変革

AIとオートメーションは、人の働き方を含め、常に私たちの世界を変えています。たとえば、1962年当時のNASA宇宙計画について考えてみましょう。「ドリーム」という映画(原題と小説のタイトルはHidden Figures)で有名になった主人公キャサリン・ジョンソンは、NASA のコンピューター計算を手作業でチェックし、初の軌道上の宇宙飛行を実現しました。 そしてそのわずか数年後には、頭を使って計算する代わりに電卓やコンピューターが使われるようになっていきます。現在、AIのテクノロジーが急速に進展しているため、オートメーションの進歩は脅威に感じられます。フォーブスAI指数によると、ベンチャーキャピタルのAIに対する年間投資額は、2000年の6倍に達しています。1 AIの能力における長足の進歩は、仕事を行う方法についての私たちの前提条件を根底から覆すかもしれませんが、実際に行われているのは連続性のある開発です。これを理解し、活用することは、グローバル経済というレベルでも、また私たちすべてがどのように生計を立てていくかという個人的なレベルにおいても重要といえます。 創意工夫が必要   ロボットは工場、農場、ファーストフード店での作業など、低レベルの日常業務を簡単に代替できますが、金融、保険、法律、会計などの分野で働くホワイトカラーの仕事さえも自動化できることを示す新しい指標がほぼ毎日出現しています。 単に肉体労働や機械的な作業を模倣できるだけでなく、人間の創造性、関係性、そして知能についても、AIでしかもコスト効率の高い規模で疑似的に作り出せる場合、平均的な人間の労働者はどのようににしてそれと競えるでしょうか。 会社の規模がどうあれ経営者は、心の知能指数、対人スキル、判断力、そして天賦の才能といった、仕事の人間的要素が会社に必要なのかどうか、自分に大きな質問を投げ掛けるべきです。 最も効果的なツールを活用しながら、人間の重要な側面をどのように保持するか、調べる必要があります。 今後15年間でピークに達すると思われる人々の混乱に備えて、組織では仕事の成功に求められる特性について理解しておく必要があります。 経営者は、人工知能が人間の生産性、創造性、そして知性に追いつき、追い越している分野を含め、さまざまな未来の仕事のシナリオについて予想することが求められています。自動化は避けられませんが、結果は幾通りも考えられます。今日の経営者はどのような淘汰が行われるのか推測するのではなく、不確かな未来に備えて組織と従業員を備えさせることができます。 そのためには、どのようなスキルや能力は維持し、どのようなスキルや能力は自動化できるか、ということについて独創的な考え方をする必要があります。世界では、その両方とも最大限に活用しようという意欲が増していることが観察されています。想像力を働かせて未来について新しいことを考え始めるにあたり、まずは将来考えられる4つのシナリオについて検討しましょう。 天才との格差   AIの脅威についての一つの意見として、富と仕事の格差を引き起こすだけでなく、天才を生み出す状況が存在しなくなることで、天才との格差を生み出す可能性があるということがあります。 ロボットが人間の仕事の大部分を引き継いでしまうと、将来、人間の潜在能力が実現されないままになってしまうという状況に直面するかもしれません。テクノロジーへの依存度が高まると、多くの人々が学習や労働への意欲を失うため、結果として、人間の知性の開花や繁栄を妨げることになります。 備えるべき仕事がなければ、子供たちにはもはや以前と同様の教育を受けさせることはできません。 AI革命により、自然の環境から天才が生み出されるのではなく、最先端のAIにアクセスできる人だけが天才になれるようにすることで、他の人は置き去りにされる可能性があります。 友人となる協働ロボット   複雑な体系や事実を含む価値の高い知識労働の分野では、AIは人間が制御したり、理解したりすることができないスピードで成長すると思われます。それにより、共存ではなく代替のリスクが生じます。人為的ミスや疲労が起きやすい手作業や肉体労働を自動化する場合とは状況が異なります。ホワイトカラー労働の自動化はもっと微妙です。ミスや労働時間の削減、意思決定からの感情的な偏見の排除、規模と複雑さの増加などを踏まえた効率化が求められます。 AIやロボットと共に知識労働者が快適に仕事ができるようにしなければなりません。将来ビジョンの1つには、人間のオペレーターや同僚とチームを組むロボット、協働ロボット(Co-bot)が含まれるでしょう。協働ロボットは、人間と人工知能の多種多様な組み合わせで構成されるチームにおける職場関係の新たな要素となります。 2020年代の多様性の受け入れAIにより、多様性やチームについての新しい考え方が要求されます。多様性に富むチームが意思決定を向上させ、業績を向上させます。これには、「認知の多様性」、つまり問題解決や情報処理スタイルの違いが含まれます。 明らかなこととして、チームの認知の多様性にAI搭載ロボットを含めることが次のステップとなります。問題解決スタイルは実行されるコードとトレーニングされるデータセットによって登録され、決定されます。行き当たりばったりで気まぐれな人間のチームメンバーに対する完璧な対抗勢力となります。 チームを最適化することは、創造的な人間と体系的なAIのマインドの強力な組み合わせをデザインし、仕事の様々な要素に適用していくことを意味するようになるでしょう。 新しいHRの仕事   HRの役割は、職場のオートメーションの高度化に伴い進化しなければなりません。人間とAIの労働者を労働力として同様に扱い、HRはタスクごとに最適な作業者を配置することが求められます。 そのためにはロボットのパワーと適性、そしておそらくもっと重要なこととして、ロボットの限界を理解することが必要になります。人材スキルを適切なタスクに対して配置することがHRの重要なスキルになります。 HRの業務の中心がデータ管理や分析機能に移るにつれて、HRリーダーは従業員、採用候補者、請負業者、および顧客から取得した個人データの倫理についても考慮する必要があります。 ビジネスの未来に大きな影響を与えるデジタルツールやスマートワークツールは、ユーザーに関する多数の情報を収集する傾向があります。結果として、HRは個人情報と人間のプライバシーの保護者としてより重い責任を担うことになります。 経営者は想定されるこれら将来のシナリオを考慮することによって、依存の度合いを強めるAIやオートメーションに対して組織や従業員を備えさせる戦略を立て始めることができるでしょう。 出典: Columbus, Louis. "10 Charts That Will Change Your Perspective on Artificial Intelligence's Growth." Forbes. Jan. 12, 2018. https://www.forbes.com/sites/louiscolumbus/2018/01/12/10-charts-that-will-change-your-perspective-on-artificial-intelligences-growth/#2314726a4758.  

イヴォンヌ・ソンシーノ | 08 8 2019
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