キャリア

明日の都市における今日の人材

2018年11月22日
  • Pearly Siffel

    Strategy and Geographic Expansion Leader, International, Mercer

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「次世代のメガシティは、先を見据えた従業員達が生活の満足度をどのように定義づけるかに注視することで、すでに確立された経済力を持つ拠点に挑戦している。」

世界的な人口の都市化
 

今後10年間で、世界のGDP成長のほぼ半分が成長市場の約400の都市から上がってくるだろう。特に、現在スキルや才能のある従業員が、現代の大都市の、職業的、個人的そして文化的な快適さに惹かれていくにつれて、都市化は現代社会の文化的そして経済的な原動力になり続ける。実際、前世紀で都市化は13%から55%へと進み、2050年までには70%にまで成長することが予測されている。しかしながらこの成長により、かつては世界で最も成功している従業員や企業の事実上のホームタウンとしてその地位が確立されていた巨大都市を、今まで見過ごされていた都市が追い抜かすチャンスが提供されているのだ。

高いスキルを持つ人材が不足しているということはすなわち、都市や企業は、ビジネスの未来を導く才能のある人材を求めてますます熾烈な競争を戦わなくてはならないということだ。このように強く望まれる従業員は、どこで働き、住みそして子育てをするかを決める時に、人的そして社会的要因の重なった優先順位を持つため、人口の都市化に新たなトレンドを起こしている。『人が第一:新興国メガシティの成長を推進する』と題されたマーサーの新しい調査では、15の新興メガシティにおいて従業員がなぜ「生活に対する満足感」を最も重要な要因と捉えているのかを探り、そして、最高の人材を惹き寄せるために、安心・安全やその他の職務的に重要な要因や地域に限定的な条件がどのように影響するかを分析している。

このマーサーの調査は、7ヵ国(ブラジル、中国、インド、ケニア、メキシコ、モロッコ、そしてナイジェリア)の7,200人の従業員および577人の雇用主にわたって行われている。このレポートでは、今日の従業員達の間に広まっているニーズや、どこで働き、そしてなぜそこを選ぶのかということについてのモチベーションや懸念事項を詳しく調査している。レポートでは同時に、雇用主やメガシティがそういった従業員やその家族のニーズを満たすことができるのかということも分析している。高いスキルを持つ人材が少なく人口の都市化が進んでいる世界で、雇用主や都市は、その存在について重要な質問をしている。「プロフェッショナルを特定の都市に移住させるものは何か?雇用主や都市はどうしたら、新たに出現したホットスポットに、勢いのある新興企業や将来的なユニコーン企業そして世界的なブランドから望まれるようになり、優秀で高レベルのスキルを持つ従業員を惹きつけることができるのか?生産性の高い従業員は、雇用主や拠点となる都市に対して、実際に何を求めているのか?」

明日の都市でよりよい生活をしたいという欲求  
 

マーサーのレポートでは、人々の優先順位を認識し取り込むことの重要性を明らかにしている。企業はあまりにもしばしば、ビジネスとその拠点となる都市において潜在的な成長を解放させる鍵となるのはキャリアと雇用の機会を創出することだという思い込み(雇用主のランキング1位)の下で運営をしている。企業はまた、仕事に対する満足度が都市を繁栄させる重要なもう一つの要因に違いないという印象(雇用主のランキング3位)を持っている。このような誤解のある結論は、企業やメガシティにひどくコストをかけさせ、現代のグローバル経済の競争を勝ち抜くための力を弱体化させるかもしれない。

調査の一部において、マーサーは従業員に焦点を置き、それぞれの回答者層、世代区分、キャリア向上、生涯学習への傾向、経済的安定レベルに基づいた細分化調査を行った。レポートでは従業員の「生活に対する満足感」を、人・健康・資産・仕事という、4つの鍵となる基準を使って説明している。各従業員セグメント固有のニーズや価値観を明らかにすることで、高成長都市の雇用主や政府が高いスキルを持つ人材を惹きつけ維持するのに必要な、有益な見識を得ることができる。

昇進の機会や仕事の満足度は経済的に良い暮らしをするために重要ではあるが、従業員達は、家族や安全そして環境的な要因こそが、感情面でのストレス度合やライフスタイルを維持すること、そして個人の健康に影響を与える要素として、より重要なものと位置付けている。下の図は、「生活に対する満足感」の様々な構成要素について、雇用主と従業員の間でいかに大きな食い違いがあるかを表している。

 

 


すでに確立された強い拠点を凌駕すること  
 

上海やソウルなど、世界は力のあるメガシティが世界経済に及ぼす影響についてとてもよく理解している。しかし、このような都市の驚異的な成功というものは、その都市の将来的な成長を限定してしまう問題の一因ともなる。急騰する家賃や生活費、手に負えないほどの人口増や汚染の進度、入手しにくい手ごろな価格の介護サービスや教育、長くなる通勤時間に劣化していくインフラ、これらのすべてが、現代的な従業員がどこに住み子育てをするかを決めるにあたって探し求める快適さを、いつの間にか半減させてしまう。それとは対照的に、新興の次世代都市は現代の従業員のニーズに合わせて成長する(ニーズを受けてから対応する、ではなく)のにより適している。

企業やメガシティというものの強さというものはつまり、そこにいる人々の強さである。すでに確立された強い拠点と競い世界経済において素晴らしい存在感を打ち立てるためには、新興のメガシティはスキルを持つ従業員からの職業的、個人的そして文化的な要望すべてに対し、積極的に応えなければならない。調査では、15の現在そして将来のメガシティでいくつかの共通点があるものの、人・健康・資産・仕事というカテゴリーに分けてパフォーマンスを見た時の重要な違いを明らかにしている。レポートでは都市を従業員の期待に応える能力に応じて、先進的・発展中・台頭中という3つのグループに分類している。

 

これら15の新興メガシティには、1億1,300万人以上の集積された人口、力強い推移が予想されるGDP、年間40億ドル以上の国外からの直接投資、そして今後10年にわたって新たな消費者が100万人に到達すると予想される人口成長の軌道がある。これらの成長経済は、新たな世界経済の最前線を象徴している。もしも、これらの15の都市におけるビジネスリーダーや政策決定機関、インフラの設計者が彼らのリソースを調整し、「従業員の声」を彼らの決定や計画のプロセスに組み込めば、居住決定をうながす人的そして社会的要因をうまく示すことができるだろう。従業員人口の各セグメントにおける固有のニーズや欲求そしてモチベーションへの理解を深めることで、企業は、最高の人材をより惹きつけ維持するために提供するものやプログラムを用意することができる。そして従業員一人ごとに、すでに確立された拠点を凌駕することができるのだ。

コラボレーションの新時代  
 

雇用主も次世代のメガシティも、単独では「生活に対する満足感」を供給することはできない。スキルのある従業員が望むのは、企業と都市政府が協力して初めてもたらされるリソースだ。企業のソートリーダー達と為政者が、デジタル化やグローバリゼーション、現代のヘルスケアや、将来を見越した家族が価値を見出すことができる教育環境を提供するような、新たな政策や構想を作り出し実行しなければならない。コラボレーションの新時代を強固なものにするにはまず、従業員個人及び集団的な人材の声や関心を高めることから始めることだ。雇用主や新興のメガシティは、従業員がどのように暮らし、働き、仕事をしそして学びたいのかを十分に理解しなければならない。

もちろん、すべての雇用主やメガシティが同じではない。周囲のコミュニティや季節の変化、個人の状況(健康不安など)、人生の夢、あるいは職場や学校から自宅の距離が近いことなど、従業員のニーズは様々だ。伝統的なビジネスのダイナミクスを超えた考え方や従業員の複雑なニーズを優先することには、新鮮な思考を要する。発奮させるようなアサインメントやリテンションボーナス、出張手当などは、限られたインパクトしか持たない。企業やメガシティは、従業員を育む環境を作り出さなくてはならず、それは彼らが働き、家族を支えそして地域に密着する新たな方法のある生活を追い求めることができるものでなければならない。

官民の効果的なパートナーシップによって、大きなスケールで改善を促進し向上を加速することができる。従業員やその家族が成長することができる環境を作り出すことで、企業や政府は、すべての人にとって継続維持できる経済成長を作り出し、彼らが惹きつけようとしている従業員の将来的なニーズに対処することができる。例えば、手ごろな住居がない、地域の交通に問題がある、育児や高齢者介護の利用といったことは、従業員の生活の満足度に直接インパクトを与える。そういった複雑な課題の深刻さや全体像を明らかにするためには、雇用主や次世代メガシティは、他の企業や市民社会と協力し、従業員やその家族に報いる戦略を発展させる組織を支えるべきだ。こういったことができなければ、取り残されるかもしれない。

企業や自治体が人材への戦略を加速し商業的な利益を上げるにはどうしたらよいか、さらに推察や実務的なアドバイスを得るためには、『人が第一:新興国メガシティの成長を推進する』をご覧ください。

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Didintle Kwape | 14 11 2019

アフリカ大陸で多国籍企業の事業拡大を支えるのは、貴重な資産の1つである若手社員です。 アフリカでは記録的な数のティーンエイジャーや若年層が失業している、または十分な仕事に就いていません。しかし彼らは機会さえあれば率先して働く意欲を持っています。南アフリカだけでも、今年度の失業率は 30% を超えると予想されており、15~24 歳の層が失業者の 3 分の 2 を占めています。1 人材プールの最大活用 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は 2019 年 6 月、「若者の失業が国家的な危機となっている現状について大変懸念している」と語りました。2 現在、アフリカ大陸の各国では、多国籍企業と地元の中小企業双方で若者の雇用が円滑に進むよう労働法を改正し、形式的な手続きを簡略化しています。さらに非営利組織と協力し、若者の才能や必要な労働スキルを育成しています。 国際労働機関 (ILO) とアフリカ開発銀行、アフリカ連合委員会、国連アフリカ経済委員会 (UNECA)のパートナーシップに見られるように、これら取り組みを支援するため各種団体が連携しています。地域および国全体で一体となり若者の雇用という課題を解決すべく取り組んでいます。ILO は、若者が就労に十分に備えられるよう、就労サービス、スキル開発、労働市場訓練を提供し、恵まれない若者のために技術や職業に関する教育、実習、職業紹介サービスの充実に尽力しています。3 6 月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、マスターカード財団、ケニア政府と民間部門の間で若手社員のための官民パートナーシップ Young Africa Works プログラムを開始しました。このプログラムでは 5 年以内に、500 万人の若いケニア人を訓練し「尊厳とやりがいのある仕事」に就かせることを目指しています。 4 マスターカード財団はケニアの銀行 2 行 (Equity Bank と Kenya Commercial Bank、およびその各財団) とともに、約 10 億ドルの資本、事業開発サービス、およびプログラムの市場連携を提供します。目的は若手社員のための仕事を創出することであり、これは 20 万を超える個人企業、中小企業が生産性を強化し、持続可能性や創意工夫を高めるのに役立ちます。4 「国際的にビジネスを展開するホテルはアフリカ大陸の新興市場へ進出する際、若者のスキル開発を育む業界の1つとなっている」とヒルトンのアフリカおよびインド洋業務担当副社長のヤン・ヴァン・デル・プッテンは言います。5ヒルトンはモロッコ、ケニア、ザンビア、ボツワナなどアフリカ全域に 46 軒のホテルをオープンし、今後 5 年以内の倍増を計画しています。観光とホスピタリティ事業の拡大は、社会経済的な成長を促進するだけでなく、意義のある雇用機会を創出します。アフリカの若い労働者の成功を支援する、そのような環境を作り出すことは極めて重要です。 現代の若者を訓練する 基本的な労働スキルに加え、新興デジタル経済の若手社員はデジタル技術を使いこなすこと、創造的な思考力や問題解決能力、互いに協力し共感する順応性など、幅広いスキルを習得することも求められています。6 ウィットウォーターズランド大学のマンデラ・ローズ・スカラーのシンバラシェ・モヨ氏は言います。「ルワンダやケニアのような国々はすでに、デジタル経済と未来の仕事に若者を備えさせる上で進歩を遂げている。しかし他アフリカ諸国では、スキル格差と不十分なデジタルインフラに対し意義のある行動がまだ見られていない」7 モヨ氏は、アフリカ諸国は未来の仕事に若者を備えさせる必要性があると助言しています。まず、ニーズに応える教育システムを構築し適切なスキルと責任感を身に付けさせることです。また、全国的にデジタルインフラを展開し国家間における相互接続の向上も欠かせません。さらに、拡大するデジタル経済の中で利害関係者を継続的に監視するには、適切な規制政策の策定が求められます。最後に、大がかりなデジタル技術の訓練プログラムをサポートするには、官民協力を最適化すしなければなりません。 「政府、国際開発金融機関、民間部門が協力することにより、アフリカの若者のスキルアップを促進する革新的な金融モデルを創出する余地が生まれます」 とモヨ氏は記しています。「これにより、特にアフリカ諸国でデジタルインフラを構築する際に、労力が重複して不平等が引き起こされる状況を減らすことができます。多くの若いアフリカ人が訓練プログラムに参加しデジタルインフラにアクセスできるようにする、そのカギは官民連携が握っているといえます」 新たな労働力を訓練する 企業はアフリカの若者の間で急速に普及している携帯電話を活用し、モバイルアプリ経由でトレーニングや開発プログラムを提供することもできるでしょう。マーサーの2019年グローバル人材動向調査レポートによると、南アフリカの労働者は職場で成功する方法に新しいスキルやテクノロジーを学ぶ機会を一番に挙げる他国の考えに同調しています。 調査では、労働者が自習を好んでいることも明らかになりました。企業は情報源として、まとめられたノウハウや専門家にアクセスできるようプラットフォームを与えることが望まれています。企業が主催するトレーニングと従業員が自分で行うトレーニングを組み合わせ、何をどう学ぶかを学習者にゆだねながら組織の目標に貢献するスキル開発を行うことができます。 マーサーの調査では、99% の企業が未来の仕事に備えて行動を起こしています。具体的には、現状と必要とされるスキルの供給ギャップを識別し、将来にフォーカスした人事戦略を立案し、新しいテクノロジーやビジネス目標に合わせたスキル要件に適応させようとしています。アフリカでの事業拡大に関心を持つ多国籍企業にとって、これらのステップで若年労働者のスキルアップや訓練、支援を行うことは極めて重要となります。 多国籍企業は、アフリカの若手社員が何を必要としているかを理解し、人を中心とした戦略を開発し統合することによって、アフリカの労働力開発の最前線に立つことができます。これにより、利害関係者の今日のニーズに応えつつ、明日のための労働力の拡大、改善、育成を実現することができます。見渡す限り意欲のある労働者がいるアフリカ大陸の完全なる再発見により、長期的な利益がもたらされることでしょう。 出典: 1.     "Africa's Youth Unemployment Rate to Exceed 30% in 2019: ILO," 7Dnews, 4 Apr. 2019, https://7dnews.com/news/africa-s-youth-unemployment-rate-to-exceed-30-in-2019-ilo. 2.     D, Sourav. "Youth unemployment a 'national crisis' in South Africa, says Ramaphosa," Financial World, 18 Jun. 2019,https://www.financial-world.org/news/news/economy/2276/youth-unemployment-a-national-crisis-in-south-africa-says-ramaphosa/. 3.     "Youth Employment in Africa." International Labour Organization, https://www.ilo.org/africa/areas-of-work/youth-employment/lang--en/index.htm. 4.     Mbewa, David O. "President Kenyatta launches program to tackle Kenya's youth unemployment," CGTN, 20 Jun. 2019, https://africa.cgtn.com/2019/06/20/president-kenyatta-launches-program-to-tackle-kenyas-youth-unemployment/. 5.     "Exclusive: An interview with Hilton's Jan van der Putten on expansion in Africa," Africa Outlook Magazine,7 Apr. 2019, https://www.africaoutlookmag.com/news/exclusive-an-interview-with-hiltons-jan-van-der-putten-on-expansion-in-africa. 6.     "World Development Report 2019: The Changing Nature of Work," The World Bank Group, 2019, https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2019. 7.     Moyo, Simbarashe. "4 ways Africa can prepare its youth for the digital economy," World Economic Forum, 29 May 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/05/4-ways-africa-can-prepare-its-young-people-for-the-digital-economy/.

Michael Braun | 14 11 2019

Part I では、海外プロジェクトのアサインメントに関連する 6 つの課題について概説しました。管理面で生じる課題の概要を考察する前に、Part IIでは企業とグローバルモビリティマネージャーの責務の1つである監督責任を取り上げます。 課題 7: 監督責任 企業には従業員の安全、保健、福利厚生を海外でも保証する義務があります。プロジェクト担当者を海外に派遣する場合、特に困難を伴う国に異動させる場合は、地域の適切な情報、安全に関する説明、セキュリティ訓練、健康保険を提供する必要があります。 モビリティマネージャーは、このような医療および警備プログラムに加入する際、同時に相乗効果を考慮することが求められます。たとえば、ビジネス旅行者と一定期間 (通常 90 日)に満たない海外派遣者の両方に旅行保険を提供することも選択肢の1つです。さらに、残りの派遣員はグループ保険としてカバーされるためコスト効率の高い保険を活用することができます。また、中心となる医療保険のサービスに加え、多くの会社では警備および支援プログラムの特典が提供されています。 通常、警備プロバイダーにより医療サービス以上のサービスが提供されることはあまり知られていません。多くの場合は特定の場所の安全に関する情報が追跡機能とともに、また関連する最新情報も提供されます。一部のプロバイダーからは、避難する必要がある場合に実践的なサポートを受けられます。 従業員の保護 従業員のグローバルなビジネスライフにおけるモビリティは、多くの点で「ボーダーレス」化しています。この事態の進展を視野に入れ、保険の形態も絶えず変化し拡大しています。たとえば、プロジェクト数が増加している業界によって波がある場合、保険の加入という点では特に問題が生じます。 派遣期間、母国、求められる保障の範囲は保険の選択において大きく影響します。以下、海外プロジェクトのアサインメントやその他の海外異動で利用できる医療、障害、および死亡補償オプションについて掘り下げます。 医療保障 長期派遣者向けの出張支援と国際民間医療保険/国外居住者健康保険に焦点を当て、複雑さを最小限に抑えています。 出張支援 出張支援を提供する国際的な保険会社は、既存のグローバルネットワークを活用して、グローバルな補償という課題を克服しています。従来の旅行医療保険と比較しても出張旅行支援には多くのメリットがあります。たとえば、雇用主は保障期間として旅行日数を最大 1 年間に延長し、次のような手当を大幅に増やすことができます。 ·     事故の場合、本人または遺族に一定額が支払われます。これは直接費用となる、会社の傷害保険に代わる緊急援助とみなされます。傷害保険ではより多くの給付金が得られますが、審査プロセスが長期化するためです。 ·     一部の国では、ビザを取得するための必須要件として賠償責任保険に加入する必要があります。 ·     荷物紛失/旅行遅延に対する補償は旅行者向けの追加の特典です。これらの補償が保険でカバーされている場合、保険会社に直接請求できるため、会社の事務作業が軽減されます。 追加の特典については、ビジネス旅行者や海外プロジェクトにアサインされた社員の独自のニーズに合わせて調整されます。ただし、出張支援の主な部分とリスクプレミアムは、一部の支援サービスを除き医療上の緊急事態の対処に限られています。既存の支援契約の内容は出張旅行支援と調和させ、明確に伝える必要があります。事務手続きを効果的に軽減するために、プロセス、払い戻し手順、コスト管理、および償還請求の回収について明確に定義する必要があります。 出張支援の範囲内での給付金の支払いは、いわゆる「予測不能」な事象に対するものです。既往症や常用薬の払い戻しについては除外されます。このようなグループプランでは、個別の登録は不要です。海外プロジェクト派遣では珍しいことですが、同伴する家族も出張支援を受けることができます。 長期プロジェクトのアサインメントに適した医療保険 長期の海外プロジェクトのアサインメントが計画されている場合、またはさまざまな理由から保険の対象範囲を改善する必要がある場合は、既存の国外居住者向け健康保険を活用するか個別の保険加入が推奨されます。特に困難な状況にある国のプロジェクトに携わらなければならない場合、会社の信頼には安全のための予防策、健全性、誠実さが問われます。また、海外事業をカバーする専門的なグローバル保険プロバイダーも活用できます。国外居住者向けの確固とした健康保険制度があれば、そのメリットを総合グローバル医療保険のメリットと比較できます。 本稿で取り上げた基準は、必要とされる保障対象期間で最適な保険商品とプロバイダーを選択する際に是非お役立てください。そして、海外異動または海外プロジェクトのアサインメントにおける補償対象範囲は、会社のポリシーガイドラインで概説されていることが理想的です。 障害および死亡保障 医療保険は多くの企業の海外派遣員にとって非常に重要です。同時に、障害および死亡補償についても考慮する必要があります。 自国の社会保障制度で保障されない従業員には、障害または死亡に関する補償にギャップが生じるリスクがあります。具体的には、恒久的な障害が発生した場合に本人、また死亡した場合には家族に対して長期的に十分な収入を確保できなくなります。母国の補完的な制度も同時に打ち切られた場合、潜在的なギャップはさらに大きくなります。 従業員が派遣先国の社会保障制度に加入している場合でも、これらの制度では多くの場合、死亡および障害補償について待機期間が存在することにも注意しなくてはなりません。欧州協定などにより、このような待機期間が存在しない場合でも、給付金レベルは母国のものとは大きく異なる可能性があります。企業は現地の制度または補完的なグローバルなリスク保険のいずれかを通じて、ギャップを特定し解消する必要があります。 ギャップはいわゆる「グローバルノマド」にも存在します。これら派遣従業員は、多数の連続性のあるアサインメントに携わります。グローバルノマドは最悪の場合、断片的な給付という事態に直面します。特に母国の制度に登録されていない、あるいは受給資格を満たしていないことから、国家の社会保険制度や補完的な年金制度のギャップが存在することになります。さらには、これらの従業員は通常、複数の国から送金して積み立てできる柔軟な個人年金制度がないため、適切な確定拠出年金制度も利用できていません。 グローバルノマドに該当する従業員数が多い企業は、このギャップを埋めるためにオフショア国際年金制度を利用することができます。過去 10 年間でマーケットが大幅に発展したため、少数の派遣スタッフについても効率的な商品が用意されており、必要とされる管理も限定されます。 まとめ 今はモビリティのエキスパートにとって要求も厳しく挑戦の多い時代です。海外プロジェクトのアサインメント数は増加しており特別な手配が必要です。ただし、エキスパートとしての専門スキルを活かす絶好の機会でもあります。 すべてを簡素化するために、まず何が手元にあるのか考えます。一部のソリューションは、海外に異動する従業員も既に利用できるようになっており、海外プロジェクトのアサインメントにも活用できるかもしれません。 モビリティマネージャーは、主に新たな作業負荷により引き起こされる困難を軽減するため、適切な海外プロジェクトのアサインメントのソリューションを探求し導入することに注力する必要があります。グローバルモビリティに万能薬は無いとしても、理想に近い ソリューションへと調整する多くのオプションがあります。 詳細はこちらからマーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

Alice Harkness | 31 10 2019

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Michael Braun | 14 11 2019

Part I では、海外プロジェクトのアサインメントに関連する 6 つの課題について概説しました。管理面で生じる課題の概要を考察する前に、Part IIでは企業とグローバルモビリティマネージャーの責務の1つである監督責任を取り上げます。 課題 7: 監督責任 企業には従業員の安全、保健、福利厚生を海外でも保証する義務があります。プロジェクト担当者を海外に派遣する場合、特に困難を伴う国に異動させる場合は、地域の適切な情報、安全に関する説明、セキュリティ訓練、健康保険を提供する必要があります。 モビリティマネージャーは、このような医療および警備プログラムに加入する際、同時に相乗効果を考慮することが求められます。たとえば、ビジネス旅行者と一定期間 (通常 90 日)に満たない海外派遣者の両方に旅行保険を提供することも選択肢の1つです。さらに、残りの派遣員はグループ保険としてカバーされるためコスト効率の高い保険を活用することができます。また、中心となる医療保険のサービスに加え、多くの会社では警備および支援プログラムの特典が提供されています。 通常、警備プロバイダーにより医療サービス以上のサービスが提供されることはあまり知られていません。多くの場合は特定の場所の安全に関する情報が追跡機能とともに、また関連する最新情報も提供されます。一部のプロバイダーからは、避難する必要がある場合に実践的なサポートを受けられます。 従業員の保護 従業員のグローバルなビジネスライフにおけるモビリティは、多くの点で「ボーダーレス」化しています。この事態の進展を視野に入れ、保険の形態も絶えず変化し拡大しています。たとえば、プロジェクト数が増加している業界によって波がある場合、保険の加入という点では特に問題が生じます。 派遣期間、母国、求められる保障の範囲は保険の選択において大きく影響します。以下、海外プロジェクトのアサインメントやその他の海外異動で利用できる医療、障害、および死亡補償オプションについて掘り下げます。 医療保障 長期派遣者向けの出張支援と国際民間医療保険/国外居住者健康保険に焦点を当て、複雑さを最小限に抑えています。 出張支援 出張支援を提供する国際的な保険会社は、既存のグローバルネットワークを活用して、グローバルな補償という課題を克服しています。従来の旅行医療保険と比較しても出張旅行支援には多くのメリットがあります。たとえば、雇用主は保障期間として旅行日数を最大 1 年間に延長し、次のような手当を大幅に増やすことができます。 ·     事故の場合、本人または遺族に一定額が支払われます。これは直接費用となる、会社の傷害保険に代わる緊急援助とみなされます。傷害保険ではより多くの給付金が得られますが、審査プロセスが長期化するためです。 ·     一部の国では、ビザを取得するための必須要件として賠償責任保険に加入する必要があります。 ·     荷物紛失/旅行遅延に対する補償は旅行者向けの追加の特典です。これらの補償が保険でカバーされている場合、保険会社に直接請求できるため、会社の事務作業が軽減されます。 追加の特典については、ビジネス旅行者や海外プロジェクトにアサインされた社員の独自のニーズに合わせて調整されます。ただし、出張支援の主な部分とリスクプレミアムは、一部の支援サービスを除き医療上の緊急事態の対処に限られています。既存の支援契約の内容は出張旅行支援と調和させ、明確に伝える必要があります。事務手続きを効果的に軽減するために、プロセス、払い戻し手順、コスト管理、および償還請求の回収について明確に定義する必要があります。 出張支援の範囲内での給付金の支払いは、いわゆる「予測不能」な事象に対するものです。既往症や常用薬の払い戻しについては除外されます。このようなグループプランでは、個別の登録は不要です。海外プロジェクト派遣では珍しいことですが、同伴する家族も出張支援を受けることができます。 長期プロジェクトのアサインメントに適した医療保険 長期の海外プロジェクトのアサインメントが計画されている場合、またはさまざまな理由から保険の対象範囲を改善する必要がある場合は、既存の国外居住者向け健康保険を活用するか個別の保険加入が推奨されます。特に困難な状況にある国のプロジェクトに携わらなければならない場合、会社の信頼には安全のための予防策、健全性、誠実さが問われます。また、海外事業をカバーする専門的なグローバル保険プロバイダーも活用できます。国外居住者向けの確固とした健康保険制度があれば、そのメリットを総合グローバル医療保険のメリットと比較できます。 本稿で取り上げた基準は、必要とされる保障対象期間で最適な保険商品とプロバイダーを選択する際に是非お役立てください。そして、海外異動または海外プロジェクトのアサインメントにおける補償対象範囲は、会社のポリシーガイドラインで概説されていることが理想的です。 障害および死亡保障 医療保険は多くの企業の海外派遣員にとって非常に重要です。同時に、障害および死亡補償についても考慮する必要があります。 自国の社会保障制度で保障されない従業員には、障害または死亡に関する補償にギャップが生じるリスクがあります。具体的には、恒久的な障害が発生した場合に本人、また死亡した場合には家族に対して長期的に十分な収入を確保できなくなります。母国の補完的な制度も同時に打ち切られた場合、潜在的なギャップはさらに大きくなります。 従業員が派遣先国の社会保障制度に加入している場合でも、これらの制度では多くの場合、死亡および障害補償について待機期間が存在することにも注意しなくてはなりません。欧州協定などにより、このような待機期間が存在しない場合でも、給付金レベルは母国のものとは大きく異なる可能性があります。企業は現地の制度または補完的なグローバルなリスク保険のいずれかを通じて、ギャップを特定し解消する必要があります。 ギャップはいわゆる「グローバルノマド」にも存在します。これら派遣従業員は、多数の連続性のあるアサインメントに携わります。グローバルノマドは最悪の場合、断片的な給付という事態に直面します。特に母国の制度に登録されていない、あるいは受給資格を満たしていないことから、国家の社会保険制度や補完的な年金制度のギャップが存在することになります。さらには、これらの従業員は通常、複数の国から送金して積み立てできる柔軟な個人年金制度がないため、適切な確定拠出年金制度も利用できていません。 グローバルノマドに該当する従業員数が多い企業は、このギャップを埋めるためにオフショア国際年金制度を利用することができます。過去 10 年間でマーケットが大幅に発展したため、少数の派遣スタッフについても効率的な商品が用意されており、必要とされる管理も限定されます。 まとめ 今はモビリティのエキスパートにとって要求も厳しく挑戦の多い時代です。海外プロジェクトのアサインメント数は増加しており特別な手配が必要です。ただし、エキスパートとしての専門スキルを活かす絶好の機会でもあります。 すべてを簡素化するために、まず何が手元にあるのか考えます。一部のソリューションは、海外に異動する従業員も既に利用できるようになっており、海外プロジェクトのアサインメントにも活用できるかもしれません。 モビリティマネージャーは、主に新たな作業負荷により引き起こされる困難を軽減するため、適切な海外プロジェクトのアサインメントのソリューションを探求し導入することに注力する必要があります。グローバルモビリティに万能薬は無いとしても、理想に近い ソリューションへと調整する多くのオプションがあります。 詳細はこちらからマーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

Didintle Kwape | 14 11 2019

アフリカ大陸で多国籍企業の事業拡大を支えるのは、貴重な資産の1つである若手社員です。 アフリカでは記録的な数のティーンエイジャーや若年層が失業している、または十分な仕事に就いていません。しかし彼らは機会さえあれば率先して働く意欲を持っています。南アフリカだけでも、今年度の失業率は 30% を超えると予想されており、15~24 歳の層が失業者の 3 分の 2 を占めています。1 人材プールの最大活用 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は 2019 年 6 月、「若者の失業が国家的な危機となっている現状について大変懸念している」と語りました。2 現在、アフリカ大陸の各国では、多国籍企業と地元の中小企業双方で若者の雇用が円滑に進むよう労働法を改正し、形式的な手続きを簡略化しています。さらに非営利組織と協力し、若者の才能や必要な労働スキルを育成しています。 国際労働機関 (ILO) とアフリカ開発銀行、アフリカ連合委員会、国連アフリカ経済委員会 (UNECA)のパートナーシップに見られるように、これら取り組みを支援するため各種団体が連携しています。地域および国全体で一体となり若者の雇用という課題を解決すべく取り組んでいます。ILO は、若者が就労に十分に備えられるよう、就労サービス、スキル開発、労働市場訓練を提供し、恵まれない若者のために技術や職業に関する教育、実習、職業紹介サービスの充実に尽力しています。3 6 月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、マスターカード財団、ケニア政府と民間部門の間で若手社員のための官民パートナーシップ Young Africa Works プログラムを開始しました。このプログラムでは 5 年以内に、500 万人の若いケニア人を訓練し「尊厳とやりがいのある仕事」に就かせることを目指しています。 4 マスターカード財団はケニアの銀行 2 行 (Equity Bank と Kenya Commercial Bank、およびその各財団) とともに、約 10 億ドルの資本、事業開発サービス、およびプログラムの市場連携を提供します。目的は若手社員のための仕事を創出することであり、これは 20 万を超える個人企業、中小企業が生産性を強化し、持続可能性や創意工夫を高めるのに役立ちます。4 「国際的にビジネスを展開するホテルはアフリカ大陸の新興市場へ進出する際、若者のスキル開発を育む業界の1つとなっている」とヒルトンのアフリカおよびインド洋業務担当副社長のヤン・ヴァン・デル・プッテンは言います。5ヒルトンはモロッコ、ケニア、ザンビア、ボツワナなどアフリカ全域に 46 軒のホテルをオープンし、今後 5 年以内の倍増を計画しています。観光とホスピタリティ事業の拡大は、社会経済的な成長を促進するだけでなく、意義のある雇用機会を創出します。アフリカの若い労働者の成功を支援する、そのような環境を作り出すことは極めて重要です。 現代の若者を訓練する 基本的な労働スキルに加え、新興デジタル経済の若手社員はデジタル技術を使いこなすこと、創造的な思考力や問題解決能力、互いに協力し共感する順応性など、幅広いスキルを習得することも求められています。6 ウィットウォーターズランド大学のマンデラ・ローズ・スカラーのシンバラシェ・モヨ氏は言います。「ルワンダやケニアのような国々はすでに、デジタル経済と未来の仕事に若者を備えさせる上で進歩を遂げている。しかし他アフリカ諸国では、スキル格差と不十分なデジタルインフラに対し意義のある行動がまだ見られていない」7 モヨ氏は、アフリカ諸国は未来の仕事に若者を備えさせる必要性があると助言しています。まず、ニーズに応える教育システムを構築し適切なスキルと責任感を身に付けさせることです。また、全国的にデジタルインフラを展開し国家間における相互接続の向上も欠かせません。さらに、拡大するデジタル経済の中で利害関係者を継続的に監視するには、適切な規制政策の策定が求められます。最後に、大がかりなデジタル技術の訓練プログラムをサポートするには、官民協力を最適化すしなければなりません。 「政府、国際開発金融機関、民間部門が協力することにより、アフリカの若者のスキルアップを促進する革新的な金融モデルを創出する余地が生まれます」 とモヨ氏は記しています。「これにより、特にアフリカ諸国でデジタルインフラを構築する際に、労力が重複して不平等が引き起こされる状況を減らすことができます。多くの若いアフリカ人が訓練プログラムに参加しデジタルインフラにアクセスできるようにする、そのカギは官民連携が握っているといえます」 新たな労働力を訓練する 企業はアフリカの若者の間で急速に普及している携帯電話を活用し、モバイルアプリ経由でトレーニングや開発プログラムを提供することもできるでしょう。マーサーの2019年グローバル人材動向調査レポートによると、南アフリカの労働者は職場で成功する方法に新しいスキルやテクノロジーを学ぶ機会を一番に挙げる他国の考えに同調しています。 調査では、労働者が自習を好んでいることも明らかになりました。企業は情報源として、まとめられたノウハウや専門家にアクセスできるようプラットフォームを与えることが望まれています。企業が主催するトレーニングと従業員が自分で行うトレーニングを組み合わせ、何をどう学ぶかを学習者にゆだねながら組織の目標に貢献するスキル開発を行うことができます。 マーサーの調査では、99% の企業が未来の仕事に備えて行動を起こしています。具体的には、現状と必要とされるスキルの供給ギャップを識別し、将来にフォーカスした人事戦略を立案し、新しいテクノロジーやビジネス目標に合わせたスキル要件に適応させようとしています。アフリカでの事業拡大に関心を持つ多国籍企業にとって、これらのステップで若年労働者のスキルアップや訓練、支援を行うことは極めて重要となります。 多国籍企業は、アフリカの若手社員が何を必要としているかを理解し、人を中心とした戦略を開発し統合することによって、アフリカの労働力開発の最前線に立つことができます。これにより、利害関係者の今日のニーズに応えつつ、明日のための労働力の拡大、改善、育成を実現することができます。見渡す限り意欲のある労働者がいるアフリカ大陸の完全なる再発見により、長期的な利益がもたらされることでしょう。 出典: 1.     "Africa's Youth Unemployment Rate to Exceed 30% in 2019: ILO," 7Dnews, 4 Apr. 2019, https://7dnews.com/news/africa-s-youth-unemployment-rate-to-exceed-30-in-2019-ilo. 2.     D, Sourav. "Youth unemployment a 'national crisis' in South Africa, says Ramaphosa," Financial World, 18 Jun. 2019,https://www.financial-world.org/news/news/economy/2276/youth-unemployment-a-national-crisis-in-south-africa-says-ramaphosa/. 3.     "Youth Employment in Africa." International Labour Organization, https://www.ilo.org/africa/areas-of-work/youth-employment/lang--en/index.htm. 4.     Mbewa, David O. "President Kenyatta launches program to tackle Kenya's youth unemployment," CGTN, 20 Jun. 2019, https://africa.cgtn.com/2019/06/20/president-kenyatta-launches-program-to-tackle-kenyas-youth-unemployment/. 5.     "Exclusive: An interview with Hilton's Jan van der Putten on expansion in Africa," Africa Outlook Magazine,7 Apr. 2019, https://www.africaoutlookmag.com/news/exclusive-an-interview-with-hiltons-jan-van-der-putten-on-expansion-in-africa. 6.     "World Development Report 2019: The Changing Nature of Work," The World Bank Group, 2019, https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2019. 7.     Moyo, Simbarashe. "4 ways Africa can prepare its youth for the digital economy," World Economic Forum, 29 May 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/05/4-ways-africa-can-prepare-its-young-people-for-the-digital-economy/.

Juliane Gruethner | 31 10 2019

海外プロジェクトのアサインメントは、グローバルモビリティ (国際間人事異動)マネジメントのホットトピックの 1 つです。2018 年の 駐在員マネジメント会議 (Expatriate Management Conference) に関する投票では、ますます多くの組織で、モビリティ部門が海外プロジェクトのアサインメントの管理に責任を持つようになっていることが明らかになりました。回答者の 90% 近くは海外プロジェクトのアサインメントと認識しており、80% は管理を担当していると回答しています。 では、新たな課題としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。 課題 1: 用語の共通理解 海外プロジェクトのアサインメント(International Project Assignment) に一般的な定義は存在しないようです。マーサーの調査では、回答企業の約 40% は、海外プロジェクトのアサインメントの期間は関係なく単に割り当てが国際的なものと定義し、一方60% は期間を指定していました。また一部の組織では、クライアントと外部・内部におけるプロジェクトの割り当ても区別しています。 明確な定義がない上に、ほとんどの企業 (73%) にはまだ海外プロジェクトのアサインメントに正式なポリシーや規程がありません。存在したとしても、多くの場合が従来の長期または短期の割り当ての規程と重複しています。いま会社に問われているのは、海外プロジェクトへの取り組み方に関わらず、海外異動する従業員の人事について、一貫した処理と公正な待遇を可能にする用語の正確な定義付けをしているか、そして、対応するガイドラインが用意されているかどうかです。 本稿では、海外プロジェクトのアサインメントを海外クライアントのプロジェクトへの割り当て、組織内部における海外プロジェクトへのアサインメントは海外異動と定義しています。 課題 2: 公正かつ平等な待遇 海外プロジェクトのアサインメントについては個別に報酬パッケージが決定され、従来の海外異動の報酬とは異なります。一部の従業員は、プロジェクトの仕事のために特別、または専属で雇用されている可能性もあります。その他の従業員は短期、長期派遣または通勤パッケージに基づき、海外プロジェクトに割り当てられます。 派遣元の国やプロジェクトのアサインメントが母国でどのように定義されているかによって、派遣員の間で報酬レベルが異なる可能性も生じます。ターゲットグループとアサインメントのタイプを区別する明確な社内規程を設けることにより、モビリティプログラムの透明性が高まり最終的には従業員に受け入れられていくことになります。 課題 3: 投資利益率の判別 マーサーの 2017 年Worldwide Survey of International Assignment Policies and Practices (海外派遣規程および福利厚生制度調査) では、大多数が海外異動にはビジネスケースが必要(62%)、対応費用の見積もりを準備している (96%) と回答しています。しかし、予算に対して実績を管理しているのは 43% に過ぎず、海外異動の投資収益率 (ROI) として定量化して定義していたのはわずか 2%でした。多くの場合、中長期的な視点で実施されるため、純粋な経済指標では表しにくいのが現状です。ただし、駐在員の昇進率や定着率の向上によって成功したケースの管理は可能です。 対照的に、海外プロジェクトのアサインメントの ROI は測定が容易で、実際原価を元の見積額やクライアントが支払った金額と比較することができます。この透明性によりコスト圧力が高まり、競争力のある価格でプロジェクトを実施できるよう、既存の社内規則や規程の運用にはより高い柔軟性が求められます。 結論として、短期的なビジネス価値 (利益を残しつつプロジェクトを受注し実施すること) と海外異動の中長期的な価値 (派遣先でスタッフのスキルギャップを埋めたり、能力開発を行ったりする等) のバランスは入念に検討する必要がありますが、これは海外異動のポリシーを完全にセグメント化することで達成できます。 課題 4: 海外プロジェクトのアサインメント管理件数が多い 業界によっては、組織内の海外プロジェクトのアサインメント数が極めて多くなる可能性もあります。会議投票の回答者の一人によると、年間約 23,000 件の海外プロジェクトのアサインメントを処理しているそうです。したがって、モビリティ部門で海外プロジェクトにおける割り当ての責任を引き継ぐ場合、必要なリソースを増やすか再配分しなくてはなりません。 また、サービス提供モデルと各手順を確認・調整して、海外プロジェクトの効率と効果性を高める必要があります。適切なテクノロジーの活用でプロセスを合理化すれば、多数の海外プロジェクトのアサインメント管理がしやすくなります。 課題 5: 未知の場所に派遣しなければならない 海外プロジェクトのアサインメントは、会社の通常の派遣先だけでなく、新しいクライアントサイトでも実施されるため、会社はリソースやその場所に関する知識を持ち合わせていない場合もあります。 必要な情報を取得したり、出入国管理や給与計算等のサービスを実行したりするためには、クライアントのリソースまたは外部ベンダーの活用が有効です。さらに、生活環境として困難な地域に従業員を派遣するケースでは、安全とセキュリティも考慮しなければなりません。 課題 6: コンプライアンスの問題 海外プロジェクトのアサインメントでは、急な決定事項や変更があるため、モビリティ部門は多くの場合、従来の海外異動よりも短期間で結果を出すように求められます。ただし、コンプライアンスは他の海外異動と同様に複雑であり、個別に評価する必要があります。これは、外部および内部のコンプライアンスの問題にも当てはまります。 多くのモビリティマネージャーは、コンプライアンス対応を最重要業務の 1 つと見ていますが、それは氷山の一角に過ぎないことが観察されており、記事の最初の部分で掲載されている課題のリストですべてが網羅されているわけではありません。この記事のパート II  では、企業の監督責任と考えられる解決策について引き続き検討しています。 詳細はこちら、マーサーのコンサルタントまでお問い合わせください。

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