変革 [スポンサー記事]

革新的な企業文化と社内ベンチャーは既存企業が急成長するスタートアップ企業と競う手助けをする

2018年10月30日

Remington Tonar
Head of the Innovation Practice at Brandsinger

「これから企業を成長させ、未来に耐久性のある組織を構築するためには、機敏なスタートアップ企業からプレッシャーを受けている既存企業の意思決定者たちは、社員の過剰なまでの意欲を正しい方向へ導き、活用する方法を見つけなければならないのです。」

ベンチャーキャピタルが成長市場に流入し続ければ、あらゆる規模の既存企業は、急成長する創造的破壊者たちとの激しい競争に挑むことを強いられることになります。ピッチブックのデータによると、例えばアジアのベンチャー投資は、2016年から2017年におけるグローバルベンチャーキャピタルの成長の大部分に寄与しており、2018年のベンチャーキャピタル総投資額の40%以上を占めることが見込まれています。この投資の流入は、インドのオヨ・ルームズやビッグバスケット、東南アジアのTravelokaやトコペディア、中国のDidi(滴滴)やLu(陸金所)といった、ユニコーン企業の台頭を世界中で加速させ、小売業から、ホスピタリティ産業、運送業、金融業といった業界の既存企業を脅かす存在になっています。

米国では、資金力のあるスタートアップ企業の急成長に対処する方法として、既存企業は自社への初期投資を行ってきました。このようなコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)には、企業にとって重要な――かつ多くの大企業がしばしば不適切に配分し、享受している経営資源――つまり事業会社の自己資金が活用されています。CBインサイツによると、昨年の時点でCVC企業の上位50位を占めたのはアジアの企業でした。この割合は2016年から8%増加し30%近くに上っています。一方、自社でベンチャーキャピタルを行うことで複雑な問題とリスクを背負う企業もあります。CVCは経営陣にこれまでとは異なる成長戦略の構築や、コンサルタントの雇用、投資銀行に対する考え方を強いるばかりでなく、彼らのビジネスモデルや市場のあり方にさえも疑問を投げかけるものなのです。

CVCは人気がありますが、すべての企業に適切であるとは言えません。多くの企業は自社の社員がすでに持っているアイディアや意欲をしばしば見落としがちなのです。世界中で急速に増え続けている副業が、我々に何か伝えているとすれば、それは労働者の現状が、彼らの財政的、現実的なニーズを十分に満たしていないということでしょう。2017年のゴーダディの調査によると、フィリピン人の77%、シンガポール人の54%、香港の住民の37%が副業を行っているのです。これから企業を成長させ、未来に耐久性のある組織を構築するためには、機敏なスタートアップ企業からプレッシャーを受けている既存企業の意思決定者たちは、社員の過剰なまでの意欲を正しい方向へ導き、活用する方法を見つけなければならないのです。

社員の意欲を活用するには、新しいアイディアや新しい事業を生み出すことのできる、革新的な企業文化と社内ベンチャーをつくる必要があります。このような企業文化の構築を必須とする戦略は、完全に有機的にはいきませんが、慎重に設計され、積極的に指揮される必要があります。また戦略には、社員に考えさせ、コラボレーションさせ、実証実験させ、夢を見させるようなシステムとプログラムの実行が伴います。また社員のアイディアが商業化、或いはスピンオフ(子会社あるいは分社独立)された場合は、彼らが事業のアップサイドを取りにいけるようにしておく必要があります。

このようなプログラムに構築する一つの方法として、刑事司法用語で言う、手段、動機、機会を与える方法があります。企業と社員の両者に利益をもたらすには、社員に、行動する手段、行動する動機、行動する機会を与える必要があるのです。それでは具体的にどのようなことが必要なのでしょうか。

  • —アイディアを考え、適切なチームを設立し、ビジネスケースを構築し、アイディアをテストするのに、必要な資金、知識、道具、権限を社員に提供すること。具体的には社内ベンチャーファンドの設立、コンテストの開催、社内ベンチャーに関するワークショップ、或いはデザイン思考のワークショップの開催等を行う。
  • —通常の職務を超えて思考すること、所定の枠組みの中でリスクをとることを社員に奨励すると共に、社員に彼らの業績から発生する利益のアップサイドに参加できるようにすること。具体的には、メリットとなり得るアイディアに対して社員にボーナスを与える、発案に対してロイヤリティーを与える、株式を保有させる、子会社でリーダーシップを取らせるなど。
  • —アイディア発案とコラボレーションの時間と場所を社員に与える。社内ベンチャー業務と通常業務のバランスが取れるようにする。具体的には、インターナル・スタートアップのためのインキュベーターを設置する、毎日又は毎週、社内ベンチャーのための時間を設ける、作業場や設備を提供するなど。

内側から革新を起こすよう社員に促すだけでは十分ではありません。企業がすべきことは、プログラムを実行し、それを進めるための手段、動機、機会を社員に与えることなのです。また社内ベンチャーの文化へと意識改革するためには、組織のすべての層の人間が、仕事の目的と職場の条件を見直す必要があるのです。数十年前は、通常職務よりも新しいアイディアの構築に時間を割くことは忌み嫌われていました。しかし今日では、通常業務よりも新しいアイディアの方が、指数関数的により多くの価値を生み出す可能性があるのです。

生産性の持続とリスク管理にバランスは必要ですが、その事業にどれぐらいの人材を配置するかを考えるのはリーダーの責任です。あなたの企業の人材は、主要な事業を支えるために効率的に使われているのでしょうか。それによってあなたは今日を生き抜き、未来の事業にも繁栄を期待できているのでしょうか。こうした疑問は、特に伝統的な職場規範や組織構造が残る多くの成長市場の中で、真剣に考えられなければいけないことでしょう。

成長市場で数多くの新興企業が生まれる中で、競争力を保てるように既存企業は、早期のうちに対応しなければなりません。アップサイドを攻めるために、CVC企業になる企業もいくつかありますが、CVCは必ずしもすべての企業に合うわけではありません。企業はCVC戦略に呼応する、或いはそれに代わる戦略に沿って、社内にイノベーションを見出す必要があるでしょう。社員はアイディアを開発する手段と動機と機会があれば、社内ベンチャーをする準備が既にできている、その能力があると言われています。ですから変化し続ける市場の中で成長を続けるためには、すべての企業が必ずしもスタートアップに投資する必要はないのです。前向きな企業は、内側から成長を促すスタートアップ文化を構築するために、アイディアや組織の人材に投資をしていくでしょう。

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革新的な企業文化と社内ベンチャーは既存企業が急成長するスタートアップ企業と競う手助けをする
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Saudi Vision 2030: 国家改革が世界を変える
Wejdan_Alosaimi Wejdan Alosaimi |17 10 2019

何十年にもわたり、サウジアラビアは国家的、文化的、経済的に石油輸出およびエネルギー産業と密接に結びついてきました。Saudi Vision 2030 と名付けられた大胆且つ真新しいビジョンは、大規模な改革と政策立案により、化石燃料依存から脱却し、サウジアラビアの国内外を近代化させ、世界的な金融大国となることを目指しています。 変化を受け入れる力 2016 年にムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アル・サウド皇太子が発表した Saudi Vision 20301 という国家的プロジェクトでは、急速に変化する世界のリーダーとして台頭する、という前例のないコミットメントが詳述されています。新しい経済状況を反映して原油価格が変動し、地政学的な勢力が中東全体の国家の役割と目的を形作るにつれて、積極的に変化を受け入れる、というサウジアラビアのこの決断は国内外で驚くべき波及効果をもたらす可能性があります。 人口 3,340 万人以上、年齢の中央値が 25 歳のサウジアラビアには、大きな挑戦と機会に満ちた未来があります。Saudi Vision 2030 は、グローバライゼーションが続く世界において石油が時代遅れで有害なエネルギー源と見られる中、何百万人もの若い市民の労働力、成功への道筋を国家が示すロードマップとなります。長年にわたり作り上げてきた収益源と経済パラダイムを移行させるためには、地元の労働力のスキルセットを本格的にシフトし、最新テクノロジーに習熟する必要があります。 他の国々が気候変動やその他の地政学的なシフトに苦戦している一方、サウジアラビア政府は政策改革によって国内外の人々の生活を向上させる具体的な方法を世界に指し示しています。2 複雑なグローバル経済への対応 Saudi Vision 2030 は、デジタルトランスフォーメーションを活用しつつ、イノベーティブな国内の人材政策の実施を試みるインドなど、経済成長著しい国々に大きな影響を与えるはずです。 実際にサウジアラビアとインドとの関係性はますます複雑化してきています。インドは多くの西側諸国とは異なり、力強い経済的成長を推進するために大量の石油を必要としています。欧州や米国など工業化されたマーケットでは、環境に優しい代替交通手段や電気自動車の需要が高まっていますが、インドでは現在も化石燃料に大きく依存しています。2040 年までにインドは、拡大する経済と徐々に都市化する人口を支えるために、毎日最高 1000 万バレルの原油を処理する必要が生じると予想されています。3 サウジアラビア政府は、国家として市民生活の水準を向上させるための政策 (市民に無料の大学教育を提供するなど) を既にいくつか実施しており、民営化を優先して経済の国際化を進めています。2030 プランでは、金融機関が民間部門の成長を促進し、グローバルな経済競争に向けて国内の労働力を調整する点で大きく前進することを奨励しています。建設、金融、ヘルスケア、小売、宗教観光など、民営化や石油以外の産業の成長に注力することで、サウジアラビアの企業や起業家に新たなチャンスを創出します。4 地域のリソースを活用した未来の創造 Saudi Vision 2030 では、労働市場と社会における女性の役割、デジタルトランスフォーメーションと自動化の影響、サウジアラビア企業の感性を近代化させる必要性など、国家が直面する地域的、文化的な課題の多くが取り上げられています。女性の労働参加率を 22% から 30% に引き上げることを目標に、女性に車の運転を認め、経済的成長に至る道を開いたことは、世界中の投資家から好意的に受け止められました。2030 プランでは、国内問題と国民の健康全般にも重点を置き、平均寿命を 74 歳から 80 歳に引き上げる目標を掲げ、すべてのサウジアラビア国民に対し、毎日の運動と健康的なライフスタイルを推奨しています。5 サウジアラビア政府はまた、スマートフォンやデータ中心のオペレーション、その他のテクノロジーを通じて市民とリソースをつなぐ電子政府サービスを導入することで、社会にデジタル時代をもたらそうとしています。この動きにより、政府の仕事がなくなった人的資本が民間部門に流入するはずです。『マーサーグローバル人材動向調査2019年度版』のレポートによると、インド、ブラジル、日本などの国では、オートメーション分野が 70% 成長するため、サウジアラビアなどで働き手のための新たな役割やプロフェッショナルによる開発機会を探るニーズが高まることが予想されます。 2030 プランでは、国家固有のリソースに向けて壮大なビジョンがあります。市場経済と政府機関全体における女性のエンパワーメントと最新テクノロジーの統合は、この包括的な戦略の一部に過ぎません。サウジアラビアはグローバル経済の先進的な金融メカニズムの投資を招き入れ、国家の歴史に焦点を当てたキャンペーンで観光を盛り上げ、新しく現代的な視点から国民と世界を永遠に続く未来へと導こうとしています。成功するか否か、世界は 2030 年に知ることになるでしょう。 出典: 1. Kingdom of Saudi Arabia. &quot;Saudi Census: The Total Population.&quot; General Authority for Statistics, Accessed 11 July 2019,<a href="https://www.stats.gov.sa/en/node.">https://www.stats.gov.sa/en/node. 2. Mohammed bin Salman bin Abdulaziz Al-Saud. &quot;Vision 2030.&quot; Vision 2030, 9 May. 2019,<a href="https://vision2030.gov.sa/en.">https://vision2030.gov.sa/en. 3. Critchlow, Andrew. &quot;India is too important for oil titan Saudi to ignore.&quot; S&amp;P Global Platts, 6 Mar. 2019,<a href="https://blogs.platts.com/2019/03/06/india-important-oil-saudi/.">https://blogs.platts.com/2019/03/06/india-important-oil-saudi/. 4. Nuruzzaman, Mohammed. &quot;Saudi Arabia's 'Vision 2030': Will It Save Or Sink the Middle East?&quot; E-International Relations, 10 Jul. 2018,<a href="https://www.e-ir.info/2018/07/10/saudi-arabias-vision-2030-will-it-save-or-sink-the-middle-east/.">https://www.e-ir.info/2018/07/10/saudi-arabias-vision-2030-will-it-save-or-sink-the-middle-east/. 5. &quot;Saudi Arabia Vision — Goals and Objectives.&quot; GO-Gulf, 14 Jul. 2016,https://www.go-gulf.com/blog/saudi-arabia-vision-2030/.

データアナリティクスによる柔軟性の高い福利厚生の変革
Dr._Avneet Avneet Kaur |03 10 2019

近年、オンサイトクリニックの利用が増加している理由として、質の高いタイムリーなケアにより生産性を高め、欠勤を減らし、従業員の健康状態を向上させることができると認識されています。 貴社のオンサイトクリニックでは、十分な導入効果が得られていますか?あるいは法的な要件を満たすことにのみ重点を置かれているでしょうか。オンサイトクリニックを最大限活用するためには、重要な点が3つあります。最近マーサーが行った職場の診療所のアンケートによると、オンサイトクリニックを備えた企業では 1.5 倍以上の投資利益率 (ROI) が得られています。同じような利益率が見込めない場合は、オンサイトクリニックが基本要件の範囲内にとどまっている可能性があります。 クリニックを患者中心に 従業員に適したサービスがクリニックで提供されているかを確認しましょう。これにより利用されないサービスに出費することなく、従業員の満足感を高め、健康状態を改善し、結果的に業績を向上させる投資対象に資金を充てることができます。従業員の年齢層、性別、仕事の性質について理解を深めましょう。必要な保健や社会福祉サービス、専門家のサポートを理解する上で大きく前進できます。 &nbsp; 統計情報に加え、従業員のヘルスケアのニーズを理解することも重要です。たとえば、どのような病気が一般的で、適切に管理する必要があり、ライフスタイルに潜む主なリスクファクターを教育や予防的なサービスによってどう回避できるか、などです。 価値を伝える重要性 「それを造れば、彼らは必ず来る」という古い考え方では、求める ROI が得られないかもしれません。従業員にもたらす価値を強調することで、オンサイトで提供されるサービスについてコミュニケーションを図ることが重要です。便利で楽に受診できること、質の高い医療機関への紹介・案内、病気の早期発見などのメリットについて伝えます。 &nbsp; 効果的なコミュニケーションにより、利用率が改善し、病気の早期発見だけでなく、企業として投資を最大化しながら従業員の福祉にも貢献することにもつながります。 オンサイトクリニック:ウェルネスハブ オンサイトクリニックが適切に設計・管理されると、企業と従業員の双方に大きなメリットが生まれます。適切に設計されたクリニックは真の窓口の役割を果たし、従業員に質の高い医療機関や福利厚生・ヘルスケアサービスを案内も可能となります。また、救急治療や高額な医療費を回避するための鍵となる、予防や教育サービスを従業員に直接提供することもできます。 &nbsp; マーサーでは、クライアントの効果的なオンサイトクリニックの管理に向けて、4-C モデルの導入を支援しています。これにより、企業は単に法的要件を満たすことから、従業員の価値に重点を置いた質の高い医療サービスを提供する体制へと移行し、クリニックの価値向上がさらに期待できるようになります。 &nbsp; オンサイトクリニックを最大限に活用する方法については、こちらからお問い合わせください。

新時代を迎えるグローバルスタートアップ企業の役員報酬
Varun_Khosla Varun khosla |03 10 2019

何十年にもわたり、スタートアップ企業やその役員報酬というと、シリコンバレーやテクノロジーの第一人者が多数働く、次世代のユニコーン企業を目指す 10 億ドル規模のイノベーティブな会社やその最先端のオフィスビルのイメージで語られてきました。しかし、近年、グローバルスタートアップ企業はこれまで予想もしなかった地域で成長しています。 最近の調査によると、8 億 9,300 万ドルが中東および北アフリカのスタートアップ企業 366 社に投資されています。スタートアップ企業への投資額は 2017 年に比べ 2 億 1400 万ドル増加し、6 億 6900 万ドルとなりました。1 また、東南アジアにおいても、海外 (ほとんどの場合シリコンバレーなどの欧米) で学び、地元に戻った「ウミガメ」と呼ばれる人々によって、スタートアップ企業の立ち上げが相次いでいます。この地域では重要な転換点を迎えており、東南アジアの VC 投資家は 327 ディール、 78 億ドル超を投資しています。2 すべてのスタートアップ企業で必要不可欠な要素、それはリーダーシップです。しかし、幹部クラスの人材と経営陣を確保・維持することは、成長中のスタートアップ企業にとって、特に報酬面では大きな課題となるかもしれません。 役員報酬を変える機関投資家 世界的に有名なスタートアップ企業の多くは、ジェフ・ベゾス、ジャック・マー、マーク・ザッカーバーグなど、カリスマ的な創業者によって立ち上げられました。しかし、これらの有名人や成功物語は、世界中に花開くスタートアップ企業の新しい時代の幕開けを反映しているものではありません。 たとえば、中東・北アフリカ (MENA) では、投資会社がスタートアップ企業の立ち上げに必要な初期の資金援助を行っています。これらの投資会社は、スタートアップ企業の立ち上げ時から資金繰りを支援しています。さらに、これらのスタートアップ企業の経営幹部は創立者ではないため、ロイヤリティや創造性、コミットメントを維持するために異なる報酬モデルを望んでいます。 C-レベルの優秀な人材を獲得するのは、実績がほとんどない、あるいは全くないスタートアップ企業にとってはリスクが高いため、非常に困難と言えるかもしれません。従来、欧米のスタートアップ企業は成長予測を前提とした中長期的なベンチマークを中心に役員報酬パッケージを策定してきましたが、成長モデル、投資戦略、役員報酬の三角化は複雑で厳しい課題となることがあります。 現在、世界的なスタートアップ企業はほとんどの場合、インスピレーションに富む創業者ではなく、投資会社が中心となって設立されているため、会社は経営陣、いわば成功と失敗の分かれ道となり得る人々に払う報酬を決定する際は入念に検討する必要があります。 役員報酬はいくらにすべきか? 当然のことながら投資会社は収益の最大化を望みます。つまり、スタートアップ企業にはできるだけ多くの純資産や株式を保持しておきたいと考えます。スタートアップ企業の役員に支払われる金額 、株、またはオプションはすべて投資会社が運用コストとして支払う費用になります。ただし、スタートアップ企業の役員に低い報酬を提示したり、スキルや経験のない人材を雇ったりすると、企業の競争力、成長力、収益力が損なわれるリスクもあります。 経営陣に潜在的な株式を提供する財務的な取り決め (シャドウエクイティともいう) は、慎重に考慮し検討する必要があります。役員報酬プランは、スタートアップ企業の報酬のインセンティブと経営者を維持する制度として機能させる一方、企業に資金を提供した投資家や株主に適正なリターンを提供するものにしなければなりません。投資家と株主は、経営陣に適切なエクイティ・プールを提供するために、どの程度の株式希薄化を受け入れることができるかを決める必要があります。 このため、多くの企業では、企業価値の増加に対応して資金調達の各投資ラウンドでエクイティ・プールのサイズを縮小する段階的アプローチの実行が決定されます。このタイプのプログラムにより株式希薄化を緩和し、特に製薬業界やフィンテック業界など、熟練した専門家や経営者の才覚や知識を必要とする、先進的なスタートアップ企業を扱う際に創造的な報酬戦略を策定することができます。 投資会社は、一定のタイミングと価格で株式を売買する権利を付与する株式オプション、または会社の実際の所有権を付与する普通株式のいずれかを従業員に提供することがあります。いずれも株式を希薄化しますが、オプションでは通常、普通株式よりも希薄化の効果が高くなります。たとえば、オプションで構成されるエクイティ・プールは、会社資本の 15 ~ 20% に達することがありますが、普通株で構成されるプールではわずか 3 ~ 5% に過ぎません。これは、長期インセンティブ報奨について、同額をオプションで支払うと、普通株の付与と比べて株式の希薄化効果が高まることを示しています。投資会社は、目的に対してどの戦略が最も適しているかを判断する必要があります。 役員および経営幹部に支払うタイミング 投資家が役員や経営幹部に支払うのは、投資回収の後にすべきでしょうか?それとも、業績は多くの場合、制御不能な外部の経済要因に左右されるため、経営者報酬は業績ではなく、従業員として能力を最大限に発揮して仕事を遂行したかどうかに基づいて支払うべきでしょうか。 多くのスタートアップ企業では、投資回収のベンチマークが経営幹部をやる気にさせ、株主価値を生み出すために最善を尽くす追加のインセンティブになると考え、前者の戦略を実行しています。実際、多くのケースで長期インセンティブプランは投資家がリターンを受け取った時にのみ支払われています。あるいは、一部のスタートアップ企業は、相互に合意した特定の企業の目標や目的に基づく役員や経営幹部に対する報酬を選択しています。報酬は現金や株式で提供されますが、株式の売却または付与のタイミングが制限されたり、オプションや普通株の形式で付与されたりもします。 世界中でスタートアップ企業が出現し、アイデアやイノベーション、そして次世代における未来のユニコーンを生み出す投資家や経営幹部が登場してきました。これらのスタートアップ企業の経営幹部を担う役員報酬の支払方法について新たなトレンドが続く中、グローバルスタートアップ企業は投資家の利益を最大化しつつ優秀な経営幹部を確保する選択肢を慎重に検討する必要があります。 出典: · &quot;2018 MENA Venture Investment Summary.&quot; MAGNiTT, January 2019, https://magnitt.com/research/2018-mena-venture-investment-summary. · Maulia, Erwida. &quot;Southeast Asian 'turtles' return home to hatch tech startups.&quot; Nikkei Asian Review, 22 May 2019, https://asia.nikkei.com/Spotlight/Cover-Story/Southeast-Asian-turtles-return-home-to-hatch-tech-startups. &nbsp;

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