がある組織で働けることは、個人にとって最大のセーフティネットである。また、そういう組織においてのみ、個人は、高い貢献意欲を持って自分らしく働けるのではないだろうか。また、そのようなエンゲージメントの高い社員が集まってこそ、企業も競争力とレジリエンスを備えた、強い組織になれるのではないだろうか。

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マーサーメトルの人材獲得状況2019年次報告書によると、人材獲得は企業が直面する最大の課題の1つです。テクノロジーによるイノベーションが市場を席巻し、スキル評価にますます重点が置かれるようになっているため、人材評価は競合他社に先駆けて高いポテンシャルを持つ人材を獲得するマラソンのようなものになっています。 求人プロセスは新聞広告からソーシャルリクルーティングに進化しています。さらに、次の業界トレンドは採用の自動化です。企業の採用活動は人手を介したプロセスからテクノロジー主導型のプロセスに流れ始めています。 テクノロジーで人材状況を改善する3つの方法は次のとおりです。 1.テクノロジーで雇用主のブランド価値を向上させる   2019年以降も優秀な人材を惹きつけ、維持しておくためには、強力なブランドを構築することがすべての雇用主の優先事項であるべきです。職場環境を改善し、従業員のエンゲージメントを高める努力を惜しまない企業がますます増える中では、ブランドに関するポジティブな話題がマーケットで拡散するように図る必要があります。 また、LinkedInの最新レポートでは、求職者の75%が企業に入社する前に社内のインナーブランディング(ブランドの理念やビジョンを社内に浸透させるための活動)を考慮していることを示しています。1ポジティブなインナーブランドは、質の高い人材を引き付け、維持し、そして紹介を通じて自動的に複数の求人の応募が得られるようになります。これがインナーブランディングの力です。 ここでテクノロジーによりどんな違いが生じるでしょうか?最新鋭のツール、アプリケーション、ソリューションを使うことで、大きな違いをもたらすことができます。スマートキャリアサイト、堅牢なソーシャルメディアの存在、求職者関係管理(CRM)システムなどのテクノロジーは、より洗練されたブランド戦略を実現する上で企業を支援することができ、それに伴うあらゆるメリットをもたらすことができるのです。 2.テクノロジーで求職者のエクスペリエンスを改善する   求職者が複数の求人から選べる場合、入社を促すにはそれなりの理由がなければなりません。高い給与だけが動機になるとは限りません。求職者のエクスペリエンスを満足のいくものにすることが決め手になる可能性があります。 採用プロセスは大きく3つの段階に分類されます。ソーシングリクルーティング、選考と決定、そしてオンボーディングです。採用担当者の仕事は、各段階においてシームレスでストレスフリーなエクスペリエンスを提供することであり、求職者が「この会社の採用プロセスはしっかりしている。きっと仕事もしやすいに違いない」と考えるようにすることです。その後は心配することはありません。一方、いずれかの段階で障害が発生したり、採用プロセスの段取りが悪いという印象を与えてしまった場合、求職者が他社のポジションを探してしまう可能性があります。 採用テクノロジーを導入することによって、求職者に優れたエクスペリエンスを提供するための選択肢が広がります。 3.テクノロジーで人材プールの質を高める   かつて企業には、人事評価と採用に関する標準化された手順がありませんでした。新聞広告、飛び込み、体系化されていない面接、さらにはペーパーテストの穴埋め問題に頼っていました。ただし、時が経つにつれ、企業はこれらの手法に欠点があることに気付くようになりました。 従来の採用方法は時間がかかり、複雑で、バイアスがかかっていました。人事担当者は面接で質問をする際、具体的なデータやフレームワークを持ち合わせていないため、求職者のソフトスキルの評価や弱みの理解ができずにいました。結果として求職者の辞退率が高まり、雇用主にとってジレンマとなっていました。 このようにプロセスが体系化されていなかったため、オンラインアセスメントの役割が高まり、今では求職者の有するスキルに基づいて、特定の職務に理想的な求職者の最終候補者のリストを提示するまでになっています。さらに、これらの事前審査によって、新入社員の仕事の能力とと定着率も予測します。一般的に、特に優秀な人材が求人市場に出るのは平均10日間と言われています。そのため企業は、優秀な求職者に関心を持ってもらえるように、さらに実践的、短期間、かつ興味深い人材獲得プロセスの開発を進めています。 さらに、マーサーメトルのレポートによると、企業の53%はコンピテンシーベースの面接を行い、40%は優秀な人材を採用するためにビデオ面接を活用しています。新時代の採用方法は、求職者のエンゲージメントを高めるだけでなく、人材の質も向上させます。2017年には、IT/ES業界ではアセスメントの活用が132%増加し、銀行金融サービスおよび保険(BFSI)業界では217%の増加が見られました。 採用テクノロジーの導入は、新時代の手法の効果性を示すものです。ツールにより求職者からの入力が収集され、回答がまとめられて、長所、短所、要改善分野を強調した最終レポートが提供されます。データに裏打ちされた結果は最終的には雇用主のブランド価値を高め、求職者のエクスペリエンスを改善し、人材プールの品質を向上させることにつながり、一括採用と中途採用の両方でシームレスな採用を実現するのに役立ちます。 1"The Ultimate List of Employer Brand Statistics," LinkedIn Talent Solutions,https://business.linkedin.com/content/dam/business/talent-solutions/global/en_us/c/pdfs/ultimate-list-of-employer-brand-stats.pdf.

Mustafa Faizani | 30 5 2019

家族経営企業がさまざまな業界にわたり、湾岸協力会議(GCC)全体で目立っていることは間違いありません。中小企業から有名な多国籍企業まで、家族によって所有・経営される企業が現代の国家の基盤となっています。 これらの企業の多くは、50年にわたり存続し、今日もなお生き残っています。第1世代が退陣し始めると、第2、第3世代への所有権の移行が見られます。中東では、今後10年間で約1兆ドルの資産が次世代の家族経営企業に譲渡されると推定されています。1 第1世代から第2世代への移行、そして徐々に増える第2世代から第3世代への移行は、こうした企業の持続可能性と成長に大きな影響を与えることでしょう。その結果、多くの企業がバトンを次世代に引き継ぐ状況にあることから、相続計画や後任計画への関心が高まっています。 現在のリーダーは家族内で事業を続けることを望みますが、移行のかなり前に準備が整っていない場合、多くの問題が発生するおそれがあります。このような準備不足は一般的なものです。リーダーは日々の事業運営に夢中になるあまり、長期的、戦略的な優先事項を見失うことは容易だからです。リーダーシップや所有権の変更に取り組まなかったことによる損失は、かなり大きくなる可能性があります。明確で戦略的な後任計画がないと、企業内で混乱、紛争、不確実性が生じて、買収や乗っ取りの対象になりやすくなります。 企業を長く存続させ、これまで築き上げてきた財産を維持できるかどうかは、相続計画と後任計画を通じて、こうした変化を先取りできるかどうかにかかってきます。 強力な社内人材戦略を立てる   計画を立てることには、多くの利点があります。最優先事項は、リーダーシップの継続性を確保することです。これは従業員のエンゲージメントを維持し、定着率を確保するための重要な要素になります。また、重要な役職について社内の候補者を採用するための時間的余裕が生まれるため、外部の候補者を探す費用を回避できます。社内候補者は、組織をよく知っており、社外からの採用に比べて成功する可能性が高い傾向にあります。また、社内の人材を昇進させることは、優秀な従業員の定着に役立ちます。それらの従業員が成長のチャンスを見いだし、成長を追求し続けるためです。 さらに、強力な人材戦略によってリーダーの役職を迅速に埋めることができれば、空席の役職による費用やリーダーシップの欠如による過ちだけでなく、過失による法的責任の発生を回避するのにも役立ちます。 運営構造を評価し、段階的に実行する   リーダーはしばしば、まず現在の報告体制と組織図を見て、誰が次のリーダーとなり得るかを評価します。しかし、組織の運営構造と、時間の経過に伴いそれがどう変化し得るかといった点を考えることも重要です。リーダーは、企業の成長に伴って職務別の活動をどのように発展させるかを検討しながら、この重要な変化の間、株主の体験にも目を向けなければなりません。職務を引き継ぐ人を選択する前に、こうした要素を検討する必要があります。 このプロセスの一環として、後任計画を段階的に行うことが重要となります。まず、会社にとって不可欠な役割を特定するとともに、要件を最もよく満たす後任人材のグループを選定することが重要です。「適切な評価」を確実に行って、準備の進み具合を見極めることで、次世代における企業のリーダーシップを強固なものにすることができます。過去の業績測定、360度のリーダーシップ行動テスト、将来性予測の手段など、さまざまな評価方法が適しています。 経営幹部のリーダーシップの関与   最後に、後任計画プロセスには、経営幹部のリーダーシップの関与が不可欠です。企業の上級幹部は、次世代人材の登用計画に全面的に携わり、頻繁に集まって、戦略的な人材管理問題について議論すべきです。 企業の後任計画の最終的な結果は、社内の支持とコミットメントが得られるかどうかによって変わってきます。業務上の必要性や予期せぬ変更によって中断が生じることは避けられません。それでも事業承継を徐々に前進させ続けるには、高いレベルのエンゲージメントと継続的な取り組みが必要です。 家族経営企業の後任計画についての詳細は、こちら をご覧ください。 出典: 1Augustine, Babu, "Middle East's Family Businesses Get Serious on Sustainability" Gulf News, November 7, 2015,https://gulfnews.com/how-to/your-money/middle-easts-family-businesses-get-serious-on-sustainability-1.1614502.

Pearly Siffel | 30 5 2019

爆発的な人口増加が発生すると、労働人口も増加します。それに伴い、地方自治体、国内企業、多国籍企業には、人口流入に対応するよう、より大きな圧力がかかってきます。労働力のニーズを確実に満たしつつ、組織はどのように急速な都市化の恩恵を利用できるのでしょうか。そして、最良の市場参入戦略とはどのようなものでしょうか。 今日、10人に5人がアジアの都市部に住んでおり、世界の都市人口の54%を占めています1。今後20年間で、10億人以上の人々がアジアの都市部に移動すると予想されています。言い換えると、毎週100万人が新たに到着することになります。近いうちに、世界のメガシティーの60%がアジアに集中することになります。 インドでは、この傾向がさらに加速しており、2億人以上の人々がより良い生活の質とより大きな経済的見通しを求めて、生まれ育った土地から移住しています。インドの都市部は今後数年間で飛躍的に成長し、同国のGDPの大部分が都市からのものになると予想されています。インドの都市部の成長ペースを考えれば、インドにはまもなく新しいメガシティーや何百という新しい都市が生まれることでしょう。 インドに赴けば、この国の膨大な成長が手に取るようにわかり、その活力や活気は刺激的かつ圧倒的です。野外市場や露店からホテルのロビーや会議室の喧騒まで、色、音、味、匂いの饗宴が五感を圧倒します。その中心にいるのがこの国の人々です。 ただ、急激な成長は、新旧問わず、高度にネット接続された「スマート」な都市、さらには新興企業、地元企業、多国籍企業にとって、大きな課題となっています。障害とチャンスをより理解できるよう、マーサーは「ピープルファースト:新興メガシティーにおける成長の促進(People First: Driving Growth in Emerging Megacities)」という広範な研究を行い、新興の成長都市における生活と仕事を調査しました。 この調査は、インドの4つの急成長都市(アーメダバード、チェンナイ、ハイデラバード、コルカタ)を含む、世界15都市の雇用主と労働者の視点を収集したものです。調査結果は、インドの都市化の恩恵を受ける可能性のある人々に、実用的な洞察を提供しています。以下が3つの重要な調査結果および必須事項です。 1.人々が最も大切にしていることを理解する   この調査では、人々が都市にどのような期待を寄せているか、および人々が特に重要と考える要素を都市がどの程度提供しているかを検討しました。世界的に見て、労働者の生活の質に対する期待とそのニーズに応える都市のパフォーマンスの間には30ポイントの差がありました。全世界の統計では、生活・就労する都市についての人々の感じ方に影響を及ぼす要因の上位3つは、安全・安心で暴力がないこと(1位)、手頃な価格の住宅(2位)、そして輸送・交通・移動手段(3位)となっています。 インドでの調査結果も驚くほど似ていますが、地域による違いもあります。コルカタの住民は、十分な就業機会がないことが問題であると感じています(25ポイント差)。一方、アーメダバードとチェンナイの人々は、大気汚染や水質汚染への対応が改善されることを望んでおり(それぞれ14ポイント差と19ポイント差)、ハイデラバードでは、給与/ボーナスが最大の課題として浮上しています(10ポイント差)。 人口過剰で資源に制約のある都市部で、都市が住民のニーズをより適切に満たすことができるようにするには、政府と企業が協力して取り組む必要があります。この調査によれば、労働者階級の人々は、都市の体系的な問題に大規模に対処する責任を負うことを、特定のひとつの組織に求めていないことがわかりました。 その代わり、国・連邦政府の支援(62%)や大企業の支援(53%)を受けながら、市や地方自治体と効果的に協力していくこと(77%)を望んでいます。どの組織も、急速に成長中の都市におけるインフラ、人材、または人々のニーズに関する問題を単独で解決することはできません。こうした問題解決は、協力、関心の共有、リソースの共同管理により可能となるもので、また、そのように行われなくてはなりません。 2.仕事の未来に備える   都市が自動化や新技術の試験場となることはよくあり、職場は一般的に、そうした動きの影響から一番に恩恵を受ける領域の1つです。インドでは、他のいくつかの世界経済地域に比べて、「コネクティビティ」(相互接続性)が生活様式に溶け込んでおり、デジタルプラットフォームが広く使用されています。各種の推計では、2030年までに買い物の40%以上がデジタル的な影響を大きく受けた形態になるとされています。2インドは、国としての人工知能戦略の構築において世界をリードする国の1つです。ブロックチェーンテクノロジーの採用では最前線を進み、ドローンの使用でも先がけとなっています。 マーサーの調査結果では、被雇用者(45%)と雇用者(52%)の両方が、自動化およびAIによって作業の効率化が進むと考えています。世界全体では、62%の労働者が、今後5〜10年以内にAIが自分の仕事の少なくとも半分を置き換えることができるようになると予想しています。インドでは、自動化はさらに大きな役割を果たすと予測されています。というのも、インドの雇用者の61%、被雇用者の8%が、テクノロジーが自らの仕事の50%以上に取って代わると予想しているからです。このため、今後5年のうちに失職しないと確信する人は5人に1人に留まっています。企業にとってこの結果は、未来の働き方に備えるとともに、将来必要とされるスキルや人材を想定して準備を進めることを求めるメッセージといえるでしょう。 さらに旅は続きます。マーサーの調査によると、現時点では、柔軟な勤務形態(フレックスタイム、在宅勤務など)で働く人々は、インドの未来を支える都市における労働人口の30%に過ぎません。テクノロジーが人間の能力をますます拡大し続ける中、企業は「どこで」作業を行うかのみならず、「どのように」行うかについても計画する必要があります。企業が競争優位性を維持するためには、現在とは異なる人材と新たなスキルを模索し、人間ならではの能力――複雑な問題解決能力、創造力、優れた顧客サービス、異文化間の協力、判断力、共感力など――をこれまで以上に重視する必要があります。 結局、企業は人をテクノロジーの中心に置くことにより利益を得るのであって、その逆ではありません。 3.インド人となり、インド製品を購入し、インド人と提携する   国際企業が事業の規模を拡大し、世界的に事業を拡大しようとするなら、インドを見逃してはなりません。2025年までに、インドの世帯数は3倍になり、その80%が中流階級の家族で構成されるようになります。そして、中流階級の拡大に伴って、生活の質の向上に対する需要が高まっています。生活必需品から贅沢品、あらゆる形態のサービス、住居・教育・ヘルスケアの改善、交通手段の安定性向上、さらには安全性に至るまで、さまざまなものが求められています。 世界の優良企業はインドに進出する際に、十分な情報に基づく適切な戦略を考案する必要があるでしょう。一部の企業にとっては、最良の形で参入できる方法は、文化的規範、規制環境や商習慣への対応方法について深い知識と専門性を備えた地元企業と提携することかもしれません。 また、事業拡大は、インドを安価な労働力を得る場所としてでなく、購買力をますます高めつつある才能豊かな教養のある人々が存在する貴重な場所ととらえる、考え方の転換にもつながります。ただしその場合、従来型の働き方を手放し、代わりに現地のパートナーシップ、慣習、リーダーシップを取り入れることになるでしょう。 根気強く執拗に持続可能な成長を追求すれば、長期的な価値を推進できるでしょう。最後に、我々の多くが退職する前に、インドが米国経済を追い越し、世界第2位の市場になる可能性が高いことを念頭に置いておくと、皆に利益がもたらされるでしょう。3 時間同様、成長は待ってはくれません。インドの急速に拡大する都市は、うまくいけば、収益性のある成長を遂げる可能性があります。重要なのは、誰にとっても、利益を得るとは人々を最優先にすること(ピープルファースト)であるという点です。 企業や自治体がどのように市民に対する戦略を加速し、営業的利益を実現できるのか、さらなる洞察と実用的なアドバイスにアクセスするには、「ピープルファースト:新興メガシティーにおける成長の促進(People First: Driving Growth in Emerging Megacities)」をダウンロードしてください。 出典: 1U.N. Economic and Social Council, "Urbanization and sustainable development in Asia and the Pacific: linkages and policy implications," March 7, 2017, https://www.unescap.org/commission/73/document/E73_16E.pdf. 2Ojha, Nikhil and Zara, Ingilizian, "How India Will Consume in 2030: 10 Mega Trends," World Economic Forum, January 7, 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/01/10-mega-trends-for-india-in-2030-the-future-of-consumption-in-one-of-the-fastest-growing-consumer-markets. 3Wang, Brian, "World GDP Forecasts for 2030," Next Big Future, January 14, 2019, https://www.nextbigfuture.com/2019/01/world-gdp-forecasts-for-2030.html.

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Sean Daykin | 13 6 2019

近年になって激しさを増す経済の多様化と開発努力の観点から、プライベートエクイティ(PE)は、湾岸協力会議(GCC)においてますます重要になっています。PEはGCCにおける比較的新しい資産クラスとして台頭してきていますが、GCCでは、UAEや西ヨーロッパの先進国市場に見られ、ファンドマネジャーが過半数の株式を取得する従来の「買収型」PEよりも、「成長資本型」PEへの関心が高まっています。実際、ベンチャーキャピタル(VC)では、Careemのようなこの地域のVCユニコーンの成功やAmazonによるSouq.comの買収を受けて、資金調達が急増しています。 PEは、経済成長を促進する上で重要な役割を果たすことができます。GCCは、富の増加、最近の重要な経済改革、そして地域の各政府が強力に主導する、現地の起業家精神の強化や中小企業の振興などの要素によって、PE投資にとってきわめて魅力的な地域となっています。 地域の各政府は、地域での起業計画を奨励するため、規制を緩和したインキュベーターや地域ハブを創設することにより、VCのさらなる成長を促進しようとしています。最終的にはこうした取り組みが、持続可能な経済成長を促進し、より大きな成功をもたらし、さらに高度な技術を要する仕事を増やすことでしょう。 しかし、大きな話題になったAbraaj Groupの事件を受け1、 投資業界はこの地域において、より強固な企業統治を求めています。自らの資金がどう扱われるかという点について、投資家がより大きな注意を払うようになったため、現地のPEマネジャーは以前よりはるかに厳しい監視を受けるようになっています。 地域の投資家は、民間市場の業績を測定する際、さらに深い理解を求めるようになっています。買い手や投資家は、過去のパフォーマンスなどの要素を考慮し、投資と業務に対してデューデリジェンスを実施して、実証済みかつ試験済みの情報に基づいてPE市場に参入する決定を下したいと考えています。 民間市場の絶対的および相対的なパフォーマンス測定はとても重要であると同時に、非常に繊細なものでもあります。「価値創造」はPEのストーリーにおける重要な側面であるため、測定は正確であるのみならず意味を持つものでなくてはなりません。 あらゆる投資と同様、過去のパフォーマンスを評価することは常に、ポートフォリオの全体的資産配分にPEを含めるかどうかを決定する際の要素となります。しかし、PE投資家は、厳格なデューデリジェンスを通して、ファンドの真のパフォーマンスをさらにじっくり見極めなくてはなりません。測定基準と定性的測定の組み合わせは、ファンドの実績と将来のパフォーマンスの可能性を総合的に理解するために重要です。 定量的測定基準に関して最も一般的に使用される3項目は、内部収益率(IRR)、投資倍率(TVPI)、および実現倍率(DPI)です。 IRRは、民間市場投資のパフォーマンス測定に最も広く引用されている測定基準です。これは、一定期間にわたって行われた投資と取得された投資を考慮する、時間ベースの測定です。投資が成熟する(または特定の価格で売却する)のに時間がかかればかかるほど、年換算IRRは低くなります。 2つ目の指標であるTVPIは、当初の投資と比較して、(配当および最終的な売却を通じて)投資からどれだけの価値が得られたかを検討するものです。最後の指標はDPIで、当初投資された金額と比較して、当初の資本のうちのどれだけが(配当またはその他の支払いを通じて)返ってくるかを測定するものです。DPIは実現値のバロメーターであり、合計値ではありません。 これら3つの指標はすべて、投資家がPEファンドの過去のパフォーマンスを評価するために重要な役割を果たします。PEファンドのパフォーマンスを包括的かつ正確に評価する唯一の答えはありませんが、これらの指標を一括使用すると、より深く理解することができます。 ファンドの過去のパフォーマンスを測定しても、今後のPEファンドのパフォーマンスがわかるわけではありません。こうしたコミットメントの有効期間は長いため、投資に関連する他の要素を検討する必要があります。その一環として、投資チームの安定性を評価する場合があります。投資チームによるディールソーシングの方法や、投資先企業で価値を生み出している方法を検討することになります。 Abraajの事例を受け、マネジャーやバックオフィス業務の評価は、デューデリジェンスの重要な測定基準の1つになりました。効果的な内部統制、強力なシステム、十分な人数の運用チームも、PEファンドを成功させるために重要となります。 民間市場のパフォーマンス測定は、公設市場のパフォーマンス測定より明らかに複雑です。民間市場のパフォーマンスを測定するためには、関連する測定基準や手法に対する見方を明確にする必要があります。しかも、さまざまな観点から情報が入るうえに、特殊な分析方法が求められます。さらに、主観が入ることがあるうえ、操作されるおそれもあります。結局のところ、このようなパフォーマンス測定は、民間市場投資の成功の不完全な評価を表現するものとなっています。しかし、民間市場のパフォーマンス測定は進化し続けており、現在の欠点が改善される可能性はあります。 投資家にとって鍵となるのは、長期にわたって持続的に強力な投資を生み出すことができる投資人材を見出すことです。過去のパフォーマンスはマネジャーの今までの実績を評価するためには役立ちますが、将来の成果を保証するものではありません。したがって、投資家は深い「定性的」投資を行いつつ、運用に対するデューデリジェンスを実施して、投資が将来的に成功する可能性を見極める必要があります。 マーサーによる投資戦略の支援方法についての詳細は、こちらをクリックしてください。 出典: 1Ramady, Mohamed, "Abraaj Capital: The Rise and Fall of a Middle East Star," Al Arabiya, July 3, 2018,https://english.alarabiya.net/en/views/news/middle-east/2018/07/03/Abraaj-Capital-The-rise-and-fall-of-a-Middle-East-star.html#.

マーサーメトルの人材獲得状況2019年次報告書によると、人材獲得は企業が直面する最大の課題の1つです。テクノロジーによるイノベーションが市場を席巻し、スキル評価にますます重点が置かれるようになっているため、人材評価は競合他社に先駆けて高いポテンシャルを持つ人材を獲得するマラソンのようなものになっています。 求人プロセスは新聞広告からソーシャルリクルーティングに進化しています。さらに、次の業界トレンドは採用の自動化です。企業の採用活動は人手を介したプロセスからテクノロジー主導型のプロセスに流れ始めています。 テクノロジーで人材状況を改善する3つの方法は次のとおりです。 1.テクノロジーで雇用主のブランド価値を向上させる   2019年以降も優秀な人材を惹きつけ、維持しておくためには、強力なブランドを構築することがすべての雇用主の優先事項であるべきです。職場環境を改善し、従業員のエンゲージメントを高める努力を惜しまない企業がますます増える中では、ブランドに関するポジティブな話題がマーケットで拡散するように図る必要があります。 また、LinkedInの最新レポートでは、求職者の75%が企業に入社する前に社内のインナーブランディング(ブランドの理念やビジョンを社内に浸透させるための活動)を考慮していることを示しています。1ポジティブなインナーブランドは、質の高い人材を引き付け、維持し、そして紹介を通じて自動的に複数の求人の応募が得られるようになります。これがインナーブランディングの力です。 ここでテクノロジーによりどんな違いが生じるでしょうか?最新鋭のツール、アプリケーション、ソリューションを使うことで、大きな違いをもたらすことができます。スマートキャリアサイト、堅牢なソーシャルメディアの存在、求職者関係管理(CRM)システムなどのテクノロジーは、より洗練されたブランド戦略を実現する上で企業を支援することができ、それに伴うあらゆるメリットをもたらすことができるのです。 2.テクノロジーで求職者のエクスペリエンスを改善する   求職者が複数の求人から選べる場合、入社を促すにはそれなりの理由がなければなりません。高い給与だけが動機になるとは限りません。求職者のエクスペリエンスを満足のいくものにすることが決め手になる可能性があります。 採用プロセスは大きく3つの段階に分類されます。ソーシングリクルーティング、選考と決定、そしてオンボーディングです。採用担当者の仕事は、各段階においてシームレスでストレスフリーなエクスペリエンスを提供することであり、求職者が「この会社の採用プロセスはしっかりしている。きっと仕事もしやすいに違いない」と考えるようにすることです。その後は心配することはありません。一方、いずれかの段階で障害が発生したり、採用プロセスの段取りが悪いという印象を与えてしまった場合、求職者が他社のポジションを探してしまう可能性があります。 採用テクノロジーを導入することによって、求職者に優れたエクスペリエンスを提供するための選択肢が広がります。 3.テクノロジーで人材プールの質を高める   かつて企業には、人事評価と採用に関する標準化された手順がありませんでした。新聞広告、飛び込み、体系化されていない面接、さらにはペーパーテストの穴埋め問題に頼っていました。ただし、時が経つにつれ、企業はこれらの手法に欠点があることに気付くようになりました。 従来の採用方法は時間がかかり、複雑で、バイアスがかかっていました。人事担当者は面接で質問をする際、具体的なデータやフレームワークを持ち合わせていないため、求職者のソフトスキルの評価や弱みの理解ができずにいました。結果として求職者の辞退率が高まり、雇用主にとってジレンマとなっていました。 このようにプロセスが体系化されていなかったため、オンラインアセスメントの役割が高まり、今では求職者の有するスキルに基づいて、特定の職務に理想的な求職者の最終候補者のリストを提示するまでになっています。さらに、これらの事前審査によって、新入社員の仕事の能力とと定着率も予測します。一般的に、特に優秀な人材が求人市場に出るのは平均10日間と言われています。そのため企業は、優秀な求職者に関心を持ってもらえるように、さらに実践的、短期間、かつ興味深い人材獲得プロセスの開発を進めています。 さらに、マーサーメトルのレポートによると、企業の53%はコンピテンシーベースの面接を行い、40%は優秀な人材を採用するためにビデオ面接を活用しています。新時代の採用方法は、求職者のエンゲージメントを高めるだけでなく、人材の質も向上させます。2017年には、IT/ES業界ではアセスメントの活用が132%増加し、銀行金融サービスおよび保険(BFSI)業界では217%の増加が見られました。 採用テクノロジーの導入は、新時代の手法の効果性を示すものです。ツールにより求職者からの入力が収集され、回答がまとめられて、長所、短所、要改善分野を強調した最終レポートが提供されます。データに裏打ちされた結果は最終的には雇用主のブランド価値を高め、求職者のエクスペリエンスを改善し、人材プールの品質を向上させることにつながり、一括採用と中途採用の両方でシームレスな採用を実現するのに役立ちます。 1"The Ultimate List of Employer Brand Statistics," LinkedIn Talent Solutions,https://business.linkedin.com/content/dam/business/talent-solutions/global/en_us/c/pdfs/ultimate-list-of-employer-brand-stats.pdf.

Mustafa Faizani | 30 5 2019

家族経営企業がさまざまな業界にわたり、湾岸協力会議(GCC)全体で目立っていることは間違いありません。中小企業から有名な多国籍企業まで、家族によって所有・経営される企業が現代の国家の基盤となっています。 これらの企業の多くは、50年にわたり存続し、今日もなお生き残っています。第1世代が退陣し始めると、第2、第3世代への所有権の移行が見られます。中東では、今後10年間で約1兆ドルの資産が次世代の家族経営企業に譲渡されると推定されています。1 第1世代から第2世代への移行、そして徐々に増える第2世代から第3世代への移行は、こうした企業の持続可能性と成長に大きな影響を与えることでしょう。その結果、多くの企業がバトンを次世代に引き継ぐ状況にあることから、相続計画や後任計画への関心が高まっています。 現在のリーダーは家族内で事業を続けることを望みますが、移行のかなり前に準備が整っていない場合、多くの問題が発生するおそれがあります。このような準備不足は一般的なものです。リーダーは日々の事業運営に夢中になるあまり、長期的、戦略的な優先事項を見失うことは容易だからです。リーダーシップや所有権の変更に取り組まなかったことによる損失は、かなり大きくなる可能性があります。明確で戦略的な後任計画がないと、企業内で混乱、紛争、不確実性が生じて、買収や乗っ取りの対象になりやすくなります。 企業を長く存続させ、これまで築き上げてきた財産を維持できるかどうかは、相続計画と後任計画を通じて、こうした変化を先取りできるかどうかにかかってきます。 強力な社内人材戦略を立てる   計画を立てることには、多くの利点があります。最優先事項は、リーダーシップの継続性を確保することです。これは従業員のエンゲージメントを維持し、定着率を確保するための重要な要素になります。また、重要な役職について社内の候補者を採用するための時間的余裕が生まれるため、外部の候補者を探す費用を回避できます。社内候補者は、組織をよく知っており、社外からの採用に比べて成功する可能性が高い傾向にあります。また、社内の人材を昇進させることは、優秀な従業員の定着に役立ちます。それらの従業員が成長のチャンスを見いだし、成長を追求し続けるためです。 さらに、強力な人材戦略によってリーダーの役職を迅速に埋めることができれば、空席の役職による費用やリーダーシップの欠如による過ちだけでなく、過失による法的責任の発生を回避するのにも役立ちます。 運営構造を評価し、段階的に実行する   リーダーはしばしば、まず現在の報告体制と組織図を見て、誰が次のリーダーとなり得るかを評価します。しかし、組織の運営構造と、時間の経過に伴いそれがどう変化し得るかといった点を考えることも重要です。リーダーは、企業の成長に伴って職務別の活動をどのように発展させるかを検討しながら、この重要な変化の間、株主の体験にも目を向けなければなりません。職務を引き継ぐ人を選択する前に、こうした要素を検討する必要があります。 このプロセスの一環として、後任計画を段階的に行うことが重要となります。まず、会社にとって不可欠な役割を特定するとともに、要件を最もよく満たす後任人材のグループを選定することが重要です。「適切な評価」を確実に行って、準備の進み具合を見極めることで、次世代における企業のリーダーシップを強固なものにすることができます。過去の業績測定、360度のリーダーシップ行動テスト、将来性予測の手段など、さまざまな評価方法が適しています。 経営幹部のリーダーシップの関与   最後に、後任計画プロセスには、経営幹部のリーダーシップの関与が不可欠です。企業の上級幹部は、次世代人材の登用計画に全面的に携わり、頻繁に集まって、戦略的な人材管理問題について議論すべきです。 企業の後任計画の最終的な結果は、社内の支持とコミットメントが得られるかどうかによって変わってきます。業務上の必要性や予期せぬ変更によって中断が生じることは避けられません。それでも事業承継を徐々に前進させ続けるには、高いレベルのエンゲージメントと継続的な取り組みが必要です。 家族経営企業の後任計画についての詳細は、こちら をご覧ください。 出典: 1Augustine, Babu, "Middle East's Family Businesses Get Serious on Sustainability" Gulf News, November 7, 2015,https://gulfnews.com/how-to/your-money/middle-easts-family-businesses-get-serious-on-sustainability-1.1614502.

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