キャリア

スマートシティ。コネクテッドシティ。インテリジェントシティ。アジャイルシティ。データ主導型の都市。統合された都市。ブロックチェーンを活用した都市。持続可能な都市。将来性のある都市。現代の都市がビジョン、熱意、才能を持った人々に不足することはありません。それでも優良企業、スタートアップ企業、優秀な人材だけでなく、海外の直接投資を呼び込み、成長を促進する最高のテクノロジーにアクセスできるようにしておかなければなりません。 ただし、世界の GDP はこれまでと同じ仕方で成長していくわけではありません。明日の最も競争力のあるスマートシティの多くは、今まで見過ごされていた都市であり、かつては世界で最も成功している従業員や企業の事実上のホームタウンとして、地位が確立されていた巨大都市を追い抜かすチャンスが提供されてきました。その運命に従うことになります。これらのスマートシティは、エネルギーやモビリティなど都市サービスの質とパフォーマンスを向上させる情報通信技術に投資することにより、組織を支え、成長を保証する高度なスキルを持つ労働者の獲得に競い合っています。 雇用主と従業員が直面する問題   従業員がどこで働き、生活し、家族を育てるかを決めるについて、マーサーの最近の調査『ピープルファースト:新興メガシティの成長を推進する (People first: driving growth in emerging megacities)』では、人間的また社会的要因が優先されることが明らかになっています。労働者に対するアンケートでは人間、健康、お金、仕事という 4 つのカテゴリーで 20 の詳細な要因を重要度順に並べる質問がなされました。回答では自分が住んで働く都市を決める場合、総合的に暮らしに満足できるか、安全やセキュリティ、環境への配慮、友人や家族の住んでいるところに近いこと、などの人間的な要因が最重要要因として位置づけられています。 この調査では、インドのコルカタからナイジェリアのラゴスまで、世界の急成長中のいくつかの都市について、どうしたら経済的に成長し、人々を引きつけ、新しい住民が繁栄し、市民生活を向上させる道を開けるかについても考察しています。考察された内容から、世界中の都市のリーダーや政策立案者は、都市の持続に必要なことだけでなく成長を推進するために必要なことについて貴重な教訓を学ぶことができます。 実際、ますます都市化が進んだ世界では高度なスキルを持つ人材が不足する中で、雇用主と都市は実存に関する重要な問いに直面しています: ·  プロフェッショナルが特定の都市に移住し、そこにとどまる理由は何でしょうか? ·  台頭するホットスポットで新興スタートアップ企業、将来のユニコーン企業、グローバルブランドが求める高いレベルのスキルを持つ優秀な労働者を雇用主や都市が囲い込むにはどうしたらいいでしょうか? ·  生産的な従業員は雇用主やホームタウンにいったい何を望んでいるのでしょうか? その答えは、世界の新興メガシティが、後追いの都市から世界的なパワープレーヤーに変革を遂げることをどの程度優先するか、という点にあるかもしれません。したがって、長期的に成功し、成功し続ける可能性が非常に高い都市のサンプルを比較すると参考になります。共通しているのは、チャンスとリソースに対する地域的優位性に対するコミットメントであり、独自の方法でシリコンバレーのような、将来の最もスキルのある人材が成長し、人工知能と最新テクノロジーの発展の中にあって有意義な人生を送ることができる都市を築くという決意です。 「サイバーバッド」から他のライバル都市へ   新興メガシティの典型的な例は、インド南部のテランガーナ州の州都ハイデラバードです。人口 800 万人のハイデラバードは、インドで 6 番目に人口の多い都市圏で、世界的な IT ハブとして評判が高まり、サイバーバッド (「インド版シリコンバレー」) として人気を集めています(メガシティの定義は 1,000 万人以上の人口を擁する都市です。この記事で説明される都市は、すでにその基準に達しているか、到達することが予想されています)。 ハイデラバードでは IT に加えて、自動車産業や医薬品、そして伝統的な農業基盤でも成長を遂げています。デジタルおよび不動産インフラに大規模な投資を行って都市をアップグレードし、IT 企業を誘致しています。特に HITEC シティでは、アメリカの IT 大手企業のために最新テクノロジーを備えた街づくりを行っています。国内外のブランドが市内に店舗をオープンしており、小売業も成長しています。 対照的に比較的大きな都市、チェンナイ (2017 年人口 900 万人、2014 年時点の GDP 590 億ドル) は「インドのデトロイト」として知られており、同国の自動車産業をリードしていますが、ソフトウェアサービス、医療ツーリズム、金融サービス、そしてハードウェア製造 (石油化学製品や繊維製品と共に) の成長によって、経済的な深みを増しています。IT と BPO (ビジネスプロセスアウトソーシング) サービスの主要輸出国でもあります。 経済規模が大きいため、中国の新興メガシティは強い印象を与えます。成都の 2014 年の GDP は 2,340 億ドル、2017 年の人口は 1,400 万人で、中国西部で一番の都市圏であり、特に省エネと環境保護産業で成長しているため、熟練労働者にとって魅力的な都市となっています。 実際、「新エネルギー」産業 (素材、ハイブリッド自動車、電気自動車、および IT) に重点が置かれていることが、成都の成長を後押ししています。一方、中国で 2 番目に大きい東部の都市、南京 (2014 年の GDP は 2,030 億ドル、2017 年の人口は 700 万人) では、金融サービス、文化、観光を中心とするサービス産業が支配的です。IT、環境保護、新エネルギー、スマートパワーグリッドが南京の新たな柱となりつつあり、多数の多国籍企業がそこに研究センターを開設しています。南京の失業率は数年間中国の全国平均を下回っています。 ケニアからハリスコへ   新興国経済の規模では中国とインドが支配的である一方、他の地域もメガシティマップ上に多数出現しています。ナイロビはケニアの首都で最大の都市というだけではありません。 2017 年の 400 万人から 2030 年には 1000 万人への人口増加が見込まれています。ナイロビには国連環境計画や世界銀行など 100 を超える国際機関、ならびに大手製造業および IT 企業の地域本部があり、卓越した農業と合わせて現在そして将来に向けた経済の足がかりとしています。 同様に、グアダラハラ (2014 年 GDP: 810 億ドル、2017 年人口: 500 万人) は、メキシコの首都でハリスコ州の最大の都市を超えています。フィナンシャルタイムズによると「メキシコ版シリコンバレー」として知られ、メキシコでも投資を呼び込む可能性が最も高い都市と考えられています。一種の社会文化センターとして国際的な映画祭やブックフェアを開催することで、ハイテク、化学、電子製造業の成長を強力に補完し、優秀な人材を引き付ける働きをしています。 これらの都市はそれぞれ独自の方法で人を集め、スキルの高い人材がさまざまな面で成長できる環境を作り出しています。これには人々を第一に考え、最も重要なことにフォーカスすることが求められます。マーサーによる新興メガシティについての調査では、雇用主は人々が都市に引っ越してそこに留まる動機について誤解しがちであることが明らかになっています:人的および社会的な要因は、お金や仕事の要因よりも重要です。新興メガシティにとって、シリコンバレーのようになることが望ましいと考えられているかもしれませんが、いずれにしても、今日も明日も人々が住める場所であることを実証していく必要があります。 元の記事はBRINK ニュースに掲載されています。

David Anderson | 22 8 2019
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退職

アジアの年金制度は大きな課題に直面しています。この地域では急速に人口が高齢化し、少子化が進むなど、人口統計学上の激しい変化が見られます。しかし、地政学的な不確実性と最低レベルの金利により、投資収益率は比較的低くなっています。 堅固な年金制度が比較的少ない地域であるため、多くのアジア諸国は、十分な年金を提供するのに苦慮しています。政府は金銭的負荷を軽減し、若者と高齢者による世代間の争いを回避するために、今すぐ積極的な行動をとる必要があります。 十分性、持続性、健全性の観点から世界の年金制度を比較・ランク付けする2018年度マーサー・メルボルン・グローバル年金指数(MMGPI)によると、アジアの出生時平均余命は、過去40年間に、多くの国で7年から14年延びています。平均すると、4年ごとに1年延びていることになります。過去40年間における65歳の国民の平均余命延長は、インドネシアの1.7歳からシンガポールの8.1歳までさまざまです。 世界の他の地域も、高齢化に関連する同様の課題に直面しており、各国で同様の政策改革が進められています。これには、年金受給年齢の引き上げ、高齢就労の奨励、退職後に備えた年金基金の増額、退職年齢前に年金口座から引き出せる金額の引き下げが含まれます。 2018年度MMGPIの調査結果は、ある根本的な疑問を投げかけています。アジア各国の政府が年金制度の長期的な成果を改善するには、どのような改革を実施できるか、というものです。 世界基準の年金制度を確立するための自然な出発点は、十分性と持続性の間の適切なバランスを確保することです。短期間で多くの給付金を提供するシステムは持続性が低く、一方で長年にわたり持続可能なシステムは、通常控えめな給付金しか提供しません。 退職年齢や、社会保障や個人年金にアクセスできる資格年齢を変更しなければ、退職制度への負荷が高くなり、結果として、高齢者に提供される経済的保障が脅かされる可能性があります。女性と高齢労働者の労働力参加率が増加すれば、十分性と持続性を改善できます。 日本、中国、韓国は、MMGPI指数の最下位近くにランキングされています。これらの国々の年金制度は、現在と将来の世代の退職を支援できる持続可能なモデルになっていません。制度が変更されなければ、年金給付が世代間で均等に分配されないため、これらの国々では社会的な争いが発生するでしょう。 例えば日本は、約340万人の公務員の定年退職年齢を現在の60歳から65歳に徐々に引き上げることにより、年金制度改革のために少しずつ前進しています。日本の退職者は現在、60歳から70歳までの任意の時点で年金受給の開始を選択でき、65歳以上で受給を開始すると、毎月の受給額が増えます。 世界最高の平均余命、世界最低の出生率の日本では、人口の減少が予想されています。この困難な状況は、すでに熟練者不足の一因となっており、これが日本の税収基盤の減少にさらに影響を及ぼすと考えられています。また、生産年齢人口の49%が個人年金制度を利用していないため、日本政府は、より高水準の家計貯蓄を奨励するとともに、国による年金保障水準を引き上げ続けることで、年金制度を改善できる可能性があります。退職給付の一部を、一時金ではなく年金として受給するという要件を導入すれば、社会保障制度の全体的な持続可能性は向上します。また、国内総生産に占める政府債務を減らすことによっても、現在の年金支払水準を維持できる可能性が高まります。 中国は別の問題に直面しています。中国独自の年金制度は、都市部および農村部の人々、さらには農村部の移住者や公共部門の労働者に対するものなど、さまざまな制度で構成されています。都市部および農村部には、(雇用主の拠出または政府支出の)プール用口座と、(従業員拠出の)積立個人口座からなる賦課方式の基礎年金制度があります。雇用主によっては、特に都市部では補足的な制度も提供されています。 中国の年金制度は、年金に占める労働者の積立の割合を増やして労働者の退職生活保護を総合的に強化するとともに、最貧困層への最低限の支援を増やすことによって改善される可能性があります。また、補足的な退職給付金の一部を年金として受給するという要件も導入する必要があります。より多くの投資オプションを年金加入者に提供して、成長資産への投資機会を増やす必要があります。また、年金制度と加入者とのコミュニケーションにも改善の余地があります。 香港では、自発的な加入者による積立を奨励し、それにより退職貯蓄を増やせるよう、税制上の優遇措置の導入を検討すべきです。また、香港でも、補足的な退職給付金の一部を年金として受給する要件を導入する必要があります。平均余命が伸びれば、高齢労働者は労働市場に留まるべきです。 韓国の年金給付額は、平均賃金の割合のほんの6パーセントで、貧困層にとってきわめて不十分な年金制度の一つです。韓国の制度は、最貧困層の年金受給者への支援水準を改善し、私的年金制度からの退職金給付の一部を年金として受給するという要件を導入し、全体的な積立水準を引き上げることで改善されると考えられます。 しっかりと構成されたシンガポールの年金制度は、アジアで第1位にランキングされており、持続性においても向上が見られます。退職金制度の中央積立基金制度(CPF)は、シンガポールで雇用を受けた全居住者および、永住者を含めた加入者に柔軟なサービスを提供しています。しかし、実施可能なことはまだあります。税務上承認を受けたグループ企業による退職金制度確立に対する障壁を緩和するとともに、労働力の3分の1以上を占める非正規かつ非居住の労働者もCPFを利用できるようにすべきです。CPF加入者が貯蓄を利用できる年齢も引き上げるべきです。 年金制度は世代間の問題であるため、長期的な視点が必要となります。年金制度は、いずれの市場でも最大の機関投資の1つであり、気候変動などのリスク管理を含め、託された資本の優れた管財役として働く重要性をもっと認識すべきです。 アジアの高齢者は70代から80代に達しても生産性を維持しているため、十分かつ持続可能な退職所得の準備状況を改善することが不可欠です。雇用主と政策立案者は、退職年齢の引き上げ、労働者の個人年金の対象範囲の拡大、ファイナンシャルプランニングおよび早期貯蓄の奨励に注力すべきです。 *本記事はNikkei Asian Reviewに掲載されたものです。

David Anderson | 03 4 2019
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変革

成長経済はビジネスの世界で目覚ましい変化を起こしており、影響を受けない企業はないというほどの波及効果を生んでいます。従来のビジネス哲学は、一部のリーダーが荒波をわたっていくのに役立つかもしれませんが、これほど素早く変化する世界で本当に成功する方法はどこのビジネススクールでも教えてはくれません。 あなたがスタートアップ企業のトップであれ、フォーチュン500に選ばれた大企業のトップであれ、私たちは皆、急速に変容するボーダーレスな情報のサイクルや加速する都市化、新しいテクノロジー、グローバルな市場の形成、そして安価な資本の急増と格闘しています。こうしたもの全ての中で、私たちは同じ核心的問題「どうすれば変化の速い世界についていけるのか?」という問題の解決に取り組んでいるのです。 一部の人は、その答えを見つけるためにビジネススクールの原則に頼るのですが、この根本的な問題の解決策を見つけ出すには、経営やテクノロジーの活用、ビジネス構造の変更だけでは不十分です。形のない解決策が必要なのです。世界の流れについていこうとするリーダーや企業は成長するという思考と文化を取り入れなければなりません。つまり新しいチャンスを特定してつかみ取り、持続可能な方法で実施するための先見性、勇気と工夫が必要なのです。 ステップ1:変化の必要性を認識する   歴史的に世界経済を支配してきた西側の列強は世界経済のリーダーシップをアジア、中東、アフリカ、南米といった成長経済圏に「ゆずり渡し」つつあります。こうした経済圏は、ビジネスの世界をひっくり返しています。2008年の金融危機以降、これらの地域が世界の経済成長の80%以上1 に貢献してきたことを考えると、実に驚異的です。2050年までには、こうした地域が世界の経済圏の上位10位までを占めることになるでしょう2。 世界でビジネスが動いている場所だけではなく、私たちはビジネスを行う方法にも、大きな変化を見ています。デジタル、モバイルおよびソーシャルメディアはカスタマーエクスペリエンスを変化させ、産業やビジネスに破壊的変化を生じ、さらに新しい産業やビジネスを生み出しています。それに伴い、従業員のスキルや属性にも変革が必要になっています。アジアとアフリカにおけるモバイルテクノロジーやソリューションの発展だけを見てもが驚異的です。それは支払い機能だけににとどまらず、社会とビジネスにおける取引のシステム全体を根本的に変えています。 要するに、世界は大きく変わり続けているということです。それも、おそるべき速さで。 成長するという思考を身に着けたリーダーは、戦略的な選択を推し進め、イノベーションに力を入れます。明確な目的を持ち、そして人々を中心に位置づけることで、外的な環境を活用できることを、こうしたリーダーは良くわかっているのです。無限の可能性、新しい領域、そして競争力のある可能性に触発され、これらにつきものの課題にも怯まないリーダーこそが、将来成功を手にする人々です。   ステップ2:新しい考え方を取り入れる   成長するという思考の根本は、その人自身に深く根を張り意思決定の方法に影響を与える信念です。成長するという思考を身に着けた人々は、課題に直面してこそ強くなります。彼らは課題を、自分の視野を広げ、新しいことを学び、経験を積んで自分自身を高めるチャンスであると捉えます。そうすることで、こうした人々はもっとも困難な環境であっても利益を生み出すビジネスの成長を成し遂げるのです。 逆に、こうした思考を備えていない人々は、不確実性の前におびえ、麻痺してしまいます。例として、キャロル・ドゥエックの著書『マインドセット:「やればできる!」の研究』から、CEOの固定的な思考に関するケーススタディを見てみましょう。著書の中でドゥエックは、固定的なマインドセットは、エゴがどこから来るのか、それがなぜ自滅に結びつくのかの理解に結びつくと述べています。固定的なマインドセットを持つCEOに言及し、ドゥエックは、こうした人々は一部の人間だけが優れていると考えはじめ、従業員の成長を促進するのではなく、むしろ部下を自分の欲求のために利用して自分の優越性を証明し見せつけたがる、と述べています3。思考の多様性や議論を呼ぶような見解を受け入れず、最終的には、固定的なマインドセットを持つリーダーは自分の会社の長期的な成功を犠牲にしたり、もっと悪くすると会社を破滅に導いてしまうのです、 意義のある変革を推し進め、拡張を続ける世界の舞台で競争力を維持するために、成功するリーダーは有限的思考の犠牲者になってはいけません。常に一流を求め続け、成長に向けて戦い、絶え間ない行動に向かう力を持っておかなければなりません。   ステップ3:蓄積が飛躍をもたらす-情熱を共有し、チームをまとめること   本当に成功したリーダーは、「1000回の良い意思決定」が必要であると言います。これはつまり、厳しい競争の中で、毎回最良の意思決定をし長期的に影響を及ぼしていくということです。成長するというオープンな思考を、一貫して事業のポートフォリオ全体に、長期にわたって持続的に適用することが、飛躍的な成長につながっていきます。複利のように、成長に向けた意思決定に次ぐ意思決定を社内全体で繰り返していけば、競争力を急激に伸ばすことになるのです。 成長するという思考という概念は本質的にはシンプルなものですが、この精神を一貫して従業員に根付かせていくのは難しいものです。57か国、26の業界の800の組織を対象としたマーサーの調査では、自分の会社は説得力がある独自の価値提案を行っていると答えた従業員は5人に2人にとどまりました。この調査を元に、マーサーは『成長モデル:破壊時代に勝利を手にする方法』を作成しました。このモデルが強調するのは、変化の続く時代には、組織は「成長を重視する」文化、あるいは成長するという思考を構築しなければならないということです。従業員受容し、連帯感を高め、イノベーションを重視するということです4。 リーダーとしては、こうした視点を推し進め、育てることを優先しなければなりません。 調査では、成長するという思考の文化を備えた企業で働く従業員は、固定的な思考を持つ企業で働く従業員よりも、自社への信頼度が47%高いことがわかりました。さらに、自社の将来に対する責任感とコミットメントの感覚は34%高く、自社がリスクを取ることをサポートすると考える割合は65%高く、自社がイノベーションを推し進めると考える割合は49%高いという結果が得られました5。 成長するという思考と文化の構築は、それについて話し合うことから始まります。情熱は伝染するものです。偉大なリーダーは、自分のビジョンを共有することで、他人に影響を与えるのです。リーダーは、説得力のあるストーリーを語るというアプローチを通じて、上から命令することなく、大きな見地から、ただ収益性を目指すことを超えて、「なぜ」それを行うのか、ということに関連づけて変化を引き起こしていくのです。サイモン・シネックが述べたように「自分が信じているものについて語れば、同じものを信じている人々を惹きつけることになる」のです。   ステップ4:飛躍的な成長を達成する   変化を続ける世界についていくことで引き出される潜在能力 は莫大なものです。30歳以下の世界人口の90%を成長経済圏の人々が占めています6。つまり、2030年までに世界の労働年齢人口の85%をこの地域の人々が占めることになります7。グローバル・フォーチュン500に選出される成長経済圏の多国籍企業が2005年から2013年の間で240%増加したことも、驚くことではありません8。またこれらの市場は、2030年までに世界のGDPの60%近くを占めるようになると見込まれています9。 成長するという思考を身につけることで、既存の市場だけではなく数多くの新たな事業分野でのチャンスへの扉が開かれるのです。世界の中で急速に成長を続ける地域の マーケットニーズを予測し、これに応えることが出来る企業やリーダーの発信は、 より多くの人々の目に触れ、刺激を与えることでしょう。こうした人々は自らの価値観を体現するのです。 ルワンダの作家、Bangambiki Habyarimanaはこう述べています。「あなたを縛る教えやプログラムは、どんなものであれ粉々に砕いてしまいなさい。世界はあなたのものです。その手に握りなさい。」 今日のビジネスリーダーは、これまでは考えられなかったような未来を創造するチャンスを手にしています。テクノロジーとグローバル化が私たちの間の境界線を溶解させるのですから、私たちは自分たち自身の思考の境界線も溶解させなければなりません。現代こそが、成長するという思考と文化のための時代なのです。   References 1 国際通貨基金(2016年2月4日)成長のための新たなグローバルパートナーシップにおいて新興市場が担う役割 著者:国際通貨基金専務理事クリスティーヌ・ラガルド https://www.imf.org/en/News/Articles/2015/09/28/04/53/sp020416#P27_3292 2 PWC(2015年)2050年の世界 世界的な経済力の変動は継続するか https://www.pwc.com/gx/en/issues/the-economy/assets/world-in-2050-february-2015.pdf 3 ドウェック・キャロル S. 『マインドセット:「やればできる!」の研究』ニューヨーク:Ballantine Books, 2007年版. 4 マーサー(2017年)『成長モデル:破壊時代に勝利を手にする方法』を作成しました。  http://www.mercersignatureevents.com/ASIAHR2017/hongkong/agenda.shtml 5 Senn Delaney.(2014年)新たな調査の結果、組織の中で成長するという思考の育成が重要な理由。 http://knowledge.senndelaney.com/docs/thought_papers/pdf/stanford_agilitystudy_hart.pdf 6 ユーロモニターインターナショナル.(2014年5月30日)新興市場は、全世界の30歳未満の人口の90%を占めています。 http://blog.euromonitor.com/2014/05/emerging-markets-account-for-90-of-the-global-population-aged-under-30.html 7 Lam, David.(2014年)新興市場における労働力の構成 https://www.kansascityfed.org/publicat/sympos/2014/2014Lam.pdf 8 GE レポート(2014年6月20日).新興市場のスタートアップ企業の台頭 https://www.ge.com/reports/post/93343731983/the-rise-of-emerging-market-startups/ 9 経済協力開発機構(2010年5月26日) 経済:最新の予測では、2030年までに世界のGDPの約60%は発展途上国による。 http://www.oecd.org/dev/pgd/economydevelopingcountriessettoaccountfornearly60ofworldgdpby2030accordingtonewestimates.htm

David Anderson | 24 7 2018
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