Diego Ramirez, MD

Diego Ramirez, MD

Global Health Management Project Lead, Mercer

Diego connects clients to Global D&I Policies with real benefits provided “on the ground” in multiple countries, and manages projects that focus on improving health, engagement and employee quality of life. Utilizing his expertise in health benefits, Diego researches disparities and gaps in health care for LGBT employees, and develops inclusive health benefits for clients that address LGBT

記事

健康

成長経済における人材獲得の戦いは社員の心拍数から始まる

平均的成人の安静時の心拍数は1分間あたり60から100である。アスリートのような平均以上の健康状態の人の心拍数は60以下になり、心拍数が100 を超えると、バンコクからナイロビにいたるまで全ての都市の殆どの職場で見かけるタイプの男女のように平均を下回る健康状態になる。近代社会は、人間がいとも簡単に不健康に陥るようになってしまった。 成長経済における不健康な社員の存在は、その社員自身や企業にとってリスクになるばかりでなく、社員がグローバル市場での競争を求めるにつれて地域社会の経済的活力へのリスクにもなる。不健康な社員は病欠も多くなり、健康面の福利厚生コストも割高となり、健康な競争相手と比較をすると一般的に生産性も活力も低い。1 健康で生産性のある社員を持つことの必要性は雇用主にとってのみの問題ではない。それは、社員自身にとっても益々重要な問題になりつつある。 アジア太平洋から中南米地域で中流階級が急増する中で、社員はより良い労働条件と、職場でのより健康的なライフスタイルを求めるようになる。しかし、成長マーケットの労働力は、メキシコシティ、ムンバイ、サンパウロや上海といった人口1,000万を超える大都市に引き寄せられ続けている。こうした人口シフトはこれら都市部の資源への圧力を益々高め、社員は健康を害する程の大気汚染に曝され、長くなった通勤時間で座りっぱなしの不活発なライフスタイルになる為に、安全で安心な生活条件を得る機会が限られてくる。 社員個々人の健康を重視する     成長経済はそれを形成する人々と同じだけの強さでしかない。伝統的にビジネスの成功は、利益、損失、顧客の獲得、月次販売高、そして何に対して価値が損失又は創出されているかを示すその他のデータで測られる。ビジネスの成功は、しかしながら、そのビジネスを担う社員の生産性と健康に直接影響される。 1人1人の社員の貢献がチームや部署全体の成功または失敗にかかわるのだ。各々が大事な存在となる。 ビジネスは、社員を見えない顔と肩書きの労働力の集団としてとらえる傾向から脱皮し、特定のスキルや個性、そして肉体的にも精神的にも固有の健康や幸福のニーズを持つ個人として見なければならない。多くの社員にとっては、単に健康食品をキッチンエリアに準備したり、社員に誕生日カードを贈る事が効果的な健康への取り組み又は心理的な活力を与えるものとはならないのである。 成長経済におけるビジネスは、個人として認められていると感じる社員を雇用して競争力を得る。全ての社員(と彼らが愛する人々)の健康や幸福な生活を送る為の面倒を見ることは、社員への尊敬の念を表す力強い手段である。社員のニーズと目的感にに合った福利厚生を提供することは周囲を取巻くプロフェッショナル・コミュニティとの絆と感謝の気持ちを強めることになる。実際に、そうした絆は孤立したビジネスや経済に限られるものではない。成長経済全般の高学歴の新しい世代の労働力は、デジタル技術への未曾有のアクセスと接続を武器にして、職場により高い水準を求めてくる。特に、健康面やより幸福な状態でいる為のより良いサービス、経済面のウェルネスプログラム、キャリア開発や教育のサポート、仕事上のリスク管理等、社員が抱える普遍的な心配事と職場への期待についての世界規模の話合いを先進国経済がリードしている。    ビジネスは、増加する消費者とクライアントの需要を満たす為に定期的に拡大するが、労働力を拡大する一方で、社員個人に健康的な就労環境を提供する基本的なサポート(例:社員が健康で生産性を上げるために必要な人間工学に基づく椅子、適切なモニター等、相応しい作業ステーション)を提供する事に対しては躊躇する場合が多い。不健康な職場等の問題は個人に配慮する事で容易に修復可能である。会社はこうした致命的な事柄に対応しなければならない。不健康な社員が生産性、効率と収益にもたらすマイナス影響を立証する十分な裏付けはある。2会社にとって、不健康な社員は、今いる社員へのリスクとなるばかりでなく、これから採用する人達やビジネスの将来のリーダーにも影響する。 第一印象は採用プロセスに影響する   今日、求職者は自分達が企業の面接を受ける前に企業の面接をしている。熱心な求職者は、面接に来る前に 既に企業のホームページで、グローバルのダイバーシティやインクルージョンの方針を含む企業のミッションステートメントや企業哲学などを学習し、CEOのブログを読み、企業の本社や支社における社員への福利厚生について分析を行っている。その中で、求職者は様々なオンラインのリソースを通して企業の評価や格付け、顧客や在職中・離職をした社員のフェイスブックなどを読んでいる可能性が高い。 スマートなビジネスであれば、有能なプロフェッショナルは状況認識に対して高い感受性があり、それに応じて準備をするということを知っている。求職者にプラスの第一印象を与える為に投資をしないビジネスは、求職者を失い、その人達の持つスキルや能力も競合他社に奪われることになる。会社が絶対に欲しい人材が、エレベーターを降りたところで不健康で疲れた社員が仕事をする様子を目の当たりにした時には、すぐに不安な気持ちに駆られるに違いない。そのビジネスの社員の健康状態は、ワークライフバランスと職場環境を疑う余地もなく直接反映するものであり、それだけでなく会社の福利厚生をも物語る。その会社の社員に過度なストレスや過重労働があり、社員に元気がないようであれば、有力候補者である人材は、その会社と握手をする前に候補企業リストからその会社を削除するであろう。「不健康」な社員が会社のブランドや採用時の印象に与える影響は、他の指標と比較して数値に表しにくいが、その重要度は決して低くない。今いる社員の姿が、今後社員となる人達の未来の「窓」になるのである。 現代の職場におけるバランスの再発見     成長経済の労働者と雇用者は、技術や現代のワークライフバランスのパラダイムにおける進化に順応する為に苦戦を強いられている。オンとオフの生活が分かれた状態で存在する時代は終わった。デジタル端末や通信技術により、いつどこで人が働くかという線引きが無くなってしまったのだ。その結果、上司や配偶者、子供たちや同僚、プライベートの時間と仕事の時間の間で、際限のない期待が混乱して融合することになった。今日、社員は、時間と場所に制限されない需要の渦の中に捕らえられてしまっている。 当然、社員はあらゆるところで肉体的にも精神的にもそのアンバランスに苦悩している。成長マーケットのビジネスリーダーは、社員をより健康に、幸せに、そしてもっと生産性をあげるための真の戦略を実施 している。 情報に精通した企業は、健康やバランスのとれたライフスタイルは就業時間外のみに追求される個人的な問題ではないと認識している。殆どの社員は多くの時間を仕事に費やす。会社は、そのように多くの時間が費やされる時に、健康を勝ち取る為の最も効果的なプログラムを提供するのである。マーサー中国が行った2016-2017の中国で最も健康な企業の調査の優勝者であるパーフェクトワールドなどの企業は、社員に画期的な社内ヘルスケアプログラムを用意している。プログラムの内容には、専属の看護師や医療サービスセンター(血液検査やその他の検査を実施する)の提供、ストレスを低減しウェルネスを上げる為の瞑想の時間の提供などが含まれる。健康な社員の未来は、健康的な活動が社員の就業スケジュールの中で重要な一部であるととらえる職場からスタートする。中南米では、3社のうち1社は既に社員にウェルビーイングプログラムを用意している。4 メキシコのアメリカン・エキスプレスには、社員のケアやリソースの支援を行う健康とウェルビーイングセンターがあり、ブラジルでは、シュナイダーエレクトリック等の企業のウェルネスプログラムやダイバーシティ&インクルージョンの尽力を顕彰している。 仕事とウェルネスの時代   今後は、効果を発揮する成長経済の労働力は、あらゆるレベルで健康を感じる社員を持つことになるであろう。欠勤が減り、ヘルスケア関連の出費が低減され、生産性レベルが向上することは、インハウスでウェルネスのリソースやプログラムを用意することへの明白な根拠となる。費用と効果の計算は簡単である。しかし、人の影響は計り知れない。社員への投資はビジネスの最も重要な投資であり、将来の社員はその会社が今いる社員のウェルビーングに投資をしているか否かが簡単にわかる。今いる社員の健康状態が、現代のトップクラスの人材に交渉決裂を選択させる要因にもなる。 デジタルトランスフォーメーションを直ちに受け入れる成長経済では特に技術が健康の未来を決める。現在、ブラジルでは、健康管理やサービスのデジタルソリューションを開発し始めた新興企業が200社もある。5 最新端末はコンスタントに心拍数、ストレスレベルやウェルネス全体をモニターする。社員も会社も、国境のない世界で働く社員に対して最適な作業環境とスケジュールを創出する為にリアルタイムのデータを駆使することが出来るようになる。より良い食事をし、もっと運動をして、脳を鍛えて心や想像力を刺激する事を奨励することは、トップクラスの人材を魅了し維持する上で、また会社の強力なブランド構築には決定的に重要である。腰の痛みや心の病、1分間当たりの心拍数が100以上である事を心配する必要のない将来を、企業は社員に提供しなければならない。   1 Healthy Workforce https://www.cdcfoundation.org/businesspulse/healthy-workforce-infographic 2 The Portion Of Health Care Costs Associated With Lifestyle ... https://journals.lww.com/joem/Abstract/2015/12000/The_Portion_of... 3 Who Are China's Healthiest Employers? – Thrive Global – Medium Yan Mei - https://medium.com/thrive-global/who-are-chinas-healthiest-employers-72af8c1215b0 4 Health Techs https://insights.liga.ventures/healthtechs/ 5 Health Techs https://insights.liga.ventures/healthtechs/

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