健康

健康とウェルネス:責任の共有

2018年11月15日
  • リアナ・アタード

    マーサーマーシュベネフィッツ パートナー、アジア地域コンサルティング リーダー

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「ウェルネスに対する取り組みの実施において足かせとなる事は?の問いに対して、人事の専門家の答えで最も多かったものは「予算」と「ROIへの懸念」であった。」

社員の健康は、会社の生産性を確保する上で非常に重要であるが、従業員の健康は雇用者単独の責任なのか、それともその責任は社員にも共有されるべきなのか?

中小企業は大手の多国籍企業と比較して社員の健康を確保する為の財源をコミットすることが難しいため、ウェルネスの取り組みには会社の規模が確実に関係する。福利厚生制度を考える上で多くの企業にとって予算が大きな悩みとなる。それは、ライブ世論調査が実施された2018年 従業員福利厚生のイベント(2018 Employee Benefits event) でも注目された点である。「ウェルネスの取り組みにおいて足かせとなる事は?」と参加者は聞かれ、ROIを心配すると人事の専門家達は言い、「予算」という答えが一番多かった。

しかしそれは中小企業の従業員が置き去りになっているという意味ではない。福利厚生制度は各市場に合わせて従業員が求めるものと全く同じ制度が提供されるように仕立てられる。例えば、猛烈な労働文化で知られる日本では、ストレスに関する試験の受講が必須となっている福利厚生制度を会社が社員に提供している。小さな努力を行う企業ではパントリーに健康食品を加えるといったシンプルな取り組みで社員の健康向上に努める会社もある。

 

精神的に満たされていることも人の健康には欠かせない。シンガポールでは、職に就く前に、その会社の休暇制度やフレックス制度があるかどうかなどを会社に聞くことで知られている。社員がストレスとうまく付き合い、健康的なワークライフバランスを享受する上で休暇制度もフレックス制度も重要である。更に、「ウェルビーイング大使」を活用する会社も増え、会社の福利厚生のメッセージをオフィス内で浸透させる努力をしている。ウェルビーイング大使は健康に対して熱心な人が選ばれ、それぞれの持つ知識を大使に任命された人達でお互いに共有する。

福利厚生のイベントでは「何にフォーカスするのかの意思決定をする場合に重要なことは?」という質問も参加者に問われた。最も多かった答えは社内データの評価、そして福利厚生制度が会社にどうマッチするかという事だった。

今日の福利厚生制度は10年前に設計されたもので、その中身の多くが社員のニーズには合っていない。時代は変わった。従業員体験を中心に据えて、進化し、社員に手を差し伸べる方法を考え直し、制度を再構築するかどうかは雇用者の考え次第である。

前述のトピック等は、シンガポールで開催された2018年 従業員福利厚生のイベント(2018 Employee Benefits event) の「健康とウェルネス:責任の共有」というパネルディスカッションで健康及び福利厚生の専門家が集まった際に話し合われた。

パネルディスカッションの司会はマーサーマーシュベネフィットのアジアコンサルティングリーダーであるリンダ・アタードが務め、パネラーには人間栄養学修士でヘルスキャンビーファンの創立者であるフィオーナ・チア、ハニーウェルインターナショナルのAP福利厚生部長のガン・ソウ・チャット、スタンダードチャータードのインターナショナル福利厚生マネジャーのラウル・ラマスワミそしてマーサーのリージョナルインダストリーズ&プロダクツリーダーのゴディーブ・ヴァン・ドーレンを迎えて行われた。

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Alice Harkness | 31 10 2019

これまで福利厚生は「画一的」なモデルで提供されてきました。そのため、一部の従業員が他の従業員よりも価値を感じるという現象が起きています。現在、従業員はますます自身の特定のニーズやライフステージに基づいて福利厚生を柔軟に利用できるパーソナライズされた福利厚生を期待するようになっています。これにより、従業員は現在の状況 (独身または既婚など) に関わらず、平等に扱われていると実感できます。 そろそろ伝統的でない、殻を破ったアプローチで、福利厚生にインセンティブをつけたり、保険をオプトイン/アウトできるようにしたり、親の介護費用やペットの世話の費用を請求できるようにした設計を組み込みましょう。先進的な企業はすでにこのジャーニーに取り組んでいますが、従業員が現状に満足していると思い込んでいる人事担当者もいて多くの企業ではそのような取り組みは見られていません。なぜでしょうか。従業員に直接聞けないでいるからです。聞かないでいることのリスクは、福利厚生の貴重な予算をまったく活用されないか、ほとんど利用されないものに投じてしまうということにあります。 従業員をもっとよく知りましょう   率直に質問することを恐れないようにしましょう。現在の福利厚生の内容で従業員が気に入っているもの、気に入らないもの、または他にどんな良いアイデアがあるか、エンゲージメントに関する「スポット」アンケートを行うか、フォーカスグループからフィードバックを収集します。すべてを実現することは不可能かもしれませんが、エンゲージメントを深める絶好の機会となります。 従業員の福利厚生では、働いている本人も何が必要か分かっていないかもしれません。データアナリティクスを活用して、何が (特に健康面で) 最もよく利用されていて、何が不可欠かを理解しましょう。 福利厚生のインセンティブが欲しいと言いながら、スポーツジムの割引クーポンの利用者が誰もいなかったりするでしょうか。定性データおよび定量データを組み合わせることで、ギャップを見分けることができます。場合によっては、ギャップがあるのは内容に問題があるのではなく、周知されていないことが原因かもしれません。 コミュニケーションが鍵   人事担当者から「従業員は福利厚生について十分知っているはずです。毎年知らせているからです」という声をしばしば聞きます。これでは不十分です。 効果的なコミュニケーションが鍵です。従業員は忙しく、ポリシーの細かい文字を読んでいる余裕も時間もありません。コミュニケーションで好まれるチャネルについてフィードバックを集めてはいかがでしょうか?定期的にコミュニケーションを取るためのシンプルな方法を見つけましょう。毎回さまざまな福利厚生に焦点を当てます。それにはインフォグラフィックス、インタラクティブなランディングページ、動画、または簡単で読みやすい説明などを含めることができます。 そこで取り上げた福利厚生が重要な理由を説明してください。必ずしも知られているとは限りません! 柔軟な福利厚生はコストが高いとは限らない   パーソナライズされた福利厚生を提供するのにコストがかかる可能性もありますが、必ずしもコストをかける必要はありません。それは現在の予算枠の中で工夫し、従業員に反響のあるものに創造的に投資するということです。こうすることで、投資が実際に活用されているという確信も得ることができます。 従業員の心に響く福利厚生の設計に時間を費やす企業は、従来型のアプローチを捨てて、よりパーソナライズされた考え方を取り入れています。そうすることで投資に対する利益率を向上させられるだけでなく、満足度やエンゲージメントの高い労働力を得られるようになるでしょう。

Patrick Hyland, PhD | 17 10 2019

  マネジメントに関する責任でストレスを感じているのはあなただけではありません。最近の調査で、仕事のストレスレベルに対処できると考えているリーダーとマネージャーはわずか 67% であることが判明しました。残りの 33%は自信がない、困惑していると回答しています。ほぼ同率でワーク・ライフ・バランスを保つのに苦しんでいる人もいます。質の高い仕事をするのに十分な時間が得られていると自覚するリーダーとマネージャーは半数にすぎず、仕事として割り切ることができると感じているのは 48% にとどまりました。これらの結果は、経営陣やマネージャーの約 3 割 から半数が、耐え忍んで仕事上の課題に対処していることを示しています。   このような統計を目にしても、「仕事にストレスはつきもの」と肩をすくめ、ため息をつくだけの人もいます。この思考は敗北主義者の観点で、危険であると示す研究結果が増えています。ストレスに関連する健康上のリスクとは別にしても、リーダーが体調不良、あるいは身体的・精神的に疲弊していると、職場の機能不全を生じさせる場合があります。   たとえば、バーバラ・フレドリクソン博士は、ネガティブな感情は「戦うか逃げるかすくむ」マインドに人を閉じ込め、創造的に考え革新的なソリューションを開発する能力を抑制すると述べています。また、ヤンネ・スカコン氏とそのチーム1は経営者がストレスに対処しているとそれが従業員にも伝わり、実務やストレスレベルにも影響が及ぶことを発見しました。そしてマーサー・シロタによる調査では、ストレスレベルの高いマネージャーは直属の部下を認めたり、賞賛したりする可能性が大幅に低いことが明らかになっています。    職場で慢性的なストレスがあるとしたら、リーダーやマネージャーは自己犠牲的な殉教者であるべきという神話を信じるのはやめましょう。自身の健康だけではなく、チームの相乗効果やエンゲージメントもリスクにさらすこととます。疲れ果てる前に、セルフケア戦略の立案を始めるためには、次の 4 つのステップが有効です。   1.危険な兆候を見分ける   燃え尽きてしまうこと、それは自信喪失や冷淡な態度を伴う、身体的、精神的、そして感情的に消耗した状態をいい、深刻に捉える必要があります。研究者たちは長期間の燃え尽き症候群が、うつ病、不安症、心臓病、高コレステロール血症、脳卒中および 2 型糖尿病を含む、多くの身体的・精神的な健康問題を引き起こす可能性があると指摘しています。    人は燃え尽きると怒りっぽくなり、意欲の低下、食事や睡眠など生活習慣の変化、または説明のつかないうずきや痛みなど、さまざまな形で現れることがあります。   2.休息と回復   燃え尽きているように感じた場合、助けを求める対策をすぐに講じる必要があります。まずは、いま経験していることを誰かに話すことから始めてください。上司、HRのビジネスパートナーまたは同僚に話しましょう。職場の誰かに話せない場合は、(a) 健康的ではないブラック企業2で働いている可能性を認め、(b) 家族、友人、または医師に必ず話すようにしましょう。沈黙のままでは、疲弊から孤立へと至り問題がより複雑になるかもしれません。    そして、仕事から切り離す方法を探し始めます。起床してすぐにメールチェックをするのはやめ、不要な会議をなくし、負荷を軽くしましょう。メンタルヘルスデーを設けるのも1つです。勤務時間を短縮するなど、休暇が認められる場合は取得してください。休息しリセットする方法を見つけ、回復できるようにします。   3.反省と方向転換   自らの体験から少し距離を置くことができたら、燃え尽き症候群に至った要因を特定してみましょう。まず出来事を時系列で思い返します。ストレスレベルが最初に上昇し始めたのはいつか、仕事で何が起きているか、仕事以外の自身とも向き合ってください。以前にもこのような経験をしたことはあったか、それとも燃え尽きを経験したのは初めてか、自身に問いかけます。    次に、ストレスの性質について考えましょう。ストレス自体は常に悪いものとは限りません。研究者たちは課題に伴うストレス、つまり重要な目標を達成することに伴うストレスは、仕事の満足度にポジティブな影響を及ぼすと指摘します。逆に障害となるストレス、つまり仕事を成し遂げる上で障害となるストレスは、仕事の満足度にネガティブな影響を及ぼします。燃え尽き症候群を経験したことがあれば、多くの障害となるストレスに対処してきたはずです。そのことを念頭に置き、組織で仕事を成し遂げる方法について考えます。一部の専門家は、燃え尽き症候群は機能不全の状態にある組織で働いた結果であると主張しています。    最後に、自分の性格、仕事に対する価値観や態度、所属する組織、そして仕事について考えてみましょう。研究者たちは、特定の人格特性を持つ人々に燃え尽きる傾向があることも発見しました。3自らを振り返り次に見えてくる目標は、経験から学び将来的に燃え尽きてしまうのを防ぐために洞察することです。   4.折れない心を育てる   燃え尽き症候群を経験した方にも良い面があります。人として強く賢く折れない心を育てるためにこの経験を役立てることができるからです。しかし、そのためには意識的な努力とセルフケアの実践に専念することが求められます。    セルフケアプランを設計する場合は、複数の方法が存在します。まず、仕事に対するアプローチを再考し、稼働日における習慣の一部を変える必要があるかもしれません。身体的な健康状態は極めて重要です。研究者たちは、リーダーやマネージャーが規則正しく食事をし、十分な睡眠をとり、運動すると生産性が上がると指摘しています。    精神的な健康状態も同様に重要です。スタンフォードの心理学者アリア・クラム氏は、管理する方法さえ知っていれば、ストレスはリーダーにとって良いものになると主張します。仕事と生活の困難に対する感情的な反応を考慮する必要性があります。心理的柔軟性と感情的な俊敏性があると生産性の高いリーダーになることが調査で立証されています。4    また、総合的なアプローチとして不可欠なのは、セルフケアプランを立てる際、自分が誰であり、自身にとって何が重要であるかというすべての側面に配慮することです。調査によると、精神的な生活、つまり生活に意味や目的、一貫性をもたらす側面が折れない心を育てるのに役立つと明らかにしています。    これら4 つのステップを検討する際に留意すべきは、自分の世話ができないようであれば長期にわたってチームもマネージできないということです。ある時点で忍耐、健康、エネルギー、または生産性が失われることになります。何らかのセルフケア戦略がなければ、自分自身に対して、またあなたを信頼する人々に対して害を及ぼすことになるでしょう。 出典: 1. Skakon, Janne; Nielsen, Karina; Borg, Vilhelm; Guzman, Jaime. "Are Leaders' Well-being, Behaviours and Style Associated with the Affective Well-being of Their Employees? A Systematic Review of Three Decades of Research." An International Journal of Work, Health & Organisations, Volume 24, Issue 2, 2010,https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02678373.2010.495262. 2. Appelbaum, Steven and Roy-Girard, David. "Toxins in the Workplace: Affect on Organizations and Employees." Corporate Governance International Journal of Business in Society, 2007,https://www.researchgate.net/publication/242349375_Toxins_in_the_workplace_Affect_on_organizations_and_employees. 3. Scott, Elizabeth. "Traits and Attitudes That Increase Burnout Risk." Very Well Mind, May 20, 2019,https://www.verywellmind.com/mental-burnout-personality-traits-3144514. 4. Kashdana, Todd B. and Rottenberg, Jonathan. "Psychological Flexibility as a Fundamental Aspect of Health." Elsevier, Volume 30, Issue 7, November 2010,https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0272735810000413?via%3Dihub.

Dr. Avneet Kaur | 03 10 2019

  近年、オンサイトクリニックの利用が増加している理由として、質の高いタイムリーなケアにより生産性を高め、欠勤を減らし、従業員の健康状態を向上させることができると認識されています。 貴社のオンサイトクリニックでは、十分な導入効果が得られていますか?あるいは法的な要件を満たすことにのみ重点を置かれているでしょうか。オンサイトクリニックを最大限活用するためには、重要な点が3つあります。最近マーサーが行った職場の診療所のアンケートによると、オンサイトクリニックを備えた企業では 1.5 倍以上の投資利益率 (ROI) が得られています。同じような利益率が見込めない場合は、オンサイトクリニックが基本要件の範囲内にとどまっている可能性があります。 クリニックを患者中心に 従業員に適したサービスがクリニックで提供されているかを確認しましょう。これにより利用されないサービスに出費することなく、従業員の満足感を高め、健康状態を改善し、結果的に業績を向上させる投資対象に資金を充てることができます。従業員の年齢層、性別、仕事の性質について理解を深めましょう。必要な保健や社会福祉サービス、専門家のサポートを理解する上で大きく前進できます。   統計情報に加え、従業員のヘルスケアのニーズを理解することも重要です。たとえば、どのような病気が一般的で、適切に管理する必要があり、ライフスタイルに潜む主なリスクファクターを教育や予防的なサービスによってどう回避できるか、などです。 価値を伝える重要性 「それを造れば、彼らは必ず来る」という古い考え方では、求める ROI が得られないかもしれません。従業員にもたらす価値を強調することで、オンサイトで提供されるサービスについてコミュニケーションを図ることが重要です。便利で楽に受診できること、質の高い医療機関への紹介・案内、病気の早期発見などのメリットについて伝えます。   効果的なコミュニケーションにより、利用率が改善し、病気の早期発見だけでなく、企業として投資を最大化しながら従業員の福祉にも貢献することにもつながります。 オンサイトクリニック:ウェルネスハブ オンサイトクリニックが適切に設計・管理されると、企業と従業員の双方に大きなメリットが生まれます。適切に設計されたクリニックは真の窓口の役割を果たし、従業員に質の高い医療機関や福利厚生・ヘルスケアサービスを案内も可能となります。また、救急治療や高額な医療費を回避するための鍵となる、予防や教育サービスを従業員に直接提供することもできます。   マーサーでは、クライアントの効果的なオンサイトクリニックの管理に向けて、4-C モデルの導入を支援しています。これにより、企業は単に法的要件を満たすことから、従業員の価値に重点を置いた質の高い医療サービスを提供する体制へと移行し、クリニックの価値向上がさらに期待できるようになります。   オンサイトクリニックを最大限に活用する方法については、こちらからお問い合わせください。

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Pat Milligan | 19 12 2019

平均寿命はここ数十年で急激に延びています。1960年には平均53歳に満たなかったのが、2017年には72歳となりました。高所得国では、平均寿命は80歳に届こうとしています。1 世界中で平均寿命と労働寿命が延びているため、就労生活における3大ステージ、すなわち「就学」、「就業」、「退職」に沿ったキャリアモデルにこだわる人は少なくなりつつあります。これに代わって広がりを見せているのがマルチステージという形です。一個人が正社員となり退社した後、パートタイムで働いたり、ギグエコノミーに参加したり、熟年期になって新しいことを学んだり資格を取得したりするスタイルです。 企業は、従業員の労働寿命が長くなり退職年齢が上がっている、この新たな現実に合わせてモデルや慣行、ポリシーなどを進化させていかなければなりません。労働寿命を延ばして高齢に至るまで生産性を維持するべく、「高齢化に備える」必要があります。これを怠れば、拡大しつつあるこの層から得られる利益を失うことになるでしょう。 また、こうした従業員が年齢差別を受けないように配慮することも大切です。雇用の平等に対する取り組み、そして徹底したダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(一体性)の戦略を採用している組織でも見過ごされがちなものです。 世界の人材、熟練社員 マーサーが発表したレポート「Next Stage:高齢化への備えはできていますか?」によると、平均寿命と労働寿命は世界中で延びているものの、アジア太平洋地域が最も熟練社員の増加の影響を受けています。 同レポートでは、2015年から2030年の間に65歳以上の人口が2億人を上回ると推計しています。日本は世界初の「超超高齢(ultra-aged)」社会を迎えつつあり、65歳以上が人口の28%を上回るようになります。香港、韓国、台湾が後に続いて「超高齢(super-aged)」社会を迎え、人口の21%以上が近く65歳以上になろうとしているのです。 平均寿命が延びていることから、高齢な従業員は難しい判断に迫られています。多くの人は新しいスキルを学びたい、他の人とつながっていたい、あるいは社会に貢献したいという動機で仕事をしています。しかし、そのような選択肢を持たない高齢な労働者も存在します。延びた寿命の生活資金を賄うためだけに働き続ける人たちです。 老後は出費がかさむこと、年金制度が脆弱化していること、所得格差を背景とした貯蓄不足、低金利などの要因により、かつては退職年齢の迫った社員が当たり前に享受していた安心感が揺らいでいます。継続雇用を望むベテラン社員の存在は、企業や若手従業員にとってかつてない課題であるとともに、機会でもあります。 先入観と偏見を取り除く 世界中の職場において、従業員の人種や性的指向、性別に関わる差別をなくす取り組みは大幅に進歩しているものの、年齢差別については見過ごされがちです。 熟練社員に対する誤解のうち、とりわけ根強く有害なものをマーサーのNext Stageレポートより紹介します。 1.     誤解: 「熟練社員は生産性が低い」 事実:加齢とともに仕事のパフォーマンスが低下するという思い込みが誤解であると証明する研究が多く存在します。 2.     誤解:「熟練社員は新たなスキルやテクノロジーを習得するのが困難」 事実:ここで障害となっているのは、高齢な従業員は新たなスキルの習得が困難ということではなく、往々にして特定のスキルや知識を向上させるために必要なトレーニングを受けていないということです。熟練社員を含む労働者のうち、85%がキャリア開発の可能性を高めるためにスキル開発の機会と技術的なトレーニングを積極的に求めているという研究があります。 3.     誤解:「熟練社員は多くの国で人件費がかさむ」 事実:年齢(と責務)が増すにつれて賃金が上昇する可能性はあるものの、離職率が少ないなど、別の面で雇用者のコストを大幅に削減することもできます。マーサーのデータでは、労働者の年齢が上がる中で、同レベルの役職の賃金に一定の低下が見られます。 熟練した労働者の生産性、学習意欲および能力、雇用者の支出に切り込んだマーサーの調査と分析では、ベテラン社員と若手社員の間に繊細で複雑な関係があることが明らかになっています。高齢な従業員の生産性が低かった事例においても、個人のパフォーマンスに焦点が当てられる一方、メンタリングやトレーニング、指導に充てた時間など、重要な要素が考慮されていませんでした。 熟練社員の価値を高める 企業は、円熟した従業員の才能やスキル、潜在能力を活用することを学ぶ必要があります。マーサーの「2019年グローバル人材動向調査」は、現代のテクノロジーを企業の人事システムに統合することで、ベテラン社員に有益なツールを提供し、価値ある新たなスキルを教えることができるとしています。これらのテクノロジーでは、専門的な学習機能と予測型のソフトウェアアルゴリズムを利用し、精選(キュレーション)されたキャリア開発パスを提供します。 企業の学習プラットフォームでは、特定のキャリア目標に関係するコンテンツを集めたりスキルギャップを埋めたり、また専門知識を共有する同僚とのネットワーク作りにも活用できます。キュレーション学習プログラムでは、従業員が自分のペースでスキルを開発し、個人的なキャリア目標のベンチマークに基づいて資格を取得することも可能です。 また、企業の多くは熟練社員の価値と貢献を正確に評価できていません。そのために高齢な従業員の職業能力開発の機会が制限されているのが現状です。マーサーのNext Stageレポートでは、熟練した労働者は、長年の実務経験から得た深い知識、事業に関連する社会資本、技術またはコンテンツの専門知識を通じて、組織のパフォーマンスに大きく貢献できるとしています。 また、傾聴やコミュニケーション、コラボレーション、チームビルディングなどの重要なソフトスキルは、一般的に軽視されがちです。業績評価や昇進の可能性、報酬など、一般的なパフォーマンス指標に頼る企業では、ベテラン社員の貢献を過小評価し、活用機会を逃してしまいかねません。 熟練社員の価値と可能性を最大限に高めることにより、雇用主はこれらの従業員の経験や知識、人生経験を活用する職業能力開発の機会を新たに創出できます。年齢は知恵を育みます。エンパワーメントによって活用された熟練社員は、過去の貴重な経験を道標にしつつ、企業を明るい未来に導いていけるはずです。 出典: 1. "Life expectancy at birth, total (years)." The World Bank, 2017, https://data.worldbank.org/indicator/sp.dyn.le00.in

Fabio Takaki | 19 12 2019

影響力を持つ女性たちには企業、業界、さらには国家を変革する力があります。マーサーのレポート「When Women Thrive Business Thrive ~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~[T.M.1] 」によると、女性がリーダーとして働き生活している地域では、教育、健康、地域開発プログラムへの貢献度が高くなるとされています。 女性のリーダーが企業や地域社会にポジティブな影響を与えるにも関わらず、世界の大手金融機関のリーダーに女性は少ないのが現状です。また、女性たちは投資対象となる企業の経営陣にも低いウエイトでしか存在しません。オリバー・ワイマンの新しい報告書[T.M.2] (MMCグループ企業の一部) によると、世界の金融機関では経営幹部の20%、取締役会の23%を女性が占めていますが、CEOはわずか6%に留まっています。 しかし、伝統的に女性の昇進が最も難しいとされていた地域の1つの中東において、金融業界の経営幹部に女性が徐々に登用され始めています1。中東の金融業界で女性が地位を確保し地域社会や他の業界に波及していくにつれ、世界の経営者たちはこの動きに注力する必要があるでしょう。 中東の金融業界で活躍する女性の経営幹部 中東の金融業界ではますます多くの女性が、銀行、投資会社、金融、法律、コンサルティング関係の会社の経営幹部を務めています1。たとえば、2018年9月、ローラ・アブ・マネ (Rola Abu Manneh) 氏はスタンダードチャータードUAEのCEOに指名され、UAE初の女性頭取になりました。UAEの銀行業界で長年の経験を持つアブ・マネ氏は、重要案件を銀行に持ち込むナレッジとリーダーシップ力を発揮しています。マネ氏は、CEOに就任した最初の年に、ドバイに拠点を置くエマール・プロパティーズに対し、ホテルをアブダビナショナルホテルに売却するよう提言しました2。 もう一つ例を挙げるとすると、サウジアラビア最大の商業銀行、サンバ・フィナンシャル・グループ初の女性CEOのラニア・ナシャール (Rania Nashar) 氏です。商業銀行セクターで20年以上の経験を持つナシャール氏は、2017年にCEOに指名され、サウジアラビアの上場銀行初の女性CEOとなりました3。また、この瞬間をもってサウジアラビアKSAのビジョン2030の一環として男女平等を促進する改革が始まっており、ナシャール氏はこれを継続させたいと述べています。 「サンバ銀行ほどの規模の銀行でも女性CEOが指揮を執ることができ、史上最高の業績を上げられることを実証するだけでなく、サウジアラビアや世界のすべての女性のために示したいです」とナシャール氏は語り、付け加えました。「サウジの女性たちが誇れるお手本になりたいと思います」4 ルブナ・オラヤン (Lubna Olayan) 氏も、サウジアラビアの有力なリーダーの一人です。彼女は30年以上にわたって、湾岸地域でオラヤングループの貿易、不動産、投資、消費、産業関連の業務を行う持株会社オラヤン・ファイナンシング・カンパニーのCEOを務めました。また、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーチュン誌の「世界で最も有力な女性」への選出を含め、多数の賞を受賞し、女性の経済的権利の擁護者として評価されています5。 リーダーシップに重要なジェンダー平等 こうした女性のリーダーたちは、地域の金融業界の男女平等の推進と変革に貢献しています。進歩はしているものの、課題は山積みと言えるでしょう。政府はジェンダーの均等を促進するための取り組みを行っていますが、経営者たちのマインドセットを変え、バイアスを克服するには時間がかかります。 しかし、それは追求する価値のあるプロセスです。人手不足に直面している組織や国家にとって、女性の人材を活用することにより、競争、成長、成功のための戦略的な機会が提供され、経済全体の変革も促進されます。 マーサーのレポート「When Women Thrive Business Thrive ~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~」によると、女性は供給者、育児・介護者、意思決定者、消費者として重要な役割を担っており、将来の世代の教育と健康、そして地域社会の発展に貢献しているとされています。女性幹部は、結束力の強いチームを作り、人材の維持、スキル開発、育成を行い、多様で新しい視点を組織にもたらす上でも寄与します。 実際、マーサーの調査は女性幹部の登用の増加が、地域社会や国家における経済的および社会的発展に影響を与えることも示唆しています。エコノミストは、男女の雇用格差を是正することで国内総生産を米国で5%、日本で9%、アラブ首長国連邦で12%、ヨーロッパで34%大幅に向上させることができると算出しています。 女性比率の低い領域におけるジェンダー平等の実現 女性の人材を獲得し、意欲的に働いてもらうための適切なアプローチは、それぞれの企業の風土や必要性によって異なるとはいえ、世界的にも有効と考えられる戦略がいくつか存在します。マーサーの調査によると、ジェンダーの多様性を実現するために必要な要素として、健康、経済的な安定、人材の適切なマネジメントが挙げられています。 1.健康 女性にとって健康は特に重要です。女性特有の健康問題や病気の影響があり、男性とは異なる方法で医療制度を利用することがあるためです。 たとえば、女性の罹患率が高い精神衛生上のリスクは、女性の生産性に大きな影響を与えています。単極性うつ病は、仕事上の障害の主な要因となっており、男性より女性の方が約2倍多いと言われています6。 ビジネスにおけるジェンダー平等を実現するには、企業は次のような分野で、女性が最も必要とする方法でヘルスケアを提供する必要があります。 1.     フレキシブルな産休 2.     身体的健康、ウェルネス、メンタルヘルスのサポート 3.     医療リソースへの自由度のあるアクセス 4.     厳しいライフイベントにおける精神的支援 5.     女性専用の医療サポート 2.経済的な安定 女性の抱える経済的責任や経済的ストレスは、男性よりも大きいことが報告されています。プルデンシャルが実施した2018年の調査によると、平均的な女性は、平均的な男性と比較して、退職後の貯蓄が少ないことも明らかになっています。退職後に備えて貯金をしていた女性はわずか54%で、その額は平均115,412ドルです。対照的に、退職後に備えて貯金をしていた男性は61%で、その額は平均202,859ドルでした。女性が退職後に貧困に陥る可能性が大幅に高く、女性の平均余命を短くすることにもつながることを示しています7。 この問題に対応すべく、組織は女性が公正な報酬を受けられるようにすること、将来のお金[T.M.3] の計画についてコーチングや教育支援を強化すること、女性向けに退職オプションを調整すること、貯蓄・退職口座への体系的かつ定期的な積み立てを奨励することを確実に行っていく必要があります。 3.人材の適切なマネジメント 女性には、トレーニングとスキル開発の機会だけでなく、昇進の機会に加え仕事以外の重要な役割を果たすための柔軟な勤務体系も必要です。 経営レベルでの男女共同参画をさらに改善するために、管理職に対する取り組みは欠かせません。しかし通常、管理職は長時間勤務が必要となり、チームやクライアント、上層部の管理能力も求められます。そうした地位の女性たちにとっては出産期と重なる可能性があり、企業がテクノロジーの活用、育児支援、女性向けメンタリングおよび経営支援、ビジネスリソースグループ、多様性および一体性プログラム、トレーニングなど、適切な働き方を提供しなければさらに困難になります。 女性の人材がビジネスに貢献し、事業拡大をもたらす力となりうることに疑いの余地はありません。金融機関と政府が優秀な女性を労働者また経営者[T.M.4] として登用するために求められる戦略に注力することにより、ポジティブな成果が表れてくるでしょう。影響力を持つ女性たちは、ビジネスの洞察力を生かし組織の成長を促すだけでなく、社会における女性の役割が教育やコミュニティを大きく改善し、ひいては国家の変革を可能にします。 出典: 1. 1. "The 50 Most Influential Women in Middle East Finance," Financial News, 29 Apr. 2019, https://www.fnlondon.com/articles/the-50-most-influential-women-in-middle-east-finance-20190429. 2. "FN 50 Middle East Women 2019," Financial News, 2019, https://lists.fnlondon.com/fn50/women_in_finance_/2019/?mod=lists-profile. 3. "Rania Nashar," Forbes, 2018, https://www.forbes.com/profile/rania-nashar/#20d8136e473c. 4. Masige, Sharon."Raising the Bar:Rania Nashar," The CEO Magazine, 27 Jun. 2019, https://www.theceomagazine.com/executive-interviews/finance-banking/rania-nashar/ 5. "Lubna Olayan Retires as CEO of Olayan Financing Co.; Jonathan Franklin Named New CEO," Olayan, 29 Apr. 2019, https://olayan.com/lubna-olayan-retires-ceo-olayan-financing-co-jonathan-franklin-named-new-ceo。 6. "Gender and Women's Mental Health:The Facts," World Health Organization, https://www.who.int/mental_health/prevention/genderwomen/en/#:~:targetText=Unipolar%20depression%2C%20predicted%20to%20be,persistent%20in%20women%20than%20men。 7. "The Cut:Exploring Financial Wellness Within Diverse Populations," Prudential, 2018, http://news.prudential.com/content/1209/files/PrudentialTheCutExploringFinancialWellnessWithinDiversePopulations.pdf.

デジタルトランスフォーメーションと第 4 次産業革命により、プロフェッショナルとしての将来やキャリアに対する見方が急速に変化しています。人工知能 (AI)や機械学習、オートメーションはかつて安定していたキャリア形成や業界全体を不安に陥れました。世界経済は常に流動的な状態にあります。 テクノロジーの進歩により、従業員が自らキャリアを認識し管理する方法にも革命がもたらされています。マーサーの 2019 年グローバル人材動向調査では、高度で創造破壊的なテクノロジーの影響に対し、個々の従業員と企業が互いに協力しなければならないことが示されました。ラテンアメリカのキンバリークラークはこの事実を受け止め、マーサーと提携しデジタル時代の絶え間ない変化に対応するべく、画期的な専門能力開発アプローチを生み出しました。 このソリューションは、ワークフォース内の経験豊かなメンターと従業員に価値を与えるデジタルプラットフォームを組み合わせ、独自の道筋で専門能力の開発に励むことができるようにしたものです。 キャリアプラットフォーム キンバリークラーク社は、会社の従業員と企業経営にインパクトをもたらす創造破壊、いわゆるイノベーションからポジティブな成果を引き出すという課題を提示しました。そこでマーサーが 150 名の従業員を対象にアンケートを行ったところ、驚くべき発見がありました。従業員の 5 人のうち 4 人が自身のキャリアについてはっきりした意見がなく、明確な方向性を見出すためのサポートが必要と答えたのです。 これらの回答を踏まえ、手探りで進む時代に未知の世界への不安を抱く従業員の仕事の満足度とキャリアの安定性を高めるデジタルメカニズムを構築しました。結果として完成したのが「キャリアプラットフォーム」です。 キンバリークラークには、ビジネス環境の再構築が進み、人々が大きな力に翻弄されているように感じているタイミングでこそ、キャリアアップを図る方法を従業員に示したいという想いがありました。これを受けてマーサーはさらに調査を進め、従業員が何を感じているのか、そしてそれはなぜなのか、真に理解するために可能な限り多くの情報を収集し、調査結果から引き出されたプログラムで 4 つのスプリントに辿り着きました。 1.     情報の収集 2.     コンテンツの強化 3.     適用の合理化 4.     すべての検証 驚くべき結果として、これらは従業員と会社にとって独自のキャリアを認識する上で不可欠なものとなりました。マーサーはアジャイル開発手法のスプリントを導入することで、キンバリークラークの既存の組織構造内でプラットフォームとプロセスをシームレスに開発し、反復しました。 キンバリークラークは、この創造的なアプローチを重要な差別化要因としてとらえ、今後マーサーが柔軟で順応性のあるパートナーになると考えました。それぞれのアジャイルスプリントでは、明確な目標を掲げ従業員とステイクホルダーのブレインストーミングと面談から詳細なロードマップまで作成し、従業員にとって魅力ある直感的なインタフェースをデザインしました。マーサーは キンバリークラークのあらゆる層の従業員と緊密に連携し、スプリントとタイムラインの管理から最終的にデジタル・キャリア・プレイブックと専門能力開発ツールとアセットを提供、従業員が独自のキャリアパス戦略を立案できるようにしました。 キャリアプラットフォームには、一群のカスタマイズされたツールと機能を備え、人間の知恵の価値とデジタル管理の洞察と機能が結集しています。キンバリークラークの経験豊富なメンターによるアドバイスを従業員一人ひとりに提供することによって、自身の個人的な目標や情報に基づいた意思決定を行い、専門能力開発の選択を行うことができます。これにより従業員は継続的な教育に対するプロアクティブなアプローチでキャリアを向上させ、キャリアパスや仕事の経験を選択することができます。 従業員がプラットフォームを活用して自分の関心や才能、スキルに基づいた決断をする際にアドバイスを受け、常にテクノロジーによるイノベーションが発展する中、自信をもって働くことができるようになります。 透明性による自己決定権 透明性は、従業員の福利厚生や生産性に責任を持つ経営幹部のリーダーやマネージャーにとって極めて重要です。大企業の経営層は多くの場合、現場からは切り離されていると感じており、従業員の課題や夢、職業上の目標を理解し真につながる方法を模索しています。このプラットフォームで従業員と経営者の間のコミュニケーションが民主化されることにより、相互理解が深まり、形式的な仕事も減ることで、従業員が自らのキャリアをコントロールできるようになります。 キンバリークラークの従業員にとって、キャリア・マネジメント・プラットフォームには将来を考える上で大きなメリットがあります。キャリアを明確に管理できるという機能です。キャリアプランの設計と実現は複雑なプロセスで、多くの場合、曖昧で誤解を招く機会や課題に関する説明も見受けられます。マーサーが開発したプラットフォームでは、従業員はキャリアやメンターによるアドバイスにアクセスできる自己管理ツールがあります。キンバリークラークの従業員は、このダイナミックな協調関係により、将来とキャリアを思い描くだけでなく、最高のアドバイスをもらいながらプロフェッショナルとしての夢をどう実現するかに向き合っています。このプラットフォームでは自身のペースで成長し夢を持つ一方で、スキル、才能、知識基盤を向上させるヒント、そして社内での雇用確保やキャリアパスが促進されます。 また、自分のキャリアや専門能力の開発を自己管理することもできます。とても協力的とは言えない上司やマネージャーの存在により、キャリアアップを妨げられていた友人や家族を誰もが知っているのではないでしょうか。このプラットフォームにより従業員一人ひとりが、理不尽にも誰かの偏見に自分の未来をコントロールされることなく、目標や達成したいことを公開できます。事業の経営者にとって画期的なのは、社員や人的資本にこのようなレベルでアクセスできることです。 また、生産性の高い従業員が見過ごされている、感謝されていない、無視されていると感じるために離職することで、新たな人材を採用するにはあらゆる面でコストがかかり、企業にとって重荷となっています。ラテンアメリカでは、エンゲージメントアンケートでキャリア開発の機会に満足していると回答したのは従業員の 50% に留まりました。半数の人がもっと満足できる仕事を他で探そうと検討している可能性があります。貴重な人材が失われるだけでなく、代わりの人材を採用する多くの時間やお金、リソースが費やされ、企業に破壊的な影響を及ぼします。 水平異動という新たな昇進機会 キャリアアップとは従来、企業内の階段を上って昇給、昇進、権力が増すことと定義されてきました。今日は、従業員の一人ひとりが水平異動を効果的で長期的なキャリア戦略として考慮する必要があります。 プラットフォームを活用することで、社員にはかつてない専門能力開発の門戸が開かれます。リストラにより従来の職はなくなる可能性はありますが、新しい世界は多くの強力なテクノロジーによって接続されます。そして以前は見過ごされていた水平移動によってより報いの多い機会に恵まれる可能性があります。たとえば、ある職員はボリビア、ニカラグア、ウルグアイなどの国における最初のカントリーマネージャーとして割り当てられるかもしれません。 変化は既に始まっていますが、未来の職業ではスキルを構築するために何年も同じデスクやパソコンの前で苦労する必要はありません。キャリアアップは将来的に水平異動という枠にもとらわれることなく、やりがいのある職業経験と独自のプロフェッショナルとしての実績により鍛えられたクリティカルシンキングが求められます。行動的で、豊富な知識や情報を持つ社員を生み出すのは経験です。今こそ、価値を経験にシフトさせましょう。 入社日から始まる未来の仕事 調査結果は、職業の安定性、給与、そして将来のキャリア機会という 3 つの大きな分野で従業員に懸念があることを明らかにしました。これらの懸念に対処するため、ユーザーフレンドリーなキャリアプラットフォームが開発されています。 キンバリークラークは、確かなものが何もない経済情勢の中、従業員にかつてないほどの新しい機会を創出するという任務をマーサーに委ねました。最終的に従業員だけでなく経営陣も熱意ある反応を示すものとなりました。マネージャーやリーダーは、以前より職員に安定したやりがいのあるキャリアを提供する義務があると感じていたからです。 さらに、このプラットフォームは新入社員の入社1日目から導入できるため、職員と企業にとって極めて高い価値をもたらします。それは組織のキャリア全体で真の情報源となります。 グローバル経済がデジタルトランスフォーメーションに適応していくにつれ、ラテンアメリカだけでなく世界中の企業やその社員は価値を発揮し、技術革新で満足度の高いく仕事と生活の質を向上させる新しい方法を探る必要があります。キャリアプラットフォームは目まぐるしいスタートを切りました。 この経験を通して学んだ教訓は、従業員と企業はお互いにとって最善を望んでいるということです。そして、その絆を深めることに貢献できることを嬉しく思います。

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