健康

成長経済における人材獲得の戦いは社員の心拍数から始まる

2019年1月10日
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「雇用主にとって不健康な社員は、今いる社員のリスクになるばかりでなくこれから採用する人達や将来ビジネスのリーダーとなる人達にも影響する。」

平均的成人の安静時の心拍数は1分間あたり60から100である。アスリートのような平均以上の健康状態の人の心拍数は60以下になり、心拍数が100 を超えると、バンコクからナイロビにいたるまで全ての都市の殆どの職場で見かけるタイプの男女のように平均を下回る健康状態になる。近代社会は、人間がいとも簡単に不健康陥るようになってしまった。

成長経済における不健康な社員の存在は、その社員自身や企業にとってリスクになるばかりでなく、社員がグローバル市場での競争を求めるにつれて地域社会の経済的活力へのリスクにもなる。不健康な社員は病欠も多くなり、健康面の福利厚生コストも割高となり、健康な競争相手と比較をすると一般的に生産性も活力も低い。1 健康で生産性のある社員を持つことの必要性は雇用主にとってのみの問題ではない。それは、社員自身にとっても益々重要な問題になりつつある。

アジア太平洋から中南米地域で中流階級が急増する中で、社員はより良い労働条件と、職場でのより健康的なライフスタイルを求めるようになる。しかし、成長マーケットの労働力は、メキシコシティ、ムンバイ、サンパウロや上海といった人口1,000万を超える大都市に引き寄せられ続けている。こうした人口シフトはこれら都市部の資源への圧力を益々高め、社員は健康を害する程の大気汚染に曝され、長くなった通勤時間で座りっぱなしの不活発なライフスタイルになる為に、安全で安心な生活条件を得る機会が限られてくる。

社員個々人の健康を重視する  
 

成長経済はそれを形成する人々と同じだけの強さでしかない。伝統的にビジネスの成功は、利益、損失、顧客の獲得、月次販売高、そして何に対して価値が損失又は創出されているかを示すその他のデータで測られる。ビジネスの成功は、しかしながら、そのビジネスを担う社員の生産性と健康に直接影響される。 1人1人の社員の貢献がチームや部署全体の成功または失敗にかかわるのだ。各々が大事な存在となる。 ビジネスは、社員を見えない顔と肩書きの労働力の集団としてとらえる傾向から脱皮し、特定のスキルや個性、そして肉体的にも精神的にも固有の健康や幸福のニーズを持つ個人として見なければならない。多くの社員にとっては、単に健康食品をキッチンエリアに準備したり、社員に誕生日カードを贈る事が効果的な健康への取り組み又は心理的な活力を与えるものとはならないのである。

成長経済におけるビジネスは、個人として認められていると感じる社員を雇用して競争力を得る。全ての社員(と彼らが愛する人々)の健康や幸福な生活を送る為の面倒を見ることは、社員への尊敬の念を表す力強い手段である。社員のニーズと目的感にに合った福利厚生を提供することは周囲を取巻くプロフェッショナル・コミュニティとの絆と感謝の気持ちを強めることになる。実際に、そうした絆は孤立したビジネスや経済に限られるものではない。成長経済全般の高学歴の新しい世代の労働力は、デジタル技術への未曾有のアクセスと接続を武器にして、職場により高い水準を求めてくる。特に、健康面やより幸福な状態でいる為のより良いサービス、経済面のウェルネスプログラム、キャリア開発や教育のサポート、仕事上のリスク管理等、社員が抱える普遍的な心配事と職場への期待についての世界規模の話合いを先進国経済がリードしている。   

ビジネスは、増加する消費者とクライアントの需要を満たす為に定期的に拡大するが、労働力を拡大する一方で、社員個人に健康的な就労環境を提供する基本的なサポート(例:社員が健康で生産性を上げるために必要な人間工学に基づく椅子、適切なモニター等、相応しい作業ステーション)を提供する事に対しては躊躇する場合が多い。不健康な職場等の問題は個人に配慮する事で容易に修復可能である。会社はこうした致命的な事柄に対応しなければならない。不健康な社員が生産性、効率と収益にもたらすマイナス影響を立証する十分な裏付けはある。2会社にとって、不健康な社員は、今いる社員へのリスクとなるばかりでなく、これから採用する人達やビジネスの将来のリーダーにも影響する。

第一印象は採用プロセスに影響する  

今日、求職者は自分達が企業の面接を受ける前に企業の面接をしている。熱心な求職者は、面接に来る前に 既に企業のホームページで、グローバルのダイバーシティやインクルージョンの方針を含む企業のミッションステートメントや企業哲学などを学習し、CEOのブログを読み、企業の本社や支社における社員への福利厚生について分析を行っている。その中で、求職者は様々なオンラインのリソースを通して企業の評価や格付け、顧客や在職中・離職をした社員のフェイスブックなどを読んでいる可能性が高い。

スマートなビジネスであれば、有能なプロフェッショナルは状況認識に対して高い感受性があり、それに応じて準備をするということを知っている。求職者にプラスの第一印象を与える為に投資をしないビジネスは、求職者を失い、その人達の持つスキルや能力も競合他社に奪われることになる。会社が絶対に欲しい人材が、エレベーターを降りたところで不健康で疲れた社員が仕事をする様子を目の当たりにした時には、すぐに不安な気持ちに駆られるに違いない。そのビジネスの社員の健康状態は、ワークライフバランスと職場環境を疑う余地もなく直接反映するものであり、それだけでなく会社の福利厚生をも物語る。その会社の社員に過度なストレスや過重労働があり、社員に元気がないようであれば、有力候補者である人材は、その会社と握手をする前に候補企業リストからその会社を削除するであろう。「不健康」な社員が会社のブランドや採用時の印象に与える影響は、他の指標と比較して数値に表しにくいが、その重要度は決して低くない。今いる社員の姿が、今後社員となる人達の未来の「窓」になるのである。

現代の職場におけるバランスの再発見    

成長経済の労働者と雇用者は、技術や現代のワークライフバランスのパラダイムにおける進化に順応する為に苦戦を強いられている。オンとオフの生活が分かれた状態で存在する時代は終わった。デジタル端末や通信技術により、いつどこで人が働くかという線引きが無くなってしまったのだ。その結果、上司や配偶者、子供たちや同僚、プライベートの時間と仕事の時間の間で、際限のない期待が混乱して融合することになった。今日、社員は、時間と場所に制限されない需要の渦の中に捕らえられてしまっている。 当然、社員はあらゆるところで肉体的にも精神的にもそのアンバランスに苦悩している。成長マーケットのビジネスリーダーは、社員をより健康に、幸せに、そしてもっと生産性をあげるための真の戦略を実施 している。

情報に精通した企業は、健康やバランスのとれたライフスタイルは就業時間外のみに追求される個人的な問題ではないと認識している。殆どの社員は多くの時間を仕事に費やす。会社は、そのように多くの時間が費やされる時に、健康を勝ち取る為の最も効果的なプログラムを提供するのである。マーサー中国が行った2016-2017の中国で最も健康な企業の調査の優勝者であるパーフェクトワールドなどの企業は、社員に画期的な社内ヘルスケアプログラムを用意している。プログラムの内容には、専属の看護師や医療サービスセンター(血液検査やその他の検査を実施する)の提供、ストレスを低減しウェルネスを上げる為の瞑想の時間の提供などが含まれる。健康な社員の未来は、健康的な活動が社員の就業スケジュールの中で重要な一部であるととらえる職場からスタートする。中南米では、3社のうち1社は既に社員にウェルビーイングプログラムを用意している。4 メキシコのアメリカン・エキスプレスには、社員のケアやリソースの支援を行う健康とウェルビーイングセンターがあり、ブラジルでは、シュナイダーエレクトリック等の企業のウェルネスプログラムやダイバーシティ&インクルージョンの尽力を顕彰している。

仕事とウェルネスの時代
 

今後は、効果を発揮する成長経済の労働力は、あらゆるレベルで健康を感じる社員を持つことになるであろう。欠勤が減り、ヘルスケア関連の出費が低減され、生産性レベルが向上することは、インハウスでウェルネスのリソースやプログラムを用意することへの明白な根拠となる。費用と効果の計算は簡単である。しかし、人の影響は計り知れない。社員への投資はビジネスの最も重要な投資であり、将来の社員はその会社が今いる社員のウェルビーングに投資をしているか否かが簡単にわかる。今いる社員の健康状態が、現代のトップクラスの人材に交渉決裂を選択させる要因にもなる。

デジタルトランスフォーメーションを直ちに受け入れる成長経済では特に技術が健康の未来を決める。現在、ブラジルでは、健康管理やサービスのデジタルソリューションを開発し始めた新興企業が200社もある。5 最新端末はコンスタントに心拍数、ストレスレベルやウェルネス全体をモニターする。社員も会社も、国境のない世界で働く社員に対して最適な作業環境とスケジュールを創出する為にリアルタイムのデータを駆使することが出来るようになる。より良い食事をし、もっと運動をして、脳を鍛えて心や想像力を刺激する事を奨励することは、トップクラスの人材を魅了し維持する上で、また会社の強力なブランド構築には決定的に重要である。腰の痛みや心の病、1分間当たりの心拍数が100以上である事を心配する必要のない将来を、企業は社員に提供しなければならない。

 

1 Healthy Workforce
https://www.cdcfoundation.org/businesspulse/healthy-workforce-infographic
2 The Portion Of Health Care Costs Associated With Lifestyle ...
https://journals.lww.com/joem/Abstract/2015/12000/The_Portion_of...

3 Who Are China's Healthiest Employers? – Thrive Global – Medium
Yan Mei - https://medium.com/thrive-global/who-are-chinas-healthiest-employers-72af8c1215b0

4 Health Techs
https://insights.liga.ventures/healthtechs/

5 Health Techs
https://insights.liga.ventures/healthtechs/

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Alice Harkness | 31 10 2019

これまで福利厚生は「画一的」なモデルで提供されてきました。そのため、一部の従業員が他の従業員よりも価値を感じるという現象が起きています。現在、従業員はますます自身の特定のニーズやライフステージに基づいて福利厚生を柔軟に利用できるパーソナライズされた福利厚生を期待するようになっています。これにより、従業員は現在の状況 (独身または既婚など) に関わらず、平等に扱われていると実感できます。 そろそろ伝統的でない、殻を破ったアプローチで、福利厚生にインセンティブをつけたり、保険をオプトイン/アウトできるようにしたり、親の介護費用やペットの世話の費用を請求できるようにした設計を組み込みましょう。先進的な企業はすでにこのジャーニーに取り組んでいますが、従業員が現状に満足していると思い込んでいる人事担当者もいて多くの企業ではそのような取り組みは見られていません。なぜでしょうか。従業員に直接聞けないでいるからです。聞かないでいることのリスクは、福利厚生の貴重な予算をまったく活用されないか、ほとんど利用されないものに投じてしまうということにあります。 従業員をもっとよく知りましょう   率直に質問することを恐れないようにしましょう。現在の福利厚生の内容で従業員が気に入っているもの、気に入らないもの、または他にどんな良いアイデアがあるか、エンゲージメントに関する「スポット」アンケートを行うか、フォーカスグループからフィードバックを収集します。すべてを実現することは不可能かもしれませんが、エンゲージメントを深める絶好の機会となります。 従業員の福利厚生では、働いている本人も何が必要か分かっていないかもしれません。データアナリティクスを活用して、何が (特に健康面で) 最もよく利用されていて、何が不可欠かを理解しましょう。 福利厚生のインセンティブが欲しいと言いながら、スポーツジムの割引クーポンの利用者が誰もいなかったりするでしょうか。定性データおよび定量データを組み合わせることで、ギャップを見分けることができます。場合によっては、ギャップがあるのは内容に問題があるのではなく、周知されていないことが原因かもしれません。 コミュニケーションが鍵   人事担当者から「従業員は福利厚生について十分知っているはずです。毎年知らせているからです」という声をしばしば聞きます。これでは不十分です。 効果的なコミュニケーションが鍵です。従業員は忙しく、ポリシーの細かい文字を読んでいる余裕も時間もありません。コミュニケーションで好まれるチャネルについてフィードバックを集めてはいかがでしょうか?定期的にコミュニケーションを取るためのシンプルな方法を見つけましょう。毎回さまざまな福利厚生に焦点を当てます。それにはインフォグラフィックス、インタラクティブなランディングページ、動画、または簡単で読みやすい説明などを含めることができます。 そこで取り上げた福利厚生が重要な理由を説明してください。必ずしも知られているとは限りません! 柔軟な福利厚生はコストが高いとは限らない   パーソナライズされた福利厚生を提供するのにコストがかかる可能性もありますが、必ずしもコストをかける必要はありません。それは現在の予算枠の中で工夫し、従業員に反響のあるものに創造的に投資するということです。こうすることで、投資が実際に活用されているという確信も得ることができます。 従業員の心に響く福利厚生の設計に時間を費やす企業は、従来型のアプローチを捨てて、よりパーソナライズされた考え方を取り入れています。そうすることで投資に対する利益率を向上させられるだけでなく、満足度やエンゲージメントの高い労働力を得られるようになるでしょう。

Patrick Hyland, PhD | 17 10 2019

  マネジメントに関する責任でストレスを感じているのはあなただけではありません。最近の調査で、仕事のストレスレベルに対処できると考えているリーダーとマネージャーはわずか 67% であることが判明しました。残りの 33%は自信がない、困惑していると回答しています。ほぼ同率でワーク・ライフ・バランスを保つのに苦しんでいる人もいます。質の高い仕事をするのに十分な時間が得られていると自覚するリーダーとマネージャーは半数にすぎず、仕事として割り切ることができると感じているのは 48% にとどまりました。これらの結果は、経営陣やマネージャーの約 3 割 から半数が、耐え忍んで仕事上の課題に対処していることを示しています。   このような統計を目にしても、「仕事にストレスはつきもの」と肩をすくめ、ため息をつくだけの人もいます。この思考は敗北主義者の観点で、危険であると示す研究結果が増えています。ストレスに関連する健康上のリスクとは別にしても、リーダーが体調不良、あるいは身体的・精神的に疲弊していると、職場の機能不全を生じさせる場合があります。   たとえば、バーバラ・フレドリクソン博士は、ネガティブな感情は「戦うか逃げるかすくむ」マインドに人を閉じ込め、創造的に考え革新的なソリューションを開発する能力を抑制すると述べています。また、ヤンネ・スカコン氏とそのチーム1は経営者がストレスに対処しているとそれが従業員にも伝わり、実務やストレスレベルにも影響が及ぶことを発見しました。そしてマーサー・シロタによる調査では、ストレスレベルの高いマネージャーは直属の部下を認めたり、賞賛したりする可能性が大幅に低いことが明らかになっています。    職場で慢性的なストレスがあるとしたら、リーダーやマネージャーは自己犠牲的な殉教者であるべきという神話を信じるのはやめましょう。自身の健康だけではなく、チームの相乗効果やエンゲージメントもリスクにさらすこととます。疲れ果てる前に、セルフケア戦略の立案を始めるためには、次の 4 つのステップが有効です。   1.危険な兆候を見分ける   燃え尽きてしまうこと、それは自信喪失や冷淡な態度を伴う、身体的、精神的、そして感情的に消耗した状態をいい、深刻に捉える必要があります。研究者たちは長期間の燃え尽き症候群が、うつ病、不安症、心臓病、高コレステロール血症、脳卒中および 2 型糖尿病を含む、多くの身体的・精神的な健康問題を引き起こす可能性があると指摘しています。    人は燃え尽きると怒りっぽくなり、意欲の低下、食事や睡眠など生活習慣の変化、または説明のつかないうずきや痛みなど、さまざまな形で現れることがあります。   2.休息と回復   燃え尽きているように感じた場合、助けを求める対策をすぐに講じる必要があります。まずは、いま経験していることを誰かに話すことから始めてください。上司、HRのビジネスパートナーまたは同僚に話しましょう。職場の誰かに話せない場合は、(a) 健康的ではないブラック企業2で働いている可能性を認め、(b) 家族、友人、または医師に必ず話すようにしましょう。沈黙のままでは、疲弊から孤立へと至り問題がより複雑になるかもしれません。    そして、仕事から切り離す方法を探し始めます。起床してすぐにメールチェックをするのはやめ、不要な会議をなくし、負荷を軽くしましょう。メンタルヘルスデーを設けるのも1つです。勤務時間を短縮するなど、休暇が認められる場合は取得してください。休息しリセットする方法を見つけ、回復できるようにします。   3.反省と方向転換   自らの体験から少し距離を置くことができたら、燃え尽き症候群に至った要因を特定してみましょう。まず出来事を時系列で思い返します。ストレスレベルが最初に上昇し始めたのはいつか、仕事で何が起きているか、仕事以外の自身とも向き合ってください。以前にもこのような経験をしたことはあったか、それとも燃え尽きを経験したのは初めてか、自身に問いかけます。    次に、ストレスの性質について考えましょう。ストレス自体は常に悪いものとは限りません。研究者たちは課題に伴うストレス、つまり重要な目標を達成することに伴うストレスは、仕事の満足度にポジティブな影響を及ぼすと指摘します。逆に障害となるストレス、つまり仕事を成し遂げる上で障害となるストレスは、仕事の満足度にネガティブな影響を及ぼします。燃え尽き症候群を経験したことがあれば、多くの障害となるストレスに対処してきたはずです。そのことを念頭に置き、組織で仕事を成し遂げる方法について考えます。一部の専門家は、燃え尽き症候群は機能不全の状態にある組織で働いた結果であると主張しています。    最後に、自分の性格、仕事に対する価値観や態度、所属する組織、そして仕事について考えてみましょう。研究者たちは、特定の人格特性を持つ人々に燃え尽きる傾向があることも発見しました。3自らを振り返り次に見えてくる目標は、経験から学び将来的に燃え尽きてしまうのを防ぐために洞察することです。   4.折れない心を育てる   燃え尽き症候群を経験した方にも良い面があります。人として強く賢く折れない心を育てるためにこの経験を役立てることができるからです。しかし、そのためには意識的な努力とセルフケアの実践に専念することが求められます。    セルフケアプランを設計する場合は、複数の方法が存在します。まず、仕事に対するアプローチを再考し、稼働日における習慣の一部を変える必要があるかもしれません。身体的な健康状態は極めて重要です。研究者たちは、リーダーやマネージャーが規則正しく食事をし、十分な睡眠をとり、運動すると生産性が上がると指摘しています。    精神的な健康状態も同様に重要です。スタンフォードの心理学者アリア・クラム氏は、管理する方法さえ知っていれば、ストレスはリーダーにとって良いものになると主張します。仕事と生活の困難に対する感情的な反応を考慮する必要性があります。心理的柔軟性と感情的な俊敏性があると生産性の高いリーダーになることが調査で立証されています。4    また、総合的なアプローチとして不可欠なのは、セルフケアプランを立てる際、自分が誰であり、自身にとって何が重要であるかというすべての側面に配慮することです。調査によると、精神的な生活、つまり生活に意味や目的、一貫性をもたらす側面が折れない心を育てるのに役立つと明らかにしています。    これら4 つのステップを検討する際に留意すべきは、自分の世話ができないようであれば長期にわたってチームもマネージできないということです。ある時点で忍耐、健康、エネルギー、または生産性が失われることになります。何らかのセルフケア戦略がなければ、自分自身に対して、またあなたを信頼する人々に対して害を及ぼすことになるでしょう。 出典: 1. Skakon, Janne; Nielsen, Karina; Borg, Vilhelm; Guzman, Jaime. "Are Leaders' Well-being, Behaviours and Style Associated with the Affective Well-being of Their Employees? A Systematic Review of Three Decades of Research." An International Journal of Work, Health & Organisations, Volume 24, Issue 2, 2010,https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02678373.2010.495262. 2. Appelbaum, Steven and Roy-Girard, David. "Toxins in the Workplace: Affect on Organizations and Employees." Corporate Governance International Journal of Business in Society, 2007,https://www.researchgate.net/publication/242349375_Toxins_in_the_workplace_Affect_on_organizations_and_employees. 3. Scott, Elizabeth. "Traits and Attitudes That Increase Burnout Risk." Very Well Mind, May 20, 2019,https://www.verywellmind.com/mental-burnout-personality-traits-3144514. 4. Kashdana, Todd B. and Rottenberg, Jonathan. "Psychological Flexibility as a Fundamental Aspect of Health." Elsevier, Volume 30, Issue 7, November 2010,https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0272735810000413?via%3Dihub.

Dr. Avneet Kaur | 03 10 2019

  近年、オンサイトクリニックの利用が増加している理由として、質の高いタイムリーなケアにより生産性を高め、欠勤を減らし、従業員の健康状態を向上させることができると認識されています。 貴社のオンサイトクリニックでは、十分な導入効果が得られていますか?あるいは法的な要件を満たすことにのみ重点を置かれているでしょうか。オンサイトクリニックを最大限活用するためには、重要な点が3つあります。最近マーサーが行った職場の診療所のアンケートによると、オンサイトクリニックを備えた企業では 1.5 倍以上の投資利益率 (ROI) が得られています。同じような利益率が見込めない場合は、オンサイトクリニックが基本要件の範囲内にとどまっている可能性があります。 クリニックを患者中心に 従業員に適したサービスがクリニックで提供されているかを確認しましょう。これにより利用されないサービスに出費することなく、従業員の満足感を高め、健康状態を改善し、結果的に業績を向上させる投資対象に資金を充てることができます。従業員の年齢層、性別、仕事の性質について理解を深めましょう。必要な保健や社会福祉サービス、専門家のサポートを理解する上で大きく前進できます。   統計情報に加え、従業員のヘルスケアのニーズを理解することも重要です。たとえば、どのような病気が一般的で、適切に管理する必要があり、ライフスタイルに潜む主なリスクファクターを教育や予防的なサービスによってどう回避できるか、などです。 価値を伝える重要性 「それを造れば、彼らは必ず来る」という古い考え方では、求める ROI が得られないかもしれません。従業員にもたらす価値を強調することで、オンサイトで提供されるサービスについてコミュニケーションを図ることが重要です。便利で楽に受診できること、質の高い医療機関への紹介・案内、病気の早期発見などのメリットについて伝えます。   効果的なコミュニケーションにより、利用率が改善し、病気の早期発見だけでなく、企業として投資を最大化しながら従業員の福祉にも貢献することにもつながります。 オンサイトクリニック:ウェルネスハブ オンサイトクリニックが適切に設計・管理されると、企業と従業員の双方に大きなメリットが生まれます。適切に設計されたクリニックは真の窓口の役割を果たし、従業員に質の高い医療機関や福利厚生・ヘルスケアサービスを案内も可能となります。また、救急治療や高額な医療費を回避するための鍵となる、予防や教育サービスを従業員に直接提供することもできます。   マーサーでは、クライアントの効果的なオンサイトクリニックの管理に向けて、4-C モデルの導入を支援しています。これにより、企業は単に法的要件を満たすことから、従業員の価値に重点を置いた質の高い医療サービスを提供する体制へと移行し、クリニックの価値向上がさらに期待できるようになります。   オンサイトクリニックを最大限に活用する方法については、こちらからお問い合わせください。

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Amy Scissons | 26 3 2020

今日の世界では、多様な人材を育成し、雇用し続けることはかつてなく困難になっています。多様性の問題を「解決」するばかりで人材確保ができるものではありません。多様な人材を育成、開発しなければ、離職や意欲の低下という新たな問題に直面します。 この点はマーサーが発表したレポート「ダイバーシティ&インクルージョンテクノロジー:革新的な新興マーケット」の論評にも反映されています。「経営者らは、多様な組織や包容性の高い文化がないことは全体の問題であり、個人の力ではどうにもならないことを理解し始めている」 幸い、多様な人材のニーズを的確に支援する方法があります。詳しく見ていく前に、まず多様な人材の構築、維持、育成の重要性について考えましょう。 開発された多様な人材のメリット   今日の企業が生き残るためには、HRを含めビジネスのあらゆる面で俊敏性を優先する必要があります。マーサーの「2019年グローバル人材動向調査」における調査では、素早い変化を実現し、事業の混乱を最小限に抑えつつ、急激なトレンドにも迅速に対処する自信を持っている企業は約3割です。では、HRのアジャイルアプローチとは、どのように実践されているのでしょうか。 この俊敏性と自信は、一つには十分に開発された多様な人材から生まれています。従業員をスキルアップさせて将来のビジネスニーズを満たせるようにしておくことで、デジタルオートメーションや産業融合など、あらゆる激変に伴う移行を円滑化できます。俊敏性を高めることで、広範囲にわたる業界の変革を乗り切り、競合他社を出し抜いて、スムーズに優位性を獲得できるとしたら、いかがでしょうか。 それを実現するためには、多様な人材が必要としているものに注目しなければなりません。 多様な人材のニーズを理解する   まず、今日の人材は、スキル開発の機会が見える雇用プロセスを求めています。マーサーの「2018年グローバル人材動向調査」によると、会社が個人的および職業的に成長する機会を与えてくれていると考える従業員は66%に過ぎませんでした。 とはいえ、マーサーの「2019年グローバル人材動向調査」になると、世界の人材が職場で優先するものは微妙に変化しています。従業員と雇用主の間でスキルアップのニーズに差があるのが世界的な傾向です。 労働者が雇用関係に求めるものを調査した結果、新たなスキルの開発が第1位となった国もあります。世界的には、これは従業員の雇用主に対する要望第3位になっています。いくつか例を見てみましょう。 1.     ブラジル:世界の大半の地域と同じく、貢献に対する評価が第1位となっているものの、従業員が求めているもの第2位がスキルの向上と新たな能力の開発となっています。 2.     メキシコ:新たなスキルとテクノロジーを学ぶ機会が従業員にとって最優先事項となっており、次にワークライフバランスの管理が続きます。 3.     中国:中国の従業員にとっては、ワークライフバランスが最優先事項であり、次に新たなスキルの習得が続きます。3位に優先することは、楽しい職場環境です。 4.     中東:中東では、何よりも新たなスキルの開発や新たなテクノロジーの学習機会が最優先事項となっています。ワークライフバランスが2位、有意義なプロジェクトが3位と続きます。 これらの嗜好は様々な形で表出します。例えば、メキシコの労働者の9割以上は、カジュアルなフリーランススタイルの働き方に対してオープンであり、新たな仕事の機会を求めるとともに、自らのスケジュールを管理することに一定の関心があることが分かります。これはワークライフバランスの優先度の高さとも結びつきます。 優先順位は国によって多少異なるものの、世界的、文化的、地理的な違いを越えて、従業員が職場に求めるものは似通っていることが分かります。真の課題は、雇用主がスキル開発にどのように取り組むかという点にあります。 人材のスキル再開発、スキルアップ、育成   スキルの再開発とスキルアップにおいて、従来のトレーニングは必ずしも最善の方法ではありません。多文化の人材の特定のニーズに対応していないことが多いためです。例えば、講義形式のセッションにおいて、受講者がテーマを自らに当てはめて考えることができなければ、理解は困難になります。また、受講者が大人数の前で発言することを好まない場合、会話の交換が難しくなる可能性があります。 そこでマーサーのダイバーシティ&インクルージョンレポートが指摘するように、新たなテクノロジーを活用する独自の方法でこの課題に対処できます。その例の1つは、プライベート通信チャネルの活用です。翻訳会社などが提供しているような新たなツールを活用し、教室での受講者は匿名で質問でき、トレーナーはバランスの取れたディスカッションの仲介役を果たすことができます。また、トレーナーが受講者のパルスサーベイを行い、会話のトピックに対する安心感の推移を評価できます。 このような新たなテクノロジーや手法を活用することによって、人材育成に目を見張る成果が出ることがあり、そこに独自のメリットも伴います。ただし、離職率の低減にも等しく重点を置いてスキル開発に取り組まなければ、効果が乏しくなることに留意します。手塩にかけて育てた人材が競合他社で新たなスキルを活用することほど悔しいことはありません。雇用主が学習を最終目標と見なすのではなく、従業員のキャリアジャーニーにおける継続的なステップとして見る必要があるのはそのためです。 従業員はスキル開発を望み、キャリアに対するその影響を理解しているというデータがあります。一方の雇用主は、競争力を維持するためにも、学習についてさらに革新的なアプローチを取る必要があります。多文化の背景や多様なニーズを持つ労働者を含め、全ての人材を育成すること、これが長期的に業績を維持していく秘訣です。

Simon Coxeter | 27 2 2020

ファイナンスは、会社のあらゆる機能に影響を与え、個人にとっては個人の生活にも影響を及ぼします。従業員の経済状態が厳しくなると、仕事の満足度や態度に影響が及び、パフォーマンスが妨げられる可能性があります。経済的なストレスを抱えた労働者は、そうでない労働者よりも仕事の機会を逃し、医療費が高いことが知られています。これらの要因は、必然的に企業の従業員エンゲージメントレベルを損ない、最終的には業績にも影響します。特に、複数の従業員が経済的困難を経験している場合はそう言えます。 同時に人事のプロフェッショナルは、人は給料のためだけに働いているのではなく、給与を上げるだけでは必ずしも仕事の満足度が上がるとは限らないことを知っています。さらに従業員は明るい企業文化、柔軟な予定、表彰、人材開発(L&D)、退職プラン、その他の福利厚生も求めています。当然、従業員は給料は別の話としても、自分の価値が認められ、未来が開けている会社で働きたいと考えています。 世界の失業率が40年間で最低レベルに到達する中、人手不足が進行し、雇用主はますます採用競争が激化する環境に直面している一方、福利厚生パッケージは優秀な人材を集めてつなぎ留めるますます重要なツールになりつつあります。福利厚生で成長を続けているプログラムの一つは、体系化されたファイナンシャル・ウェルネスです。 ファイナンシャル・ウェルネスのソリューションでは、目標の策定、基本的なファイナンシャル・リテラシー、予算編成、負債管理、経済的ストレスの軽減などのコースがあり、従業員はお金に関する教育が受けられます。ファイナンシャル・ウェルネスのプログラムの目的は住宅、自動車、大学、退職金などのための貯蓄など、お金が関係する様々なライフステージで目標達成に役立つ行動に向けて従業員をガイドすることにあります。「マーサーの健康的で働きがいのあるレポート」では、ファイナンシャル・ウェルネスが提供された場合、福利厚生プランに対する従業員(および雇用主)の満足度が高いことが明らかになっています。さらに、多くの企業はファイナンシャル・ウェルネスの投資対効果を33%と報告しています。 従業員が経済状態について不安を抱く。 多くの従業員にとって、ストレスの最大の原因はお金です。マーサーのInside Employees Mindsレポートで3,000人のワーカーを対象に行われた調査では、経済的ストレスがどの程度仕事に影響を与えたか、という質問に対して、経済的な課題を抱えている人の62%が最も大きな経済的な心配として月々の支払いを挙げています。その中には年間の世帯収入が10万ドル以上の人々も含まれていました。 経済的ストレスは年齢層によって異なります。ヤングアダルト層は、特に大学の教育関連費用などで多額の負債を抱えています。ファミリー層はキャッシュフローの問題や予想外の出費で経済的な目標達成に苦労しています。中高年層も高齢の親の介護や家に戻ってきた子供の世話をすることで経済的なストレスを抱えていることがあります。ひとり親には特有の経済的ストレスがあります。したがって、ファイナンシャル・ウェルネスプログラムを設計する際は、従業員全体の年齢層とそれぞれの生活の経済状態を考慮することが重要です。 注目すべきファイナンシャル・ウェルネスのトレンド 経済的な困難からくるすべての苦悩については、ファイナンシャル・ウェルネスのプログラムにより状況が改善され、従業員にも雇用主にも利益がもたらされることが期待されます。ギャラップの調査によるとファイナンシャル・ウェルネス(経済的健康)は、所得レベルに関係なく、前向きな行動と強い人間関係に密接に関連しています。 雇用主はファイナンシャル・ウェルネスのプログラムを導入することで、従業員がより幸福で、より健康的で、より生産的になることで恩恵を得ます。モルガン・スタンレーとファイナンシャル・ヘルス・ネットワークの共同調査では、75%の従業員がファイナンシャル・ウェルネス・プログラムは福利厚生の重要な要素であり、60%がファイナンシャル・ウェルネス・ソリューションを実施している会社で働き続けたいと回答しています。 雇用主は従業員が抱える経済的ストレスに対処することの重要性を認識していますが、従業員へのサポートを提供する取り組みの点で改善の余地があります。アジア太平洋、ヨーロッパ、アフリカ、中東、および北米の従業員を対象にしたシグナの世界幸福度調査では、従業員の87%が職場でストレスを感じており、個人の経済状態が最大のストレス要因になっています。そして、従業員の38%はストレス管理のサポートがまったく提供されていないと回答しています。従業員のうち雇用主からサポートを受けていると回答しているのは46%に上る一方で、サポートが適切であると感じているのは28%にとどまります。 そろそろファイナンシャル・ウェルネスの水準を引き上げても良いころです。企業が従業員のファイナンシャル・ウェルネスのソリューションを最大限に活用し、競合他社を先んじるために企業が検討しているいくつかの新しいトレンドと戦略を以下に示します。 ユーザーはパーソナライズされたテクノロジー主導型ソリューションを求めています。 ファイナンシャル・プランニングについては、モダンでシンプルなインタフェースで経済状態の全体像を把握し、お金に関する目標を達成して説明責任を果たせるように、パーソナライズされた解説つきのソリューションが求められています。 最近のForresterの調査によると、資産管理会社の顧客はファイナンシャル・プランニングのソリューションに対してもっと多くの機能やデジタル対応を求めています。こうした需要から、アカウントの集約、パーソナライズされたコンテンツ配信などの機能が生まれ、説明責任という基本的な要素がファイナンシャル・ウェルネス・プログラムの成功をもたらしています。「ヘルプ・ミー・ヘルプ・マイセルフ」型のツールは経済状態のスナップショット、予算プランナーやローン返済計算機の機能を備え、ユーザーごとにパーソナライズされます。 特に、モルガン・スタンレーとファイナンシャル・ヘルス・ネットワークによる調査では、42%の従業員が、雇用主の提供する福利厚生やプログラムについて十分に知らされていないと感じる、と回答していることが明らかになりました。すべての福利厚生を活用していない多くの従業員は、もっと明確な説明があり、利用しやすくなれば、福利厚生を利用するようになるだろうと回答しています。Thompsons Online Benefits Watchによると、従業員の70%が福利厚生パッケージへのスマートフォンによるアクセスを望んでいますが、それを提供している雇用主は51%にすぎません。 これらのギャップは、企業がファイナンシャル・ウェルネス・プログラムを向上させ、従業員にとって使いやすく魅力的なものにする機会があることを意味しています。雇用主はライブWebセミナー、ソーシャルメディア、SMS通知などを使って福利厚生について知らせる必要があるでしょう。また、スマートフォンからアクセスでき、ユーザーエクスペリエンスをパーソナライズできるオンラインツールを提供する必要もあります。 2.データアナリティクスとデジタルテクノロジーによって、ファイナンシャル・ウェルネス・プログラムをパーソナライズする。 ファイナンシャル・ウェルネス・プログラムでは、データ・アナリティクスに基づいてデジタル時代に従業員が期待するパーソナライゼーションが提供されます。データ・アナリティクスは従業員をタイプとカテゴリーに分類し、ライブイベントやライフステージごとにプログラムがパーソナライズするのに役立ちます。 オンラインストアで消費者の好みが収集され、統計データを使用して推奨や提案が行われるのと同様、ファイナンシャル・ウェルネス・プラットフォームではデータ・アナリティクスとアルゴリズムを活用して、従業員が目標に向けて成長しているか、何らかの支援が必要かどうかを判断します。 一部のプログラムでは、データ・アナリティクスを活用して従業員の節約と支出の習慣をフレーミングし、同僚と比較します。これらのプログラムでは、行動を分析し、スコアを提示できるため、従業員が貯蓄や債務の管理で改善が見られているかどうかを確認するのにも役立ちます。 一部のプログラムでは、従業員個人を対象に、新車の購入や結婚などのマイルストーンに的を絞ったマーケティングキャンペーンを作成する機能を雇用主に提供することもできます。これらのマイルストーンを活用し、家財保険への加入や教育貯蓄口座の開設を推奨するなど、貯蓄や支出といった何らかの行動のヒントを提供することもできます。 データ・アナリティクスを使用して各従業員のプロフィールを作成し、カスタマイズされたセルフサービス型のツールでサポートできます。こうすることで従業員は質問の答えを見つけ、ライフステージの変化をより適切に計画できるようになります。たとえば、従業員は自分のプロフィールやファイナンスに関するすべての情報を検討し、子供を産んだ場合に加入すべき生命保険の金額を判断できます。データ・アナリティクスがないと、金額は自分で計算しなければならず、面倒で時間がかかるほか、ファイナンシャル・アドバイザーに相談する場合はコストがかかります。 雇用主側のメリットとしては、ファイナンシャル・ウェルネス・プログラムのパフォーマンスを判断するデータを収集できるという点が挙げられます。このデータはプログラムで新しいコンポーネントや機能を提供するのに役立ち、従業員のニーズへの対応が改善されます。 3.従業員は口先だけでなく実質的な支援を求めている。 福利厚生エコシステムにおいては、ファイナンシャル・ウェルネス・プログラムの重要性が拡大し、給料の支払いだけでなく、経済的な安定についても雇用主に面倒を見てもらいたいとする従業員が増えています。Thompsons Online Benefits Watchによると、従業員の79%が計画、節約、投資に関する健全なアドバイスを提供する点で雇用主を信頼しています。従業員の経済状態の改善に向けて、雇用主には現実的で実際的な方法を示すことが期待されています。 メリルリンチの調査によると、ファイナンシャル・ウェルネスのプログラムに従業員が望むことと、雇用主が提供しているものの間には大きなギャップがあることが明らかになっています。たとえば一般的に、従業員は最終的な目標達成に向けて努力し、一度に一つの目標に集中したいと考える傾向にあります。一方で雇用主は、全体のファイナンスを管理するための包括的なアプローチを強調し、厳格なアプローチを取ります。 雇用主の包括的な戦略が善意に基づいていることは確かですが、利用者にとっては負荷が重くなる傾向があります。特にストレスの多い状況では、ファイナンシャル・プランニングは脅威として受け取られることもあります。こうした状況を緩和するため、ウェルネス業界の企業は従業員の視点からプログラムを設計して、総合的なアプローチを提供しています。経済的な健康を心身の健康と統合するホリスティックプログラムでは、お金に関する「部屋の片づけ」を行い、経済状態や結婚式用の貯蓄、住宅の購入、ローンの管理など、生活のさまざまな要素を結びつけるのに役立ちます。 適切に設計されたプログラムは、理解不可能なサービスや金融商品の複雑な情報や提案を次から次へと提示して従業員を怖気づかせるのではなく、ファイナンシャル・ウェルネスのトピックをわかりやすく説明しなければなりません。 4.エンゲージメント、生産性向上、成功のためのファイナンシャル・ウェルネス・プログラムのビジネスケースを構築する。 経営陣が知っているかどうかにかかわらず、従業員は経済的ストレスを職場に持ち込んでおり、それは会社の業績に影響を与えています。米国人材マネジメント協会の調査では、個人的な経済問題が過年度の全体的な仕事のパフォーマンスに少なくとも何らかの影響を及ぼしたと答えた回答者が83%もいたことがわかっています。このディスエンゲージメントは、企業にとって大きな損失を意味します。従業員のストレスにより、企業は年間500万ドル以上のコストを負担する可能性があります。 従業員のファイナンシャル・ウェルネスを支援することは、事業上の損失につながるため、組織にとって重要な優先事項となる傾向が高まっています。GuideSparkの調査によると、ウェルネス・プログラムが重要な福利厚生と回答したのは従業員の82%で、ストレス管理(86%)および運動(85%)に次いで3番目でした。 従業員のウェルネス・プログラムの成果は前途有望です。Employee Benefit Newsによると、ファイナンシャル・ウェルネスプログラムの参加者は経済状態が向上したことが明らかになっています。個人的な経済状態について「非常にストレスを感じている」と答えた参加者の割合は、ファイナンシャル・ウェルネス・プログラムの導入後には52.4%から19.2%へと減少しました。同様に、ファイナンシャル・ウェルネス・プログラムの導入後、参加者の56%が毎月のキャッシュフローを上手に管理できるようになったと回答しています。 5.学生ローンの返済とリーズナブルなコストの教育への関心が高まる。 人事業界においては、従業員を育成するスキル開発が従業員エンゲージメントの原動力となってきました。ただし、実際のところ多くの従業員にとって過去の支払いが負担となっています。高等教育の費用が高騰し、先進国と発展途上国の両方で学生ローンの債務問題が発生しています。大学の授業料は上昇し続けており、大卒の学生ローンの負債額は記録的なレベルに達しています。世界銀行は、先進国よりも発展途上国で高等教育の問題が発生していることを報告しています。 莫大な負債と高い授業料により、多くの従業員はキャリアアップのチャンスを得る前に意欲がそがれ、企業の人材格差が拡大し、人材の層が薄くなっています。授業料が上昇し負債が増大する中で、人事のプロフェッショナルには、企業と従業員の双方が直面する問題について解決策を示すことが求められています。つまりローンの返済教育を行うことで、従業員ができるだけ早くローンを返済できる戦略を立てることです。人事部の中には、さらに踏み込んでローンの代位弁済や授業料の返還プログラムを提供するよう経営陣に説得できる場合もあるでしょう。 従業員が経済状態を心配している場合、転職して、必要なツールや報酬を喜んで与えてくれる雇用主を見つける必要があるかもしれません。ローンの返済に関するアドバイスやサポートを提供することにより、従業員が直面する個人的な問題の解決策を提示できます。そうすれば従業員はもっと会社に尽くすようになり、会社全体の士気が向上するだけでなく、生産性も高まります。 授業料の返還とその後の教育の奨励により、企業はデジタルトランスフォーメーションで繁栄し、生涯学習の文化を育成する点で大いに貢献することもできます。デジタル化が進行する中、従業員の役割は常に変化しており、固定の役職や詳細な職務記述書は過去のものです。現在のテクノロジーの成長のペースを考えると、技術スキルの多くは、今高く評価されていても、ほんの数年で時代遅れとなるかもしれません。 スキルの格差が拡大すると、企業は新しい従業員を簡単に採用するわけにはいかなくなります。その代わりにスキルアップと事業経営に新しいテクノロジーの導入に情熱を傾ける学習意欲に富む人材の採用に注目していく必要があります。授業料の返還や教育プランについてのアドバイスを行うことで、デジタル時代のための有能な人材を引き付け、育成していくことができるでしょう。 GallupのAnnual Global Emotions Reportでは、世界中の人々が多大なストレスを強いられており、経済状態は確実に最大のストレス要因の一つとなるだろうとしています。従業員のストレスが高まるにつれて、個人のパフォーマンスが低下し、会社の業績に悪影響を及ぼすことに多くの企業が気づくでしょう。何か手を打たなければ従業員の経済的なストレスレベルが上がり続け、企業は生産性の低下、欠勤の増加、エンゲージメントレベルの低下に苦しむことになります。 ファイナンシャル・ウェルネスのソリューションを適切に導入すれば、すべての関係者の経済状態は右肩上がりに上昇し、従業員にも会社にも利益がもたらされます。人事部は従業員と会社が手を取り合いながら働いていくというメッセージを発信することで、両者を結びつけるユニークな立場にあります。

島田 圭子 | 27 2 2020

世界経済フォーラムが2019年末に発表したジェンダー・ギャップ指数で、日本は153ヵ国中、過去最低の121位となった。ランキングを2018年の110位から大きく下げている。一方で例年実施している同フォーラム年次総会(通称:ダボス会議)での弊社主催イベント「When Women Thrive, Business Thrive - 女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する」には今年三菱ケミカルホールディングス株式会社が日本企業からパネリスト参加をされ、弊社主催の同タイトルの調査にも日本から有意な数の企業の参加があり、企業における女性活躍への関心は高まっている。そのような中、先般小泉環境相の「男性による」育休取得が話題になった。特に海外からは、自国では男性の取得が当たり前であり、日本で男性の取得率が6.16%(2018年厚労省調べ)と低いことに驚く声が多くきかれた。この「男性の育休取得」を、小さなこどもを持つ働く「女性の活躍」との関連で見ていきたい。 まず、日本における育児休業制度とはどのようなものか。現在につながる法定の育児休業制度は、日本では1992年に所得補償のない状態で施行、1995年に雇用保険による一部所得補償が導入され、その後何度かの改正を経て現在では原則として休業開始時賃金月額の50%(休業開始後6か月間は67%)支給される。父親の育児休業取得を促す仕組みとして、取得回数と期間の特例がある。子1人につき原則1回である育児休業の回数を、子の出生日から8週間以内に父親が最初の育児休業を取得した場合に2回目の取得を可能とし(「パパ休暇」)、また原則満1歳までの育児休業期間に対して、夫婦の両方が時期をずらして取得することによって、子どもが最大1歳2か月まで休業を可能としている(「パパ・ママ育休プラス」)。それでも男性の取得率は大きく上がっていない。主な理由として、「会社での育児休業制度の未整備(27.5%)」に加え、「業務繁忙による職場の人手不足(27.8%)」、「職場で育児休業を取得しづらい雰囲気(25.4%)」等が挙がっている(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(平成29年度))が、取得後に職場で不利な扱いを受ける等のパタニティハラスメントの存在も否めない。共働き世帯が1997年を境に増加し、専業主婦世帯の2倍を超すようになっても(2018年男女共同参画白書)、共働き世帯の夫の家事・育児にかける時間は1日平均46分(妻は4時間44分)と大幅な差がある。(2016年社会生活基本調査)。 この男性の育児休業取得の促進は、特に日本企業、また日本社会にとってどのような意味があるだろうか。それは、働く女性の活躍の加速である。私は女性の活躍を阻むもののひとつとして、専業主婦世帯が多かった時代の名残で、育児は母親がすべき、従って女性は(仕事をしていても)家事・育児をメインで負担すべきという考え方とそれにより、女性が家事・育児に時間を取られすぎている状況があると考える。特に子どもが小さい時には、保育園に子どもを迎えに行き、食事を与え、寝かしつけてから夜仕事をする、というサイクルが続くと心身共に疲弊し、当初希望していてもより重い役割を担うことに逡巡するリスクは必ずある。せっかく管理職になっていても、疲弊して管理職を降りる決意をするケースも存在する。なお、この「ワンオペ育児」を助長しているのが、女性(母親)のみによる育児休業制度の取得だと考えており、この間に母親が家事・育児をメインでカバーする状態が確立してしまうと、仕事復帰後にその状況を変えることが難しくなる。男性(父親)側も、手伝おうにも習熟していないので対応が難しく、また入る隙がないということになる。男性が育児休業を取得することにより、まず育児をしっかりと体験するので、母親(女性)と役割分担ができる知識とスキルが身に付き、子どもとのアタッチメントが高まる。この経験は早い段階で行うほど効果がある。主に母親が育児休業を取得する現状においては、男性(父親)は産後直後と、女性(母親)の仕事復帰の前に2回取得できると、比較的初期に育児・家事の分担ができ、女性の早期の仕事復帰とその後の仕事と育児・家事のバランスがとりやすくなるのではないかと思う。 育児は母親がするものという固定概念を崩すには大きな力が必要となる。職場で実質的に促進するなど、経営側も現場も取得を本気でサポートする風土を作らないと、給付金を80%に引き上げても男性の育児休業取得は促進されないと考える。また、実際に取得する場合には、うまい引継ぎや生産性の向上も求められるだろう。働き方改革、日本の雇用・人材マネジメントの改革の一環として、ぜひ特に日本企業で男性の育児休業取得に向けた後押しをしていけると理想的である。まずは各企業で定めている年間5日程度の有給の「育児休暇」の取得からスタートするのでも意味があると考える。

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