資産運用

グローバル化により金融サービス業界の形成が続いている。企業は事業の国際化を余儀なくされ、世界中にその影響の及ぶ範囲が拡大している。 世界金融危機後の時代、金融サービス業の殆どはその企業構造とグローバルフットプリントを綿密に検討している。最近では、ブリテックスや浮上する貿易戦争の影響で、金融サービス業は長年に渡り力と名声の上に築き上げられた業界を刷新する可能性のある非伝統的な場所に立地選定を検討している。金融ハブとして崇められてきたロンドン、ニューヨークシティーや東京は、歴史における名高い評判とストリート・クレディビリティはある。しかし、コスト意識が高く鋭敏で非集中的になっている世界にとっては、信じられないほど高価で過密な場所になる。 こうした傾向に拍車をかける重要な別の要素として、従来のビジネスモデルや金融業界におけるこれまでの顧客との関わり方の崩壊を約束するフィンテック(FinTech)業界の発展がある。フィンテックは、モバイルペイメントやP2Pの貸借取引の簡素化、株や暗号通貨への投資方法の現代化やその他のインターネットベースの金融取引を個人のスマートホンで実行するといった、大手銀行と顧客の関係に対して、先端のプラットフォームとアプリを通じて革命を起こす準備を整えている。特に、こうした業界の非集中化は新興経済国にとって前代未聞の成長のチャンスが訪れる。異なる州、国や文化のどこでどのように新しい存在感を確立するかの判断には、拡張したベンチャーのみならずブランドや企業の全てを予告なく壊滅できる決定的因子の複雑な絡み合わせを必要とする。 複雑な状況を理解するカギはその中心的要素を解体し、こうした要素がどうお互い関係し合い、成功または失敗を導くかをあらゆる角度で検討することである。金融サービス業において、効果的な立地選択には不動産や国際税法、そして環境技術やサプライチェーンのロジスティックスと全てに至る専門知識と適格性の多様な陣列を提供する結合力のあるチームを必要とする。このレベルの知的洗練の操縦には並外れた努力を必要とする。金融サービス業がその課題を回避できなければブランドにとっては恒久的なダメージとなるコスト高な経費を回避する為の立地選択における7つの課題を次に示す。 1. 文化的相違:異文化コミュニケーションは、異なる人々が同一の相互交流を経験するが、その経験から全く異なる感想と結論を持ち去る為、様々な目に見えない予期せぬ挑戦が余儀なくされる。立地選択は現地の事業許認可の規定や規制、建設やユティリティの問題、その他労働法、政治的問題や財務プロトコルといった文化的にデリケートな課題といった込み入ったトピックについて徹底した話合いを必要とする。立地選択チームのメンバーは全員が選ばれた地域の言語に堪能でその文化に長けていなければならない。 2. 要件定義の不足:立地選択はそれぞれが特有で、独自の挑戦課題や障害がある。金融サービス業は足場の拡大と株主に好印象を与えることに熱を上げ、重要な詳細を頻繁に見過ごすことがある。スマートな立地選択チームは、場所の発見から最終的な交渉に至るまで、そのプロセスにおいて終始要件が明確に定義され優先順位がつけられていることが保証されるよう内在のチェックアンドバランスに依存する。同時に、各立地評価で確認が必要な決定的要件範囲の遵守において、複数の立地を検討はチームを支援する。もしも、最初の要件で明確な定義や描出がされない場合、プロジェクト全体が危険にさらされることになる。 3. 透明性の欠如:立地選択にはそれが常に生産的方法で一致し繋がるとは限らない眩暈がするほどの数の人、意見そして専門的な洞察が関与する。コミュニケーションの崩壊はプロセスの全ての段階に影響し、その是正には予算のない時間とお金を必要とするコスト高という過ちの結末を招く。立地選択チームは、全ての基準に客観的な事実とデータに基づき評価される計画書が用意されている事の確認が必要となる。人は誰しもが誤りを免れない。よって、立地選択チームは、データソースの完全性と透明性、リサーチの手順と普及と情報分析を保護する厳しいガイドラインに従わなければなない。 4. 不完全な調査:立地選択は広範囲のステークホルダーに影響し、各ステークホルダーから慎重に意見を聞く必要がある。リサーチが不完全になる場合の多くは「全て」のステークホルダーの完全な関与を募ることが出来なかった結果で、誰の目にも明らかという理由だけではない。受入国や地方自治体及びその規制当局の意思決定者と住民に加えて、立地選択チームは近隣の地方自治体、労働及び経済開発機関、そしてその他の関連のコミュニティ、政治又は業界団体などを考慮しなければならない。こうしたステークホルダーの優先順位に早期に対処することが立地選択を成功させるカギとなる。 5. オペレーション全体への影響の理解:立地選択は資源集約的な努力である。企業にとって立地選択のプロセスが既存の優先順位や事業に与える全体の影響を過小評価することは容易い。人的資本、技術又はその他の資産の小規模のリロケーションであっても、重要なルーチンや関係を中断させる形で企業やその外部パートナーに反響が及ぶ。立地選択のプロセスを開始する前に、企業は立地選択の手順により最も影響を受ける人とプロセスを特定する為のストレス試験を実施すべきである。 6. 不適切な見落とし:効果的なリーダーシップは立地選択プロジェクトを成功させるカギである。立地選択の意思決定に多くの団体や個人が貢献するようになると、ワークフローサイロ、データの断片化、業績基準(パフォーマンスベンチマーク)に影響を受けやすいオペレーションになってしまう。立地選択チームは要件の定義、コミュニティの評価、租税/不動産分析と最終的な立地買収に至るまで各レベルに対する責任をもつエンティティを持つ必要がある。その後の協議と決断の堕落からデータ又はプロセスの崩壊を防ぐ為に、監視メカニズムは一番最初から実施されなくてはならない。 7. ブランドの品格:金融サービス業のグローバルフットプリントを増やす為の業務拡大は非常に公的で、コスト高の注目を浴びる追求である。立地選択の失敗のニュースはすぐに業界中そして世界に広がる。金融サービス会社で「それにしくじる」会社はそのブランドアイデンティティにとって壊滅的なダメージに苦しみ、無能で経営のお粗末な意思決定を誤った会社と受け取られるようになる。立地選択チームはメディアと共に立地選択の効果と利益に関する語り口を導くことを行うべきである。「それにうまくいく」会社はブランドを競合他社よりも高い位置に押し上げ、良く練り上げられた立地選択のオペレーションの上に将来のビジネスと利益を築くことができる。   最後に、金融サービス会社は立地選択の各プロジェクトには柔軟性、先見性そして学習意欲を必要とする非凡な努力を要することを覚えておく必要がある。同じ戦略、一般的な同じ質問は失敗への温床となるだけである。一方で、偏見のないダイナミックな包括的戦略は課題を早期に特定し、現実的なソリューションを可能とし、プロセス全体を最適化する。状況認識はチームの全メンバーから常時観察されなければいけない。結局のところ、立地選択の成功は、人が場所に優先する立地選択と言える。

マリオ・フェラーロ | 15 11 2018
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