Kate Bravery

Kate Bravery

Partner & Global Practice Leader, Talent Business at Mercer

Kate has more than 20 years of experience in human capital consulting and helping organizations achieve a talent advantage through people. Bravery has expertise in people strategy, talent management, assessment/leadership development and HR process design. Kate is a UK Chartered Occupational Psychologist with an MBA and an MSc. in Organizational Psychology.

記事

ビジネスの継続性が中断された中での事業継続

目に見えないその他の脅威と同様、新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威は、個人、中小企業、大企業がこれまで長い間、問題にしてこなかった習慣の見直しを求めています。感染症の集団発生では私たちの決意とストレス耐性が試されます。この戦いを勝ち抜くのは、経済的に厳しい決断力と共感力のバランスに優れている人です。 人類の悲劇の最たるものであるパンデミックでは、絶え間ない警戒と迅速な対応が求められますが、その中で、私たちの仕事に対する考え方も表面化しています。リモートで仕事ができるのは誰か?その会議は本当に必要か?テレビ会議を有意義で、参加しやすく、生産的なものにするには、どうすればいいのか?テレワークを受け入れる準備はどの程度できているか?危機以前にも従業員の3人に1人が雇用の安定に不安を感じていると回答していたことが、マーサーの2020年グローバル人材動向調査のデータから明らかになっています。新型コロナウイルスの出現により、その不安が鎮まることはないでしょう。 そのため、組織がさまざまなシナリオに応じてビジネスの継続性を確保している間に、新しい働き方の実証を行うことが求められています。時代を先取りしている企業は、企業理念の中心に共感力を据えています。目まぐるしく進展する予測不能な世界で生き残るのは、共感と経済のバランスが必要です。つまり、これからの時代により良く、より明るい将来を築くことができるのは、COVID-19と景気後退のさなかで、人と生産性の数値のバランスを注意深く検討する企業であるということです。 今年度の人材トレンド調査では、企業がパンデミックに対応し、共感の原則を適用しながら今後の10年間で中心的な課題に取り組んでいくための手段を考察しています。 利害関係者へのコミットメント ビジネスリーダーの大多数(85%)が、株主第一主義を超えたところに組織の存在理由があると考えている今こそ、言動を一致させ、すべての利害関係者の心に共感して公平な意思決定を行うべきです。これにはサプライチェーンや企業依存型の経済への支援も含まれます。たとえば、マイクロソフトは多数の従業員が在宅勤務になったがために、給与の支払いが途絶える可能性のある非正規従業員(バスの運転手や社食カフェの店員など)に対して、通常の時給を支払うことを約束しています。 もう一つ大事なのは、安心感と信頼感を育むことです。信頼感は従業員が自分の成長を実感する重要な要素になります。2020年の調査では、将来のために自分を確実に育ててくれる会社で働きたいと思う有能な人材は7倍、どの仕事が変わるかが明確にわかる組織で働きたいと思う人は2倍いることがわかっています。会社が従業員を大事に思い、さまざまな状況への対策を講じていることを伝えるには、共通の目的を持つ強力なコミュニティを築き、ビジョンを共有することが不可欠です。 ストレス、燃え尽き、不安などの健康問題に雇用主がどのように対応するかは、責任や持続可能性に対する態度を特徴づけるものとなります。 人々が健康への不安を抱いている今こそ、福利厚生に対する組織としての取り組みを確認しましょう。安心感を与えるメッセージ、従業員の支援、精神衛生に関するアプリはいずれも日々の生活の中で活用されていくでしょう。また、福利厚生が適切であるかどうかも検討し直してみるといいでしょう。バーチャルヨガ教室やオンラインショッピングの割引などを望んでいる人も多いかもしれません。雇用主の68%が今後5年間でデジタルヘルスの分野に投資する可能性が高いことは良いニュースです。 このパンデミックが長期化していくと、福祉の本質が問われることになるでしょう。歴史的に見ても、エピデミックはうつ病や不安症の増加と関連しています。2020年以前でさえ、大多数の従業員が燃え尽き症候群のリスクを感じていると述べていました。従業員の配偶者は所得補償の対象になるか福利厚生は扶養家族も利用できるかどのようなファイナンシャルアドバイスが受けられるかたとえば、アウトドア用品の店REIでは有給休暇の規約を変更し、仕事を休んだり、家族の世話をしなければならない従業員の収入の補償や福利厚生の保障を行っています。これらはすべて明確に伝える必要があります。ストレス、燃え尽き、先行きへの不安といった精神面の健康問題に雇用主がどのように対応するかは、責任と持続可能性への態度にも現れます。雇用主が健康と福祉に配慮していることに従業員の61%が信頼していることからも、この態度は特に重要です。 スキルアップの促進 経営者たちは想定される経済の落ち込みに対応し、仕事の将来的な競争戦略の策定に乗り出しています。マクロ経済の景気後退が続いたとしても、企業はこれを戦略的パートナーシップ(40%)、流動性の高いタレントプールの活用(39%)、オートメーションへの投資(34%)など、新しいワークスタイルに拍車をかけるチャンスと見ています。念頭にあるのは、変動費や固定費をどのように管理するかなど、さまざまなシナリオや干渉の下での需要と供給のモデリングです。 現在加速しているオートメーションについては、当然ながら経営者や従業員はこれからのキャリアにどのような影響が及ぶかを検討しています。マーサーの調べによると、経営者側は今年度のROIをもたらす人材育成の課題としてスキルの再教育を上位に位置づけ、従業員側も新しいスキルやテクノロジーを学習する機会を最大の成功要因と考えています。私たちのこれまでの調べでは、従業員の学習を妨げていた最大の課題は時間不足でしたが、 今回の危機は再教育を進めるまたとない機会となるかもしれません。General AssemblyやedXといったプロバイダーはオンポイントコースを提供しているので、時間に余裕ができた従業員はオンライン学習を活用して新しい方向性を模索できます。ただし、組織内で学習のメリットを全面的に具体化するには、スキルの再教育によりどのような役職につけるのかを、従業員に明らかにしておかなければなりません。今後のキャリアについて従業員と明確な話し合いを持つことで、給与レベルに相当するスキルや部署内外の職種に求められる能力についても伝えることができます。自分の将来のキャリアパスについて十分な知識を与えられていると感じている人は、そうでない人と比べて再教育の機会を活用する確率が高く(83% vs 76%)、会社への定着率も高くなっています(54% vs 46%)。 知識の共有 過去5年において、人事部ではデータがバリューチェーンの上に押し上げられ、予測型アナリティクスが活用される場面が大幅に増えており、ワークフォースアナリティクスの成長と価値において大きな進展が見られました。やっとインサイトを得た組織は、アナリティクスによって大きな価値を引き出すことから重点を移し、マーケティングやアナリティクス機能に磨きをかけて人材管理の強化にシフトしています。 しかし組織が感染症の影響を調査するときに、適切な指標に基づいているでしょうか。今年度の調査では、53%の企業がエンゲージメント指標を管理しているものの、トレーニングの洞察(6%減)や燃え尽きリスク(25%減)には注意が払われなくなってきていることが示されています。デジタルワークの導入が進むと、マイニング可能なデータセットが増えるだけでなく、これまでの職場の成功モデルにも疑問が投げかけられます。 どのような指標が最も適切かを調べて、従業員と共有することで、新しいリモートワークの環境や集中できない環境での生産性インプットに関する洞察を得ることができます。多くの従業員は自分たちの働き方や福利厚生に関するインジケーターについて、有意義な発見やアドバイスを前向きに捉えるでしょう。 最終的にワークフォースサイエンスの分野でパワーを結集することで、ビジネスの今後の回復を見通す貴重な洞察が得られます。ワークフォース予測の鍵は、企業全体における実験のカルチャーです。人事部門は経営陣、経理部門、データサイエンティストと緊密に連携し、そのようなシナリオでの生産性と福利厚生に対するインパクトを軽減する方法を模索できます。 リモートワークの推進 新型コロナウイルスは多数の組織においてリモートワークの可能性を呼び覚まし、従業員体験に影響を及ぼしています。JPMorgan Chase、Twitter、Sonyをはじめとする多数の企業の欧州の事業所では、従業員に在宅勤務を要請しています。課題となっているのは、全職務をフレキシブルな働き方で行えるかどうかを評価している企業が全体の44%に過ぎないという点です。何が助けになるでしょうか?従業員たちはフレキシブルなワークスタイルを可能にする最も重要な要素として、柔軟な勤務形態をサポートする同僚、柔軟性を奨励する企業文化、勤務時間ではなく仕事の成果による業績管理を挙げています。状況に適切に対処するために何を変える必要があるのかを見極めるには、パイロットチームによるリモートワークをデザイン思考で試してみることが重要です。 それでもリモートワークでは、一体感、アクセシビリティ、感情的なサポートなどの理由により難しい問題が生じます。ソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)が求められる状況の中で、絆を保つ簡単なヒントを以下に示します。 リモートワークではインクルーシブな環境づくりを意識的に行う必要がある。チーム全員の意見を確実に聞けるように、期待や議題を事前に伝え、テレビ会議ではビデオを使うように勧め、コメントや質問をしてもらい、ハングアウトやチャットで話し合います。上級者には前もって説明し、発言を増やしたりチームへの声かけを働きかけてください。少人数でざっくばらんな雑談をして、堅苦しくない雰囲気を作りましょう。 リモート通話では会議のやり方を見直す必要がある。経験則として、会議時間の半分を1対1の会話に当てるといいでしょう。会議の前に概要を伝え、内気な人や発言の少ない人にも会議に参加しやすくするようにします。会議前の小さな準備や会議後のグループアクションを行うことで、一体感を作り出していくことができます。新しい決まりを作りましょう。 実用的なことだけでなく、感情的なことにも時間を取ってください。通話の初めと終わりの数分間で、みんながどんなことを感じているかを聞いてみましょう。簡単なアンケートの回答をチャット機能で入力すること(例:「今のお知らせについてどう思いますか?一言でお答えください」)などは、反応を見るのに最適です。対面しなくても引き続き上司とは電話で連絡できることを伝えます。特にリモートワークに慣れていない従業員は、新旧織り交ぜたテクノロジー(電話やテレビ会議サービス)を活用して個人的な関係を保ちます。コミュニケーションを電子メール(またはチャット)に限定しないでください。ボリュームを上手に管理しないと、圧倒されてしまう可能性があります。コミュニティサイトやプロジェクトボードを活用して、つながりを保つ最善の方法についてトレーニングしましょう。弊社の調べによると、従業員の22%は必要だった人間関係が一部失われたと考えているため、交流に温かさや、ささやかなユーモアをプラスする方策を探るのもいいでしょう。 COVID-19の対策であるソーシャルディスタンシングにおいては、当然ながら、多数の企業がデジタルワークエクスペリエンスを見直しています。経営者の47%は従業員のデジタルエクスペリエンスについて、またはその欠落によって活力が奪われること懸念しています。従業員の半数近くはデジタル転換に改善の余地があると考えています。現在、従業員の20%は人事プロセスが煩雑だと考えており、簡素化されつつあるが大いに改善の余地があると回答している人は29%いまます。長期的には会社のEVP(従業員の価値提案)を再検討し、テクノロジー対応の人事プロセスが現在どのような状態であり、機能的な作業ツールが大量リモートサービスにどのように対処しているかを厳しく調べることには価値があります。ServiceNowなどの仲介者、マーサーのモビリティ管理プラットフォーム、デジタル転職ソリューションが役立ちます。 気配りが生き残りの鍵となる 従業員は当然ながら家族や地域社会の人々の健康について不安をいだき、組織は当然ながら人々の健康を第一に考えています。これは、今年度におけるワークフォースの最大の関心事です。しかし、金融市場の急激な変動や雇用情勢への懸念は、人々の心に重くのしかかっています。企業側は、COVID-19のような予測不能な事象に耐えるのに十分な俊敏性があるか、この困難な時期を乗り切るのに十分な耐性があり、乗り切った後の需要を喚起するのに十分な革新性があるかどうかという点について検討を始めています。 私たちは今、大小さまざまな企業で新しいプラットフォームや新しいテクノロジーを導入し、以前と異なる方法で物事を行うことが求められ、新しい方法でお互いへの気配りをしている様子を目の当たりにしています。今回の脅威が終息した後、以前のやり方に戻ることはないでしょう。必要は発明の母です。私たちの働き方や暮らしは新しく生まれ変わろうとしています。上手く舵を取れば、明るい未来に導くことができるでしょう。

ビジネスの継続性が中断された中での事業継続

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