キャリア

明日の都市における今日の人材

2018年11月22日
  • Pearly Siffel

    Strategy and Geographic Expansion Leader, International, Mercer

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「次世代のメガシティは、先を見据えた従業員達が生活の満足度をどのように定義づけるかに注視することで、すでに確立された経済力を持つ拠点に挑戦している。」

世界的な人口の都市化
 

今後10年間で、世界のGDP成長のほぼ半分が成長市場の約400の都市から上がってくるだろう。特に、現在スキルや才能のある従業員が、現代の大都市の、職業的、個人的そして文化的な快適さに惹かれていくにつれて、都市化は現代社会の文化的そして経済的な原動力になり続ける。実際、前世紀で都市化は13%から55%へと進み、2050年までには70%にまで成長することが予測されている。しかしながらこの成長により、かつては世界で最も成功している従業員や企業の事実上のホームタウンとしてその地位が確立されていた巨大都市を、今まで見過ごされていた都市が追い抜かすチャンスが提供されているのだ。

高いスキルを持つ人材が不足しているということはすなわち、都市や企業は、ビジネスの未来を導く才能のある人材を求めてますます熾烈な競争を戦わなくてはならないということだ。このように強く望まれる従業員は、どこで働き、住みそして子育てをするかを決める時に、人的そして社会的要因の重なった優先順位を持つため、人口の都市化に新たなトレンドを起こしている。『人が第一:新興国メガシティの成長を推進する』と題されたマーサーの新しい調査では、15の新興メガシティにおいて従業員がなぜ「生活に対する満足感」を最も重要な要因と捉えているのかを探り、そして、最高の人材を惹き寄せるために、安心・安全やその他の職務的に重要な要因や地域に限定的な条件がどのように影響するかを分析している。

このマーサーの調査は、7ヵ国(ブラジル、中国、インド、ケニア、メキシコ、モロッコ、そしてナイジェリア)の7,200人の従業員および577人の雇用主にわたって行われている。このレポートでは、今日の従業員達の間に広まっているニーズや、どこで働き、そしてなぜそこを選ぶのかということについてのモチベーションや懸念事項を詳しく調査している。レポートでは同時に、雇用主やメガシティがそういった従業員やその家族のニーズを満たすことができるのかということも分析している。高いスキルを持つ人材が少なく人口の都市化が進んでいる世界で、雇用主や都市は、その存在について重要な質問をしている。「プロフェッショナルを特定の都市に移住させるものは何か?雇用主や都市はどうしたら、新たに出現したホットスポットに、勢いのある新興企業や将来的なユニコーン企業そして世界的なブランドから望まれるようになり、優秀で高レベルのスキルを持つ従業員を惹きつけることができるのか?生産性の高い従業員は、雇用主や拠点となる都市に対して、実際に何を求めているのか?」

明日の都市でよりよい生活をしたいという欲求  
 

マーサーのレポートでは、人々の優先順位を認識し取り込むことの重要性を明らかにしている。企業はあまりにもしばしば、ビジネスとその拠点となる都市において潜在的な成長を解放させる鍵となるのはキャリアと雇用の機会を創出することだという思い込み(雇用主のランキング1位)の下で運営をしている。企業はまた、仕事に対する満足度が都市を繁栄させる重要なもう一つの要因に違いないという印象(雇用主のランキング3位)を持っている。このような誤解のある結論は、企業やメガシティにひどくコストをかけさせ、現代のグローバル経済の競争を勝ち抜くための力を弱体化させるかもしれない。

調査の一部において、マーサーは従業員に焦点を置き、それぞれの回答者層、世代区分、キャリア向上、生涯学習への傾向、経済的安定レベルに基づいた細分化調査を行った。レポートでは従業員の「生活に対する満足感」を、人・健康・資産・仕事という、4つの鍵となる基準を使って説明している。各従業員セグメント固有のニーズや価値観を明らかにすることで、高成長都市の雇用主や政府が高いスキルを持つ人材を惹きつけ維持するのに必要な、有益な見識を得ることができる。

昇進の機会や仕事の満足度は経済的に良い暮らしをするために重要ではあるが、従業員達は、家族や安全そして環境的な要因こそが、感情面でのストレス度合やライフスタイルを維持すること、そして個人の健康に影響を与える要素として、より重要なものと位置付けている。下の図は、「生活に対する満足感」の様々な構成要素について、雇用主と従業員の間でいかに大きな食い違いがあるかを表している。

 

 


すでに確立された強い拠点を凌駕すること  
 

上海やソウルなど、世界は力のあるメガシティが世界経済に及ぼす影響についてとてもよく理解している。しかし、このような都市の驚異的な成功というものは、その都市の将来的な成長を限定してしまう問題の一因ともなる。急騰する家賃や生活費、手に負えないほどの人口増や汚染の進度、入手しにくい手ごろな価格の介護サービスや教育、長くなる通勤時間に劣化していくインフラ、これらのすべてが、現代的な従業員がどこに住み子育てをするかを決めるにあたって探し求める快適さを、いつの間にか半減させてしまう。それとは対照的に、新興の次世代都市は現代の従業員のニーズに合わせて成長する(ニーズを受けてから対応する、ではなく)のにより適している。

企業やメガシティというものの強さというものはつまり、そこにいる人々の強さである。すでに確立された強い拠点と競い世界経済において素晴らしい存在感を打ち立てるためには、新興のメガシティはスキルを持つ従業員からの職業的、個人的そして文化的な要望すべてに対し、積極的に応えなければならない。調査では、15の現在そして将来のメガシティでいくつかの共通点があるものの、人・健康・資産・仕事というカテゴリーに分けてパフォーマンスを見た時の重要な違いを明らかにしている。レポートでは都市を従業員の期待に応える能力に応じて、先進的・発展中・台頭中という3つのグループに分類している。

 

これら15の新興メガシティには、1億1,300万人以上の集積された人口、力強い推移が予想されるGDP、年間40億ドル以上の国外からの直接投資、そして今後10年にわたって新たな消費者が100万人に到達すると予想される人口成長の軌道がある。これらの成長経済は、新たな世界経済の最前線を象徴している。もしも、これらの15の都市におけるビジネスリーダーや政策決定機関、インフラの設計者が彼らのリソースを調整し、「従業員の声」を彼らの決定や計画のプロセスに組み込めば、居住決定をうながす人的そして社会的要因をうまく示すことができるだろう。従業員人口の各セグメントにおける固有のニーズや欲求そしてモチベーションへの理解を深めることで、企業は、最高の人材をより惹きつけ維持するために提供するものやプログラムを用意することができる。そして従業員一人ごとに、すでに確立された拠点を凌駕することができるのだ。

コラボレーションの新時代  
 

雇用主も次世代のメガシティも、単独では「生活に対する満足感」を供給することはできない。スキルのある従業員が望むのは、企業と都市政府が協力して初めてもたらされるリソースだ。企業のソートリーダー達と為政者が、デジタル化やグローバリゼーション、現代のヘルスケアや、将来を見越した家族が価値を見出すことができる教育環境を提供するような、新たな政策や構想を作り出し実行しなければならない。コラボレーションの新時代を強固なものにするにはまず、従業員個人及び集団的な人材の声や関心を高めることから始めることだ。雇用主や新興のメガシティは、従業員がどのように暮らし、働き、仕事をしそして学びたいのかを十分に理解しなければならない。

もちろん、すべての雇用主やメガシティが同じではない。周囲のコミュニティや季節の変化、個人の状況(健康不安など)、人生の夢、あるいは職場や学校から自宅の距離が近いことなど、従業員のニーズは様々だ。伝統的なビジネスのダイナミクスを超えた考え方や従業員の複雑なニーズを優先することには、新鮮な思考を要する。発奮させるようなアサインメントやリテンションボーナス、出張手当などは、限られたインパクトしか持たない。企業やメガシティは、従業員を育む環境を作り出さなくてはならず、それは彼らが働き、家族を支えそして地域に密着する新たな方法のある生活を追い求めることができるものでなければならない。

官民の効果的なパートナーシップによって、大きなスケールで改善を促進し向上を加速することができる。従業員やその家族が成長することができる環境を作り出すことで、企業や政府は、すべての人にとって継続維持できる経済成長を作り出し、彼らが惹きつけようとしている従業員の将来的なニーズに対処することができる。例えば、手ごろな住居がない、地域の交通に問題がある、育児や高齢者介護の利用といったことは、従業員の生活の満足度に直接インパクトを与える。そういった複雑な課題の深刻さや全体像を明らかにするためには、雇用主や次世代メガシティは、他の企業や市民社会と協力し、従業員やその家族に報いる戦略を発展させる組織を支えるべきだ。こういったことができなければ、取り残されるかもしれない。

企業や自治体が人材への戦略を加速し商業的な利益を上げるにはどうしたらよいか、さらに推察や実務的なアドバイスを得るためには、『人が第一:新興国メガシティの成長を推進する』をご覧ください。

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Lewis Garrad | 30 1 2020

優秀な人材の確保は、あらゆる組織の将来の成功に不可欠である。そして、エンゲージメントの高い労働力は、人材を動員し求めるものを実現するための最短経路である。これら2つの基本的な経営理念をリーダーたちが確信する中、従業員エンゲージメントは過去10年間で極めて重要な人事トピックとなりました。その結果、主に年次の従業員フィードバックなどにより、多くの組織がエンゲージメントを高めるプログラムに投資するようになりました。 しかし、リーダーや人事部がいくら注力しても、多くの組織は従業員の エンゲージメントと生産性 の改善に苦戦しています。組織の慣性、あるいは「ドラッグ」(drag)は、複数のレベルで進捗に影響を与える普遍的な現象です。1ほとんどの組織は、人々が実際の変化よりも現状維持を好むと理解しています。そのため、多くの人事リーダーは、より関連性の高い有意義な 従業員エンゲージメント を生み出す要因を探求してきました。 科学的な見地 最近のメタアナリシスでは、職場でのエンゲージメントが性格によってどの程度予測できるかが検証されました。2多くの組織が文化的および環境的要因に焦点を当てる中、個々の違いが組織との関わり方にどれほど影響するかを知ろうとしたのです。分析では、職場でのエンゲージメントの約半分が個性によって予測できることが示されました。熱心で、明るく、誠実な従業員は、全般的により高いレベルのエンゲージメントを示しました。 この発見から、エンゲージメントを変えることがどれほど困難であるか説明がつきます。エンゲージメントの半分が性格によって予測できるのであれば、職場慣行や職場環境の組織的改革を成功させるには、個人レベルで何らかのインパクトを与えなければなりません。 エンゲージメントを増進する要因が従業員の認識と性格の両方であるなら、マネージャーレベルで変化を起こす必要があります。個々の従業員を対象に、その人と仕事の繋がりを強くするようなイニシアチブの実施も求められるでしょう。文化的/集団的な変化は、健康状態や協力体制、創造性、生産性を改善するためにも欠かせません。 「エンゲージ可能な」人材の登用こそが成功戦略、という意味ではありません。組織の多様性が極めて重要なリソースなのです。より懐疑的で批判的な人はエンゲージメントが困難になる可能性があるものの、現状に異議を唱えることができる可能性を秘めているのです。このような人材も職場には重要な存在であり、彼らを排除することは効果的なアプローチではありません。 ジョブ・デザインで仕事をもっと魅力的に 最近、Facebook HRチームは、従業員が辞職する理由を調査した結果を発表しました。3日々の仕事が自分の望むほど面白くなく魅力的ではないから、というのが主な理由に挙げられました。Facebookの場合、魅力的でないのはマネージャーではなく仕事なのです。 しかし、職務設計とは通常マネージャーが行うため、完成度は決して高くないと言えます。パフォーマンス管理など他の分野で準備されたトレーニングの量と比較すると、多くのマネージャーが仕事の設計方法に関するガイダンスを受けていないためです。 それでも、ジョブ・デザインは、人事管理でより優先度の高い機能を持つ可能性があります。AIが利用しやすくなれば組織は処理作業を外部委託できるようになります。これは、仕事の仕方を再考する重大な機会となるでしょう。というのも、テクノロジーの活用によって、仕事をより興味深く魅力的にするように設計し直せるからです。 この領域で2つ目の機会となるのが、エビデンスに基づいた管理を採用することです。効果的な仕事の設計を支える科学は既に確立されています。シンプルなプロセスと枠組みを導入することは、マネージャーが現在の仕事の設計を評価し、作成する作業の品質を向上させるために重要となります。 ジョブ・デザインはマネージャーにとって簡単な作業のように見えますが、具体的な職務記述書に忠実な従業員はほぼいません。職務設計をマネージャーと従業員間の共同プロセスにした研究では、自分の役割を作成する人のほうがより積極的で生産的になり、自身の仕事に多くの意味を見出すことが示されています。 キャリアは従業員と組織の未来を繋ぐ 多くの組織が長年にわたってキャリアの軌跡を重視してきました。タレント・レビュー、社内求人、上司とのキャリア開発相談など、これら全ては、キャリアアップをより楽観的に見られるよう設計されています。 問題は、これらの行動は想定したほど機能していない点です。多くの従業員が与えられた現実的なキャリアオプションについて明確に理解しておらず、また組織の構造や要件が変化すればたちまちそのキャリアが風化してしまいます。人材需要が変化するにつれ、慎重に計画されたキャリアも無用の長物となるのです。 極めて困難な課題と言えます。学校や大学の教育者でさえ頭を悩ませています。現在、そして未来、学生にはどのような仕事やキャリアがあるのか。社会的、技術的、経済的に絶え間ない変化があるため、この問いに答えるのは不可能です。この課題解決に導く立場にあるのが企業ですが、そのためには仕事からスキルへと焦点を移さなければなりません。機能性のリストではなく、顧客に価値を提供する適応可能なスキルの束として仕事を捉えるようになれば、ビジネスのどこに有用で応用可能なスキルがあるのかを理解できるようになるでしょう。 また、このシフトで、リーダー陣は異なる方法で従業員とキャリアアップについて話せるようになるでしょう。テクノロジーを使うことで、各々にとって価値あるスキル、価値を低下させているスキル、仕事との関係性を維持するために必要なスキルを従業員が理解するサポートができます。また、個々のエンゲージメントデータは、従業員を前向きにするような経験についてアドバイスしたり、個性に沿った方向で指導したりするうえで役立ちます。 技術的なスキルに加え、組織はリーダーシップ候補となる人材についても検討が必要です。リーダーシップの可能性を最大化させるのは、あらゆる企業にとってホットトピックですが、成功している組織は多くありません。人材データの量が増加する中、リーダーシップ力のある人材が必要な能力開発に集中できるよう、より強力な自己認識の構築に向けた支援を行うことが大切です。 ホリスティックなEPV(Employee Value Proposition)の構築 仕事は、タスクリストという概念から脱却し、代わりに個人的な意義と商業的価値双方における活動のセットとして考えられなければなりません。人事部が従業員のバリュープロポジションを抜本的に異なる方法で考えない限り、この移行は不可能と言えるでしょう。 最も効果的なバリュープロポジションは、仕事が果たす狭い「経済的な」役割だけではなく、従業員の経験全体を評価するものです。生計を立てることより、やりがいのある仕事をする方が困難という人も多いはずです。説得力のあるバリュープロポジションでは、その両方を行えるよう取り組みます。つまり、従業員の処理作業(給与や福利厚生)の先を考え、より未来志向な関係の要素、すなわち、持続可能な幸福感、革新、造成、体験、新しいスキルを開発する機会を取り入れます。 職場で成功することの価値 現在、多くのエンゲージメントプログラムでは、従業員をより組織に尽くせるようにする方法を重視しています。しかし、ここでの問いは、「より健全かつ生産的な体験を実現するテクノロジーを活用しつつ、組織と従業員が共有された未来を一緒に作っていくにはどうすればよいか?」これにより、関係の構造が変化し、従業員による貢献をより広く評価できるようになります。 人事リーダーは、従業員による仕事への認識と彼らの行動をより強力に結び付けながら、従業員の自己認識向上に役立つツールの構築に目を向けなくてはなりません。 従業員調査プログラムは、「エンゲージメントインデックス」のような結果ばかりに焦点を合わせていることもあり、長年にわたって暗礁に乗り上げています。テクノロジーによって従業員のフィードバックデータの活用法が民主化するにつれ、これを双方向的な形で活用し、従業員とマネージャーの両方を指導する機会が出てきました。個々の経験や改善点と主軸に従業員アンケートやフィードバックを改革すると、人事リーダーは、実際に機能するツール採用するうえでより良い決断を下すことができるようになるでしょう。 詳細は、こちらをご覧ください:https://www.mercer.com/what-we-do/workforce-and-careers/talent-strategy/allegro-pulse-survey-platform.html ソース: 1. Garton, Eric. "Your Organization Wastes Time: Here's How to Fix It." Harvard Business Review, 13 Mar. 2017, https://hbr.org/2017/03/your-organization-wastes-time-heres-how-to-fix-it. 2. Young, Henry R.; Glerum, David R.; Wang, Wei; Joseph, Dana L. "Who Are the Most Engaged at Work? A Meta‐Analysis of Personality and Employee Engagement." Wiley Online Library, 23 Jul. 2018, https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/job.2303. 3. Goler, Lori; Gale, Janelle; Harrington, Brynn; Grant, Adam. "Why People Really Quit Their Jobs." Harvard Business Review, 11 Jan. 2018, https://hbr.org/2018/01/why-people-really-quit-their-jobs.

Pat Milligan | 19 12 2019

平均寿命はここ数十年で急激に延びています。1960年には平均53歳に満たなかったのが、2017年には72歳となりました。高所得国では、平均寿命は80歳に届こうとしています。1 世界中で平均寿命と労働寿命が延びているため、就労生活における3大ステージ、すなわち「就学」、「就業」、「退職」に沿ったキャリアモデルにこだわる人は少なくなりつつあります。これに代わって広がりを見せているのがマルチステージという形です。一個人が正社員となり退社した後、パートタイムで働いたり、ギグエコノミーに参加したり、熟年期になって新しいことを学んだり資格を取得したりするスタイルです。 企業は、従業員の労働寿命が長くなり退職年齢が上がっている、この新たな現実に合わせてモデルや慣行、ポリシーなどを進化させていかなければなりません。労働寿命を延ばして高齢に至るまで生産性を維持するべく、「高齢化に備える」必要があります。これを怠れば、拡大しつつあるこの層から得られる利益を失うことになるでしょう。 また、こうした従業員が年齢差別を受けないように配慮することも大切です。雇用の平等に対する取り組み、そして徹底したダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(一体性)の戦略を採用している組織でも見過ごされがちなものです。 世界の人材、熟練社員 マーサーが発表したレポート「Next Stage:高齢化への備えはできていますか?」によると、平均寿命と労働寿命は世界中で延びているものの、アジア太平洋地域が最も熟練社員の増加の影響を受けています。 同レポートでは、2015年から2030年の間に65歳以上の人口が2億人を上回ると推計しています。日本は世界初の「超超高齢(ultra-aged)」社会を迎えつつあり、65歳以上が人口の28%を上回るようになります。香港、韓国、台湾が後に続いて「超高齢(super-aged)」社会を迎え、人口の21%以上が近く65歳以上になろうとしているのです。 平均寿命が延びていることから、高齢な従業員は難しい判断に迫られています。多くの人は新しいスキルを学びたい、他の人とつながっていたい、あるいは社会に貢献したいという動機で仕事をしています。しかし、そのような選択肢を持たない高齢な労働者も存在します。延びた寿命の生活資金を賄うためだけに働き続ける人たちです。 老後は出費がかさむこと、年金制度が脆弱化していること、所得格差を背景とした貯蓄不足、低金利などの要因により、かつては退職年齢の迫った社員が当たり前に享受していた安心感が揺らいでいます。継続雇用を望むベテラン社員の存在は、企業や若手従業員にとってかつてない課題であるとともに、機会でもあります。 先入観と偏見を取り除く 世界中の職場において、従業員の人種や性的指向、性別に関わる差別をなくす取り組みは大幅に進歩しているものの、年齢差別については見過ごされがちです。 熟練社員に対する誤解のうち、とりわけ根強く有害なものをマーサーのNext Stageレポートより紹介します。 1.     誤解: 「熟練社員は生産性が低い」 事実:加齢とともに仕事のパフォーマンスが低下するという思い込みが誤解であると証明する研究が多く存在します。 2.     誤解:「熟練社員は新たなスキルやテクノロジーを習得するのが困難」 事実:ここで障害となっているのは、高齢な従業員は新たなスキルの習得が困難ということではなく、往々にして特定のスキルや知識を向上させるために必要なトレーニングを受けていないということです。熟練社員を含む労働者のうち、85%がキャリア開発の可能性を高めるためにスキル開発の機会と技術的なトレーニングを積極的に求めているという研究があります。 3.     誤解:「熟練社員は多くの国で人件費がかさむ」 事実:年齢(と責務)が増すにつれて賃金が上昇する可能性はあるものの、離職率が少ないなど、別の面で雇用者のコストを大幅に削減することもできます。マーサーのデータでは、労働者の年齢が上がる中で、同レベルの役職の賃金に一定の低下が見られます。 熟練した労働者の生産性、学習意欲および能力、雇用者の支出に切り込んだマーサーの調査と分析では、ベテラン社員と若手社員の間に繊細で複雑な関係があることが明らかになっています。高齢な従業員の生産性が低かった事例においても、個人のパフォーマンスに焦点が当てられる一方、メンタリングやトレーニング、指導に充てた時間など、重要な要素が考慮されていませんでした。 熟練社員の価値を高める 企業は、円熟した従業員の才能やスキル、潜在能力を活用することを学ぶ必要があります。マーサーの「2019年グローバル人材動向調査」は、現代のテクノロジーを企業の人事システムに統合することで、ベテラン社員に有益なツールを提供し、価値ある新たなスキルを教えることができるとしています。これらのテクノロジーでは、専門的な学習機能と予測型のソフトウェアアルゴリズムを利用し、精選(キュレーション)されたキャリア開発パスを提供します。 企業の学習プラットフォームでは、特定のキャリア目標に関係するコンテンツを集めたりスキルギャップを埋めたり、また専門知識を共有する同僚とのネットワーク作りにも活用できます。キュレーション学習プログラムでは、従業員が自分のペースでスキルを開発し、個人的なキャリア目標のベンチマークに基づいて資格を取得することも可能です。 また、企業の多くは熟練社員の価値と貢献を正確に評価できていません。そのために高齢な従業員の職業能力開発の機会が制限されているのが現状です。マーサーのNext Stageレポートでは、熟練した労働者は、長年の実務経験から得た深い知識、事業に関連する社会資本、技術またはコンテンツの専門知識を通じて、組織のパフォーマンスに大きく貢献できるとしています。 また、傾聴やコミュニケーション、コラボレーション、チームビルディングなどの重要なソフトスキルは、一般的に軽視されがちです。業績評価や昇進の可能性、報酬など、一般的なパフォーマンス指標に頼る企業では、ベテラン社員の貢献を過小評価し、活用機会を逃してしまいかねません。 熟練社員の価値と可能性を最大限に高めることにより、雇用主はこれらの従業員の経験や知識、人生経験を活用する職業能力開発の機会を新たに創出できます。年齢は知恵を育みます。エンパワーメントによって活用された熟練社員は、過去の貴重な経験を道標にしつつ、企業を明るい未来に導いていけるはずです。 出典: 1. "Life expectancy at birth, total (years)." The World Bank, 2017, https://data.worldbank.org/indicator/sp.dyn.le00.in

Fabio Takaki | 19 12 2019

影響力を持つ女性たちには企業、業界、さらには国家を変革する力があります。マーサーのレポート「When Women Thrive Business Thrive ~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~[T.M.1] 」によると、女性がリーダーとして働き生活している地域では、教育、健康、地域開発プログラムへの貢献度が高くなるとされています。 女性のリーダーが企業や地域社会にポジティブな影響を与えるにも関わらず、世界の大手金融機関のリーダーに女性は少ないのが現状です。また、女性たちは投資対象となる企業の経営陣にも低いウエイトでしか存在しません。オリバー・ワイマンの新しい報告書[T.M.2] (MMCグループ企業の一部) によると、世界の金融機関では経営幹部の20%、取締役会の23%を女性が占めていますが、CEOはわずか6%に留まっています。 しかし、伝統的に女性の昇進が最も難しいとされていた地域の1つの中東において、金融業界の経営幹部に女性が徐々に登用され始めています1。中東の金融業界で女性が地位を確保し地域社会や他の業界に波及していくにつれ、世界の経営者たちはこの動きに注力する必要があるでしょう。 中東の金融業界で活躍する女性の経営幹部 中東の金融業界ではますます多くの女性が、銀行、投資会社、金融、法律、コンサルティング関係の会社の経営幹部を務めています1。たとえば、2018年9月、ローラ・アブ・マネ (Rola Abu Manneh) 氏はスタンダードチャータードUAEのCEOに指名され、UAE初の女性頭取になりました。UAEの銀行業界で長年の経験を持つアブ・マネ氏は、重要案件を銀行に持ち込むナレッジとリーダーシップ力を発揮しています。マネ氏は、CEOに就任した最初の年に、ドバイに拠点を置くエマール・プロパティーズに対し、ホテルをアブダビナショナルホテルに売却するよう提言しました2。 もう一つ例を挙げるとすると、サウジアラビア最大の商業銀行、サンバ・フィナンシャル・グループ初の女性CEOのラニア・ナシャール (Rania Nashar) 氏です。商業銀行セクターで20年以上の経験を持つナシャール氏は、2017年にCEOに指名され、サウジアラビアの上場銀行初の女性CEOとなりました3。また、この瞬間をもってサウジアラビアKSAのビジョン2030の一環として男女平等を促進する改革が始まっており、ナシャール氏はこれを継続させたいと述べています。 「サンバ銀行ほどの規模の銀行でも女性CEOが指揮を執ることができ、史上最高の業績を上げられることを実証するだけでなく、サウジアラビアや世界のすべての女性のために示したいです」とナシャール氏は語り、付け加えました。「サウジの女性たちが誇れるお手本になりたいと思います」4 ルブナ・オラヤン (Lubna Olayan) 氏も、サウジアラビアの有力なリーダーの一人です。彼女は30年以上にわたって、湾岸地域でオラヤングループの貿易、不動産、投資、消費、産業関連の業務を行う持株会社オラヤン・ファイナンシング・カンパニーのCEOを務めました。また、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーチュン誌の「世界で最も有力な女性」への選出を含め、多数の賞を受賞し、女性の経済的権利の擁護者として評価されています5。 リーダーシップに重要なジェンダー平等 こうした女性のリーダーたちは、地域の金融業界の男女平等の推進と変革に貢献しています。進歩はしているものの、課題は山積みと言えるでしょう。政府はジェンダーの均等を促進するための取り組みを行っていますが、経営者たちのマインドセットを変え、バイアスを克服するには時間がかかります。 しかし、それは追求する価値のあるプロセスです。人手不足に直面している組織や国家にとって、女性の人材を活用することにより、競争、成長、成功のための戦略的な機会が提供され、経済全体の変革も促進されます。 マーサーのレポート「When Women Thrive Business Thrive ~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~」によると、女性は供給者、育児・介護者、意思決定者、消費者として重要な役割を担っており、将来の世代の教育と健康、そして地域社会の発展に貢献しているとされています。女性幹部は、結束力の強いチームを作り、人材の維持、スキル開発、育成を行い、多様で新しい視点を組織にもたらす上でも寄与します。 実際、マーサーの調査は女性幹部の登用の増加が、地域社会や国家における経済的および社会的発展に影響を与えることも示唆しています。エコノミストは、男女の雇用格差を是正することで国内総生産を米国で5%、日本で9%、アラブ首長国連邦で12%、ヨーロッパで34%大幅に向上させることができると算出しています。 女性比率の低い領域におけるジェンダー平等の実現 女性の人材を獲得し、意欲的に働いてもらうための適切なアプローチは、それぞれの企業の風土や必要性によって異なるとはいえ、世界的にも有効と考えられる戦略がいくつか存在します。マーサーの調査によると、ジェンダーの多様性を実現するために必要な要素として、健康、経済的な安定、人材の適切なマネジメントが挙げられています。 1.健康 女性にとって健康は特に重要です。女性特有の健康問題や病気の影響があり、男性とは異なる方法で医療制度を利用することがあるためです。 たとえば、女性の罹患率が高い精神衛生上のリスクは、女性の生産性に大きな影響を与えています。単極性うつ病は、仕事上の障害の主な要因となっており、男性より女性の方が約2倍多いと言われています6。 ビジネスにおけるジェンダー平等を実現するには、企業は次のような分野で、女性が最も必要とする方法でヘルスケアを提供する必要があります。 1.     フレキシブルな産休 2.     身体的健康、ウェルネス、メンタルヘルスのサポート 3.     医療リソースへの自由度のあるアクセス 4.     厳しいライフイベントにおける精神的支援 5.     女性専用の医療サポート 2.経済的な安定 女性の抱える経済的責任や経済的ストレスは、男性よりも大きいことが報告されています。プルデンシャルが実施した2018年の調査によると、平均的な女性は、平均的な男性と比較して、退職後の貯蓄が少ないことも明らかになっています。退職後に備えて貯金をしていた女性はわずか54%で、その額は平均115,412ドルです。対照的に、退職後に備えて貯金をしていた男性は61%で、その額は平均202,859ドルでした。女性が退職後に貧困に陥る可能性が大幅に高く、女性の平均余命を短くすることにもつながることを示しています7。 この問題に対応すべく、組織は女性が公正な報酬を受けられるようにすること、将来のお金[T.M.3] の計画についてコーチングや教育支援を強化すること、女性向けに退職オプションを調整すること、貯蓄・退職口座への体系的かつ定期的な積み立てを奨励することを確実に行っていく必要があります。 3.人材の適切なマネジメント 女性には、トレーニングとスキル開発の機会だけでなく、昇進の機会に加え仕事以外の重要な役割を果たすための柔軟な勤務体系も必要です。 経営レベルでの男女共同参画をさらに改善するために、管理職に対する取り組みは欠かせません。しかし通常、管理職は長時間勤務が必要となり、チームやクライアント、上層部の管理能力も求められます。そうした地位の女性たちにとっては出産期と重なる可能性があり、企業がテクノロジーの活用、育児支援、女性向けメンタリングおよび経営支援、ビジネスリソースグループ、多様性および一体性プログラム、トレーニングなど、適切な働き方を提供しなければさらに困難になります。 女性の人材がビジネスに貢献し、事業拡大をもたらす力となりうることに疑いの余地はありません。金融機関と政府が優秀な女性を労働者また経営者[T.M.4] として登用するために求められる戦略に注力することにより、ポジティブな成果が表れてくるでしょう。影響力を持つ女性たちは、ビジネスの洞察力を生かし組織の成長を促すだけでなく、社会における女性の役割が教育やコミュニティを大きく改善し、ひいては国家の変革を可能にします。 出典: 1. 1. "The 50 Most Influential Women in Middle East Finance," Financial News, 29 Apr. 2019, https://www.fnlondon.com/articles/the-50-most-influential-women-in-middle-east-finance-20190429. 2. "FN 50 Middle East Women 2019," Financial News, 2019, https://lists.fnlondon.com/fn50/women_in_finance_/2019/?mod=lists-profile. 3. "Rania Nashar," Forbes, 2018, https://www.forbes.com/profile/rania-nashar/#20d8136e473c. 4. Masige, Sharon."Raising the Bar:Rania Nashar," The CEO Magazine, 27 Jun. 2019, https://www.theceomagazine.com/executive-interviews/finance-banking/rania-nashar/ 5. "Lubna Olayan Retires as CEO of Olayan Financing Co.; Jonathan Franklin Named New CEO," Olayan, 29 Apr. 2019, https://olayan.com/lubna-olayan-retires-ceo-olayan-financing-co-jonathan-franklin-named-new-ceo。 6. "Gender and Women's Mental Health:The Facts," World Health Organization, https://www.who.int/mental_health/prevention/genderwomen/en/#:~:targetText=Unipolar%20depression%2C%20predicted%20to%20be,persistent%20in%20women%20than%20men。 7. "The Cut:Exploring Financial Wellness Within Diverse Populations," Prudential, 2018, http://news.prudential.com/content/1209/files/PrudentialTheCutExploringFinancialWellnessWithinDiversePopulations.pdf.

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Lewis Garrad | 30 1 2020

優秀な人材の確保は、あらゆる組織の将来の成功に不可欠である。そして、エンゲージメントの高い労働力は、人材を動員し求めるものを実現するための最短経路である。これら2つの基本的な経営理念をリーダーたちが確信する中、従業員エンゲージメントは過去10年間で極めて重要な人事トピックとなりました。その結果、主に年次の従業員フィードバックなどにより、多くの組織がエンゲージメントを高めるプログラムに投資するようになりました。 しかし、リーダーや人事部がいくら注力しても、多くの組織は従業員の エンゲージメントと生産性 の改善に苦戦しています。組織の慣性、あるいは「ドラッグ」(drag)は、複数のレベルで進捗に影響を与える普遍的な現象です。1ほとんどの組織は、人々が実際の変化よりも現状維持を好むと理解しています。そのため、多くの人事リーダーは、より関連性の高い有意義な 従業員エンゲージメント を生み出す要因を探求してきました。 科学的な見地 最近のメタアナリシスでは、職場でのエンゲージメントが性格によってどの程度予測できるかが検証されました。2多くの組織が文化的および環境的要因に焦点を当てる中、個々の違いが組織との関わり方にどれほど影響するかを知ろうとしたのです。分析では、職場でのエンゲージメントの約半分が個性によって予測できることが示されました。熱心で、明るく、誠実な従業員は、全般的により高いレベルのエンゲージメントを示しました。 この発見から、エンゲージメントを変えることがどれほど困難であるか説明がつきます。エンゲージメントの半分が性格によって予測できるのであれば、職場慣行や職場環境の組織的改革を成功させるには、個人レベルで何らかのインパクトを与えなければなりません。 エンゲージメントを増進する要因が従業員の認識と性格の両方であるなら、マネージャーレベルで変化を起こす必要があります。個々の従業員を対象に、その人と仕事の繋がりを強くするようなイニシアチブの実施も求められるでしょう。文化的/集団的な変化は、健康状態や協力体制、創造性、生産性を改善するためにも欠かせません。 「エンゲージ可能な」人材の登用こそが成功戦略、という意味ではありません。組織の多様性が極めて重要なリソースなのです。より懐疑的で批判的な人はエンゲージメントが困難になる可能性があるものの、現状に異議を唱えることができる可能性を秘めているのです。このような人材も職場には重要な存在であり、彼らを排除することは効果的なアプローチではありません。 ジョブ・デザインで仕事をもっと魅力的に 最近、Facebook HRチームは、従業員が辞職する理由を調査した結果を発表しました。3日々の仕事が自分の望むほど面白くなく魅力的ではないから、というのが主な理由に挙げられました。Facebookの場合、魅力的でないのはマネージャーではなく仕事なのです。 しかし、職務設計とは通常マネージャーが行うため、完成度は決して高くないと言えます。パフォーマンス管理など他の分野で準備されたトレーニングの量と比較すると、多くのマネージャーが仕事の設計方法に関するガイダンスを受けていないためです。 それでも、ジョブ・デザインは、人事管理でより優先度の高い機能を持つ可能性があります。AIが利用しやすくなれば組織は処理作業を外部委託できるようになります。これは、仕事の仕方を再考する重大な機会となるでしょう。というのも、テクノロジーの活用によって、仕事をより興味深く魅力的にするように設計し直せるからです。 この領域で2つ目の機会となるのが、エビデンスに基づいた管理を採用することです。効果的な仕事の設計を支える科学は既に確立されています。シンプルなプロセスと枠組みを導入することは、マネージャーが現在の仕事の設計を評価し、作成する作業の品質を向上させるために重要となります。 ジョブ・デザインはマネージャーにとって簡単な作業のように見えますが、具体的な職務記述書に忠実な従業員はほぼいません。職務設計をマネージャーと従業員間の共同プロセスにした研究では、自分の役割を作成する人のほうがより積極的で生産的になり、自身の仕事に多くの意味を見出すことが示されています。 キャリアは従業員と組織の未来を繋ぐ 多くの組織が長年にわたってキャリアの軌跡を重視してきました。タレント・レビュー、社内求人、上司とのキャリア開発相談など、これら全ては、キャリアアップをより楽観的に見られるよう設計されています。 問題は、これらの行動は想定したほど機能していない点です。多くの従業員が与えられた現実的なキャリアオプションについて明確に理解しておらず、また組織の構造や要件が変化すればたちまちそのキャリアが風化してしまいます。人材需要が変化するにつれ、慎重に計画されたキャリアも無用の長物となるのです。 極めて困難な課題と言えます。学校や大学の教育者でさえ頭を悩ませています。現在、そして未来、学生にはどのような仕事やキャリアがあるのか。社会的、技術的、経済的に絶え間ない変化があるため、この問いに答えるのは不可能です。この課題解決に導く立場にあるのが企業ですが、そのためには仕事からスキルへと焦点を移さなければなりません。機能性のリストではなく、顧客に価値を提供する適応可能なスキルの束として仕事を捉えるようになれば、ビジネスのどこに有用で応用可能なスキルがあるのかを理解できるようになるでしょう。 また、このシフトで、リーダー陣は異なる方法で従業員とキャリアアップについて話せるようになるでしょう。テクノロジーを使うことで、各々にとって価値あるスキル、価値を低下させているスキル、仕事との関係性を維持するために必要なスキルを従業員が理解するサポートができます。また、個々のエンゲージメントデータは、従業員を前向きにするような経験についてアドバイスしたり、個性に沿った方向で指導したりするうえで役立ちます。 技術的なスキルに加え、組織はリーダーシップ候補となる人材についても検討が必要です。リーダーシップの可能性を最大化させるのは、あらゆる企業にとってホットトピックですが、成功している組織は多くありません。人材データの量が増加する中、リーダーシップ力のある人材が必要な能力開発に集中できるよう、より強力な自己認識の構築に向けた支援を行うことが大切です。 ホリスティックなEPV(Employee Value Proposition)の構築 仕事は、タスクリストという概念から脱却し、代わりに個人的な意義と商業的価値双方における活動のセットとして考えられなければなりません。人事部が従業員のバリュープロポジションを抜本的に異なる方法で考えない限り、この移行は不可能と言えるでしょう。 最も効果的なバリュープロポジションは、仕事が果たす狭い「経済的な」役割だけではなく、従業員の経験全体を評価するものです。生計を立てることより、やりがいのある仕事をする方が困難という人も多いはずです。説得力のあるバリュープロポジションでは、その両方を行えるよう取り組みます。つまり、従業員の処理作業(給与や福利厚生)の先を考え、より未来志向な関係の要素、すなわち、持続可能な幸福感、革新、造成、体験、新しいスキルを開発する機会を取り入れます。 職場で成功することの価値 現在、多くのエンゲージメントプログラムでは、従業員をより組織に尽くせるようにする方法を重視しています。しかし、ここでの問いは、「より健全かつ生産的な体験を実現するテクノロジーを活用しつつ、組織と従業員が共有された未来を一緒に作っていくにはどうすればよいか?」これにより、関係の構造が変化し、従業員による貢献をより広く評価できるようになります。 人事リーダーは、従業員による仕事への認識と彼らの行動をより強力に結び付けながら、従業員の自己認識向上に役立つツールの構築に目を向けなくてはなりません。 従業員調査プログラムは、「エンゲージメントインデックス」のような結果ばかりに焦点を合わせていることもあり、長年にわたって暗礁に乗り上げています。テクノロジーによって従業員のフィードバックデータの活用法が民主化するにつれ、これを双方向的な形で活用し、従業員とマネージャーの両方を指導する機会が出てきました。個々の経験や改善点と主軸に従業員アンケートやフィードバックを改革すると、人事リーダーは、実際に機能するツール採用するうえでより良い決断を下すことができるようになるでしょう。 詳細は、こちらをご覧ください:https://www.mercer.com/what-we-do/workforce-and-careers/talent-strategy/allegro-pulse-survey-platform.html ソース: 1. Garton, Eric. "Your Organization Wastes Time: Here's How to Fix It." Harvard Business Review, 13 Mar. 2017, https://hbr.org/2017/03/your-organization-wastes-time-heres-how-to-fix-it. 2. Young, Henry R.; Glerum, David R.; Wang, Wei; Joseph, Dana L. "Who Are the Most Engaged at Work? A Meta‐Analysis of Personality and Employee Engagement." Wiley Online Library, 23 Jul. 2018, https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/job.2303. 3. Goler, Lori; Gale, Janelle; Harrington, Brynn; Grant, Adam. "Why People Really Quit Their Jobs." Harvard Business Review, 11 Jan. 2018, https://hbr.org/2018/01/why-people-really-quit-their-jobs.

Pat Milligan | 19 12 2019

平均寿命はここ数十年で急激に延びています。1960年には平均53歳に満たなかったのが、2017年には72歳となりました。高所得国では、平均寿命は80歳に届こうとしています。1 世界中で平均寿命と労働寿命が延びているため、就労生活における3大ステージ、すなわち「就学」、「就業」、「退職」に沿ったキャリアモデルにこだわる人は少なくなりつつあります。これに代わって広がりを見せているのがマルチステージという形です。一個人が正社員となり退社した後、パートタイムで働いたり、ギグエコノミーに参加したり、熟年期になって新しいことを学んだり資格を取得したりするスタイルです。 企業は、従業員の労働寿命が長くなり退職年齢が上がっている、この新たな現実に合わせてモデルや慣行、ポリシーなどを進化させていかなければなりません。労働寿命を延ばして高齢に至るまで生産性を維持するべく、「高齢化に備える」必要があります。これを怠れば、拡大しつつあるこの層から得られる利益を失うことになるでしょう。 また、こうした従業員が年齢差別を受けないように配慮することも大切です。雇用の平等に対する取り組み、そして徹底したダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(一体性)の戦略を採用している組織でも見過ごされがちなものです。 世界の人材、熟練社員 マーサーが発表したレポート「Next Stage:高齢化への備えはできていますか?」によると、平均寿命と労働寿命は世界中で延びているものの、アジア太平洋地域が最も熟練社員の増加の影響を受けています。 同レポートでは、2015年から2030年の間に65歳以上の人口が2億人を上回ると推計しています。日本は世界初の「超超高齢(ultra-aged)」社会を迎えつつあり、65歳以上が人口の28%を上回るようになります。香港、韓国、台湾が後に続いて「超高齢(super-aged)」社会を迎え、人口の21%以上が近く65歳以上になろうとしているのです。 平均寿命が延びていることから、高齢な従業員は難しい判断に迫られています。多くの人は新しいスキルを学びたい、他の人とつながっていたい、あるいは社会に貢献したいという動機で仕事をしています。しかし、そのような選択肢を持たない高齢な労働者も存在します。延びた寿命の生活資金を賄うためだけに働き続ける人たちです。 老後は出費がかさむこと、年金制度が脆弱化していること、所得格差を背景とした貯蓄不足、低金利などの要因により、かつては退職年齢の迫った社員が当たり前に享受していた安心感が揺らいでいます。継続雇用を望むベテラン社員の存在は、企業や若手従業員にとってかつてない課題であるとともに、機会でもあります。 先入観と偏見を取り除く 世界中の職場において、従業員の人種や性的指向、性別に関わる差別をなくす取り組みは大幅に進歩しているものの、年齢差別については見過ごされがちです。 熟練社員に対する誤解のうち、とりわけ根強く有害なものをマーサーのNext Stageレポートより紹介します。 1.     誤解: 「熟練社員は生産性が低い」 事実:加齢とともに仕事のパフォーマンスが低下するという思い込みが誤解であると証明する研究が多く存在します。 2.     誤解:「熟練社員は新たなスキルやテクノロジーを習得するのが困難」 事実:ここで障害となっているのは、高齢な従業員は新たなスキルの習得が困難ということではなく、往々にして特定のスキルや知識を向上させるために必要なトレーニングを受けていないということです。熟練社員を含む労働者のうち、85%がキャリア開発の可能性を高めるためにスキル開発の機会と技術的なトレーニングを積極的に求めているという研究があります。 3.     誤解:「熟練社員は多くの国で人件費がかさむ」 事実:年齢(と責務)が増すにつれて賃金が上昇する可能性はあるものの、離職率が少ないなど、別の面で雇用者のコストを大幅に削減することもできます。マーサーのデータでは、労働者の年齢が上がる中で、同レベルの役職の賃金に一定の低下が見られます。 熟練した労働者の生産性、学習意欲および能力、雇用者の支出に切り込んだマーサーの調査と分析では、ベテラン社員と若手社員の間に繊細で複雑な関係があることが明らかになっています。高齢な従業員の生産性が低かった事例においても、個人のパフォーマンスに焦点が当てられる一方、メンタリングやトレーニング、指導に充てた時間など、重要な要素が考慮されていませんでした。 熟練社員の価値を高める 企業は、円熟した従業員の才能やスキル、潜在能力を活用することを学ぶ必要があります。マーサーの「2019年グローバル人材動向調査」は、現代のテクノロジーを企業の人事システムに統合することで、ベテラン社員に有益なツールを提供し、価値ある新たなスキルを教えることができるとしています。これらのテクノロジーでは、専門的な学習機能と予測型のソフトウェアアルゴリズムを利用し、精選(キュレーション)されたキャリア開発パスを提供します。 企業の学習プラットフォームでは、特定のキャリア目標に関係するコンテンツを集めたりスキルギャップを埋めたり、また専門知識を共有する同僚とのネットワーク作りにも活用できます。キュレーション学習プログラムでは、従業員が自分のペースでスキルを開発し、個人的なキャリア目標のベンチマークに基づいて資格を取得することも可能です。 また、企業の多くは熟練社員の価値と貢献を正確に評価できていません。そのために高齢な従業員の職業能力開発の機会が制限されているのが現状です。マーサーのNext Stageレポートでは、熟練した労働者は、長年の実務経験から得た深い知識、事業に関連する社会資本、技術またはコンテンツの専門知識を通じて、組織のパフォーマンスに大きく貢献できるとしています。 また、傾聴やコミュニケーション、コラボレーション、チームビルディングなどの重要なソフトスキルは、一般的に軽視されがちです。業績評価や昇進の可能性、報酬など、一般的なパフォーマンス指標に頼る企業では、ベテラン社員の貢献を過小評価し、活用機会を逃してしまいかねません。 熟練社員の価値と可能性を最大限に高めることにより、雇用主はこれらの従業員の経験や知識、人生経験を活用する職業能力開発の機会を新たに創出できます。年齢は知恵を育みます。エンパワーメントによって活用された熟練社員は、過去の貴重な経験を道標にしつつ、企業を明るい未来に導いていけるはずです。 出典: 1. "Life expectancy at birth, total (years)." The World Bank, 2017, https://data.worldbank.org/indicator/sp.dyn.le00.in

Fabio Takaki | 19 12 2019

影響力を持つ女性たちには企業、業界、さらには国家を変革する力があります。マーサーのレポート「When Women Thrive Business Thrive ~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~[T.M.1] 」によると、女性がリーダーとして働き生活している地域では、教育、健康、地域開発プログラムへの貢献度が高くなるとされています。 女性のリーダーが企業や地域社会にポジティブな影響を与えるにも関わらず、世界の大手金融機関のリーダーに女性は少ないのが現状です。また、女性たちは投資対象となる企業の経営陣にも低いウエイトでしか存在しません。オリバー・ワイマンの新しい報告書[T.M.2] (MMCグループ企業の一部) によると、世界の金融機関では経営幹部の20%、取締役会の23%を女性が占めていますが、CEOはわずか6%に留まっています。 しかし、伝統的に女性の昇進が最も難しいとされていた地域の1つの中東において、金融業界の経営幹部に女性が徐々に登用され始めています1。中東の金融業界で女性が地位を確保し地域社会や他の業界に波及していくにつれ、世界の経営者たちはこの動きに注力する必要があるでしょう。 中東の金融業界で活躍する女性の経営幹部 中東の金融業界ではますます多くの女性が、銀行、投資会社、金融、法律、コンサルティング関係の会社の経営幹部を務めています1。たとえば、2018年9月、ローラ・アブ・マネ (Rola Abu Manneh) 氏はスタンダードチャータードUAEのCEOに指名され、UAE初の女性頭取になりました。UAEの銀行業界で長年の経験を持つアブ・マネ氏は、重要案件を銀行に持ち込むナレッジとリーダーシップ力を発揮しています。マネ氏は、CEOに就任した最初の年に、ドバイに拠点を置くエマール・プロパティーズに対し、ホテルをアブダビナショナルホテルに売却するよう提言しました2。 もう一つ例を挙げるとすると、サウジアラビア最大の商業銀行、サンバ・フィナンシャル・グループ初の女性CEOのラニア・ナシャール (Rania Nashar) 氏です。商業銀行セクターで20年以上の経験を持つナシャール氏は、2017年にCEOに指名され、サウジアラビアの上場銀行初の女性CEOとなりました3。また、この瞬間をもってサウジアラビアKSAのビジョン2030の一環として男女平等を促進する改革が始まっており、ナシャール氏はこれを継続させたいと述べています。 「サンバ銀行ほどの規模の銀行でも女性CEOが指揮を執ることができ、史上最高の業績を上げられることを実証するだけでなく、サウジアラビアや世界のすべての女性のために示したいです」とナシャール氏は語り、付け加えました。「サウジの女性たちが誇れるお手本になりたいと思います」4 ルブナ・オラヤン (Lubna Olayan) 氏も、サウジアラビアの有力なリーダーの一人です。彼女は30年以上にわたって、湾岸地域でオラヤングループの貿易、不動産、投資、消費、産業関連の業務を行う持株会社オラヤン・ファイナンシング・カンパニーのCEOを務めました。また、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーチュン誌の「世界で最も有力な女性」への選出を含め、多数の賞を受賞し、女性の経済的権利の擁護者として評価されています5。 リーダーシップに重要なジェンダー平等 こうした女性のリーダーたちは、地域の金融業界の男女平等の推進と変革に貢献しています。進歩はしているものの、課題は山積みと言えるでしょう。政府はジェンダーの均等を促進するための取り組みを行っていますが、経営者たちのマインドセットを変え、バイアスを克服するには時間がかかります。 しかし、それは追求する価値のあるプロセスです。人手不足に直面している組織や国家にとって、女性の人材を活用することにより、競争、成長、成功のための戦略的な機会が提供され、経済全体の変革も促進されます。 マーサーのレポート「When Women Thrive Business Thrive ~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~」によると、女性は供給者、育児・介護者、意思決定者、消費者として重要な役割を担っており、将来の世代の教育と健康、そして地域社会の発展に貢献しているとされています。女性幹部は、結束力の強いチームを作り、人材の維持、スキル開発、育成を行い、多様で新しい視点を組織にもたらす上でも寄与します。 実際、マーサーの調査は女性幹部の登用の増加が、地域社会や国家における経済的および社会的発展に影響を与えることも示唆しています。エコノミストは、男女の雇用格差を是正することで国内総生産を米国で5%、日本で9%、アラブ首長国連邦で12%、ヨーロッパで34%大幅に向上させることができると算出しています。 女性比率の低い領域におけるジェンダー平等の実現 女性の人材を獲得し、意欲的に働いてもらうための適切なアプローチは、それぞれの企業の風土や必要性によって異なるとはいえ、世界的にも有効と考えられる戦略がいくつか存在します。マーサーの調査によると、ジェンダーの多様性を実現するために必要な要素として、健康、経済的な安定、人材の適切なマネジメントが挙げられています。 1.健康 女性にとって健康は特に重要です。女性特有の健康問題や病気の影響があり、男性とは異なる方法で医療制度を利用することがあるためです。 たとえば、女性の罹患率が高い精神衛生上のリスクは、女性の生産性に大きな影響を与えています。単極性うつ病は、仕事上の障害の主な要因となっており、男性より女性の方が約2倍多いと言われています6。 ビジネスにおけるジェンダー平等を実現するには、企業は次のような分野で、女性が最も必要とする方法でヘルスケアを提供する必要があります。 1.     フレキシブルな産休 2.     身体的健康、ウェルネス、メンタルヘルスのサポート 3.     医療リソースへの自由度のあるアクセス 4.     厳しいライフイベントにおける精神的支援 5.     女性専用の医療サポート 2.経済的な安定 女性の抱える経済的責任や経済的ストレスは、男性よりも大きいことが報告されています。プルデンシャルが実施した2018年の調査によると、平均的な女性は、平均的な男性と比較して、退職後の貯蓄が少ないことも明らかになっています。退職後に備えて貯金をしていた女性はわずか54%で、その額は平均115,412ドルです。対照的に、退職後に備えて貯金をしていた男性は61%で、その額は平均202,859ドルでした。女性が退職後に貧困に陥る可能性が大幅に高く、女性の平均余命を短くすることにもつながることを示しています7。 この問題に対応すべく、組織は女性が公正な報酬を受けられるようにすること、将来のお金[T.M.3] の計画についてコーチングや教育支援を強化すること、女性向けに退職オプションを調整すること、貯蓄・退職口座への体系的かつ定期的な積み立てを奨励することを確実に行っていく必要があります。 3.人材の適切なマネジメント 女性には、トレーニングとスキル開発の機会だけでなく、昇進の機会に加え仕事以外の重要な役割を果たすための柔軟な勤務体系も必要です。 経営レベルでの男女共同参画をさらに改善するために、管理職に対する取り組みは欠かせません。しかし通常、管理職は長時間勤務が必要となり、チームやクライアント、上層部の管理能力も求められます。そうした地位の女性たちにとっては出産期と重なる可能性があり、企業がテクノロジーの活用、育児支援、女性向けメンタリングおよび経営支援、ビジネスリソースグループ、多様性および一体性プログラム、トレーニングなど、適切な働き方を提供しなければさらに困難になります。 女性の人材がビジネスに貢献し、事業拡大をもたらす力となりうることに疑いの余地はありません。金融機関と政府が優秀な女性を労働者また経営者[T.M.4] として登用するために求められる戦略に注力することにより、ポジティブな成果が表れてくるでしょう。影響力を持つ女性たちは、ビジネスの洞察力を生かし組織の成長を促すだけでなく、社会における女性の役割が教育やコミュニティを大きく改善し、ひいては国家の変革を可能にします。 出典: 1. 1. "The 50 Most Influential Women in Middle East Finance," Financial News, 29 Apr. 2019, https://www.fnlondon.com/articles/the-50-most-influential-women-in-middle-east-finance-20190429. 2. "FN 50 Middle East Women 2019," Financial News, 2019, https://lists.fnlondon.com/fn50/women_in_finance_/2019/?mod=lists-profile. 3. "Rania Nashar," Forbes, 2018, https://www.forbes.com/profile/rania-nashar/#20d8136e473c. 4. Masige, Sharon."Raising the Bar:Rania Nashar," The CEO Magazine, 27 Jun. 2019, https://www.theceomagazine.com/executive-interviews/finance-banking/rania-nashar/ 5. "Lubna Olayan Retires as CEO of Olayan Financing Co.; Jonathan Franklin Named New CEO," Olayan, 29 Apr. 2019, https://olayan.com/lubna-olayan-retires-ceo-olayan-financing-co-jonathan-franklin-named-new-ceo。 6. "Gender and Women's Mental Health:The Facts," World Health Organization, https://www.who.int/mental_health/prevention/genderwomen/en/#:~:targetText=Unipolar%20depression%2C%20predicted%20to%20be,persistent%20in%20women%20than%20men。 7. "The Cut:Exploring Financial Wellness Within Diverse Populations," Prudential, 2018, http://news.prudential.com/content/1209/files/PrudentialTheCutExploringFinancialWellnessWithinDiversePopulations.pdf.

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