キャリア

アフリカ大陸で多国籍企業の事業拡大を支えるのは、貴重な資産の1つである若手社員です。 アフリカでは記録的な数のティーンエイジャーや若年層が失業している、または十分な仕事に就いていません。しかし彼らは機会さえあれば率先して働く意欲を持っています。南アフリカだけでも、今年度の失業率は 30% を超えると予想されており、15~24 歳の層が失業者の 3 分の 2 を占めています。1 人材プールの最大活用 南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は 2019 年 6 月、「若者の失業が国家的な危機となっている現状について大変懸念している」と語りました。2 現在、アフリカ大陸の各国では、多国籍企業と地元の中小企業双方で若者の雇用が円滑に進むよう労働法を改正し、形式的な手続きを簡略化しています。さらに非営利組織と協力し、若者の才能や必要な労働スキルを育成しています。 国際労働機関 (ILO) とアフリカ開発銀行、アフリカ連合委員会、国連アフリカ経済委員会 (UNECA)のパートナーシップに見られるように、これら取り組みを支援するため各種団体が連携しています。地域および国全体で一体となり若者の雇用という課題を解決すべく取り組んでいます。ILO は、若者が就労に十分に備えられるよう、就労サービス、スキル開発、労働市場訓練を提供し、恵まれない若者のために技術や職業に関する教育、実習、職業紹介サービスの充実に尽力しています。3 6 月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、マスターカード財団、ケニア政府と民間部門の間で若手社員のための官民パートナーシップ Young Africa Works プログラムを開始しました。このプログラムでは 5 年以内に、500 万人の若いケニア人を訓練し「尊厳とやりがいのある仕事」に就かせることを目指しています。 4 マスターカード財団はケニアの銀行 2 行 (Equity Bank と Kenya Commercial Bank、およびその各財団) とともに、約 10 億ドルの資本、事業開発サービス、およびプログラムの市場連携を提供します。目的は若手社員のための仕事を創出することであり、これは 20 万を超える個人企業、中小企業が生産性を強化し、持続可能性や創意工夫を高めるのに役立ちます。4 「国際的にビジネスを展開するホテルはアフリカ大陸の新興市場へ進出する際、若者のスキル開発を育む業界の1つとなっている」とヒルトンのアフリカおよびインド洋業務担当副社長のヤン・ヴァン・デル・プッテンは言います。5ヒルトンはモロッコ、ケニア、ザンビア、ボツワナなどアフリカ全域に 46 軒のホテルをオープンし、今後 5 年以内の倍増を計画しています。観光とホスピタリティ事業の拡大は、社会経済的な成長を促進するだけでなく、意義のある雇用機会を創出します。アフリカの若い労働者の成功を支援する、そのような環境を作り出すことは極めて重要です。 現代の若者を訓練する 基本的な労働スキルに加え、新興デジタル経済の若手社員はデジタル技術を使いこなすこと、創造的な思考力や問題解決能力、互いに協力し共感する順応性など、幅広いスキルを習得することも求められています。6 ウィットウォーターズランド大学のマンデラ・ローズ・スカラーのシンバラシェ・モヨ氏は言います。「ルワンダやケニアのような国々はすでに、デジタル経済と未来の仕事に若者を備えさせる上で進歩を遂げている。しかし他アフリカ諸国では、スキル格差と不十分なデジタルインフラに対し意義のある行動がまだ見られていない」7 モヨ氏は、アフリカ諸国は未来の仕事に若者を備えさせる必要性があると助言しています。まず、ニーズに応える教育システムを構築し適切なスキルと責任感を身に付けさせることです。また、全国的にデジタルインフラを展開し国家間における相互接続の向上も欠かせません。さらに、拡大するデジタル経済の中で利害関係者を継続的に監視するには、適切な規制政策の策定が求められます。最後に、大がかりなデジタル技術の訓練プログラムをサポートするには、官民協力を最適化すしなければなりません。 「政府、国際開発金融機関、民間部門が協力することにより、アフリカの若者のスキルアップを促進する革新的な金融モデルを創出する余地が生まれます」 とモヨ氏は記しています。「これにより、特にアフリカ諸国でデジタルインフラを構築する際に、労力が重複して不平等が引き起こされる状況を減らすことができます。多くの若いアフリカ人が訓練プログラムに参加しデジタルインフラにアクセスできるようにする、そのカギは官民連携が握っているといえます」 新たな労働力を訓練する 企業はアフリカの若者の間で急速に普及している携帯電話を活用し、モバイルアプリ経由でトレーニングや開発プログラムを提供することもできるでしょう。マーサーの2019年グローバル人材動向調査レポートによると、南アフリカの労働者は職場で成功する方法に新しいスキルやテクノロジーを学ぶ機会を一番に挙げる他国の考えに同調しています。 調査では、労働者が自習を好んでいることも明らかになりました。企業は情報源として、まとめられたノウハウや専門家にアクセスできるようプラットフォームを与えることが望まれています。企業が主催するトレーニングと従業員が自分で行うトレーニングを組み合わせ、何をどう学ぶかを学習者にゆだねながら組織の目標に貢献するスキル開発を行うことができます。 マーサーの調査では、99% の企業が未来の仕事に備えて行動を起こしています。具体的には、現状と必要とされるスキルの供給ギャップを識別し、将来にフォーカスした人事戦略を立案し、新しいテクノロジーやビジネス目標に合わせたスキル要件に適応させようとしています。アフリカでの事業拡大に関心を持つ多国籍企業にとって、これらのステップで若年労働者のスキルアップや訓練、支援を行うことは極めて重要となります。 多国籍企業は、アフリカの若手社員が何を必要としているかを理解し、人を中心とした戦略を開発し統合することによって、アフリカの労働力開発の最前線に立つことができます。これにより、利害関係者の今日のニーズに応えつつ、明日のための労働力の拡大、改善、育成を実現することができます。見渡す限り意欲のある労働者がいるアフリカ大陸の完全なる再発見により、長期的な利益がもたらされることでしょう。 出典: 1.     "Africa's Youth Unemployment Rate to Exceed 30% in 2019: ILO," 7Dnews, 4 Apr. 2019, https://7dnews.com/news/africa-s-youth-unemployment-rate-to-exceed-30-in-2019-ilo. 2.     D, Sourav. "Youth unemployment a 'national crisis' in South Africa, says Ramaphosa," Financial World, 18 Jun. 2019,https://www.financial-world.org/news/news/economy/2276/youth-unemployment-a-national-crisis-in-south-africa-says-ramaphosa/. 3.     "Youth Employment in Africa." International Labour Organization, https://www.ilo.org/africa/areas-of-work/youth-employment/lang--en/index.htm. 4.     Mbewa, David O. "President Kenyatta launches program to tackle Kenya's youth unemployment," CGTN, 20 Jun. 2019, https://africa.cgtn.com/2019/06/20/president-kenyatta-launches-program-to-tackle-kenyas-youth-unemployment/. 5.     "Exclusive: An interview with Hilton's Jan van der Putten on expansion in Africa," Africa Outlook Magazine,7 Apr. 2019, https://www.africaoutlookmag.com/news/exclusive-an-interview-with-hiltons-jan-van-der-putten-on-expansion-in-africa. 6.     "World Development Report 2019: The Changing Nature of Work," The World Bank Group, 2019, https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2019. 7.     Moyo, Simbarashe. "4 ways Africa can prepare its youth for the digital economy," World Economic Forum, 29 May 2019, https://www.weforum.org/agenda/2019/05/4-ways-africa-can-prepare-its-young-people-for-the-digital-economy/.

Didintle Kwape | 14 11 2019
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